上手く出来てるのやら……
それではどうぞ!
決めたのだ、守るのだと。
自分を救ってくれた人を。
人々を救う、あの人を。
人を想いすぎて、自分を犠牲にしてしまうあの人をーーーー
「……はぁ、寒いな。」
誰にとも無く、口からこぼれていた。
季節は冬。曇り空の東京には、柔らかな雪がちらついていた。駅の待ち合わせ場所に使われるこの広場に、気のせいか今日は人がまばらだ。
「ーー待たせたかしら。」
今では聞き慣れた、静かな声に僕ーー繁田 瑞樹(しげた みずき)は顔を上げた。
「あ、いえ……って、弥琴さん⁉︎」
すっとんきょうな声を出してしまったことには訳がある。声の主は、こんな寒い日にもかかわらず、いつも通りのセーラー服で防寒具を何一つ身に付けずに立っていたのだ。道ゆく人々は、少なくともマフラーや手袋をつけているというのに。かく言う僕も、アーガイル柄のマフラーにダッフルの短いコートを着ていた。
「寒くないんですか?」
「ええ。」
「今日、今年最低気温だってテレビで言ってましたよ?」
「そうなの。」
「…………。」
会話が途切れる。いつもこうだ。
僕は短くため息した後、少し考えて、自分の首に巻いていたマフラーを取り、彼女の前に差し出した。
案の定、彼女の目には戸惑いの色が広がる。
「あなたの体調管理も、僕の仕事です。この前買ったばかりなので、悪くないはずです。付けてて下さい。」
「……。」
あまり表情を変えないはずの顔が、かすかに歪んだ気がした。彼女はゆっくりと腕を上げ、マフラーを取る。
「……じゃあ、今日は借りておく。」
「いえ、差し上げます。」
彼女が言い終わらないうちに、僕は素早く告げた。
そして釘をさす。
「どうせ、そのまま買わないでしょう?」
今度は苦い顔。僕の言葉は概ね図星だったのだろう。
むーっとした顔のまま、マフラーをくるくると巻いて
「……これでいい?」
と尋ねてきた。声色が若干低くなっていた。
いかん、少々やり過ぎたーーと僕は思い、謝罪の言葉を探していると、すっと彼女が僕の横を歩き出す。
「あ、弥琴さんっ、あのーーーー」
慌てて追いかけて顔を見上げる。成長期真っ只中の僕だが、平均より背が低いため中々彼女の背を追い越せない。
「す、すみませ……」
「やっぱり、少し寒かったみたい。」
僕の言葉を遮って彼女が言った。声はいつもの凛としたものに戻っていた。
「……さ、早く行きましょう。」
表情を変えないまま、小さく、ありがとう、とつぶやく口の動きを僕は見逃さなかった。
ほっとしながら横につく。
佐久間 弥琴(さくま みこと)。
この国、いやこの世界でただ一人、超能力者特務機関『PSOS』のSランクを保持する者であるーーーー
導入の導入ぐらいしか書けてないですね……すみません汗
続きも近いうちに!絶対!
読んでいただけると嬉しいです。