TS少女(25)は今日も魔法少女の業務をこなす 作:雷雷帝王
アプリだけの知識ですのであまり期待しないでください。
「……圧縮納品、形式
今日の分の仕事を終わらせてそのまま会社に戻り、いつも通り報告する。単純な業務を今日もするはずだった
「えっ……倒産…ですか」
「あぁ、誰かが会社の金を結構使い込んでいたらしい。しかもそのことを知った社長が残りの資産を持ってトンズラしちまった」
え、えぇー……横領からの社長トンズラとか両方起きる事ってあるんだ。てかその会社に就職してるオレは……?
「あの、社員ってどうなるんですか」
「分からん……だが、この会社唯一の魔法少女として頑張ってきていた君にはなんとか私の知り合いが大手の会社に就職している。その知り合いに頼んで君を採用を出来る様にお願いしておこう」
「えっ…そんな、悪いですよ」
「いや、いいんだ。路頭に迷う君を見たくないんだ、君はまだ若い、再就職さえすれば何とかなるはずだ」
「部長……分かりました、ではどこの会社に行けばいいんでしょうか?」
「こんなおっさんのお節介を受けてくれるのか、ありがとう。私の知り合いはミヤコ堂で仕事をしている、魔法少女の君の成績は優秀だ、すぐに採用されるだろう」
ミヤコ堂の魔法少女ってたしか、めっちゃ可愛いコスチュームじゃなかったっけ。……あのコスチュームを見る分には好きだけど、着るとなると抵抗あるなぁ
TS転生して25年、未だにスカートとか女の子女の子してる衣装を身に纏うのは苦手だなぁ。……部長には悪いけど蹴るかぁ……
「部長、ありがとうございます。その誠意に応えられるよう頑張ります」
「いや、いいんだ。あと、君が作った魔道具は全て君に渡す」
「えっ、いいんですか」
「あぁ、アレらは全て君が作った魔道具だ。潰れる会社に置いとくより君が使ってくれ。だが、ホーキは元々会社のものだったから渡せないがな」
「いえいえ、十分ですよ」
それはありがたいな、また作るのは面倒だしそれに愛着も湧いてたから助かるな。けど、変身出来なきゃただのガラクタだし早く再就職先、探さなきゃなぁ……
なんてことを考えながら今日は退勤するのだった
そして、しばらくして会社は潰れてオレは職を無くした。部長が言っていたミヤコ堂の知り合いの人が来たが適当な理由をつけて辞退しといた
これで本当に職をなくしたオレは魔道具を定期的にメンテしながら魔法少女で稼いだ莫大な貯金でほぼ引きこもり生活を数ヶ月送っていた
「どうすっかなぁ……」
オレは魔道具を弄りながら再就職先を探していた。ミヤコ堂のやつ、やっぱり恥ずかいだけで蹴るのは不味ったなぁ……よくよく考えればコスチュームをオーダーメードしてもらえばよかっただけの話か。……いやでも、そんな贅沢出来るはずないか
はぁ~、どうするか……悩んでも仕方ないしまたどっかのベンチャー企業に就職しよっかなぁ……
「……よし!メンテも一通り片付いたし、どっか良さげな所探すか」
オレはそう思い魔道具をリュックに詰めて雇ってくれる企業を探しに久方ぶりに外に出たのだった
オレは今、人生最大のピンチを味わっていた。外の寒さを侮っていた……!スーツってこんなに生地薄かったっけ!やべぇーこれじゃ雇ってもらうどころじゃないっ!このままだと凍え死ぬ可能性が出てきた……!
なんてことを考えながらベンチに座っていたら左の方から缶コーヒーが渡された、そしてそのまま上を見ると黒色の長い髪を縛った目の死んだ黒スーツを着たおっさんがいた。おっさんはそのまま隣に座り缶コーヒーを飲み始めた
「あっ、どうも……」
「いや、寒そうに見えたから渡しただけだ」
「……いやー面目無いですね。私の働いていた会社が潰れたので、何処かのベンチャー企業に雇ってもらおうと近くの企業を探していたのですが、この時期は思ったより寒くて就活生は凄いですね。スーツで駆け回って、歳を感じますよ」
「……そのリュックは?」
「あぁ、これですか。これは前の会社で私が作った魔道具です」
オレはそう言ってリュックの中にある銃型の魔法具を取り出しプレゼン風に説明した
「この銃型の魔道具は弾丸も魔道具になっていて怪異に常にゼロ距離で魔法を放てるんです。しかも銃自体も魔道具なので銃からも魔法を使えます」
「ふむ……」
「まぁ、切り替えのタイミングが難しいらしくて私しか使えなかったんですけどね」
「!君は魔法少女だったのか」
「えっ、あぁ、はい、そうですよ。まぁ、今は元ですけどね。それに次に就職出来たら魔法少女はあんまりやるつもりはないですけどね」
「……それはどうしてだ」
「いやー、会社を辞めてから引きこもっていたらすっかり癖になってしまって、外にあまり出たくなくなってしまったんですよ。だから、事務とかの仕事をやりながら緊急時に魔法少女として駆け付こうかなって思ったんですよ」
「成る程、つまりは臨時の魔法少女としてやっていくと」
「まぁ、そう言うことですね。けど、こんな条件で雇ってくれる企業があるといいんですけどね」
なんてことをおっさんに愚痴っていると、途中からおっさんは何かを考えてる様子だった。そしておもむろに立ち上がりオレの目の前に立った
「……君、俺達の会社に入らないか?」
「会社?……貴方、社長だったりします?」
「あぁ、株式会社マジルミエ、社長の
目の前のおっさん…いや重本さんはそう言って手を伸ばしてきた。……マジルミエ、聞かない名前の会社だな。まず大手では無い、しかもオレの話を聞いて雇ってくるってことは相当変な会社だろうな。……でも、金が無くなったら不味いしな……1回大手のこと蹴ってるし、なりふり構ってられないよな。
それにこの人、死んだ目の中にもの凄く熱いものを情熱を感じる。オレはそれが気に入った
「……私でよろしければ、これからよろしくお願いししますね。重本社長」
「あぁ、こちらこそよろしく頼む。……まだ名前を聞いていなかったな」
「私の…いや、オレの名前は
「そっちが素なのか、まぁいい。詳しいことは我が社に来てから話そう」
「了解、あとコスチュームのオーダーって出来ますか?」
「?あぁ、構わないぞ」
そして、オレは株式会社マジルミエに再就職するのだった
蕾坂レイ…白髪が腰まである目隠れ赤目の25歳、零細企業が潰れて引きこもり生活を悠々自適にしていたが流石に再就職をしなきゃ不味いと考えて外に出たがあまりの寒さにその気力が無くなった人。たまたま重本社長に拾われて再就職先が決まった