本日3話投稿
3話目
念には『四大行』というものがある。
いわゆる『纏』『練』『絶』『発』の四つである。
『纏』はオーラを纏っている状態。
これだけで常人よりも遥かに防御力が増し、身体能力が数倍、数十倍に跳ね上がる。
慣れれば寝ながらでも維持できる。
つまり、これが念能力者のデフォルトだ。
『練』は『纏』よりも遥かに多いオーラを纏っている状態だ。
可能な限り多くのオーラで体表を覆い尽くし、より高い防御力と攻撃力を兼ね備えた状態。
戦闘時の念能力者は常時この状態となることを目標にしたいが、疎かにしている者もいる。その場合は修行不足という他なく、実戦では相当な不利を強いられる。そのため優先度は極めて高い。
戦闘中はオーラの消費量が跳ね上がるため、最低でも30分はこの状態を維持したい。理想を言えば3時間以上だ。
『絶』は今までとは逆に、オーラの全てが途絶えた状態だ。
僅かなオーラすらも体表に漏らさず、身体の内に収めることで、驚くほどの隠密性を保持できる。
尾行など気配を断ちたい時に使用されることが多いが、戦闘中であっても使い方によっては不意打ちに利用できるため、瞬時に『絶』の状態に入ることが出来れば戦術の幅が広がる。危機的状況からの生還率に直結することもままある。
そして最も重要な役割が、最も攻撃力のある応用技に不可欠な技術であることだ。追々必ず必要になるため疎かにしてはいけない。
副次的な効果として、オーラを体内に納めることでオーラ回復速度、体力回復速度の促進も期待できる。
『発』は大きく分けて二段階にある。
一つ目は水見式。
水を入れたコップの上に葉っぱを浮かべる。そして『練』を行なってコップをオーラで覆うと、その人物の性質に合わせた変化が見られる。これが水見式で、この結果に応じて、六種類の系統に別れる。
系統図は『強化系』『変化系』『具現化系』『特質系』『操作系』『放出系』の六つに分かれている。
これを理解しているのと、理解していないのとでは、雲泥の違いがある。この後の念能力に大きく関わってくるからだ。
2つ目は念能力の作成。
水見式で把握できた結果から、自分が六種類の系統図のうちどれに属しているのか知ることで、自分に合った念能力を作成することが可能となる。
これが合っていないと凄まじく無駄な労力を支払うことになってしまい、結果的に戦闘で大幅な遅れを取る。
自分の系統、そして性質を知ることで、自分に合っていると確信する念能力を作成する事こそが、結果的に強さに繋がる。
「──頭で考えた強そうな念能力を避けた方がいい理由はそれです。念とは要するに念力です。心の持ちようは念能力に大きく関わってくる。だからこそ邪念を払いのけ、自分自身の本質に合った念能力を作らねばなりません」
本能的に作られた念能力は強力でピーキーな傾向にある。
転移者である僕だけが作ることのできる『
僕にしか出来ない──、つまりは自分に合っているという確信が念能力の性能を引き上げる。カストロさんも、出来るならそんな念能力を作るべきだ。
「まだ念能力は作ってないですよね?」
「……」
スッと視線を逸らしたカストロさんに、僕は思わず顔を覆った。
お、遅かったかあ〜!!
続きは明日18時に更新予定です。