黙示録と名づけられた迷宮   作:神流朝海

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こんにちわ。

お久しぶりです。
受験などでこちらを書けず、もうすぐ三週間というところでした。
待ってくれていた方、申し訳ありませんでした。

では、どうぞ


《少女が創り出した迷宮》

外の景色は、ひどいものだった。

調査団の報告とは、まるで違う。

そもそも、学校すらなかった。

あるのは、俺達がいた廊下の部分だけ。

あとは、圧倒的に広がる、なにもない闇色の平原。

 

赤い月。

 

青い雲。

 

さっき襲ってきた蛇のおもちゃが破壊されている姿が七つ。

そして、さっきまでクラスメイトだったはずの人間の死体が、三つ。

少女がニ人、少年が一人、死んでいた。

おそらく群青の仲間だろう。

辺りを見渡すと、背後の少し離れたところに巨大な城がそびえているのがわかる。

ゴシック調の巨城。

 

RPG的思考なら、あそこに発病少女がいるのだろうが、それはあたっているのかはわからない。

 

「陽見」

「ひゃうっ!?え?あ、あ、あの、あのあのあの、ははは、はい・・・」

真之介が陽見の名前を突然呼んだ。

陽見は奇妙なほど驚いて言った。なぜか顔が真っ赤だ。

 

「え、なんでそんなに驚くの?」

「・・えと・・・あのあの、初めてその・・・名前を呼んでもらったので」

「はぁ?」

「いや、あの、とても嬉しくて」

「はは、そう・・・ってかこの状況でその反応、おかしくない?」

「ん~名前呼ばれただけでそんなに驚くか?」

「あ、いや、翔哉さんは普通に呼んでくれてますから。あの・・・すみません」

「ま、いいけど。君、マッパー系の魔法入れてる?」

「・・・それは、発病少女の居場所を見つけることが出来る魔法があるのかってことですか?」

 

そんな話をしている間も迷宮生物達は待ってはくれない。

数にして十六体。

距離にして90、100、102、93、107―――・・・いい感じに狙撃の間合いだ。

また、呪い唄を流す。

使うのは、さっきも使った『霧雨スイッチ』

すぐに脳漿が呪いで、魔法でダブダブになる。

狙いを定め、小さく呟く。

 

「霧雨スイッチ」

 

そして、現れた水がオモチャを貫き、壊していく。

 

「お前・・・すごいな」

「あら、見えた?目、いいね」

「いや、この距離から正確にヘッドショットとか、お前の方が目いいだろ」

「見つけた!やっぱりあの城にいました」

 

突然、陽見が嬉しそうに言う。

何かやっていたのだろう。

陽見の目の前の空間には、立体的な格子模様が現れている。

その立体格子模様の中心に『陽見』と書かれた文字がある。

横に白、翔哉、真之介と書かれている。

おそらく、味方の場所を特定する類の魔法だろう。

 

「へぇ~。おもしろそうな魔法使ってるね」

「え、あ、そうですか?」

「ねぇ、この魔法、友達だけを表示するんだよね?」

「あ、はい」

 

友達だけを表示する、ね。

なかなかおもしろい魔法だ。

 

「じゃあなんで僕の名前があるの?君の友達になった覚えはないんだけど?」

「いや、あの、それは―――」

「そういう魔法なんだよ。真之介。下の名前を呼べば承認される。これはそういう魔法らしい」

「は?なにそれ。まじで馴れ合いじゃん」

「まぁまぁそういうなよ真之介。俺たち仲間だろ?」

 

白が真之介の肩を組みながら言う。

それをうざったそうな顔で真之介が払う。

 

「触るなよ馬鹿」

「つれねぇなぁ」

「わ、わ、私は!真之介さんと友達になれて嬉しいです!」

「はぁああああ?ふざっけんな」

 

真之介がうめく。

そんなみんなのやりとりを見ていて、少しおもしろいと思う。

 

・・・おもしろい?

 

なんで・・・俺はおもしろいと思っている?

 

今は感情を閉ざしていたはずだ。

 

だから、おもしろいなど、思わないはずだった。

 

「もういい。君らといるのは疲れたよ。進もう。くだらない会話をしてる場合じゃないんだろ?」

「ああ、そうだ」

 

白がうなずき、走りだす。

真之介も陽見も、それについて走る。

向かうは巨城。

陽見の魔法を使って、発揚少女がいる、と特定した不気味な巨城。

もちろん俺も、それについて走る。

閉ざしたはずの感情がでているのを、疑問に思いながら。

 

 

城門は開かれていた。

中には誰もいない。

冷たい石造りの、灰色の床と壁。

広大な空間に、長大な柱。

 

「階段はどこだ?手分けして探すか」

 

白が言う。

もちろんその案はおすすめできるものではない。

たった四人しかいないチームで、敵に襲われてしまったらひとたまりもない。

だが、だからといってゆったりと探している時間もない。

 

「いいよ」

 

真之介が言った。

 

「僕はそもそも、友達なんかいらないから。白と陽見と翔哉は右前方へ。僕は左前方へいく」

「はぁ?真之介。なんで俺も白たち側なんだよ」

「そりゃ、お仲間が大好きな人たちに遠慮したからに決まってるだろ」

「いやいや、お前、俺をどう見てんだよ。俺はそっち行くからな。一人よりニ人の方が効率がいい」

「・・・はぁ。いいよ。好きにしろ」

「そうか。じゃあ、三分探して、なにも見つけられなかったら、ここに戻る。いいか?」

 

その白の提案に、真之介は笑った。

 

「なんだよ。それ。いつでも一緒。女子の連れションか?戻る必要なんてない。見つけた奴は、上にいく。時間がない。間違った奴は、正解だった奴のあとを追う。違う?」

「俺もそれでいいと思う」

「・・・違わない。それでいこう。なあ真之介、翔哉」

「うん?」

「どうした?白」

 

白が真剣なまなざしで―――真っ赤な瞳で俺と真之介を見て、言う。

 

「・・・おまえら、死ぬなよ?俺は仲間が死ぬのは、嫌いなんだ」

 

その言葉は、過去にそういったことがあったからだろうか?

前に誰か、仲間が死んだことがあるのだろうか?

とにかく白は、仲間が死ぬのは嫌いらしい。

もちろん、死ぬ気なんてない。だけど、

 

「へぇ。仲間が死ぬのは嫌い、ね。俺には仲間とかいなかったからなぁ」

「僕にもわからない感情だなぁ」

「二人して嘘ついてんじゃねぇよ。翔哉は優しくて仲間思いだ。真之介は口調はムカツクがほんとはいい奴だ。それに孤独は気取っているが、ほhんとは仲間を欲しがってる。違うか?」

「はぁ?死ねよおまえ」

 

白はにやにや笑って、言う。

 

「やだね。死なねぇ。で、お前も死ぬな。約束だ。翔哉もだ」

 

と言って、白は俺と真之介の胸をどんっと拳でたたいて、笑う。

 

「とにかく生きて、この迷宮を攻略するぞ!」

 

そのまま白は右前方に走り出す。

陽見も、こちらを一回見て、

 

「気をつけてください。真之介さん、翔哉さん」

 

と言う。

・・・仲間。

それは、黙示録を攻略するために不可欠だろう。

だけど、それは・・・

 

「・・・気をつけろって言われてもねぇ」

「・・はは、確かに」

 

真之介が走りだす。

俺もそれに合わせて、走る。

走っている間に、指をほぐす。

なめらかに魔法が使えるように。

真之介と二人でも、いや、独りでも迷宮をクリアできるようにするために。

 

「こりゃ~、神奈川三百万人は、無理かなぁ」

「いや、無理じゃないだろ。そうだな。適当にキリでも拾ってけば、俺たち三人でなんとかなるさ」

「いや、なんであの胸だけ女が出て来るんだよ」

「いや、だって、キリって強いじゃん」

「はぁ?まだ魔法見てないのになんでわかるんだよ」

「・・・シッ」

「・・・・」

 

俺が静止を促す。

ようやく階段を見つけた。

だが、階段がある柱の裏から、人が、上半身だけ飛び出してきたのが見えたから、止まるよう、声を出さないように、伝える。

その上半身しかない人間の腕についている腕章は、『三組』だった。

 

「・・ラッキー」

「はぁ・・まじかよ」

 

真之介からため息が聞こえる。

そんなことをいいながらも、音を立てないように、柱に近づき、奥を見る。

先ほどの生徒を斬り飛ばしたのは、身の丈が三メートル程ある、巨大な化け物だった。

角の生えた頭に、コウモリの様な羽。

筋骨隆々の体に、黒い皮膚。

昔ゲームをやってた俺からすれば、見た目はデーモン。

そのデーモンが、斧を持っている。

その斧には血がついていて、それはおそらく、一人や二人のではないのだろう。

今も『三組』の生徒が数名、戦っている。

そして、そこで声が聞こえてきた。

 

「あ、くそ、速・・・このバケモノが、いい加減にし・・・ああもう!」

 

知ってる声。そして、今まさに俺が探していた人物の声だった。

もちろんキリだ。

そのキリの手には、魔法で作り出したであろう刀が握られていた。

すでに俺の脳漿は『霧雨スイッチ』の魔法でダブダブだ。

 

「くぅっ、おっもいなぁもう!」

 

その刀で、デーモンたちの斧を弾く。

やっぱりキリは強い。

さらにガン、ガン、ガンっとあきらかに人間では防ぎきれないような膂力で振りかざされた斧を、キリは刀で受け止めていく。

 

「ぐ・・・あ、もうっ」

 

デーモンが大きく斧を振り上げる。キリが刀を両手で刀を構える。受ける。受けきれない。

 

「うあっ、まず・・・」

 

と、キリはいいかけ、そこでニヤリと笑みを浮かべる。

 

「なーんてね。この隙はフェイント~。相原さん、佐藤さん、ここで援護魔法を―――」

 

が、キリの言葉はそこで止まる。

なぜなら柱の向こう側の、他の『三組』の生徒たちが、一斉に魔法を発動し始めたから。

所詮、その程度の覚悟しかない連中なのだ。

使った魔法は、『エスケープスイッチ』

 

「エスケープスイッチ」

「エスケープスイッチ」

「エスケープスイッチ」

「霧雨スイッチ」

「なっ、ちょちょちょ、そりゃないでしょ!私たち・・・」

 

キリの表情が驚きの表情に変わる。

予想外の攻撃に、だ。

もちろん、俺の狙撃のことだ。

 

「・・・え?」

 

その俺の狙撃は、正確にデーモンの弱点である首の後ろを貫く。

それを確認してから、真之介と共にキリの近くにいく。

 

「なんだよ。僕が加速スイッチで殲滅しようとしたのに」

「おいおい、そんなに白馬の王子様になりたかったのか?」

「はぁ?」

「・・・えっと、助けてくれてありがとう・・・?」

「なんで疑問系?キリ」

「助けてやったんだから礼くらいしろよ」

「「真之介はなんもやってないだろ(でしょ)」」

「あ、えと、でも助けてくれてありがと」

「いいや、まさか友達全員がエスケープするとは思ってなかったけどね」

「さすがの巨乳も一日じゃ、友達は作れなかったみたいだね」

「あはは、言ってくれるね」

「そりゃ、僕はこの学年で君以外は友達だから」

「まぁ、その話は帰ってからしようか。今は進もう」

「ええ。そうね」

「ああ、そうだね」

 

 

―――名前 有栖真之介

主な使用魔法 加速スイッチ、魔剣スイッチ

短所 人間を信頼していない

長所 魔法の扱い方がよく、一人でも迷宮を攻略できる

―――

 

―――名前 気流キリ

主な使用魔法 ????? ?????

短所 心がよく揺れる

長所 魔法の扱い方がよく、仲間もすぐ増える

―――

 




キリが登場です。
すみません。キリの魔法は今、手元に資料がないため、こういう形になってしまいました。
この先はまだまったく考えてないです。
これから時間あるので、ゆっくり考えようと思ってます。

読んでくれてありがとうございました。
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