とある愚兄の偽造神格   作:夢見ぬ猫様

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我ながら更新遅いナー。大して忙しくもないはずなのに。


3.暗部

          〈シルエット〉

 

 

 

 

 

一七七支部に入った俺は、何故か猛烈な歓迎を受けた。

 

といっても、その猛烈な歓迎を行ったのは初春飾利という頭に花飾りを乗せた少女だけだ。他は普通に歓迎してくれた。見たところ常盤台というブランドに過剰反応しているだけだったらしい。

 

これにて俺は正式に風紀委員となったわけだが、正直これといって忙しくはならないだろう。一七七支部の管轄は支部周辺だけ。俺が来る前まででも十分こなせていたらしい。

 

ちなみに、俺が風紀委員になったのも依頼主であるアレイスターの指示。平常時でも立ち入り禁止区域に出入りする為の措置だそうだ。

 

自己紹介もそこそこに俺は一七七支部を離れた。その後、適当に私服に着替えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今いるのはとある廃ビル。割と頻繁に使われているようで、廃ビルだというのに掃除が行き届いたある程度清潔な空間。使用者の性格が出ている。者が多すぎないのも高ポイント。とても居心地が良く、

 

とても暗部の施設らしい。

 

いいね。常盤台のような無駄に潔癖な鳥籠よりも、一七七支部のような無垢すぎる箱庭よりも、遥かにここの空気は肌に合う。仄かに香る鉄のような匂いもたまらない。いっそのこと、ここに住むのもいいかもな。

 

「どうかした?」

 

キョロキョロし過ぎたか。目の前にいるドレス姿の少女から怪訝な視線を向けられた。見た目14、5歳なのにファッションは完全にホステスだ。

 

「いいや、何でも」

「そう。それで『スクール』に何の用なのかしら?」

 

この場には現在俺とドレス姿の少女しかいない。しかし、彼女の名前がスクールなのではなく、『スクール』は学園都市暗部組織部隊の名前だ。他にもいくつか似たような部隊があるらしい。

 

補足だが、彼女は『スクール』のリーダーではない。リーダーはどこかに行っているという。

 

「先ほど説明した通り、俺は学園都市統括理事長アレイスター・クロウリーの紹介できたシルエットだ。これから仕事の一部を斡旋してもらうこともあるらしいから、挨拶に来た」

「『スクール』に入るのではなくて?」

「ああ。しばらく単独で動いて欲しいとのことだ」

「シルエットというのは、偽名よね?」

「当然。だが本名は明かさない」

「でしょうね。ところで、あなたについてなのだけど。あなた男性じゃなくて?」

 

ほう。当てられるとは。アレイスターの紹介状にもそのことは書いていなかったはずだが。

 

「根拠は?」

「仕草や口調、表情ね。後は勘かしら。どう見ても女性のものじゃないもの」

 

真顔だ。本音らしい。

 

「コングラチュレーション。当たりだよ。確かに俺は男だ。体は女だけどな」

「珍しい体をお持ちね」

 

真正面から言われるとは。ちょっとだけ虚を突かれたな。

 

俺は苦笑いをこぼしながら、言葉をこぼす。

 

「よく言われる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は優雅な屋内プール。初夏に入る直前の贅沢をしに来たのではなく、今回も挨拶。相手は暗部組織『アイテム』。ちなみに俺は水着着用。

 

周りは皆水着の美少女。2人が高校生くらいで、残り2人が中学生くらい。後者は割と好みだ。けど、ここで性欲を滾らせるわけにはいかない。戦争をしに来たのではないのだ。

 

リーダーらしき見た目最年長の女が不機嫌そうに俺を見る。闖入者が気に入らないらしい。他のメンバーも俺に警戒しているようだ。

 

「・・・・・・誰?」

 

そんな中、寝惚けている様に発せられた声は、幾分俺を和ませてくれた。声の主は黒髪の眠たそうな少女。こうしている今もプールの上でプカーと浮いている。楽しそうなわけでもなく、泳ぐわけでもない。謎である。

 

「学園都市統括理事長アレイスター・クロウリーの紹介で挨拶に来た。名前はシルエット。仕事において協力関係になることもあるだろう。よろしく頼む」

「もしかして新メンバー!?」

 

興味津々という様子で乗り出してきた金髪の少女。直感だが詰めが甘そうだ。

 

「いや。挨拶に来ただけだ。第一、俺はこう見えても男だからな。女だらけの『アイテム』に入るのは性に合わない」

「「「おとこ?」」」

 

全員の視線が俺の胸に集まった。推定Aカップ。大して珍しくもない。

 

視線はだんだん下に降りていき、やがて股間の辺りで止まる。うん。絶対そこ見ると思った。まぁ、女だから許すけどな。

 

「ないわね・・・・・・」

「・・・・・・うん。ない」

「これで男ってどういわけよ」

「超不思議です」

 

こう、ここまで遠慮なくジロジロ見られると逆に清々しいな。スク水といえど水着だから余計そうなのかもしれん。

 

「あれ? 濡れてきてない?」

「超濡れてますね」

「・・・・・・汗?」

「どう考えてもありえないわよ」

 

やば。興奮してしまったらしい。性欲も抑えられんとは我ながら情けない。とりあえず退散しよう。

 

「急用を思い出した。悪いがこれにて」

 

逃げるように更衣室に駆けこんで昂ぶりを治めることに何の迷いもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の場所はどこかの地下施設。妙に機械的でメカメカしく、正直肌に合わない。魔術師の性というわけでもないんだろうが。

 

ここで会うのはまたもや暗部組織。名前は『メンバー』。アレイスター直属の部隊らしく、忠誠は固いとかなんとか。

 

そういうわけで早速挨拶してみたのだが。

 

「用が済んだのならさっさと行ってくれ。僕らは忙しいんだ」

 

小太りの少年に追い払われてしまった。同じ部屋にいた学者風の爺さんなども完全無視。少年は小物、爺さんはマッドサイエンティストって感じがする。

 

あんまりいい関係は築けなさそうだ。ていうか、こういう感じの研究者って嫌いなんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後は学園都市の端にある廃墟。そこでは、傭兵を核とした『ブロック』という暗部組織の部隊が待っている。もちろん、目的は挨拶、

 

だったのだが、到着する直前に一本の電話が入った。相手はアレイスター。内容は、

 

「『ブロック』を始末してくれ」

「これまた何で?」

「少々つまらないことを考えているようでね。ついでというわけだ」

「あんたから聞いた話によると、数百人規模でいるんじゃなかったか?」

「一カ所に集めておいた。やれるだろう?」

「報酬は貰えるんだろうな」

「口座に1000万ほど振り込ませておこう」

「乗った」

 

というもの。

 

予期せずして、大量殺人を任されたわけだ。この手の依頼は初めてじゃないから構わんが、死体の処理はどうする気だろうか。俺がやれって言われたら報酬増やさせよう。

 

俺は死山となるであろう廃墟に足を踏み入れた。




次回、主人公の魔術が明かされます! お楽しみに!

※ちなみに、時系列的にはまだ超電磁砲一期始まる直前なので、『グループ』はまだ存在していません。同じ理由でシャチトルなんかも未登場です。
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