ポケモン学校の一角で、一匹のブースターがズバット、グライガー、オンバーンに囲まれていた。三匹のポケモンはブースターにトドメを刺そうと向かってくる。
しかしブースターは飛び上がると、口から炎を発射した。
襲いかかろうとしていた三匹は炎に巻かれ、そのまま戦闘不能となり床に落ちた。
「ブーッ!」
ブースターは着地をした。
*
そことは別の一角に佇んでいたのは一匹のネイティオだった。そんなネイティオに向かってサンドパン、コドラ、ラッタが向かっていく。
しかしネイティオは両目を光らせ、三匹の相手をサイコキネシスで空中に浮遊させた。そして翼を振り、三匹を後方に向かって飛ばす。
「ティオ……」
ネイティオはそっと翼をたたんだ。
*
Kは周囲の様子を確認すると、ハイパーボールをふたつ取り出した。
「決めたよ……僕のポケモン」
「させない!」
ミナトは叫ぶ。
「クチートっ!」
「クトーッ!」
クチートはKに向かって跳躍した。
「マニューラ! 邪魔をさせるな!」
Kが命じる。
マニューラはシャドーボールを放った。
「クチート! アイアンヘッド!」
「クチ!」
クチートの大顎が銀色に発光し、シャドーボールとぶつかり合う。二匹の攻撃は相殺し、クチートは後退して着地をした。
「クチ……」
クチートはマニューラと睨み合う。
「マニューラ、そこで時間を稼いでおけ、僕は新しいポケモンを捕まえる……」
だがそこでサクヤがモンスターボールを取り出した。
「させるか! 行け! サンダースっ!」
モンスターボールから銀色の光がほとばしり、サンダースが飛び出してきた。
「サンダァスッ!」
サンダースは鳴き声をあげると、マニューラに向かっていく。
「マニューラ! シャドークロー!」
マニューラは爪に漆黒の闇をまとわせ、サンダースに向かっていく。
「ダースッ!」
「サンダース、かみなりのキバ!」
サンダースは口の牙に電撃をまとわせてマニューラの爪とぶつけ合わせた。
「クチート! 今のうちにKのハイパーボールを!」
ミナトが指示を出す。
「クト!」
クチートは空中に飛び上がると、Kに向かっていった。
しかしKはニヤリと笑った。
「がら空きになったと……思ったか?」
Kは腕輪型のアイテムをかざした。するとそこから電撃がほとばしり、クチートを攻撃する。
「クトォォォッ!」
クチートは電撃を受けて床に落下した。
「クチート!」
ミナトが手を伸ばす。
「今だ! 行け! ハイパーボール!」
Kはハイパーボールを投げた。ハイパーボールが向かった先は、ブースターとネイティオだった。
ハイパーボールは二匹のポケモンにぶつかり、そしてその身体をボール内に吸い込む。
ボールは床の上に落下し、揺れ始める。
やがて、ボールの揺れは止まり、星が弾けた。
「何……!」
サクヤは目を見開いた。
「ブースターとネイティオ、ゲットだ」
Kはそう言うと、身軽な動きでふたつのボールの落ちた地点に移動し、そしてボールを回収した。
サンダースとマニューラは戦いを続けている。
「ク……クチ……」
クチートは未だ身体に電流を少し残しながらも立ち上がった。
「ブースター、ネイティオ。君たちの力……見させてもらおうかな」
Kはハイパーボールを投げた。
そこからブースターとネイティオが現れる。
「マニューラ、ブースター、ネイティオ! 徹底的に破壊するんだ!」
「マニュ……!」
「ブーッ!」
「ティオ!」
三匹は並び立った。
それに向かい合うようにして、クチートとサンダースも並び立つ。
「チートッ!」
「ダースッ!」
ミナトは新しいモンスターボールを取り出した。
「ニューラ、二匹を援護してあげて!」
「ニューラッ!」
ミナトのモンスターボールからニューラが出てくる。
戦いが開始された。
サンダースとブースターがぶつかり合う。クチートとネイティオがぶつかり合う。そしてニューラとマニューラもぶつかり合った。
サンダースはかみなりのキバ、そしてブースターはほのおのキバを使い、お互いに噛みつきあった。
クチートは大顎からはかいこうせんを放った。
だがネイティオはそれをかわすと、サイコキネシスで周囲に落下していた檻の破片を浮かび上がらせ、クチートにぶつけた。
クチートはアイアンヘッドを使い、その破片を弾く。
ニューラは、自身の進化後の姿であるマニューラと対峙して、少し萎縮している様子だった。しかし、覚悟を決めて、両手の爪を発光させ、メタルクローを放った。
しかしマニューラのシャドークローがニューラの身体を襲い、ニューラは後方に跳ね飛ばされる。
ニューラの身体は檻の鉄格子に叩きつけられた。
さらにニューラに向かって、マニューラのシャドーボールが襲いかかった。
ネイティオはクチートに向かって、翼を羽ばたかせ、空気のカッター、エアスラッシュを放った。
クチートはそれをかわすと、大顎を振るい、きらきらと輝く風、ようせいのかぜを放つ。エアスラッシュとようせいのかぜはお互いにぶつかり合い、相殺した。
ニューラの身体に、マニューラの銀色に輝かせた爪が炸裂した。
「ニュッ!」
ニューラはその、マニューラのどくづき攻撃を受けてミナトのすぐ側に落下した。
「ニューラ!」
ミナトはニューラを助け起こす。
マニューラはKのすぐ傍に立った。
「どうした、マニューラ。あまりにも手応えがなさすぎて飽きたのか?」
Kはクチートと戦うネイティオ、サンダースと戦うブースターに目を向けた。
「そうだなぁ、確かに僕たちの力はもう十分に示せたかもしれない。ブースター、ネイティオ、行こう」
ブースターとネイティオは戦いをやめてKのすぐ側へと移動した。
「逃げるのか!」
サクヤが言った。
クチートとサンダースはKを見上げ、睨みつける。
「逃げる? その言葉は周りを見てから言ってほしいな」
ミナト、サクヤ、ミヤビは周囲を見回した。ポケモン学校はボロボロに破壊され、ポケモンたちは部屋の隅に固まり、戦いの様子を見ていた。
「僕は自分たちの力をしっかりと示した。目的は達成した。敗北したのは君たちの方じゃないかな」
そしてKは三匹のポケモンをハイパーボールに戻した。
「いい破壊活動だったよ……」
Kは自身が立っている檻の背後へと飛び降りた。
「待て!」
ミナトはクチート、ニューラとともにその檻の背後に回る。
しかしKの姿は消えていた。
「守れなかった……」
サクヤが言った。
「ポケモンたちの居場所を……」
「そんなことはありません」
ミヤビはしっかりと前を見据えて言う。
「このままでは終わらないはずです。……だって、悪いポケモンなんて、一匹たりともいないはずですから」
【次回予告】
ミナト「僕のもとから家出をしたニューラ。ねぇニューラ、どうして家出なんかしたの? 僕に対してなにか不満が……? えっ、弱いポケモンは嫌いだ? 自分は強くあらなきゃいけない? ニューラ、そんなふうに思って……。次回『戦えニューラ! 必殺のれいとうパンチ』をお楽しみに!」