とある愚兄の偽造神格   作:夢見ぬ猫様

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ちょっとお試しついでに書きはじめました!
NO MORE 期待!


開始
プロローグ


私には2歳年上の兄がいる。

 

いや。『いた』という方が正しいのかもしれない。

 

というのも、私が4つの時にどこかへ誘拐されてしまったのだ。事件直後の両親の痛々しい様子が今でも頭から離れない。

 

もう顔も定かではないけれど、穏やかで優しい人だったことはなんとなく覚えている。

 

子供なのにいつも眠たそうな顔をして、私を寝かすつもりで自分が眠ってしまっているような人。

 

でも、いざとなれば私を庇ってくれたり、破けてしまったぬいぐるみを一生懸命直そうとしてくれたり、とても優しい人だった。

 

母は未だに捜索願を取り消していないし、父は仕事で行く外国でも探し回っているようだ。

 

私は、生きていて欲しいとは思っていても、正直もう望みが薄いとも考えている。10年探して見つかっていない人間が生きているはずがない。それでも、いつか自分で見つけ出そうと考えている私は諦めが悪い方に違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺には2つ下の妹がいる。

 

顔も名前も憶えていないし、両親だって思い出せない。そういう記憶はとうに消された。

 

だが、何故か妹の存在と年齢は覚えている。消そうにも消せなかったらしい。

 

多分、この地球上のどこかで今も生きているはずだ。彼女を探し出すのも俺の目標の1つとなっている。

 

ヒントはただ1つ。日本人である可能性が高いということだけ。これは俺の名前が日本のものだったことに由来する。

 

自由を得てからはや3年。未だに見つかっていないが、いつかは見つかるだろう。それくらい楽観的に考えている。

 

そして、先日俺は新たなヒントを得た。彼女は学園都市にいる、ということ。

 

何の偶然かちょうどそこへ向かう用事もある。行ってみる他ないだろう。あわよくば妹に会う為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私には子供が2人いる。

 

今年14になる私そっくりの娘と、16になっているであろうお義母さん似の息子だ。

 

でも、居場所がわかっているのは1人しかいない。息子はいなくなってしまった。

 

死んだわけじゃないと信じてる。夫もそのはずだ。

 

信じていても、息子の笑顔が夢に現れなかったことはない。

 

心は男の子なのに、体は女の子。そんな奇妙な運命を背負っているのにキラキラと輝いて見せる彼の笑顔が。

 

 

 

 

 

          ★  ★  ★

 

 

 

 

 

とある界隈では有名な若い魔術師がいる。

 

曰く、自由自在に影を操る。

 

曰く、刃が心臓に届いても死ななかった。

 

曰く、年齢の割に老衰している。

 

このような噂を持つ彼を魔術師たちは『シルエット』と呼ぶ。

 

その彼を私は呼び出した。当然、依頼を持ちかけるつもりだ。彼は『明け色の陽射し』の魔術師であるが、同時に傭兵業も請け負っている。快く引き受けてくれるだろう。

 

彼は今日の午後にはこちらに着く予定だ。さて、直接顔を見るのは初めてだ。なかなか楽しみではある。

 

学園都市統括理事長としても、一魔術師としても。

 




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