ダンジョンに強者面(ビビり)が来るのは間違いだ!   作:パーカス

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装備と技術、そして思惑

ダンジョン内、2人は7層で狩りをしていた。

 

「はぁ!!」

 

ベルは小剣(ショートソード)を振り翳し、ウォーシャドウを難無く倒す。クロも長剣(ロングソード)を巧みに扱い、4体同時に討伐する。

 

「ステイタスを更新したお陰か、大分強くなったな」

「はいっ、でもまだまだ強くならないと……!」

 

ベルは意気込み、手を強く握りしめる。

 

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昨日の出来事。

怪我が治り、ヘスティアにステイタス更新をしてもらった所、殆どがFまで繰り上がっており、どれだけ無茶をしたのかヘスティアはベルに対し、お願いをした。

 

「お願いだから、僕をひとりにしないでおくれ」

「はいっ、無茶しません。強くなれるように頑張りますけど、絶対、神様をひとりにはしません」

 

ベルの言葉を聞いた後、壁にもたれかかっているクロにも問い掛ける。

 

「クロ君も、無茶だけはしないでおくれ」

「……了解」

 

まさか自分にも問い掛けてくるとは思わず、少し間を空けて返事を返してしまった。そのせいかジト目で見られ、視線を逸らすしかなかった。

ヘスティアは、溜息を吐き2人に2、3日留守にする事を伝える。珍しく彼女がやる気に満ちており、ベルは元気ですねぇと呑気でいたが、クロは冒険に出掛ける前に、ヘスティアに話し掛ける。

 

「神ヘスティア」

「ん?なんだい?」

 

ヘスティアはなんの用?と首を傾げ、華奢な顔をこちらに向ける。

 

「ベルの武器を見繕ってもらう気か?」

「ッ!?な、なんの事だい?」

 

白々しく目を逸らし、拙い口笛を吹くヘスティアに対し、クロはズバズバと攻めていく。

 

「資金がないファミリア(うち)に武器を買える程余裕はない。しかしこと現状においてあんたは伝手を使い、ベルの力になろうと目論んでいる。違うか?」

「うぐっ」

「伝手の相手……鍛治の神辺りか?生憎神の名前には疎いもんでな。まぁそれでも鍛治の神なら他の武器には遅れをとらん程強力な武器が作れるだろうな」

「うぐぐっ」

 

呻き声が徐々に進化していき、そして手を上げ降参する。これ以上隠し通すのは無理と判断した為だ。

 

「その通りだよ……僕はベル君の力になってあげたいんだ。その為に今日から3日、いやそれ以上掛かってしまうかもしれない……でも彼女にお願いをしに行く。断れるのは目に見えているよ……それでも力になってあげたいんだっ、だから────」

 

彼女が言葉を紡ぐ前に、静止させる。クロは頭を掻き、何か誤解されてる雰囲気があったので訂正する。

 

「別に悪いとは思っちゃいねぇさ。それに眷族(こども)の為に主神(おや)が身体を張るんだろ?いい事だと俺は思うぜ」

「クロ君……」

「俺はただ確認を取りたかっただけさ。主神(おや)の動向が気になって聞いてみた、ただそれだけだ」

 

クロは振り返り、部屋から出る。その前に、彼はヘスティアにエールを送る。

 

「ベルには内緒にしておくさ。頼りにしてるぜ、神さま」

 

彼が完全に部屋から出て行った後、ヘスティアは改めてクロという自身の眷族(こども)に感謝した。

 

「頼りにしてるのは僕の方さ。ベル君をサポートしてくれてありがとう」

 

聞こえていない、だがヘスティアはそう言わずにはいれなかった。

 

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その後2人は豊穣の女主人(ほうじょうのおんなしゅじん)に向かい、昨晩の事を謝罪し、シルにお弁当を貰い、ダンジョンへ出稼ぎに来ていたのだ。

ベルは強く握り締めた手を解き、クロを見る。その目は強さを求め、その中に優しさが感じられた。

 

「ならばまず、己の力量を知るべきだな」

「力量……ですか?」

 

あぁとクロは言いながら、ベルを指差す。

 

「今のお前は防具も無く、隙を突かれば一瞬で命を落とすだろう。お前が筋肉で出来た防具を持っていたなら話は変わるがな」

 

ベルは苦笑いを浮かべ、自身の今の装備を改めて理解する。

 

「だが残念ながら今の俺達に防具を掻き集められる程資金は無い」

「うっ」

 

ヘスティアファミリア最大の議題である資金問題を突き出され、ベルは呻き声を上げる。クロはそこで、とベルに持ち掛ける。

 

「資金集めしながら、お前には技術を磨いてもらう」

「技術?」

「あぁ、戦いに必要な技術をな」

 

そう言い、また新たに生まれた怪物(モンスター)に対峙する。

 

「相手の事をよく観察しろ」

 

クロは鞘に納めた剣を握り、構えを取りながらアドバイスを出す。

 

「視線、動き、位置。それらを把握し、相手が次何をするかを予測しろ」

 

怪物(モンスター)───オークは雄叫びを上げ、手に持つ丸太……天然武器(ネイチャー・ウェポン)を高く振り翳しクロの脳天目掛け振り下ろす。

クロは振り下ろされる丸太の軌道を読み、身体を捻る様にずらし、丸太と入れ違いにオークの顔面に────────

 

 

()()()が決まった。

 

 

オークはその巨体を浮き、宙を舞い、手から丸太が離れ、重力によって大地に叩きつけられた。

 

 

ベルは見た。

 

 

あの日、酒場で目撃した“()”を。

 

 

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ビビったァァァァァァァァァァァァ!!!?

 

あんなカッコつけて叩き潰されるのは嫌だ!!と思って回避性能だけ付けて綺麗に避けてドヤろうと思ったんだけど、やっぱこぇわ

 

まぁ綺麗に避けれたから良かったけどッ!?

何かカウンター決めたけど自覚ないけどねッ!?

決め手張り手って……ワシャ力士かッ!

 

ま、まぁ結果良ければ全て良しッ!て言うし〜

ここはベルにカッコつけますかぁ〜

 

「よし、やってみろ」

「無理無理無理無理無理無理無理無理無理」

 

首が取れるくらい凄い首振ってる……

 

結果、ダメでした★

 

 

 

結構ドロップ品が集まり、俺達は帰路に着いていると、ベルがすれ違う冒険者達の防具を見ながら、いいなと呟いていた。

正直買ってあげたいが今は資金不足だし、武器に関しては今ヘスティア様が頑張ってるから何も言えねぇし、どう声掛けようか悩んでいると

 

「あー今年もあの時期か」

怪物祭(モンスターフィリア)か。1年なんてあっという間だな」

 

怪物祭(モンスターフィリア)

通りすがった冒険者達がそう口にしていた。

原作をほぼ忘れた俺にはなんの事か分からず、ベルの顔を見るがベルも同じく分からないのか同タイミングで顔を見合わせる。

 

「「……」」

 

 

怪物祭(モンスターフィリア)って何……?

 

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空が暗くなり、夜を迎えた頃。

クロは一旦ベルと別れ、再びオラリオの探索に出向いていた。

メインストリートの周辺を適当にぶらつき、そろそろ廃教会(ホーム)に帰ろうと足を進める。

 

しかしその行く手を阻む存在が立っていた。

 

おいおい、なんでお前がここにいんだよッ!?

 

彼は心で叫び、目の前にいる相手に絶望する。

 

 

「……貴様がクロ・ユートか」

 

 

錆色の髪と瞳をしており、頭部からは猪人(ボアズ)の特徴である猪の耳が生え、身長は2Mを超える筋骨隆々の大男が立っていた。

 

 

「……【猛者(おうじゃ)】オッタル、か」

 

そう、オラリオ最強の名を持つ……【猛者(おうじゃ)】オッタルがそこにはいた。

互い何も言わず、両者睨み合い、静寂な時間が流れていく。

周りに人はおらず、両者の気迫がぶつかり合い、突風が吹き抜ける。

 

「まさか都市最強の漢をこの目で見られるとはなぁ……」

「……フレイヤ様が仰っていた通りだな」

 

オッタルは何かに納得し、笑みを浮かべる。

理解出来ず、あぁ?と声を漏らす。

 

「お前に忠告をしに来た」

「ほぉ……忠告ときたか」

 

忠告。猛者(おうじゃ)はそう言い、淡々と告げる。

 

「手を出すな。それがフレイヤ様の忠告だ」

「……」

 

オッタルは言葉を発さずただ黙り込むクロに怪訝そうにしていると、徐々に声が上がってくる。

 

「っは…」

 

果たしてそれは何なのか?

答えはすぐ分かった。

 

 

「アッハッハッハッハッ!!!!」

 

「ッ!?」

 

 

笑っていた。

高笑いを上げ、天に向け、豪快に、愉快に、爽快に、

 

()()()()()、だとォ?アッハッハハハハ!!!!」

 

彼の嗤いは段々収まり、息を整え、笑みを浮かべる。

 

「一寸の虫にも五分の魂。手を出すも出さぬも変わらん。己の成す事を果たす、ただそれだけの事よ」

 

眼光は赤色に煌めき、髪は逆立ち、臨戦態勢とも捉えられる程闘争心が漏れだし、オッタルを睨む。

 

「貴様らにこれらが理解出来るか?出来ぬなら出来ぬなりに理解しろッ!強さを求める漢の歩みは、くだらん茶番じゃあ務まらんッ!」

 

オッタルは息を飲む。

レベルは圧倒的にこちらの方が上。だがそれでも猛者(おうじゃ)でさえ気圧され、たじろいでしまう。

 

オッタルは理解する。

自身が待ちに焦がれ、止めどなく溢れる闘争心。

 

 

そしてオッタルが追い求めた壁──────“強者”の壁。

 

 

オッタルは笑う。

ようやく出会えた強者を前に。

自然と手が剣の方へ伸びる。

 

 

一触即発。今、()()を賭けての激戦が始まる。

 

 

─────────が。

 

 

「だがその茶番に、敢えて乗るとしよう」

 

クロが先に戦意を削いだ。

オッタルは、ハッと我に返り剣から手を離す。

 

「……そうか。話は以上だ」

 

オッタルはどこか物足らなさを感じつつ、引き下がろうとする。

 

「だが条件がある」

 

その足をクロが止める。条件?と疑問をぶつけ振り返る。

 

「その茶番……俺も見物させてもらおう」

「……」

 

無理とは言わせん、と睨みつけ、オッタルは今言える事だけ伝える。

 

「……フレイヤ様にそう伝えておこう」

 

そうかいとクロはボヤき、オッタルの横を通り去ろうとした時、オッタルが笑みを浮かべながら、小さく呟いた。

 

「……次は、戦場で合間見えよう」

 

勘弁してくれ、そう心で悪態つきながら聞こえないフリして通り去る。

 

 

ベルも苦労するなぁ……

 

そんな事思いながら、星空を眺めていた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「どう?オッタル」

 

バベルの最上階。

『美』の神───フレイヤは、傍らに立つオッタルに問い掛ける。

 

「……忠告は伝える事は出来ました」

「そう」

「ただ見物はする、と言っていました」

 

別に構わないわとワインを口にし、色気のある声を上げ、笑みを浮かべる。

 

「観客は多い事に越したことはないわ。それに、あの男も気になるもの」

 

オッタルもでしょ?と問い掛けるといつもは誤魔化すオッタルだが、隠すことなく答える。

 

「はい。紛れもなく、奴は強いと思われます」

「貴方が言うほど?」

「戦えばどちらが勝つか分からないほどに」

 

オッタルがそこまで言うとは思わず、フレイヤは流石に目を見開く。

 

「……彼は、私の邪魔をすると思う?」

「私の予想だと、大抵の事は流すと思います」

 

なら問題ないわと、再びワインを口にする。

 

 

私を楽しませてね?




最近、頭痛が酷くて困ってるパーカスでふ。
薬飲めば何とかなるさぁ〜



次回はもう執筆途中なので先にお伝えしておきます
これから先、原作には無いオリジナルな話が増えると思います。
ご了承ください。
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