The later world   作:東 恵美

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お久しぶりです。生きてました。
時間が大幅に空いてしまって申し訳ないです。

そして今回もあまり、進まない……
オリジナルは頭使いますね。

それではどうぞ!


2 非日常的日常は突然に

超能力者特務機関ーーーー通称『PSOS』。名の通り、超能力に関する調査、研究、更には一般人の取り締まりにあたる。

 

現在、人類は流れゆく時の中で遺伝子に超能力のデータが含まれるように進化を遂げ、個人差はあるが、誰もが超能力者となった。完全に世界が超能力者のみとなったのはごく最近(と言っても、僕らが生まれるずっと前)で、超能力の種類、効果、発動条件などのデータはまだまだ不完全であり、資料作成とともに人口超能力の開発を行っている。

 

 

初期に自分で力をコントロール出来る者はごく一部であったが、時代が進むにつれ一般人でもある程度力を使える者が増加した。

 

……その結果、力を抑えられず暴走する者が現れるようになった。

 

 

 

 

「先月の活動内容、今月の予定に関しては以上です。何かご質問は?」

 

自分の話を終わらせ問いかけると、弥琴さんはコーヒーを啜るのを止め、右手を小さく挙げた。

「巡回する日を週4回に戻したいわ。」

……やはり。来ると思った。スケジュールの基本設定の項目に、都内巡回日を週4回から週2回に変更とされている。

「弥琴さん、期末テスト近いですよね?宮根さんとも話し合って、変更としたんです。他のペアも原則週2回で活動してるんです。少し、体を休ませることもして下さい。」

「その話し合いに私が入っていないのは何故?」

「弥琴さん絶対反対するでしょう。」

そこで一旦、お互いは口を閉ざした。それまで気にならなかった周りの雑音に耳が支配される。

 

僕らはあれから都内の高層ビルの1階にあるカフェに移動し、活動について打ち合わせをしていた。周りはOL、サラリーマン、奥様方……僕らのような子供はいない。

「それに、その……もうちょっと自由な時間があってもいいと思うんです。高校生らしく。」

また余計だと思われるかもしれないけど。僕は口を吃らせながらつぶやいた。

本人の希望とはいえ、週4回、都内を歩き回っていれば時間は大幅に削られてしまう。若者はもっと青春を謳歌すべし。宮根さんが言っていたセリフだ。これに僕はすごく同感したのだ。弥琴さんには、もっと若者らしく生活してもらいたい。

 

 

 

「私がいない時、大勢の人間が犠牲になっても?」

 

 

 

心臓がはねた。彼女は真っ直ぐ僕を見つめていた。

力強い目だ。

 

それは仮定の話でも妄想でもない、現実だった。

 

 

超能力が暴走するというのは、自分を傷つけるだけじゃない。周りの人間、いや、国中、世界中に影響を及ぼす可能性がある。強い力には、より勝る力でなければ制することはできない。しかし、暴走を抑えこむほどの力をコントロール出来る者はまずいない。負けてしまうか、のまれてともに暴走するか、どっちかだ。

 

この人は、それを誰よりも知っていた。

 

そうなってしまった時の、残酷さを。悲しさを。絶望を。

 

「……ごめんなさい。」

 

謝る声で、ハッと我にかえった。途端に周りの音が、また大きくなった。彼女は先ほどの怒りを抑えたような気迫と打って変わり、罰が悪そうに俯いている。

 

 

「い、いえ……僕も軽率でした。」

彼女と同じ様に、僕も下を向いてしまった。そして自分の発言を後悔する。

もちろん、弥琴さんに普通に生活してもらいたいという思いは変わらない。でも、それは無理なのだ。だって彼女はーーーー

 

「とりあえず、私も含めて3人で話させて。それから決めてもいいかしら。」

「わかりました。」

彼女のコップは既に空となっていた。僕は最後の一口を飲んで、お互いに席を立った。

 

 

 

 

「じゃあ、お疲れ様。」

店を出て早々、別れの挨拶をする弥琴さん。

「家まで送りますよ。」

立ち去ろうとする彼女に駆け寄る。

「……?あなた、すぐ帰れるでしょう?」

弥琴さんは本当に不思議そうに首を傾げた。僕の能力は『瞬間移動(テレポート)』。ある程度の距離なら一瞬で移動が可能だ。

「いやまぁ、そうですけど……。」

男性の気遣いというものが、彼女にはあまりわからないらしい。本当は、力を使って彼女を家まで送り届けてあげたいところなのだが……。

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

「「っ⁈」」

 

 

凄まじい衝撃音の後、何かが派手に崩れ落ちる音が低く鳴り響き、大勢の人間がこちらに向かって走ってきた。

 

「まさかっ……」

僕が状況を飲み込んだ瞬間と、弥琴さんが全速力で駆け出すのは、ほぼ同時だった。向かうのは、人の流れと逆方向。僕も慌てて追いかけた。

 

現場に近づくと、最悪な事態がだんだんと見えてきた。

 

スーツ姿の男性ーー40代前半だろうかーーが、半壊された歩道橋の上に立っている。返り血にまみれたその顔に浮かんでいる笑みは、正常な人間と程遠い。

パニックに陥り逃げ惑う人々の中、こちらは30代ほどの同じくスーツ姿の男性が倒れている。右足が血だらけだった。

 

 

 

これが、日常になりつつある最悪の非日常的事態ーーーー『超能力の暴走』である。

 

 






誤字脱字ありましたら教えていただけると嬉しいです。
次回は……必ずいつか出します汗
気長にお待ちください←
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