こちらオルクセン参謀本部 兵站部糧食課 食品研究室 作:Hastur_1
『オルクセン王国史』の二次創作ネタバレを含みますので、原作本編読了後に読んで頂けると幸いです。
傾注! 原作小説『あたらしき土④』以降の内容を含みます。
原作Web版終盤の記述を元にした話になりますので、ネタバレへの配慮を強く注意喚起お願い致します。
我が王の答え合わせ
――牡には、独りになりたい時がある。
オルクセン国王グスタフ・ファルケンハインは夜間、官邸の厨房で料理をしていた。香味野菜を刻み炒め。香辛料を独自の配分で混ぜて加え。肉を一口大に切って炒め。野菜の皮を剥いて切って茹でる。出汁を取ってスープを作り、それらと合わせて煮る。材料に使ったビールで一杯やりながらつまみ食い。じっくりと、ゆっくりと、焦げない様に。時計の針が進む音が流れる中でコトコトと煮込む。芳醇な香りと共に。静かな夜が心地良い。
今晩、愛妻である伴侶ディネルース王妃は古巣アンファングリア旅団の幹部たちとの内々での『会合』との事でヴァルダーベルク衛戍地の旅団宿舎で一泊するとの事だ。実態は気の合う戦友たちとの夜を徹した『飲み会』であろう。王妃としての公務で気疲れする事も想起される事が多く有って申し訳なく、偶には愛する妻も大鷲族の如く羽を伸ばして欲しいものだ。
「……私も良い加減、オークとしてもイイ歳なのだがなぁ」
――と言うのも、国王夫婦生活の実態は細々とした予定管理から下着の柄まで束縛する世話焼き女房による過保護の日々である。愛が要塞砲ぐらい重い。例えば官邸における王妃の趣味の幾つかに国王の靴下の見繕いやネクタイを締める事がある事は暗黙の了解になっていた。万が一、いや、億や兆や京や垓分が一にでも浮気など考えられぬが、今晩は夫としてもバーバヤガーの居ぬ間に洗濯の時間であった。
もっとも彼女を『魔女』などと表現した瞬間には、列強諸国に知られた武闘派である奥方は柳眉を逆立てて発言者の腰に重い鉄槌を喰らわすこと請け合いではあったが彼個人にとっては『むしろそこが良い』ため、仮にそのような事態が起きたとしても侍従たちからの温かーい微笑みや近衛警備兵による赤い眼鏡の奥からのどんよりとした眼差しが注がれるだけであり、この一年に至ってはより一層、夜の国王官邸は生々しい空気を醸し出すようになっていた。
「……ひょっとして、呆れられているかも知れないのか?」
キツめの細君の尻に敷かれるのは楽しい! シュヴェーリンやグレーベンたちなら重々しく首肯するであろう。そう、愛妻家と恐妻家を両立する『我らが座布団同盟』としては理解を求めてやまないが、どうやら世間様一般においては聊か異なる見解があるらしい。そんな馬鹿な。
余談ではあるが同時刻、国軍内で比較的立場が偉いダークエルフ将校たちは王国でもっとも偉いダークエルフのお姉様を下ネタ込みでいぢり倒していたので……まぁ、既にオルクセン国内においては全ての方位においてもバレバレであり、市井の酒の肴にされる程に国王夫婦は揃って敬され親しまれていたと言う事ではなかろうか――
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――グレーベンの名前が出たところで、そのグレーベンが日常的に入り浸っている『参謀本部 食品研究室』から先日上げられた『報告論文』を思い返す。返答はマダだ。今後のグスタフの打ち手に関わるために。多種族連合国家を名乗りながらオーク族の都合に付き合わせてもらったコボルト族への感謝と負い目と秘密裏な対応があるために。
そしてこの星欧世界において最早グスタフにしか知り得ぬ事は、誰にも打ち明けられられない事であった。
それでは『コボルト族』について論述する。この星欧世界において『コボルト族』とは、種によって形状が異なる犬の頭ともふもふとした体毛を持った人型種族である。種によるが大柄であるオーク族からは勿論、エルフ族から見ても比較的小柄な者もいる。
近代オルクセンが形成される前から西部ドワーフ職人集団の『自由都市』と絡んで遍歴商人としての歴史から北海沿岸地域の貿易を掌握するに至った都市同盟『フンデ同盟』を形成し、魔術通信と利発さから商才に優れ、種族的体質として『玉葱(エシャロット)・長葱・浅葱(アサツキ)・ポロネギ(リーキ)』を食する事が出来ない。
先の『報告論文』はその食性に関する物である。コボルト族が『玉葱(エシャロット)・長葱・浅葱(アサツキ)・ポロネギ(リーキ)』を食する事が出来ないのは、内部成分に硫化化合物が含まれており、中毒症状として血液の溶結作用と共に腎臓に重篤な障害を与えるためである――とされて来た。だが、それでは辻褄が合わないというのが『報告論文』の要旨である。
中毒の根拠成分が硫化化合物であるならば、エシャロットの近縁種である『ニンニク・チャイブ(シブレット)・らっきょう(エシャレット)』もまた硫化化合物が含まれており、コボルトたちはニンニクなどを食べる事が出来ないはずなのだ。故に、ロートバルト中佐はこれを食品成分由来ではなく、遥か古代に存在したであろうコボルト族の『指導者』によるものと見ていた――
「ふふふ、良く辿り着きました。と言いたい処だけど。ここから先は誰にも打ち明けられられない」
――この星欧世界において最早グスタフにしか知り得ぬ事。それは旧エルフィンドの旧王都ティリオン郊外に存在する白エルフ族最大の聖地エレントリ館。その王家の者が生まれ出でる黄金樹の脇にあった碑文に書かれていた事からの推察である。
この星欧世界は『異世界形成及び体験型異次元システム<ヴィラール>によって形成された物』であり、オーク族・ドワーフ族・白闇エルフ族・巨狼族・大鷲族、そしてコボルト族たちはその種族的形状と生理的な特性も<ヴィラール>運営にデザインされた物とみるのが妥当であろう。
体験型と言うからには『体験して欲しいデザイン設定』にするのが正しい娯楽商業と言う物だろう。要は、野性的なオーク族・逞しいドワーフ族・麗しい白闇エルフ族・そしてもふもふとした毛並みの可愛らしいコボルト族として、異世界を過ごすために。
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――そもそも『コボルト』とは何か。オルクセンに生まれる前でのグスタフの知識では、元々は『ドイツにおける家の精霊』である。
グリム童話などによってまとめられた伝承の抄本によれば、目に見えなかったり形が無かったり小さな子供の姿をしている、あるいは猫や鶏の姿をしているなど――家神や竈神、小帽子と言われる原初の『妖精』の事であった。ある意味エルフやドワーフの伝承と同系統の御伽噺である。
元素としてのコバルトの語源であり、鉱山の精霊との習合により四大の精霊で大地の属性を持つ物ともされた。
そこから明確な形を持った種族として『洞窟と魔竜』という卓上創作物では『小柄で竜の血を引き鱗と角を持つ爬虫類で、犬に似た頭部の人型生物』と言う設定になった。ここから犬と言う側面が取り上げられ『大魔法使い』という地下迷宮を舞台にした電子遊戯の美麗な設定絵画で犬の頭部をした人型生物へと昇華されている。以後、敵性の怪物から中立性の存在へと移り変わる流れで『犬の様に人懐っこく毛並みを持った友好的な種族』として扱われる様になった。
おそらくは<ヴィラール>運営も参加者が参加選択出来る種族個性ならば、より可愛らしい容貌に設定するのは資本主義として当然の対応であろう。ここで問題になるのは種族個性としての犬という属性のために中毒症状を付加されてしまったと言う事である。
ロートバルト中佐の『推測』では、古代にコボルト族の『指導者』が数多くあった『食品の呪いを解除』して行った結果『玉葱や長葱』までには手が回らずに、中毒性が残ったのではないかと言う事だが――
「ロートバルト中佐はおよそ善性の牡だね」
いいひと。と言う事であろう。何故ならば、かつてのコボルト族の『指導者』は呪いを解除したのではなく、むしろ中毒性を付加した側ではないかと言う可能性を想定していないからだ。グスタフは既に『食品研究室』の業務に指示の形で干渉していた。すなわち――
『玉葱(エシャロット)・長葱・浅葱(アサツキ)・ポロネギ(リーキ)』には、中毒症状が発生するが、
『ニンニク・チャイブ(シブレット)・らっきょう(エシャレット)』には、中毒症状が発生しない。そして、
『ブドウ・ビール(アルコール)』にも中毒症状が発生しない。更に『銀杏・アボカド・チョコレート・カフェイン』と言った(グスタフは彼らに指示こそ出さなかったが)およそ『地球の犬にとっては』中毒症状や溶結作用を起こす他の食材類も、星欧世界では毒性が無かった。
要は<ヴィラール>運営が、不特定多数への商業的な異世界転移として『体験して欲しいデザイン設定』を行うならば、雑に食品や嗜好品に不具合を起こす設定など行わないだろう。娯楽作品としてつまらぬ不評や種族的負荷を起こすとは思えない。それでも行うならば「その方がらしい」との勝手な解釈で<運営>以外が後付けに『設定』を付加したと考える方がより自然であろう――
「――ひょっとしたら『設定』した者は、犬の中毒とは玉葱と長葱ぐらいだとしか『知らなかった』のではないかな……?」
――真実が何処にあるかは分からない。知る者全ては還らざる時の終わりに去った。この世界の因果は逆なのだ。存在するはずの無い地球の知識や地名から逆算されて法則や名称が形作られている――
「だが、生理学的な化学反応ではなく、概念的な世界設定であるならば」
まるで玉葱や長葱の様でありながら、そうではない『野菜を、作ってしまえば』宜しい。例えばエシャレットの様に。
この豊饒の大地たるオルクセンに生きる者として、そしてその指導者にして、コボルト族を含めた国民を守る国王として。
勿論時間は掛かるだろう。農業的な科学的な品種改良としても、伝承的な言語的な常識形成としても。即ち――世界を、騙せ。
他人の食べ物の主義にケチを付けられる筋合いは無い。
例え、それが創造神とも言える<ヴィラール>運営や、古代の『指導者』であろうと気に入らぬ。
彼ら彼女らは既にこの世界から離れ去った。この世界は既に我らの物だ! 未来は生きとし生ける者が決める。
将兵を立て銃砲を作り軍隊を起こし他国を滅ぼし――その果てに、魔王が行うであろう野望や本懐があるならば。
それはきっと神への反逆である。それがたかが一種族の食い物の事に過ぎないとしても。なぜならば食は全ての根幹なのだから。
「よろしい。ならば始めようじゃないか」
――炊いておいた米を皿に盛る。
道洋から輸入している米は、未だ野菜の1つとしか扱われていないが、カレーには米だ。
そう、カレーなのだ。小麦粉とバターと香辛料を炒めてルーを作り、ニンニクなどの香味野菜と肉を炒め、野菜と共にビール入りのスープで煮てルーを入れる。
香りと辛味ととろみが付いたカレールーを皿に盛った米の脇に流す。付け合わせはラム酒漬けのレーズンと甘酢漬けのエシャレットだ。
魔除けの逸話を持つにんにくにエシャレット、小麦が収穫されてこその豊穣の象徴たるビール、童話において日常の祝福の象徴たるレーズン。正に祝福された世界初の星欧風カレーである――いつか、きっと。コボルトたちに、祝福あれ。
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◆はすたさんの与太話。
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ビールで一杯やりながら > 飲みながら料理するの楽しいよね。
バーバヤガー > スラヴ民話に出て来る魔女ですね。痩せこけて森に住む妖婆。星欧的にはロヴァルナの民話かなぁと。
腰に重い鉄槌を喰らわす > 魔女の鉄槌≒ぎっくり腰。こわい。
『むしろそこが良い』 > どMかな?
『我らが座布団同盟』 > 座布団は基本的に尻の下にあります。どMしかいない。
フンデ同盟 >
元ネタは『ハンザ同盟』だそうです。中世後期の北ヨーロッパの都市によって北海およびバルト海沿岸地域の貿易を掌握し、ヨーロッパ北部の経済圏を支配した都市同盟です。
垓分が一にでも > 一十百千万億兆京垓なので、10の20乗(100,000,000,000,000,000,000)ですね。
比較的立場が偉いダークエルフ将校たち > イアヴァスリル現旅団長は止めてあげて……w
四大の精霊で大地の属性を持つ >
ゲーテの『ファウスト(1808年、1833年)』ではそうですね。西谷史先生のウルティマ妖魔変(1988年)もそうだったかな?
ですが、パラケルスス(1541年没)の四大精霊論だと、ピグミーかノームになるはずです。ロードス島戦記辺りからはほぼほぼノームに。
この辺、有識者に伺いたいのですが、日本黎明期のファンタジー作品や伝奇などでも、ゲームやラノベなどで落ち着くまではノームとコボルトが混乱しているのですよね。と言うのも『種族してのノーム』もいるので混ざる!(グノームってのもあったな……ノームの英語表記は(gnome)になるので。本来gの部分は読まない)
『洞窟と魔竜』 >
最古のテーブルトークTRPG(TableTop(Talk) role-playing game)にして名作ファンタジー作品群『Dungeons & Dragons』ですね。
英語の初版は1974年。最新の5版が2014年(日本語版は2017年)ウィザーズ・オブ・ザ・コースト版が2022年です。
みんな映画『アウトローたちの誇り(2023年)』を見てくれ。個人的にはアーケードの筐体で『タワーオブドゥーム(Dungeons & Dragons Tower of doom)1994年』をやり込んだ思い出(ゲーム開始時のエネミー群がコボルトなのです)
『大魔法使い』 >
名作3DダンジョンRPG『ウィザードリィ(Wizardry)』ですね。
1作目の英語版『狂王の試練場(Proving Grounds of the Mad Overlord)は、1981年ですが、
今回言及しているコボルトなどのイラストレーションは、1987年にファミコンに翻訳移植された末弥純先生によるものです。
『犬の様に人懐っこく毛並みを持った友好的な種族』 >
ダンジョン飯のクロとか可愛いよね。威嚇する時の口を開けた顔は流石に怖いのですが。もふもふ。
『玉葱(エシャロット)・長葱・浅葱(アサツキ)・ポロネギ(リーキ)』
『ブドウ・ビール(アルコール)』『銀杏・アボカド・チョコレート・カフェイン』 >
犬には全部だめですー。つまり我が王は全部知ってるための、この章の食材ラインナップだったのですね。
この世界の因果は逆なのだ >
例えばですね。
ピルスナーは、チェコのプルゼニ(ピルゼン)地方を発祥とするビールで地名が名称の元になっています。
フェルト軍曹はセントバーナード種ですが、セントバーナードの名前の由来はスイスはアルプスのグラン・サン・ベルナール峠の修道院にあります。
でも星欧世界に、プルゼニやサン・ベルナール修道院は存在するのでしょうか……? と言うのがこの物語全体の発端なのです。
ちなみにベルナール峠は、ジャック=ルイ・ダヴィッドによる有名な『ナポレオンの絵画』でも有名ですよ。
世界を、騙せ >
『STEINS;GATE』第23話「境界面上のシュタインズゲート」めっちゃ好き。オカリンかっけー!
レーズンの補足 >
レーズンはグリム童話辺りからお金に代わる、価値あるものとして描写されるそうです。
ハイネの詩でローレライの伝承では、日常の祝福の象徴がレーズン入りのパンだったり、
修道院で来客に出す品目への注釈に記載があったり、善意のもてなし・公平や欲深さを表す物であるそうです。
(karkaroffさん感謝!)
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◆星欧風カレーの作り方(4人分)
(想定読者である道洋の人間種基準に再計算済み)
<材料>
・ 炊いたご飯:800g
・牛肉ブロック:400g (すね肉またはモモ肉)
◎ にんにく: 10g (1片ほど)
・ 生姜: 5g (1片ほど)
・ 塩: 3g (小さじ1/2杯。不足なら好みで追加)
・ 胡椒: 1g (ひとつまみ。不足なら好みで追加)
・ サラダ油: 15g (大さじ1杯)
・ 玉葱:400g (2個)
・ にんじん:150g (Lサイズ1本)
・ セロリ:100g (Lサイズ1本)
・ バター: 15g (大さじ1杯)
・ 小麦粉: 60g (大さじ4杯)
・ 塩: 3g (小さじ1/2杯。不足なら好みで追加)
・ 胡椒: 1g (ひとつまみ。不足なら好みで追加)
・ 牛乳:100ml
・ コンソメ: 5g (小さじ2杯またはコンソメ1個)
◎ ビール:100ml
・ 赤ワイン:100ml
・ 水:300ml(不足なら好みで追加)
(香辛料:面倒ならカレー粉15gにする)
・ クミン: 3g(小さじ1/2杯)
・ターメリック: 3g(小さじ1/2杯)
・コリアンダー: 3g(小さじ1/2杯)
・ クローブ: 1g(ひとつまみ。無くても良い)
・ ナツメグ: 1g(ひとつまみ。無くても良い)
・ シナモン: 1g(ひとつまみ。無くても良い)
・ カルダモン: 1g(ひとつまみ。無くても良い)
・キャラウェイ: 1g(ひとつまみ。無くても良い)
・チリペッパー: 1g(ひとつまみ。無くても良い)
・ ローリエ: 1枚(無くても良い)
(付け合わせ)
◎ エシャレット: 20g
・ ビネガー: 15g(大さじ1杯)
・ 砂糖: 5g(小さじ1杯)
◎ レーズン: 10g
・ ラム酒: 5g
<作り方>
1:エシャレットは土を取って洗い、ビネガーと砂糖を混ぜて漬ける。
2:レーズンはほこりを払い、ラム酒に漬ける。これらを一晩漬ける。
3:ご飯を炊いておく。水は少なめにすると良い。
4:にんにくと生姜は皮を剥いて微塵切りにする。
5:牛肉は食べやすい形に切って塩と胡椒を振る。
6:フライパンを弱火で熱しサラダ油を引いてにんにくと生姜を入れ、
焦がさぬ様に牛肉と共に中火で焼き目が付くまで焼き鍋に入れる。
7:玉葱・人参は皮を剥きセロリとその葉と共に食べやすい形に切る。
8:肉を炒めたフライパンで玉葱・人参・セロリを炒めて鍋に入れる。
9:同じフライパンでバター・小麦粉・塩・胡椒を焦がぬ様に炒めて、
牛乳をフライパンに入れてふやかす様に弱火で煮てルー状にする。
10:肉と野菜が入った鍋に、コンソメ・ビール・赤ワイン・水を加え、
スープ状にしてからルーと香辛料を加え、中火でじっくりと煮る。
11:味と香りを確認し、好みのとろみへとカレーソースを完成させる。
12:ご飯を更に盛り、しょっぱくし過ぎない様にカレーソースを掛け、
付け合わせの酢漬けエシャレットとラム酒レーズンを脇に添える。
●:余裕があれば、人参は輪切りで星型になる様に細工をしても良い。
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◆今回のボツネタ。
――ばたーん!
「あ・な・た?」
「ぴぃっ! ディ、ディネルース!? 早かったねお帰りなさい今日も美人で可愛いね我が妻よ今晩は泊まりじゃなかったのかいイヤこれは嫌がってる訳でも怖がってる訳でも無いのだタダびっくりしただけで本当だよ信じて欲しい別にやましい事をしてる訳じゃないのだ矢張り試作という物はじっくりこっそりやるのが華と言うべきかだねこの世界には未だ無い物を作ろうとしているのだから君も分かるだろう何せコイツは香辛料の配分が難しい物で色々と試して見たくなる物だ調整をしながらちょいちょい摘み食いするのは行儀が悪いと言うのだろうだが牡はいつまでも少年の心意気であってだが美容と健康と言う点においては確かにお腹が出てると言われれば反論する事は出来ないが勿論ディネルースのお腹の事では無いよ私個人としては完璧なスタイルだと思ってるし何ならメイドたちから王妃様はもう少しお食べになって豊かになられた方が良いのではと言う忠言もあるのだがそこはどうしてもオークとダークエルフでは体形の美意識も違うのだから要は無理して運動しなくても良いよと言う事で……食べる?」
「ただいま。あの酔っ払いども軍の高給取りになったからと言ってタガが外れた金で水みたいにビールもワインも火酒も一緒くたにちゃんぽんバカスカ開けおって最早上官ではないのだからとシモネタ交じりの煽り芸ばかり振って来おって何なら上官どころかこちとら王妃だろうなーにが夜の不敬罪に当たってしまいますだなーにが独身飲み会に紛れ込んだ色ボケ既婚者だオルクセンに王家不敬罪など無いわボンクラ妖精どもめおまえらもコルセットに締め上げられて1週間ほど夜会外交に出て見ろと言うのだ確かにちょっとお腹が出て来たのは流石に気にしてるんだぞあくまでもちょっとだぞちょっとだ誰かわざわざ小まめに計ってるんじゃなかろうかさては定期的に遠乗りに出てたのを増やしたの知ってやがるな大体腹回りを見るぐらいなら野戦測量を目測でやれてから言えそもそもこの辺の防諜はどうしてるんだ王妃の体形採寸等は国家機密だろうが大体ちょっと惚気てみろなどと言うから小一時間ほど語ってやれば軒並みビネガーを飲んだような渋い顔をして早よカエレ早よカエレの大合唱……! いただきます」
「……おいしい?」「おいしい」
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https://hastur.fanbox.cc/
今回はPixivFanboxで限定公開している様なレシピ集を乗せています。
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今回を以って『こちらオルクセン参謀本部 兵站部糧食課 食品研究室』の第一部を締めさせて頂きます。
本作は、8月16日(土曜)コミックマーケット106(1日目)
【東5タ49ab】『WeekendWizrad』 @hastur_1 にて、PixivFanboxで限定公開だった料理レシピも添付して
新刊『同人作家に送るゲーマー的 幻想食品論』や他既刊と共に頒布予定です(ジャンルは電源不要ですが)
また【西1ね43b】『寄集堂本舗』 @kasagishura さん(艦これジャンル)にも委託予定です。
(先方にも、オルクセン本がある予定です。
表紙ラフを見せて頂きました。絵師さんはこちらも春雨ツバメ @harusametubame さんです。絵柄が大爆笑w)
また、第二部の開始までには、オリジナルTRPGシステム『近代戦記 LastCavalry』の開発のため、
数か月の御猶予を頂きたく思います。必ず戻って来ますのでよろしくお願い致します。
(おそらくゲルズガルド少尉の章からになります)
私事にて恐縮ですが共々しばらくお待ちくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
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