こちらオルクセン参謀本部 兵站部糧食課 食品研究室   作:Hastur_1

8 / 16
 食品と加工と栄養に関する与太話を書いて行きます。
『オルクセン王国史』の二次創作ネタバレを含みますので、原作本編読了後に読んで頂けると幸いです。

今回から原作小説外伝『随想録22 官吏たちの夏』以降の内容を含みます。

所変われば品変わる。


7:さつまいも

今回から原作小説外伝『随想録22 官吏たちの夏』以降の内容を含みます。

 

                      /*/ 

 

――それが戦後である。

ヴィルトシュヴァインの初秋、九月上旬に未だ暑さも下げ止まらぬヴァルダーベルクのオルクセン王立農事試験場でグルティナ・モリエンド嬢は首に掛けた手拭いで顔のそばかすの辺りの汗を拭う。この場所では実験的な農法や希少な作物の栽培が行われていた。もちろん百余年を生きる彼女が見た事が無い作物も数多くある。

 

――きっと、星欧世界は広い。少なくとも自分が想像しているより――3年前の彼女の世界には、狭く痩せた旧エルフィンドの農地しかなかった。抑圧的な閉鎖的な因習的な大地。それでも自分たちは懸命に相応に熱心に農作従事していたはずだった。しかしそれはおよそ10キロメートル周囲外は我が事ならず知らぬ事という無関心の罪であったのかも知れない。……そして罰が来る。

 

ある時から次第に、そして急速に、白エルフの地主たちに非協力的な闇エルフの小作農たちは失踪・収監・強制労働などを余儀なくされていった……。それでも。それでも! 明日は変わらないという思い込み、それともある種の牧歌的な願い、もしくは認知の歪みを抱え込んで手放さなかった――それは後に『正常性の先入観』と言うのだと、オークの学者たちに教えてもらったが――そして無知と無関心のツケが最悪の虐殺と言う形で訪れたのである。

 

最早無知ではいられない。出なければ不遇なる同胞たちに申し訳が立たぬ! 逃避行、シルヴァン川を越えられなかった者。戦死、出征するも帰らなかった者。障害、エルフィンドに手足耳目を置いて来た者、心身に重篤な傷を負った者。帰還、幸運にも無事戦争凱旋出来た者。――あるいは怯惰、この地に辿り着きながらも出征しなかった者の1人として。

 

悔悟呵責の存念を胸に積極進取の気概を足に、そして王妃より託された奇妙な『紫色の根菜』の幾つかを手に。

百余年を生きてようやく遅ればせながら無関心と無知を更新すべく彼らの知恵を借りるとしましょう。優しい彼らに頼る事は罪ではないのだから――

「――お世話になりに来ました!」

「世話をするのは良いが、その『紫色の物体』は本当に食えるのか?」

「姉さ――王妃様からはこの野菜の利用法を考えて欲しいとの事です」

「室長の僕がお世話をするかを決める事なんだけどね……良いけどさ」

「常々思いますが、参謀部の殿方は素直ではない方々ばかりですわね」

「小官から何も申し上げられる事は何も無く黙秘するものでアリマス」

「と言う訳で安楽椅子探偵たる我が友ジークハルトよ。後は頼んだぞ」

 

ともあれ、自分だけで出来ない事は他に頼る。魔種族統一国家たるオルクセンでは正しい姿勢であろう。食材に関する事であるならば知識と知恵に右に出る者は無い牡であると、豪語させられる『食品研究室』室長ロートバルト中佐は、机上に置かれた野菜を前に何故かこの場で階級最上位者であるグレーベン少将に異議を唱えた。

 

「僕は別に出不精だったり部屋の隅で紐の切れ端を持ってる訳じゃないよ」

「灰色の脳に図書館があったり美食家だったり庭園いじりをしてただろう」

「蘭を育てているのは僕の父の方だよ」

「ところで蘭って食べられるのです?」

「肥料に毒性が無いのを使ってるなら」

「オルクセンの方は何でも食べますね」

「小官は蘭を食べれるとは存ジマセヌ」

 

献身忠勤な下士官たるフェルト軍曹は会話の脱線事故を曳き続ける士官たちを擁護すべく自らの知識経験不足を敢えて呈す。このままではダークエルフたちに『根っこから出来る物は何でも食べる』と誤解を招きかねぬ。その上で当然の疑問と修正を促した。

 

「ところでこの『紫色の野菜』は何という物でアリマス?」

 

                      /*/ 

 

――会話は路線上に戻るとして。

モリエンド嬢曰く、それは『甘藷』と言う珍しい野菜らしい。そしてその利用法を『ディネルース王妃より託された』となれば、それは王命に等しい。

しかし正直のところ『食品研究室』の軍人一同、幾つか『甘藷』の種類はあるとしても、良い意味で表現すれば『濃い葡萄色』より生々しく表現すれば『毒々しい紫色』の表皮をした、この『中心が太く両端は細い紡錘形の塊根』の品種に総じて引き気味であった。

 

星欧の色彩文化では俗に、情熱の赤、冷静の青、純粋の白などと称される事が多いが、紫は神秘の色であると同時に毒の色である。既知の食材として葡萄・クロスグリ・紫キャベツなど紫色ではあるが、この『甘藷』の形状も聊か印象が宜しくない。グレーベンが愛妻の実母として敬愛と共に畏怖する『北の良き魔女』シュヴェーリン夫人が大釜で黒イモリと一緒に煮込んでいたり、塊根を土壌から引き抜いた瞬間に死告哭女の如く絶叫を上げる方が余程『らしい』とも言えた。

 

要するにコレ食べる事が出来る物か……? という不安事である。何せゲルズガルド少尉に至っては「夜に足が生えて歩き出しそうです」など正気度が低い怪奇譚が出る始末で……まぁ、未知は『そう言う物』である。だがそれでも、何だか分からない物事は調べる。オルクセン総軍に所属する参謀将校としては正しい姿勢であろう。

 

頭脳労働には甘味だなと砂糖を多めに入れた珈琲を勝手嗜むグレーベン少将を尻目に、ロートバルト中佐はほぼほぼ自費で『食品研究室』に収めた図鑑書籍から『原色星欧野菜図鑑』『ジョルジュ・コラファス航海誌』などと言う参考資料から『甘藷』という根菜の記述を見つけ出した。キャメロットにて予想外にも実際は馬鈴薯の普及より早く伝わっているが比して普及にはしばらく掛かったという。

 

「取り敢えず見栄えが悪いんだよね」

 

ロートバルト中佐は『楕円状に曲げた細い金属板の先に刃を内に取り付けた、皮剥きの料理器具』を用いて、シャリシャリと『甘藷』の皮を剥き始めた。

意外にも内部は生木に似た薄い黄白色で、仮に形を整えれば『馬鈴薯』ような雰囲気があった。

 

「……いや待てジーク。その『皮剥き器』はなんだ」

「うん? 陛下が内々御自分で使われていた器具を、許可を取って複製したのだけど」

 

どうだい流石は我らが陛下。知恵者でいらっしゃる。特許をお取りになられて国内に普及させるべきだろうと、褒め称すロートバルト中佐から『皮剥き器』を借り『甘藷』の皮剥きを自ら実践するグレーベン少将である。手元に引いて剥く事で周囲に刃を向けず、刃が内向きである事から自分の指を切る事もあるまい。

 

少なくともそれまで小型ナイフで馬鈴薯の皮を剥いていた事を考えれば遥かに効率的であろう。貴様ら試しに使って見よと机横の少尉や軍曹にモリエンド嬢に渡して同様の高評価を聞き、調理兵たちが泣いて有難るだろうと一考し――腕組みながらにボヤいた。

 

「懲罰時の『馬鈴薯』の皮剥きが罰則にならなくなるな!」

「僕は偶の腕立て程しか懲罰が無かったから寂しくないよ」

「懲罰内容に種類の変化が少なくなる事を憂いたまでだ!」

 

偏屈と煩瑣の代名詞である人物であるグレーベンだが、先達が受けて来た苦労を金科玉条の如く引き継ぐ様な頑迷さや、自分が受けて来た苦労を旧態依然に後輩に押し付ける狭量さとは無縁の融通無碍の徒であった。もっとも士官学校時代からの同期である中佐としてはそもそも懲罰を喰らうような事をするなと苦笑するしかないのだが。

 

「懲罰内容を増やすなら、身長ほどの塹壕穴を掘って掘り終わったら埋め戻す作業を無限に繰り返す。とかを半年ぐらいやると良いかも知れませんわねー」

「「「「なにそれこわい」」」」

「執行猶予大隊へやるならねぇ」

「心も筋肉なら可能でアリマス」

「誰だコイツを育てたヤツらは」

 

お互いを指差し合う高級参謀の二人であった。

 

                      /*/ 

 

さて、改めて『甘藷』について記述する。内戦で分かれたセンチュリースター南部連合のさらに南方の高山地帯が原産地であり、イザベリア王国の冒険商人ジョルジュ・コラファスが星欧諸国に持ち込んだ栽培植物の一つとされる。

 

ヒルガオ科の多年生植物で高温や乾燥に強く、痩せ地でも良く育つ丈夫な野菜で塊根を食用にするが、寒さに弱い熱帯作物であって星欧では馬鈴薯のようには普及しなかった。本来は水捌けが良過ぎる土地で5・6月中旬に植え付けて10・11月に収穫する。オルクセンでも排水の良い火山灰土か砂質壌土などが適するためグスタフ国王の農政を以って尚めずらしい食材である。

 

「まさに異なる地域の食材だね」

「寒さに弱いなら知らん訳だな」

「品種も幾つか在るようですわ」

「取り敢えず食べてみますか?」

 

食える物ならまずは焼いてみようとばかりに食する一同だが何とも難しい顔をする。食べ慣れぬとは言え品種によって味も食感も違い過ぎたのである。

 

「にんじん……?」「でかい栗……?」

「どんぐり……?」「甘い馬鈴薯か?」

「ほくほくした感じ?」「繊維が多くアリマス」

「量が余ったら牧畜の飼料にするヤツか……?」

 

品種の違いを大別するに、水分量に反比例しデンプン質が多くなり皮が剥がれ難く、中が橙色から薄い白褐色になってホクホクねっとりして甘くなる。水分が多いものは瓜のように用いるべきにて、水分が少ないものは芋として用いるべきであろうという事が分かる。難しかったのは原種に近い品種は白い表皮に甘くは無い物で、如何に原産地で品種改良の努力がされて来たかが窺わえた。

 

「ほくほくした品種を馬鈴薯のように扱えば良い……?」

「グラーシュの具とかにですの……? 甘すぎません?」

「焼きどんぐりみたいに食べれば良いのではアリマス?」

「単に焼いて美味ければ良いがそれはそれで芸が無いな」

「そもそも王妃様は何故これを試せと仰られたのか……」

 

確かに星欧大陸でも比較的北部にあり豊饒の大地と謳われる程に土壌が豊かなオルクセンでは栽培に向いていない。それでも行うならオルクセン王国の南方であるアスカニア王国か、憎むべき伝統にして『国家百年の敵』である西南のグロワール帝国――

 

「この『甘藷』はどちらかと言えば『救荒作物』なんだよ。これはオルクセンで育てる物じゃない」

「えぇと『救荒作物』とは一般の作物が凶作の時に代用にするために栽培する食物なのですよね?」

「凶作と言えば旧エルフィンドですが此方より寒い彼方は余計に栽培に向かぬと思うのでアリマス」

「あと食うと屁が出るなこの芋」

「叔父様ー? お下品ですわー」

 

雪降る北でも『甘藷』が育つならば清純派を自称するエルフ共に屁を出させて増長漫をへし折れたなと、余りにもな迂遠な策謀を述べるグレーベンに眉根をひそめるゲルズガルド少尉だが、対面のロートバルト中佐は深く椅子に座って手を組むと、祈るように問い掛けた。

 

「――少将殿。いまグロワール帝国の国内情勢はどうなっている?」

「うん? 九月一一日時の情報として皇帝の病状が厳しいらしいな」

「えぇと、グロワールです? どのような関係があるのでしょうか」

 

――グロワールの経済状況はベレリアント戦争を乗り越えたオルクセン王国と比してすら潤沢と言い難い。国民生活も然るべく食も物流も細いと言えよう。グロワール国境線での農地農民の貧困さは補給線の細さでもあり、オルクセン国内に侵攻を受けた場合の市民被害の範囲にもつながる。逆説的に言えば予め水面下で一般市民に安価で恩を売り、栽培容易な作物による人道的措置と言う名目で農政干渉を行うならば、すなわち民衆意識に精神的な緩衝地帯を図る事も出来ようと――

 

「なるほどな。食い物さえ与えれば、人間はひれ伏すのだ。なぜなら、食い物より明白な物はないからな」

「とても気の長い話ですわ……」

「でも準備するのは良い事です」

 

ロートバルト中佐の素案に「まぁ年越しのネタだな」と意を受けたグレーベン少将は、それはそれとして食い甲斐があるような使い方を考えておいてくれと珈琲を飲み干して退室するも、数日後にはそれどころではなくなる――

 

――三日後。

星暦八七八年九月一二日。グロワール第二帝政の皇帝デュートネ三世、逝去。享年70歳。

同年、九月一四日、夕刻。オルクセン国土防衛を主とする、国軍参謀本部作戦計画二号、発令。

同年、九月一七日、午後四時――

 

「市民諸君! 我々はここにデュートネ三世とその一族が、グロワールに君臨する事を永久に廃した事を宣言する! 共和政万歳!」「帝政廃止!」「共和国万歳!」

 

グロワール政変、勃発。

 

                      /*/ 

 

――グロワール政情は九月一九日、皇妃オーギュスティーヌがアルビニー王国への亡命で暫定的な安定を見た。

 

「どえらい目に遭った」

 

およそ10日振りに『食品研究室』方面への撤退に成功したグレーベン少将はどっかりと虚脱する様に深く椅子に嵌り込むとゲルズガルド少尉に珈琲を所望した。この度はベレリアント戦争当時と違って、かつての右腕とも頼んでいたライスヴィッツ中佐は昇進して旧エルフィンド占領軍総司令部へと。左腕とも頼むビットブルク少佐は遠く道洋に赴任している。とにかく手が足らなかった作戦部長は気苦労が絶えなかったのである。

 

ロートバルト中佐はお茶請けにとオーブンから出したばかりの甘藷の焼き菓子――蒸して裏漉しした甘藷を砂糖と牛乳で練り上げて焼き、別途にて小麦粉の焼き菓子を砕いて堅果のへたの殻斗を似せてどんぐりに模した物を皆に配る。

 

「おぉ、この甘藷のどんぐり焼き美味いな。数があったら妻の分もくれ」

 

遠慮が無い少将に用意してあるとそつ無く紙箱に入れる中佐だが、モリエンド嬢はそばかすの辺りを両手で押さえて悲しげに問い掛けた。

 

「本当に美味しいのですけど、王妃様のご期待に添えられそうにありません」

 

歴史的に見るならグロワールの政情不安は、革命派による世界初の労働者政権リュテス・コミューンが翌年、星暦八七九年五月にグロワール共和政府による武力鎮圧に至ってようやく落ち着く事になる。農政干渉という『甘藷』の運用はそれからと言う事になる。

 

「そこで考えてみたんだけどね」

「お、何ぞまた悪知恵が出るか」

 

普通に『甘藷』は食す事も可能だが、加工品と言う観点ならば食部である塊根はデンプンや栄養素を豊富に含んでいる。なんならグロワールで作らせた物はそれと意図した関税を掛けて輸入してオルクセンで加工すれば良い。腹は膨れるが外貨獲得にならぬと真綿で首を縛る方法として――

 

「馬鈴薯の様にお酒を作れないかなと。何年も掛かると思うんだけどね」

 

穀物に比べてデンプン質の含量が低い『甘藷』は生産効率がビールの様に高くはない。しかし既に馬鈴薯やどんぐりや栗の蒸留酒が存在する事から甘い独特の風味の酒を想定する事は出来る。

 

以後、ヴァルダーベルクのオルクセン農事試験場で甘藷酒の試作が始まった。当初は生の『甘藷』が変質したり、糖度が高いために雑菌が繁殖したり、発酵中の醪の粘度で作業性が悪かったりと困難はあったが、数年後にはオルクセンの良質な水に支えられ一定量を醸造する事が出来た。オルクセン醸造の甘藷の蒸留酒はでんぷんと水分の含有率の関係で、軽い口当たりと樽香の移りやすさが特徴になる品目になるだろう。モリエンド嬢曰く――

 

「驚きました。想ったより私たちは、何だって出来るのかも知れません」

 

――更に数年後、ヴァルダーベルクのダークエルフ総意により献上された甘藷の蒸留酒『エルケーニッヒ』――オルクセン国王グスタフ・ファルケンハインを敬して名付けられた――は、スッキリした味わいとリンゴを想わせる吟醸香と豊かな余韻が印象的で、特に氷河の氷で蒸留酒を割る『正常性の先入観』を排した飲み方は「たまにはこういうのも良い。結局私は山間民族の親玉だ」と嘯くディネルース王妃に好まれた。

 

尚、グスタフ国王は『エルケーニッヒ』の銘柄の名前自体を苦笑する様に微笑んでいたが……その理由は定かではない。

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




『ラッカーズボランティア』のkarkaroffさんはオルクセン以前からの友人であり、軍事系知識や西欧の料理食材の考証をお願いしております(いつもありがとうございます)今回は特にオルクセン芋焼酎のシミュレートをドイツ現地に問い合わせの上お教え頂きました(心底感謝)

また、彼にオルクセン王国史をお教えしたのは私でもありますが『ラッカーズボランティア』再開に向けていささか煽っておきましたので期待しましょう(私も読みたい)https://syosetu.org/novel/353203/

                    /*/

◆はすたさんの与太話。

ドイツでのさつまいも
 > 長らく観賞用植物として扱われており今でもその用途が多いそうです。

「僕は別に出不精だったり部屋の隅で紐の切れ端を持ってる訳じゃないよ」
「灰色の脳に図書館があったり美食家だったり庭園いじりをしてただろう」
 > 隅の老人、エルキュール・ポワロ、フィリップ、ネロ・ウルフ、ミス・マープル。いずれも名探偵。ポワロ以外は安楽椅子探偵カテゴリ。

「蘭を育てているのは僕の父の方だよ」
 > ジークハルト・ロートバルト中佐の元ネタの一人のお父さんの趣味。
土壌から引き抜いた瞬間に死告哭女の如く絶叫を上げる > マンドレイクかよw
正気度が低い > SAN値ピンチ。

ジョルジュ・コラファス > 
1992年制作の映画『コロンブス(原題: Christopher Columbus: The Discovery)】の俳優さん。アルベール・デュートネのネタに沿ってフランス語読み。

楕円状に曲げた細い金属板の先に刃を内向きに取り付けた、皮剥きの料理器具
 > 史実のピーラーは1947年のスイスで発明されています。

「にんじん……?」 > ドイツの主なさつまいもは中がにんじん色で食感も違うのです!
白い品種 > さつまいもの原種は南米の熱帯地に生息するトリフィーダという植物だそうです。

蒸して裏漉しした甘藷を砂糖と牛乳で練り上げて焼き、
別途に小麦粉の焼き菓子を砕いて堅果のへたの殻斗に似せてどんぐりを模した物 > 
オルクセン王国史プチ同人誌即売会【師団対抗演習2025】にて
『にゃんこてぃーるーむ』さんがお作り頂いた、焼きどんぐり型スイートポテトです。美味しかったですよw

甘藷の蒸留酒『エルケーニッヒ』
 > 芋焼酎の魔王w ちなみにシューベルトの『Erlkonig(魔王)』は1815年ですね。

                      /*/ 
◆今回のボツネタ。

ぷ。

「上官の眼前に憚りながらも出物にて恐縮でアリマス」
「将官がおる場で大変結構。腕立て20回にしてやる」

窓際からのどこか滑稽な音が何を示すか分からないモリエンド嬢だが、唐突に出口脇のフェルト軍曹が腕立てをし始めた。
はて、何故か赤い顔を逸らして日を背に浴びる少尉さんに加え、少将殿と室長の中佐は苦笑しているのだが。まぁ、ダークエルフの彼女には良く分からぬ事であった。オークとコボルト風の風習があるのだろう。

◆今回のボツネタその2。

「すかーぴー。すかーぴー。すかーぴー」
「ディネルース姉様、寝ちゃいましたけど」

王妃と言う立場上、酒杯を上げるべきは諸外国や政府高官たちとの祝宴という単語であって友人たちとの酒盛りなどという機会は難しいものがある。しかしながら、かねてよりの同胞たちとの集まりとあれば顔を出さぬ訳にはならなかった。この辺ディネルースと言うエルフは非常に付き合いが良く、顔が広い。伊達に年齢や腕っぷしだけで氏族長なった訳ではないのである。だがしかし。

「あーあーもー、お腹出しちゃって一国の王妃様がはしたない」
「まぁ、私らも高級将校みたいな面してますけど元は山のマタギですからね」
「うむ、正直言えばドンパチするより鹿撃ちでもしてる方が性に合うからな」
「それはそれとして、この芋焼酎美味しいですね」
「よーしでは、我らが王妃様のお腹を酒の肴に!」「「「「「かんぱーい!」」」」」
「すかーぴー。すかーぴー。すかーぴー」

                    /*/

お気に入り登録、評価やご感想、読了ポストを頂けますと、とても励みになります。よろしくお願いします。
PixivFanboxにも連載しています。https://hastur.fanbox.cc/
こちらでは作中の『レシピを限定公開』しています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。