ダンジョンに強者面(ビビり)が来るのは間違いだ!   作:パーカス

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捜索と剣姫、そして怪物祭(モンスターフィリア)

その日の夜、ヘスティアは廃教会(ホーム)に帰ってくることはなく、再び2人はダンジョンへと足を運ぼうとしていた。

 

「神さまが帰ってきたら、こんなにお金が貯まりました!って言える様に頑張らないと!」

「そこまで気を張る必要はないだろう。気楽にいけばいいさ」

 

やる気十分なベルを見て、微笑を浮かべる。

 

クロは昨日のオッタルの件を思い出し、これから起こる茶番について頭を悩ます。

その茶番にベルがどう立ち向かうのか気にはなるが、それ以上に神の遊び道具(おもちゃ)になってるんじゃないかと苛立ちを覚える。

だが、これが本来の物語(ストーリー)として、割り切っていかなければいけない事でもある。

クロは何も言わず、今はベルと他愛のない話をしながら、今日も荒稼ぎしようと気持ちを切り替える。

 

と、脳内で葛藤していたら人混みが増えている事に気が付く。

 

「なんだろう。やけに人が多いな」

「なんの騒ぎだ?」

 

ベルもこの人混みには違和感を覚え、闘技場の方を見ながら祭りの準備かな?と呟いていた。

混雑はより激しくなり、流石に人混みに押し潰される前に、2人は早足でその場を後にした。

 

「おーい、待つニャ白髪頭!頼みがあるニャー!」

「え?」

 

豊穣の女主人(ほうじょうのおんなしゅじん)の横を通り去ろうとした時、シルの同僚である茶色の毛並みの猫人(キャットピープル)───アーニャ・フローメルに呼び止められる。

 

「ニャからおミャーはこの財布をおっちょこちょいのシルに渡すのニャ!」

「え、えーっと……」

 

何を言ってるか理解出来ず、2人で首を傾げ困惑する。

 

「アーニャ、それでは説明不足です」

「リューはアホにゃ。店番サボって、怪物祭(モンスターフィリア)を見に行ったシルに、忘れた財布を届けて欲しいニャんて」

 

つまりそう言う事らしい。

アーニャとの仲介に入った空色の瞳と薄緑色のショートボブヘアをしているエルフ─────リュー・リオンは2人に頭を下げる。

要はサボりではなく休暇を取って怪物祭(モンスターフィリア)を見に行ったシルに財布を届けて欲しい、との事だった。ベルはそのお願いに即頷き了承する。一応チラッとクロの方も見たが、ベルの意思に任せると目で伝えた。

 

「分かりました。任せてください」

 

意気込むベルだが、今更ながらハッと思い出し恐る恐る質問を投げかける。

 

「で、あの……怪物祭(モンスターフィリア)ってなんですか?」

怪物祭(モンスターフィリア)というのは、ガネーシャ・ファミリア主催の年に一度のどでかいお祭りなのニャ!」

「闘技場を一日中まるまる占有し、ダンジョンから連れてきたモンスターを、観客の前で調教するのです」

 

ハードな見世物ニャ!とアーニャは笑顔で答え、2人はなるほど、と怪物祭(モンスターフィリア)が何なのか理解した。

2人はアーニャ達から依頼を完遂する為、早速闘技場の方へ向かおうとする。しかし、リューがその足を止める。

 

「すみません。一つだけいいですか?」

「なんですか?」

 

ベルが返事を返すと、リューはクロの方へ顔を向け、疑問をぶつけた。

 

「……どこかでお会いした事がありませんか?」

「酒場で出会ったのが初だと思うが……何故それを問う?」

 

逆にクロが疑問を出すと、リューは人違いか……と小さく呟き、すぐ頭を下げ訂正する。

 

「すみません。気にしないでください」

 

そう言って財布を2人に託し、店の方へ戻ってしまった。よく分からず2人して顔を見合い、疑問()を浮かべたがとりあえず闘技場の方へ向かうのだった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

前世?と言えばいいのだろうか……

少なからず闘技場周りの人集りは俺の知る祭りのほぼ変わらない程賑やかなものだった。

屋台や出店等、色んな催し物が出されていた。

 

「こん中から探し出すのは、流石に骨が折れるなぁ」

「凄い人集りですね……」

 

俺とベルはシルを探し、辺りをキョロキョロと見回すが、影すら見つからず、途方に暮れていた。

流石に俺のスキルもここでは無力であり、かと言って見つかりませんでしたーって言う訳にもいかんしなぁ……

1度受けた依頼は完遂する、それが俺達ハンターだからなぁ……

まぁ、狩りじゃないから該当しないけど。

 

そんな事思いながら辺りを見渡していると、何やら見慣れたロリツインテールが見えた。目を凝らし、よく見ると間違いなかった。

我らが主神、ヘスティア様だった。

ベルはまだ気付いておらず、俺はヘスティア様をじーっと見ているとその視線に気付いたのかヘスティア様もこちらに気付く。

 

 

─────そして俺に雷が落ち、名案に閃く。

 

 

ここでベルと2人っきりにしてやろう、と。

 

恐らくヘスティア様はベルの武器を遂に見繕ってもらったに違いない……

ならここはヘスティア様のサプライズに乗っかり、俺は少し遠くから後方彼氏ヅラをしてやろう……!

 

思い立ったが吉日、俺はベルに手分けして探す事を提案する。

 

「固まってても仕方ねぇ。別れて探すぞ」

「そうですね。僕、こっち探します」

 

頼んだ、と声を掛け、ベルを見送ってからヘスティアに合図を送る。

 

向こう、行った、俺、離れる。

 

分かった、ありがとう。

 

互いにジェスチャーで伝え合い、親指を立て合い、俺はベルとは逆サイドに回る。

 

……MISSION(ミッション)complete(コンプリート)

 

2人はこれからデートをし、仲を深め合うだろう……

つまり原作にいない俺はお邪魔虫。故にその輪に敢えて入らず遠くから見守る……

ふっ……我ながら名案だなぁ〜

 

俺は気分ルンルンで本来の目的であるシルを探しに屋台の方へ移動した。しかし影も形も見えず、捜索は極めて困難になってきた。

てか、この大勢の中で探すのがまず難題過ぎる。さしずめ、サイドクエストの魚釣りと同等だ(本社比)。

 

どうするか悩み、とりあえず行き当たりばったりで行く戦法に切り替える。

 

「あ」

 

そんな声が聞こえた。

俺はその声の方へ振り返り、すぐ反対方向を見た。

 

何故かって?声を出した本人が、【剣姫】アイズだからだよ。

 

しかもこっち見ながらの発言だった事を考え、一応気付かなかった(てい)で、捜索を開始する。

 

───────アイズが首を傾げている。

 

あっちかな〜

 

───────アイズがこちらに近付いて来ている。

 

や、やっぱりあっちかな〜?

 

───────アイズが回り込み、目の前に立ち塞がる。

 

クロは逃走を図った!しかし、回り込まれた!

 

「……どうして逃げるんですか?」

 

アイズが少し不服そうに顔を顰める。

 

そりゃ逃げるだろ!?

今1番会いたくないファミリアだし、1番会いたくない相手だよ!

 

「……何か用か?」

「貴方と……お話したい事があります」

 

アイズが何か言いたいことがあるそうだ!

だが、俺の直感で絶対ロクでも無いことである、と告げている!

 

「おーい、アイズたん。どないしたん?いきなり走り出して……ん?ジブン誰や?」

 

ロキがアイズとの会話を阻んだ。

お前とも会いたくなかったがナイスだ!!良きに計らえ!!

 

「……ロキ」

「ど、どないしてんアイズたん!?なんでそんなキレとん!?」

 

無表情ではあるが、アイズからただらなぬ気配を感じ、ロキは狼狽えていた。すると、彼女らの仲間が集合し始めた。

 

「あー!ロキがアイズを怒らせた!」

「今度は何したの?」

「ロキさま、流石に謝った方がいいと思います」

「レフィーヤまで!?」

 

すっごい騒がしくなってきたから帰っていいっすか?

俺は踵返してその場を去ろうとすると、

 

「ん?」

 

アイズに服を掴まれた。

すっごい凝視付きで。

 

こっわ。せめてなんか言って!?助けてぇぇ!ベルぅぅぅぅ!!ヘスティア様ァァァ!!

 

心で親愛なる家族(ファミリア)に助けを求めた。

 

「で、ロキはおいといて。アイズ、その人は?」

 

ティオネが俺の事を聞くと全員こっち向いた。

 

「……知り合い?」

「なんで疑問系?」

 

そりゃ知り合いとも言えるか分かんねぇ関係ですからね!

あと連帯責任としてオタクらを許しまへんでェ!

 

「へぇー!すっごい強そう!どこ所属なの?」

「バカティオナ、まず自己紹介でしょ」

 

そっかとティオナは胸を張り、自己紹介をしてくれた。……無い胸で。

 

「私はティオナ!ロキファミリアに所属してるよ!よろしくね!」

「礼儀には礼儀で返さねぇとな。俺はクロ。ヘスティアファミリアに所属してる。よろしく頼むぜ、嬢ちゃん」

 

ティオナと固い握手を交わす。めっちゃブンブン手を振ってくるもんだから、脱力でなされるがままにした。

 

「あのどチビのとこやとッ!?ま、まさかどチビが言うてたアイズたんに彼氏はいるのかって質問は……許さん!!そんなんウチは認めへんでぇ!!」

「ロキ、うるさい」

 

ぐふっとその場に倒れ込むロキ。

 

「……アイズ、です」

「私はティオネ。ごめんなさいね、うちの妹と神が喧しくて」

「わ、私はレフィーヤ・ウィリディスっていいます!……ところでアイズさんとはどういう関係なんですかッ!」

 

なんかこのエルフっ子、すっごい圧……

 

「関係も何も……ダンジョンで顔を合わせた位しか思い付かん」

「あとは……酒場で」

 

うっわ、1番思い出したくない話あげてきやがった。

 

アイズはそんなのお構い無しにお仲間さんと話を進めている。

その隙に逃げればいいだろ?ハッハッハッ、それがずっと服掴まれてんだな〜これが……

 

「てかアイズたん!はよその手を離さんかいッ!」

「そうですよアイズさん!いつまで握ってるんですか!」

 

お、エルフっ子とエセ神さんが気付いた。

しかし、アイズは何故か離さない。理由は簡単。

 

「……離したら、この人は逃げちゃうから」

「俺は犬かなんかか?」

 

ついツッコミが出てしまった。

俺、別にアイズと仲良くなった覚えないんだけどなぁ……

 

頭を掻きながら、この状況をどうするか悩ませる。

 

 

──────勘が、何かを告げる。

 

 

「ッ!?」

「ん?どしたの?」

 

ティオナは不思議そうに首を傾げる。

だがそれは、クロ自身も同じ気持ちだった。

 

分かんねぇよ!でもなんか……嫌な気配がする……

 

唐突に感じた気配に、クロは闘技場に目をやる。

そこから、最悪なことが起きる。そう予感した。

未来視がある訳でも、スキルが発動した訳でもない……

 

嫌悪感、憎悪感、不快感……

 

この世になる嫌悪が感じ取れた。そして、その気配はすぐそこに──────────。

 

 

「きゃあああああああああ!!」

 

 

悲鳴が上がった。

闘技場から次々に悲鳴が上がり、中から人が我先にと脱兎の如く、這い出て来る。それと一緒に

 

怪物(モンスター)が逃げ出したぞ!!」

 

感じ取った悪感の正体が、姿を現した。

無数の怪物(モンスター)が闘技場から解き放たれた。

 

「こいつは参ったな……」

 

そうボヤく事しか出来なかった。




駄目だ!
全然、文章力足りん!
ちなみにどうスっか?
今回はオリ主視点多めで書いてみました。
基本的にこんな事しか思ってません。どこにでもいる成人男性デス。
時よりオリ主視点も挟んでいきますが、ガワがカッコイイ事言ったりしたりの時、こいつ絶対どうでもいい事考えてんな、と思って頂けたら……



あ、次回クロさんの戦闘シーン書きやす
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