TS少女(25)は今日も魔法少女の業務をこなす   作:雷雷帝王

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 前後編と言いましたが前中後編になりました!ごめんなさい!


TS少女は新米魔法少女の先輩になる(2)

 

 桜木(さくらぎ)さんの疑問に翠川(みどりかわ)さんが答えた

 

「桜木さん、ここはベンチャーだ。大企業みたいに一年かけて新人を教育できる訳じゃない。その代わり、どんな新人でもすぐプロになる。君も、望めば今日から魔法少女なんだよ」

「プロ…」

「で、これが…」

 

 おっ、少し入社に前向きなった感じかな?なんて考えていたら翠川さんが大量の参考書をデスクに置いた

 

「ホーキの参考書ね」

「さん…?」

「ホーキはツールだから使い方を知らないと乗れません」

「ああいうのって初見で乗れるもんじゃ…」

「残念ながら、仕事はファンタジーじゃ…「何?それ」」

「は?参考書を知らない。新米魔法少女は必須のアイテムだぞ……」

「へー私こんなん読んだ覚えないけど、初見で乗れんじゃん」

越谷(こしがや)さん…」

「折角だしさ、今チャっと教えたげよか」

 

 越谷さんが桜木さんに向かって得意気に言った

 

 

 

▼△▼△▼△▼

 

 

 

 あれから越谷さんが桜木さんを連れて屋外練習に外に出てから10分くらいが経った。

 翠川さんも今は営業に出ていてオフィスにはオレ1人だけになっていた

 

「桜木さん、大丈夫かなぁ」

 

 オレはその言葉と共にため息が静かなオフィスに響いた。完全感覚派の越谷さんと記録を見る限りだと桜木さんは絶対オレと同じ参考書を読み漁ってからのタイプの筈だからなぁ。

 

「心配だなぁ……」

 

 オレはホーキ乗るのに3日掛かったっけな。だから魔法少女初日とその翌日は走って現場に向かったな〜もう5年前かぁ。新卒してからすぐに入って成り行きで魔法少女になって、そんで5年後会社が潰れてマジルミエに入って…懐かしいな〜

 なんて事を考えていたら越谷さんと桜木さんがエコバッグを持って帰って来た

 

「越谷さん、桜木さん、お帰りなさい」

「レイちーたッだいまァー」

「た、ただいま戻りました」

 

 越谷さんはデスクにエコバッグに入っていた大量のホーキの参考書をばら撒いた。するとその音が聞こえたのか社長が管制室から出てきた

 

「どうした探し物か?」

「あー社長ちゃん。いや、カナちゃんがホーキの勉強したいって、場所いいすか?」

「いいがうちにこんな本あったか?」

「ああ、カナちゃんの希望で買い足したんすわ。あとで経費精算するんで」

「ほう…」

 

 社長が感心していると桜木さんは早速参考書を読み漁り始めた

 

 

 

▼△▼△▼△▼

 

 

 

 あれから夕方にまで桜木さんは参考書を見ながらノートにまとめていた。

 すると、翠川さんが焦った様子でオフィスに入ってきた

 

「社長いる!?」

「翠川、どしたの?」

「仕事が入ってるんだ!今日の夕方…見てこれ!」

 

 翠川さんはそう言いながらスマホをオレ達に見せた。オレ達はスマホを覗き込むとそこには…

 

「退治案件、16時半から越谷·桜木!」

「退治案件って…何ですか?」

「通常業務だよ。楽勝なやつ」

「……越谷さん、その説明はどうかと」

「小規模の怪異が発生してる場所に退治に行く仕事だよ。この前みたいな突発的な怪異より危険度は低い……が、新人に任せるには早いと言うか…」

 

 翠川さんが桜木さんに分かりやすく退治案件について説明してると突然聞き慣れた声が聞こえた

 

「その仕事は俺が入れた」

「!!」

「社長!!」

「む、無理です!ご迷惑になります!私まだ…ホーキも満足に乗れませんし…」

 

 桜木さんが自信無さげに言っていると越谷さんが桜木さんの肩に手を置いた

 

「カナちゃん、心配ねえべ。ホーキなんて楽勝だから」

 

 ……は?なんだ…今の、越谷さんは励ましに言ったのだろうか……だとしたら何の励みにもならない言葉代表だぞ!

 ほら、桜木さんの顔がえぇーって感じの顔になっちゃってるじゃん!

 すると社長が何の意図があってか分からないが桜木さんに話しかけた。

 

「桜木。今日、越谷を助けてくれた時の記録を見た」

「え…?」

「あの魔道具は業界でも新しく、うちも初めて使うものだった。それでも君はすぐに使いこなしたな」

「あ…それは…」

「緊急時の冷静な観察力、報告と提言、そして積極的な対応。あの時に君がやったことは普通にできる事ではない。気づいていないかもしれないが、君はとても優秀だ。──それでも不安があるなら無理に依頼はしない、君が決めていい」

「……やります。…よろしくお願いします」

 

 桜木さんは社長の言葉を聞き、依頼を受ける決心をした

 

「ありがとう。……そうとなれば変身用意だ!二子山(にこやま)!」

「今変身って聞こえましたけど!?!?!?」

 

 社長さんが二子山さんを呼んだら食い気味に二子山さんが入ってきた

 ……変身の時の二子山さん、めっちゃ怖いんだよなぁ。桜木さん、初対面の印象もあって大丈夫かなあ……

 なんて考えてたら二子山さんは桜木さんに凄い速さで近づき、肩を掴んだ

 ああ〜あ、案の定桜木さんめっちゃ怖がってんじゃん……

 

「社長!?新人また入るんですか!?」

「そうだ!も────好きにしろ!!めっっっちゃ可愛くしろ!!」

「うわァァァあァァァァ」

 

 社長の言葉を聞いた二子山さんは声を上げながら泣き始めた。桜木さんは二子山さんに肩を掴まれながら越谷さんの説明を聞いていた

 二子山さんは越谷さんの説明を終わったぐらいに落ち着きを少し取り戻したのか言葉を紡いだ

 

「待った…待ってました…新しい魔法少女が入るのを…新しい変身エフェクトを試すのを…!!」

 

 オレの時はコスチュームを指定しまくったからなぁ。好きに出来るのがめっちゃ嬉しいんだろうなぁ

 ……それはそうとめっちゃ怖いけどな

 

「新人さん!!肌の色はサマー系ですね」

「えっあ」

「身長は大体153くらい?」

「は…はい」

「靴はまあ23.5ってとこかな」

「はぁ…」

 

 ……キモ

 

「見えた!今期イチかわいい!!」

「わー出たー!」

「ニコちゃんはよ」

「即変身プログラム組みます!!」

「秒だ秒!」

 

 はっ!思わずストレートな思いが心の中に出てきてしまった。けど、さっきのはキモすぎるなぁ

 なんてことを考えていたら二子山さんは速攻で桜木さんの変身アイテムを作り終えて桜木さんに渡し、変身の仕方を説明した。

 桜木さんは社員証を両手で持ち、変身への合言葉を叫んだ





 蕾坂レイ…思わず心の中で二子山さんの観察眼にキモって思った人。実は桜木さんの初変身にワクワクしてる
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