とある愚兄の偽造神格   作:夢見ぬ猫様

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いやー、我ながら更新が遅い遅い。
言い訳させてもらうなら、今までレポート期間だったんです・・・・・・。
まぁ、今日から試験期間ですけど。


11.空戦

 

 

 

 

 

 

          〈美夜〉

 

 

 

 

 

昨日のテストも兼ねた仕事、どうやら及第点には至ったものの満点とはいかなかったようです。

 

シルエット曰く、

 

『んー70点。一応減点式で採点したんだが・・・・・・30点も減点された理由はわかるか?』

 

私が、佐天涙子の乱入などの不手際があったから、と言うと、

 

『違うんだよなぁ。まぁ、こんなことで頭悩ませるのもなんだからヒントだけ言っとこう』

 

彼は一拍溜めて、

『もっと面白くあれってことさ。ただ依頼を遂行するだけなら2流だってことを忘れるな』

 

面白く、ですか。ただ依頼を遂行するのではなく自分だけの答えとやり方をもって、仕事を達成する。シルエットの言いたいことはそういうことでしょうか。私がそう言うと、

 

『わかってんじゃねぇか』

 

彼は口角を上げてそう言いました。

 

 

 

私の満足するやり方で仕事を達成する。正しく、言うは易く行うは難しです。第一、『シャドウ』の仕事とは抹殺か暗殺、謀殺、ゴミ掃除(社会の)、諜報、潜入などなど殺人が関わってくることがほとんど。それで満足する仕事をしていたら、ある意味異常者ではないでしょうか。あ、いえ、よくよく考えたら私もシルエットも殺人に抵抗や罪悪感はありませんから十分社会的に見て異常者でした。別にそのような評価に不満は感じませんけど。

 

「貴女、わたくしの話聞いていますの?」

「はい。で、何のお話です?」

「絶対聞いてないですの!」

 

そうでした。そうでした。

 

私今風紀委員に捕まって補導?というものをされているんでした。現実逃避気味にシルエットとの会話を思い出していたせいですっかり忘れていました。

 

しかし、この白井黒子というツインテール風紀委員、どう見ても私と同学年か一つ下くらいです。常盤台中学の制服を着ているということは、そこそこ以上の能力者なのでしょうが、それでも幼いですね。風紀委員も人材不足なのかもしれません。そもそも風紀委員は所属する学校以外は管轄外のはずでは?

 

「・・・・・・まぁ、いいですの。それで、どうして中から招かれてもいない貴女がこの《学舎の園》にいるのか、説明していただきますわ。IDや紹介もないことはすでに裏を取ってありますから下手な言い訳は立場を悪くするだけですの」

 

理由と言いましても、学園都市を見回って社会見学のようなものをしていたら、急に他の学区とはまるで雰囲気の違う場所を見つけて、興味本位で侵入してみただけですが。これじゃ、弁明のしようもないような気がします。

 

それにしてもどこで気づかれたのでしょう。学舎の園の中でも有名な常盤台の制服はシルエットのものを借りて着ているし、侵入もゲートを介さず柵を超えてきました。もちろん監視カメラの死角をついています。誰にも見られていなかったはずですが。

 

とはいえ、特に言い訳も思いつきませんし。

 

逃げましょうか。

 

 

 

 

 

             〈白井黒子〉

 

 

 

 

 

「だんまりもいい加減にしてくださいませ」

 

わたくしがそう言った時、目の前にいた学舎の園侵入者は、忽然と消えました。

 

わたくしと同じテレポーター!?

 

・・・・・・いえ、違いますわ。何故なら彼女は、

 

「上ですわ!」

 

そう。彼女はわたくしの上空2メートルほどのところに立っていました。比喩表現でもなんでもなく直立していました。

 

風力使い? それとも念動力?

 

おそらく後者ですわね。風力使いなら風が発生しているはずですの。

 

わたくしが瞬きをした瞬間に、能力で足場を作ってあの高さまで登るなんて・・・・・・。能力以上に身体能力が化物じみてますの。

 

しかし、わたくしもLEVEL4のテレポーター。そう簡単に逃げれると思わないことですわね!

 

 

 

 

 

          〈美夜〉

 

 

 

 

 

私が上空に逃げる。そうすれば白井黒子はテレポートでさらに上空を取ってくる。そうしたら私はさらに上へと逃げる。ならばというように白井黒子も上へ転移する。

 

この堂々巡りです。足場は空気の時間を止めて固定していますから、数の限りや耐久度には問題がありませんが、このまま行くとどこまでも上に行き、果てには成層圏まで達してしまうかもしれません。

 

私は10分くらいなら息しなくても大丈夫ですし、寒さも耐えきれますが、おそらくただの能力者である白井黒子は耐えきれません。窒息死か凍死か。どちらにしても死んでしまうことは間違いないでしょう。別に殺人は厭いませんが、別に快楽殺人者というわけでもありませんし、無用な殺しは後々処理などが面倒です。

 

殺人禁止という方向で考えると、白井黒子の時間を止めるという方法がベストでしょうか。逃げ切った後で能力を解けば問題ありませんし。

 

じゃあ、まずは、誘導です。

 

「白井黒子さん」

 

今まで黙っていたのにいきなり声を掛けてきた私を彼女は怪訝な目で見ます。

 

私は―――シルエットをイメージして―――笑った表情を作り、

 

「鬼さんこーちら」

 

足場を解いて一気に地上へと落下を始めます。

 

ぎょっとして白井黒子もテレポートを駆使して安全に落下してきました。

 

地上までの距離は400メートルほど。東京タワーを追い越しました。普通に着地すれば道路に落ちたザクロですね。普通に着地すれば、の話ですけど。

 

余談ですが、私の能力は2種類の発動方法があります。それは、物体や座標を指定して発動する対象指定。そして、周りの空間ごと、もしくは一定範囲内の物理法則そのものの時間を早める空間指定。後者を使えば、物体の運動速度を速めたり、病状などを加速させたりできます。

 

つまるところ、落下のスピードを大幅に上昇させることも可能なのです。

 

「っっっっっっっっっっっ!!!!!」

 

白井黒子は声にもならない悲鳴を上げながら急速に地面へと落ちていきます。その速度は秒速40メートル。約10秒でザクロになってしまうでしょう。当然複雑な計算が必要なテレポートなど使える暇もありません。むしろ、意識を手放していないことを褒めるべきでしょう。

 

ちなみに私の落下速度は秒速80メートル。白井黒子の2倍速です。当然私の方が先に地面とご対面します。

 

 

「さて。どうしましょうか」

 

 

地面との激突まで後3秒。




今回もご愛読ありがとうございました。
次回の更新はおそらく2月1日前後になると思います。
私が悪いのでありません! 試験が悪いのです!
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