ポケモンサービスの業務日誌   作:まがみん

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第13話 進め! ポケモンサービス・2

「じゃ、じゃあ……活動内容は、それくらいということで……」

 

 ムサミは言う。

 

「ちょっと待って」

 

 とここでミナトが言った。

 

「でも、最近でいちばん大きい事件といえば、ラルースシティの一件だよ。マサトが僕たちをホウエン地方にあるハイテク都市に連れてってくれてさぁ」

「マサト……って、あの時のジャリボーイの仲間?」

 

 とコタロウが小声で言う。

 

「なんだかそうみたいね。というかラルースって……あのよくわからない街じゃないの」

「そこで……怪盗姉妹のザンナーとリオンにガラル地方の剣と盾が盗まれて……」

「そうよ! ザンナーとリオンよ! あのふたりも……事件が終わったら性懲りも無く行方をくらましたけど、野放しにしておけないわ! 今度会ったら、絶対に捕まえてやるんだから!」

 

 ツキホは言う。

 

「でも……どうしてあの時、ザシアンとザマゼンタは黒くなって、凶暴化したんだろうなぁ」

 

 ミナトは言った。

 

「謎の残る事件だったよな」

 

 サクヤが言う。

 

「ブイィ」

 

 イーブイ所長は同意するように鳴いた。

 

「うーん、じゃ、次行くわよ、次」

 

 とムサミが言う。

 

「次……ですか?」

「次はあんたたちひとりひとりのことを教えなさ……じゃなかった。教えてくださいませんか?」

 

 ミナトたち三人はお互いに顔を見合わせた。

 

「いいけど……誰から話す」

「ミナトだろ。その三人を連れてきたのはミナトなんだからさ」

「そうよそうよ。そこは責任持ってミナトから自己紹介をするべきよ」

「自己紹介って言われてもなぁ」

 

 ミナトは頬を掻いた。

 

「えーっと、僕はミナトっていいます。それからこっちは、僕の相棒のクチートで……」

「クチ!」

 

 クチートは胸を張って鳴いた。

 

「はいはーい、ミナトさん、ご出身は」

 

 とムサミがマイクを押し付けてくる。

 

「え、えっと……アラモスタウンです。シンオウ地方の」

「はーい、ズバリ、そのクチートとの出会いは!」

 

 コタロウもマイクを押し付けてきた。

 

「えーっと、僕のクチートは、前の持ち主が亡くなっちゃったんです。それで、ずっと教会の前に立ってたのを、僕が見つけて……。最初は心を開いてくれなかったけど、関わっていくうちに徐々に心を開いてくれて……今はこうして、どこに行くのにも一緒って感じなんです」

「クチ!」

 

 クチートは自慢げに鳴いた。

 

「ううぅ……いい話だニャ……」

 

 小男は手の甲で涙を脱ぐう。

 

「え、そうでした?」

 

 ミナトは訊いた。

 

「はい、次、ツキホ」

 

 とサクヤが言う。

 

「え? 私?」

「順番的に、会計係の俺はいちばん最後だろ?」

「なによその理屈。まぁいいけど」

 

 ツキホはそう言うと、胸を張って続けた。

 

「銀河の美少女、名はツキホ!」

「だーかーら、銀河は言い過ぎだっての」

「ジュンサー様に憧れるぅ、花も恥じらう十三歳……」

「はい! ジュンサーさんに憧れるようになったきっかけは!」

 

 とコタロウが言う。

 

「私がまだ、自分のポケモンを持てなかった頃。一緒に暮らしていたププリンがいて……。そのププリンがポケモン泥棒に捕まった時に、一緒に探し出してくれたのがジュンサー様で……それ以来です。私がジュンサー様に憧れるようになったのは……」

「ううぅ……こっちもいい話だニャ……」

 

 小男は涙を拭った。

 

「じゃあ次は、サクヤの番よ」

 

 ツキホはサクヤの方に目を向けた。

 

「あぁ? 俺は別にいいだろ……」

「良くないわよ。私たちはちゃんとふたりとも自己紹介したのよ」

「そうだよ。ひとりだけやらないっていうのは、なしだからね?」

 

 ミナトも言う。

 

「うーん、そうねぇ。サクヤで必見の事実といえば……ポケモン保護局のミヤビさんのことが大好きってことよねぇ」

「ばっ、な、何言ってんだよ!」

 

 サクヤは顔を赤らめる。

 

「ふんふん……ズバリ、出会いは!」

 

 コタロウがマイクをサクヤに向けた。

 

「本人が照れてるみたいなので私が答えます」

 

 ツキホがマイクの前に立ち、言う。

 

「あっ、おい、お前……!」

「いいから、サクヤはここに座っていようねぇ」

 

 ミナトはサクヤを椅子に押さえつけた。

 

「あの日……ミヤビさんは新しい持ち主の決まったニドラン♂をこのヤマブキシティに連れてきたんです。でも、慣れない都会でニドラン♂は驚いて逃げ出してしまって……。そんなミヤビさんに救いの手を差しのべたのがサクヤだったんです。サクヤはミヤビに一目惚れをして……一緒にニドラン♂を探してあげて……」

「あっ、おい! それ以上言うな!」

「挙句の果てにはニドラン♂のつのでつく攻撃からミヤビさんを庇ってあげて……」

「多分、僕が思うに、ミヤビさんの方もサクヤに気があるんじゃな……」

「それ以上言うなーっ!」

 

 ミナトとツキホに向かって、ファイル、置時計、そしてポケモンフーズの皿が飛んできた。

 

「はーい、と、ここで三人の紹介が終わったところで……」

 

 とムサミが言った。

 

「他に協力してくれている人とかはいるんですかー?」

「ほかの協力者かぁ……」

 

 ミナトは考え込む。

 

「あっ、ナツメさんとかどうかな」

 

 ミナトはツキホとサクヤの方に目を向けた。

 

「うん、噂と違って意外といい人かもしれなかったわよね、ナツメさん」

「そうだな」

 

 ふたりは頷いた。

 

「まぁ、ちょっと変な人であることは間違いないんですけどね」

 

 とミナトは答える。

 

「それにことある事に僕に女の子の格好をさせてこようとするし……」

「それは似合うお前が悪い」

 

 サクヤは言う。

 

「まぁでも、頼りになる人であることに、間違いはありませんよ」

「ねぇ、ナツメって……」

 

 とムサミはコタロウと小男の方を見ながらヒソヒソと言った。

 

「あのヤマブキジムのジムリーダーだニャ」

「へぇ……色んな所と人脈あるんだなぁ、このポケモンサービスって」

 

 コタロウは感心したように言う。

 

「それからもうひとり、マサトも外せないかな」

 

 とミナトは続ける。

 

「今はカントーリーグ出場を目指してジムバッジを集めている最中なんだけど……この前は一緒にラルースシティに行ったりもして……」

「相棒のポケモンは確かキルリアだったわよね」

 

 ツキホが言う。

 ムサミたち三人はまたヒソヒソと話を始めた。

 

「マサト……キルリアって……」

 

 とコタロウが言う。

 

「もしかして! あの時のラルトス!」

 

 ムサミが手を叩いた。

「ジャリメガネも成長したんだニャ……」

「って、感心してる場合じゃないわ。じゃんじゃん、質問するわよ」

 

 ムサミは言った。

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