ダンジョンに強者面(ビビり)が来るのは間違いだ! 作:パーカス
闘技場から溢れ出てきた
逃げ出すガネーシャ・ファミリアの男性を捕まえ、状況を問い質す。
「何があったの?」
「わかんねぇよ!檻にいた
焦りながらそう伝え、誰かが檻を開けたと喚き逃げ出す。
現場が騒然とする中、
「早く逃げてください!」
クロは聞き馴染みのある声に振り返る。
そこにはエイナとミーシャが避難誘導をしていた。2人もこちらに気付き、駆け寄ってくる。
「ロキファミリアの皆さま!お休みのところ申し訳ありません!どうか手を貸して頂けませんか!?」
「ええよ、それにこの状況は流石に見逃せへんわ」
ロキの返答により、彼女らは目つきを変える。しかし、こと現状において武器を持ってるのは予備として
つまり戦力はいつもの彼女らより下回っているのだった。
だが状況は依然と変わらない、冒険者としてやる事は一つ。
彼女らが行動に移そうとした時、今はまさに
「まずいっ!」
大地を力いっぱい踏み込み走り出す。
だが、彼女達よりも先に動く影があった。
「ハッ!」
クロは剣で
すぐに住民を避難誘導し、大きく息を吸い込み──────。
「走れぇぇぇぇ!!!!」
咆哮を上げ、全域に伝わる様に大地が振動する。
その声を聞き、すぐさま逃げ出す民間人を見届けながらクロはまだ闘技場から溢れ出る
その様子を見ていた彼女達は、彼の大胆さに加え判断能力の高さ、そして分かりやすく単調的な誘導指示……
それらを兼ね備え、彼への評価が上がった。
「とりあえず民間の人を優先して救助していくわよ!」
ティオネの指示の元、彼女らは
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状況は刻一刻と混沌を極めていた。
ロキファミリアの協力を得て、ガネーシャファミリアが統括として団員達に避難誘導を促す。お陰で被害は今のところ死者0。怪我人は多数いるが、近くにいたディアンケヒト・ファミリア所属の銀髪のウェーブの掛かったロングヘアの少女────アミッド・テアサナーレが的確な指示の元、手際よく救護していく。
今の状況で、これほど最適な陣形はないとも言えるほど人民救助と
では、何故混沌に満ちているのか?
それは────────
「なんか
「倒しても倒しても湧いて出てきやがるっ!」
「これじゃあキリがないですっ!」
どれだけ倒しても次から次へと
そして更に
「ギシャャァァァァァァ!!」
大地を割り、姿を現す植物の
ソイツは耳障りな奇声を発しながら、姿を表した。
──────三体も。
「何あれ!?」
「どうなってんのよ!?」
双子は悪態をつきながらも、植物
彼女らは体勢を着地に意識し、大地に足が着くのと入れ替わりにアイズが風を纏い突っ込む。
「【
自身と武器に“風”を纏ったアイズの一撃は
仲間達から歓声が上がるが、それと同時に彼女の持つ剣が粉々に砕け散る。
「……壊れちゃった」
「今壊すの!?」
予備の武器などありもせず、アイズも素手の戦闘が強調される。
しかし、
彼女らは難なくとその攻撃を避け、反撃に転じる。
だが、やはりダメージが通らない。
第一級冒険者でも
交わした先には演唱を終え、魔法を打ち終わった後の疲労するレフィーヤがいた。そしてレフィーヤは
「ッ!?レフィーヤッ!」
「えっ」
そう、2発目の攻撃の狙いはアイズ達ではなく、レフィーヤだった。
誰も間に合わない。無慈悲な一撃は彼女の腹部を貫く。
……私、死ぬんだ……。
レフィーヤは目を瞑り、自身の死を受け入れる。
自身の未熟さと愚かさを悔いながら……
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植物の
まだ避難出来ていない人多数、その内瓦礫に埋もれた人が少数。
ここは埋もれた人の救助優先と悟り、行動を移す。
周りの
「すぐ退かす!っオラッ!」
腕を瓦礫の隙間に入れ、声を上げ力を入れ持ち上げる。その間ガネーシャの団員達が埋もれた人を引っ張り出し、アミッドがいる仮救護室へ向かう。去り際に埋もれた人が泣きながらクロに感謝を伝える。
見届けてから他の救護へ向かおうとする。
「レフィーヤッ!」
その叫び声に振り返る。
目に映った光景はあまりにも絶対絶命な場面だった。
鋭利な触手がレフィーヤに狙い定め、その命を頂こうとしていた。
彼女が死ぬ。
そう感じた彼の行動は速かった。
すぐに方向をレフィーヤの方に向き、走り出す構えをとる。
ただ走るだけでは間に合わない……。
故にクロは体勢をより変える。
身を低く屈ませ、溶けるイメージで身体全体を脱力させる。
そして一気に脚に力を入れ込み、飛ぶ様に地から脱却する。
その速度、人の目には捉える事は出来ず、誰よりも、そして何よりも速く、駆け飛ばす。
間に合えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!
そして彼女目掛けて突かれた触手は───────
彼の剣に弾かれる。
誰も助からないと思っていた。
衝撃波によって尻餅を着いたレフィーヤでさえ、自分ももう助からない……そう思っていた。
クロは振り返り、彼女に手を差し伸ばす。
「大丈夫か?」
彼女は呆ける様にクロの顔を見つめ、そして恐る恐る手を取る。勢いを付け、立ち上がり、怪我はないか確認する。
「特に大怪我はなさそうだな」
「え、あ、はい。その……ありがとうございます」
レフィーヤは頭を下げ、礼を述べる。しかしクロは気にするなと言って
「まさか民間人を……!」
「あのヤロウッ!」
クロはすぐさま駆け出し、勢い殺さずそのまま剣で触手を弾く。
逃げろ!と声を荒らげ、それが無理な事を理解した。
子供が膝を着き、その子の母が瓦礫の下敷きになっていた。
息はある。だが、今の状況で手を貸せる程余裕がなかった。自身の不甲斐なさを恨み、舌打ちをする。
もしこの状況で本物のハンターなら、どう動く?
もし本物の冒険者なら、何をすれば正解?
戦いとは無縁の生活を過ごしてきたクロにとって、それはあまりにも現実離れしたものだ。
目の前に無数の鋭利で尖った牙が広がっていた。
「ッ!?」
考え事に没頭してしまった故に、猛スピードで接近してきた
間一髪で防ぐ事が出来たが、このままではその牙で
考えろっ!考えろ俺っ!
焦り、押され、剣もおそらくもう耐えきれない。
すると、
「こっちです!」
レフィーヤが近くに落ちてた松明を放り投げ、奇跡的に
「よくやった!オラッ!!」
油断した
そのせいか剣は
その隙をつき、瓦礫を持ち上げ投げ飛ばす。
その母の足はとても立てるほど、無事ではなかった。人間肌では想像出来ない程、赤く痛々しいものだった。だが、それでも命あるならと抱きかかえ泣く子供に命令する。
「小僧!しっかり着いてこい!」
「……ぐっ……う゛ん」
目を擦り、クロの命令通りに必死に着いて走り仮救護室に着く。
「こいつを頼む!足が完全にやられてる!」
「こちらのシートの上へ!」
アミッドの指示に従い、優しく女性を下ろす。子供は再び泣きじゃくり、母に泣き付く。
「今、エリクサーが不足しています……。出来るだけの応急処置はしますが……」
これ以上彼女は言葉を紡がなかった。だがそれが答えだった。
ここで治さなかったら、彼女の歩く未来はない。
そんなもの、許されてたまるかッ!
クロはずっと悩んでいた。
モンハン世界のアイテム、素材をこの世界で使っていいのかと。
もし使ってしまったら、未知なる素材を持ちこんだ俺は……
いや、考えるまでもない。
誰かの助けになれるなら……
彼は
アミッドはその緑の液体に疑問を覚え、それは?と問い掛ける。だが一刻を争う為、女性の首を少し持ち上げ飲ませる。
「何をしてるんですか!?怪我人に──────」
アミッドはその先、言葉に詰まった。というより、驚愕し固まってしまった。
彼女の足は、元の人間の肌色に戻り、血色も良くなり……
その効能は、
足の怪我だけでなく、彼女が流し減った血さえも、体力全て回復したのだ。
「私の……足が……」
「お母さん!!」
足が完全に治り驚きを見せている母に子供が抱きつき、そして母も泣きながら抱き締める。
感動的なシーンだが、今の彼はそれに和んでる場合では無い。アミッドに同じものを5本渡し、重症の人に飲ませるように託し、戦場へ戻る。
残りの
クロは走り、剣が刺さっている
剣はまだ引っかかっていた。ならばそれを引き抜きアイズに渡し、自分は──────。
『
心でそう唱え、視界に
彼は装備の二枠目の武器欄に太刀を選ぶ。そして
力を貸しな、
装備を一式装備に切り替え、スキルを発動させる。
抜刀術Lv3、超会心Lv5、弱点特効Lv.5、挑戦者Lv.5、納刀術Lv.3、属性変換Lv.2、陽動Lv1
ダンジョンの時とは違い、全力をもって切り伏せる。
────装備、セット。
彼は瞼を開け、襲いかかってくる触手を避け、武器を取り出す。
太刀:鉄鋸刀
手元に人間サイズ程の太刀が現れる。
アイズ達から何やらザワつくが、クロは取り出してすぐに特殊納刀の構えを取り、目を瞑る。
瞬間、場の空気が変わる。
その場にいるものが彼を見る。
それは
それは命の危機を察してか、小さき人間に対する憎悪か
彼の髪は逆立ち、身体全体に赤い稲妻が走る。
彼が踏み締める大地は陥没していき、場に重い重圧がのしかかる。
目を開いた。
赤色の煌めき、赤い稲妻はより激しく散り、腕の脈が浮きで力が入り込む。
そして───────。
「『
────────抜刀した。
その刹那、
赤い景色はすぐ元に戻る。
時が止まった様に誰も動かない、否、誰も動けない。
止まった時の中、最初に動き出したのは……
真っ二つに裂かれ、抵抗も奇声も何も成せぬまま静かに消滅する。
それでも、誰も動かない。止まったまま動こうとしない。
だが、沈黙は破られる。
「アイズ!!」
名前を呼ばれたアイズは我に返り、声のした方へ振り返る。
クロが
「受け取れぇぇぇぇ!!」
軌道をなぞり、
アイズもその行動を理解し、空中にある剣を取り、そのまま最後の
「『
風を纏わせ、
それを最後に、周りから大歓声が上げられる。
「やったぁぁぁ!!」
「俺達助かったぞぉぉぉぉ!!」
周りの冒険者と住民が盛り上がってる中、ロキファミリアの彼女らは集まりそして彼がいた方を見る。
だがそこには、彼の姿はなかった。
「……今の一撃……」
アイズはボソッと呟き、彼が放った斬撃の通りを見た。
彼女達の目には、
戦闘描写むずがじいぃぃぃい!!
あとまた間違えて投稿しちゃったけど、その時誰も見てないよねッ!?ねッ!?
それといつも誤字報告ありがとうございます!
もう自分の編集者かな?と思うくらい最速で報告くれるので助かっています笑
あと次回の投稿は結構遅れます。
すみません