よう実世界に転生した畜生系主人公が神室真澄に心を打ち抜かれる話   作:サンディエゴ

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[水着神室]
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[水着坂柳]
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畜生系主人公が神室真澄たちがプールで楽しむ話 ★

 

 

 

 海と言えばなんだ! 諸君! そうだな! 水着だな!!(強引

 

 

 夏、海と来れば次に水着が来るのが必然であり、この世の真理である! ニーチェもそんなことを言っていたような気がする!!(大嘘

 

 

 というわけでやってきましたここは船上プール。

 無人島試験を終えて一日経った今日はどうやらみんな動けるようになったらしく、船内はどこかしこも人の気配で溢れている。

 

 みんな思い思いの時間をそれぞれの場所で過ごしているようだが、その中でも人気の場所がこの船上プールだ。

 

 やっぱりみんな泳ぎたいんですかね。

 無人島はそれどころじゃなかったし。

 

 

 そして、俺がここに居るということはもちろん一緒に過ごしているご主人とあとついでに坂柳も居るというわけで――

 

 

「ホームズ、待たせましたね」

 

「船上プールなんて贅沢ね」

 

 

 う、うおおおおおっ! ご主人ー! 待っていたぞ、ご主人ー!

 

 

 今か今かとプールで待機していた俺は登場したご主人の姿に大歓喜だ。

 普通に一緒にお風呂に入っているし、何ならご主人が購入した水着も既に見ているけどこうして夏の日差しの下で惜しげもなくその肢体を見せつけている様子は、神々しいなんて言葉では片付けられないほど美しい。

 

 

 やっぱりね、ご主人はスタイルが良い。この日のために運動して引き締めた甲斐もあってボンッキュッボンッって感じだ! 美人だー、格好いい! エロい! 美しい!

 

 ……えっ、坂柳? 坂柳は……まあ、何がとは言わないけどストーンって感じだよな。あっ、石って意味じゃないぜ? 石じゃなくて絶壁……いや、うん、あれだ頑張れよ。未来の可能性って言うのは誰にも否定され――ぬわー!!

 

 

「なんだか、とても不快なことを考えているようなのでお仕置きです」

 

 

 なんてやつだ、いきなりプールの水をぶっかけやがった! 俺が普通の猫なら虐待だからなこのやろう!

 

 

 ジトーっとした目で睨み付けくる坂柳に俺は鳴き声で抗議した。

 そんなこちらの様子を見てふんっと不貞腐れた坂柳は浮き輪を片手にプールに入ってぷかぷかと浮いていた。

 

 

「あーあ、不貞腐れちゃった。ちゃんと褒めないとダメよ、ホームズ」

 

「にゃー」

 

 

 いやー、普通に可愛いとは思うんだけどね。でも、ね。ご主人の姿に脳がバグってしまったの。これは仕方のないことなんだ。マスミエルがマスミエルだったから……ふぎゃ?!

 

 

 抱きかかえられた俺に目掛けて発射された水鉄砲の一撃。

 一体何処に隠し持っていたのか犯人は当然、邪悪なるロリしかあり得ない。

 

 

 渾身の小憎たらしいどや顔を浮かべてこちらを見ていた。

 どうやら水を給水するためにさっさとプールに突入したらしい。

 

 

 ご主人! これは戦争だぞ!

 

 

「ええ、そうね。坂柳には痛い目を見てもらわないといけないようね。――貸しなさい」

 

「あっ、はい」

 

 ご主人はすぐ近くに居た名前も知らない男子生徒にそう言って水鉄砲を奪い取った。

 大型の水鉄砲でパワフルなやつだ、大口径ならではの勢いの水が発射されて坂柳の顔面を捉えた。

 

 

「にゃー!」

 

「ふっ、ナイスショットってやつね」

 

「わっ、ぶっ?! ちょっ、真澄さん! 私はその失礼な猫に天誅をですね……あぶっ!?

 

「私にもかかったし、そもそもホームズの敵は私の敵でもある。……というわけで死になさい」

 

「情け容赦がなさ過ぎる! そんなにホームズが大興奮して尻尾を振りまくっていたのが嬉しかったからかっこつけようとしなくても――にゃうん!

 

 

 連射するご主人。

 ぷかぷかと浮き輪で浮いているだけの坂柳は当然避けることもできずに命中しまくっている。

 

 反撃のために応戦するも坂柳の持っている水鉄砲は小型のもので、容量も少ないためご主人の持っている大型の水鉄砲の相手にはまるでなっていない。

 

 プールだからというのもあるだろうが、周りのこともお構いなしに飛び交う水流。

 他にも水鉄砲を持ち込んでいた生徒がこれを機にやたらめったらに打ちまくった。

 

 その反撃にまた別の生徒が水鉄砲を撃ち返し、持ってない生徒は人力で水を飛ばして反撃を開始する。

 

 

 世はまさに――水合戦時代!!

 

 

 っていうかみんなノリが良いな……さすがはストレスから解放された学生。これぐらい弾けてもいいよねって。公共施設でやるのはあれだけど、高育で貸し切りのプールだし多少はね?

 

 

 なんか妙に水鉄砲を持っている生徒が多いが恐らくレンタルであるのだろう、そこかしこで撃ち合いが行われている中で俺は何者かにひょいと抱きかかえられてしまった。

 

 

 むむっ!? なにやつ! 俺の感知をすり抜けるとは侮れないやつめ!

 

 

「うわー、なんか凄いことになってるね」

 

「ああ、みんな試験でストレスが溜まっていたんだろうな」

 

 

 聞いたことのある男女の声、それに抱えられたことによって感じるこの豊かな胸の感触。

 とても覚えがあった。

 

 

「にゃー」

 

「んー、久しぶりだねーホームズ」

 

 

 そこに居たのは一之瀬と神崎、そしてその他のBクラスの面々だった。

 どうやらみんなでプールに遊びに来た感じのようだ。

 

 

 だが、目の前の水合戦の惨状に驚いている様子。

 

 

「なんかみんな楽しそうだし、ホームズはこっちで私たちと遊びましょうねー」

 

「えっ、まだ来たばかり」

 

「いいから、いいからー」

 

 

 そう言って一之瀬は俺を抱えたまま、踵を返してそのままその場から離れようとして――

 

 

 

 

「「ちょっと待て」」

 

 

 

 

 襲いかかる水流が二発、一之瀬の後頭部へと命中した。

 

 

「ホームズを置いていきなさい」

 

「勝手に誘拐しようとしないでください、一之瀬さん」

 

「いやいや、二人とも楽しそうだし。こうも騒いでいる場所にホームズを残すのは危ないかなって思っただけで……」

 

「本音は?」

 

「……ちょっとだけ! ちょっとだけだから!」

 

「絶対にノー!」

 

「試験は終わり、もはや同盟関係は終わりました。というわけでこれまでです、一之瀬さん」

 

 

 さっきまで争っていた癖に息を合わせて一之瀬目掛けて乱射するご主人と坂柳。

 

 

 ちょっと当たりが強くない? ただのジョークだと思うんだが……?

 

 

「主人である私には解るわ。何かこう……一之瀬からは泥棒猫の匂いがする」

 

「一之瀬さんみたいなタイプは実のところ、いやらしいタイプだと思っています」

 

「何て偏見!? ちょっとホームズを借りて思い出を作りたかっただけなのに……」

 

「猫のペットが欲しいなら学校相手に交渉すればいいでしょう。手伝ってあげてもいいわ」

 

「にゃはは、私は猫好きと言うよりなんというか……ホームズがいいかなーって。ほら、動画だって見てるし」

 

 

 動画? もしかして雫の動画に一緒に出ているやつ? あれって誰にも知らせていないはずなのに。というかよく同一猫物だと気づいたな……。

 

 

「あれ? もしかして、想定よりもヤバい女なのでは? 真澄さん」

 

「ふん、ホームズをちゃんと見抜けるなんて……少しは認めてやっても良いかもしれないわね」

 

「何でちょっと認めてやっても良いか――みたいなことを言いだしたんです? 真澄さんは相変わらずホームズのことになると壊れますね」

 

 

「そこら辺、坂柳さんが言う?」「一之瀬さんが連れ去ろうとした時、目がガチだったけど……」「やめなよ」

 

 

「まあ、それはそれとして死になさい」

 

「何で?! 他の生徒には普通に貸し出しているじゃん!」

 

「そこら辺はミーハーな感じだから良いけど、一之瀬はなんか目がガチっぽい。あと、ホームズが嫌がってないのもダメ」

 

 

 ジトッとした目をご主人が俺の方に向けてきた。

 大人しく抱きかかえられているのがどうやらダメっぽいらしい。

 

 確かに、いつもの俺ならさっさと脱出していたはずなのだが、どうにも一之瀬に関してはする気が起きない。

 

 

 前世でわりと好きなキャラだったからだろうか、それともなにか別の理由が……。うーん、何か思い出しそうなそうじゃないような……。

 

 

 そんなことを悩んでいる間に話は進み、なぜか一之瀬たちも水合戦に参加することになった。

 

 

「こうなったらホームズを奪いに行くよ。みんな用意!」

 

「待て一之瀬、それをやる意味は……」

 

「用意」

 

「はい」

 

 

 神崎ぇ……。白波が目を輝かせているけど、一之瀬って原作こんなキャラだったかなー? いや、まあ、楽しそうな分にはいいと思うけどさ。

 

 

 プールにちょうど居たAクラスの生徒を呼び集め、一之瀬率いるBクラスと水鉄砲の撃ち合いを始める両クラス。

 しれっとCクラスやDクラスの生徒も両陣営に参加している。

 

 

 なんか場が混沌としてきたな。

 ご主人とか坂柳とか一之瀬の水着姿だけで目の保養になるけど。

 

 

 その様子を眺めていると俺は声をかけられた。

 振り向くとそこに居たのは椎名だった、あと何故か綾小路の姿もあった。

 

 

「こんにちわ、ホームズさん。今日も暑いですね」

 

「あの光景を見て、その挨拶なのか……」

 

 

 挨拶をされたので俺もお返しに一声鳴き、そして頭を下げた。

 その様子を見て椎名はいつも通りふるふると悶えている。

 

 

 意外な組み合わせだな。というか椎名がプールに来るイメージがなかったというか……。

 

 

「にゃーお」

 

「ええ、そこまで活動的ではないのでプールが好きというほどではないんですけど。やはり、こういう機会も滅多にありませんし。それにミステリー小説だと豪華客船を舞台のものも少なくありませんから」

 

 

 体験しておいた方がたしかに没入感も増すかもしれないからな。でも、プールにまで本を持ってこなくても……。

 

 

「にゃにゃ」

 

「プールサイドで読もうと思っていまして」

 

「……普通に会話をするんだな」

 

「はい、ホームズさんは賢い猫さんですから! 何せホームズさんですから」

 

「なるほど」

 

「にゃーお」

 

「ん? オレと椎名の関係か? 図書室でよく会うからその関係でな」

 

 

 ああ、そういう……読書仲間居なくて寂しいみたいなことを言っていたな。原作だとこの時点では関係なかったから意外に思ってしまったけど、原作云々は今更だしなぁ。

 

 それにしても綾小路って何を読むだろうか。やっぱりミステリー?

 

 

「ん、椎名に勧められて読むことはあるな。ただ、最近は――」

 

「綾小路くんは特に民俗学や怪談話の本を読んでいますね」

 

「にゃあ?!」

 

「ああ、最近……ハマっていてな。なかなか面白い」

 

 

 原作主人公がオカルト話にハマっていた件について……一体なぜ?? というかオカルトとミステリーってジャンルが違わない??

 

 

「単にホラー話として楽しんでいるわけではなく、極めて論理的に考察しようと学んでいるので結構お話は合いますよ。それにオカルト関係の話はミステリーでもよく含まれますし」

 

「オカルト、オカルティズムというのは結局のところ現段階で量子力学的観点の世界において、結論を出せない領域のことを指すだけだからな。かつては魔術、錬金術と呼ばれて神秘とされていたものが今では解明されてただの現象や化学反応であると判明したものはたくさんある。今、この時点で理解不明であることとそれがこの先も解明不明なものであるということは決してイコールじゃない」

 

 

 などという言葉を何故か俺の方をジッと見ながら言う綾小路。

 

 

 おやー? もしかして俺のせい? 俺のせいなのか? 多額の金と時間と人体実験を経て完成したホワイトルームの最高傑作がなんかオカルト方面にガッツリと興味を示しちゃったのは……。

 

 

「ホームズのような存在がいると知れたのはオレにとっては幸いだった。無知の知という言葉の意味をよく自覚した」

 

「ソクラテスの言葉ですよね、たしか」

 

 

 そりゃ、ホワイトルームの教育の中で俺のような存在のことは出なかっただろうし、オカルト関係の話だって教育課程にはなかっただろうがだからってそっち方面に行くのか……。まあ、「ありとあらゆること学ばせたって言ってたけど知らんことがあるやんけ!」みたいなノリなのかな。

 

 たぶん、俺がバグなだけだと思うんですけど(名推理

 

 

「今まで見てきた烏が全て黒色だったからといって、白色の烏が居ないことの根拠にはならない。量子力学の世界に生きている俺達にとって、観測された事実こそが正しい。なら、次にやるべきことは決まっている。今までの事柄を再度調べ直すことだ。だから、ちょくちょく図書室に行くようになってな。あまり、蔵書の質は良くないがそれでも改めて調べるとなると参考になりそうなものは色々あって」

 

 

 こいつ急に早口になるな。どんだけハマっているんだ。というかそれでやることが怪談話とか民俗学を調べることって、やっぱ俺のことを怪異か妖怪の類いと思ってないか?

 

 まあ、俺自身その類いの存在じゃない自信がちょっとないから否定しにくいんだけども!

 

 

 まあ、そんなこんなで原作よりも図書室に行くことが多くなった綾小路は椎名と会う機会があったらしい。

 ミステリー関係の知識ならそれなりにある綾小路は椎名と話ができたし、椎名は椎名でオカルト関係の話に興味があったらしい。

 

 考えてみれば純粋なホラーじゃなかったら、ミステリー関連でそれ系統の話が混ざるのは良くある話だからなー。

 

 意外な関係――というほどでもないのかな。いや、綾小路がそっちにハマっているのは意外を通り越してビックリしたけどさ。

 

 

「ホームズさん、ちょうど良かった。この本なんですけど一緒に読みませんか? 今読んでいる最中の新しいミステリー小説なんですけど、なかなか難しくて……」

 

「にゃーお」

 

「えへへ、プールはあとで入ります。今はほら……ちょっと騒がしいみたいですし」

 

「たしかにな。しかし、なんであんなことに」

 

「にゃお」

 

「なるほど、あれも青春というやつなのか。……俺も混ざった方がいいのか? そうか……それなら、今回はやめておくか」

 

 

 うむ、そうした方がいいと思うぞ。これも武士の情け……というやつだ。坂柳のやつ、明らかに童心に返って水鉄砲の撃ち合いを楽しんでいるからな。さすがに見られたくないだろう――いや、がっちり見られてるけどさ。

 

 参加しなきゃセーフかなって……。あっ、ひっくり返った。慌ててご主人が救助した。

 

 

 そんな様子を眺めながらパラソルの下で俺と椎名と綾小路はゆったりとビーチチェアに座りながら、ミステリー小説を読んだ。

 

 プールに来ておいてあれだけど、これはこれでいい過ごし方なのかも知れない。

 一緒に読みながら事件のこと真相をああだこうだ言い合いながら読み進めるのだ。

 

 

 まあ、綾小路や椎名……あんま俺と絡みのない生徒からは猫に話しかけている不審者っぽく見られているけどな。

 

 

 二人ともそこら辺、あまり気にしないのかスルーしているのは流石だった。

 

 

 Aクラス生徒なら特に問題なくそんな様子、受け入れてくれるんだけどなぁ……。

 

 

 そんなこんなをしている間に水合戦は終結していた。

 正確には第一次水合戦が……だが。

 

 

 いつの間にか騒ぎを聞きつけた生徒が参加して第二次水合戦が始まっていた。

 

 

 デカい水鉄砲を構えて暴れているのはあれ須藤だな、あとは石崎たちか……。合戦が乗っ取られたからやめたのかな。

 

 

 何やら満足げな表情でこちらに向かってくるご主人たち。

 何やらご主人は端末を取ってきて何やら一之瀬に見せびらかしている。

 

 

 って言うかあれってもう四桁を軽く超えた俺の写真データだよな。おい、一之瀬は自分の端末を取りだして購入交渉をしようとするんじゃない。いったい何がお前をそこまで突き動かすんだ!

 

 

「……なあ、Bクラスの一之瀬となにかあったのか?」

 

「にゃー」

 

「思い当たる節がない? 普通に付き合いはあったけどいつの間にか? ……ふむ、この学校に来る前にあった可能性はどうなんだ?」

 

 

 えっ、高育に来る前……? やばい、どうしよう。ご主人に出会ってからの記憶が鮮烈すぎてほとんど思い出せない。自分の中で野良だった時期とペットになっての俺はかなりの違いがあるっていうかなんていうか。いや、でもなんか思い出しそうな気がしてきたぞ? あの髪色はどこかで――

 

 

「あ、綾小路くん!?」

 

「坂柳か」

 

「何故ここに……」

 

「いや、俺がどこに居ても別にいいと思うんだが」

 

「それは……そうですね。あと、そちらの方は」

 

「Cクラスの椎名ひよりといいます。お見知りおきを」

 

 

 なんというかなんともいえない視線を椎名に向ける坂柳。

 別に今のところ綾小路とはなんともないと思うぞ、どっちかというと俺の方が仲が良いと思うし――ってなんでこっちに変な視線を向けてくるんだ。

 

 

 まあ、そのあと色々あったが俺達は一緒に過ごすことになった。

 ご主人たちと一緒に遊んで過ごした綾小路は野郎どもの嫉妬の視線を向けられていた。

 

 

 嫉妬の視線に物理的な攻撃力があったら、綾小路が穴だらけになりそうな凄い強さだった。

 ご主人に坂柳に椎名に一之瀬なんて、誰が見ても嫉妬するしかない組み合わせだからな。

 

 

 でも、こいつが一番興味の視線をぶつけてくるのは俺なんだよなぁ……。

 

 

 お昼の時間になって船で食べようという話になり、水着から着替えるために更衣室へと向かったご主人たち。

 

 

 一匹と一人、残された俺達はぽつりぽつりと周囲に聞かれないように声を潜めて会話をした。

 

 

「……次の試験、恐らくすぐに終わってしまうだろう」

 

「にゃー」

 

「ああ、茶柱にな。あくまで概要しか聞いていないが……こんな試験ではどうしようもない。知っているだろう? 人狼ゲームに一番大切なもの」

 

「にゃーおう」

 

「だから、Aクラスが勝つ。……いや、この場合は全員が勝つと言うべきか? それにAクラスというより坂柳が勝つ……か。まあ、想定通りに進むなら全クラスに益のある話になる。大人しく残りの船旅を満喫するつもりだ」

 

「にゃふん」

 

「なにかやらないかだって? やる意味もないし、やるだけ無駄だからな。堀北がまたやる気を出しそうだが諦めてもらうしかない。今のあいつではまだプレイヤーになれていないということを、自覚してもらえるいいチャンスでもある」

 

「にゃー、にゃっ」

 

「……俺が楽しそう? そうか、そうかもしれないな。これが楽しいという感覚なのかも知れないな」

 

 

 

 感慨深そうに呟く綾小路の側で俺は思った。

 

 

 

 茶柱ぇ……。

 

 

 

 当然のように情報を搾り取られているらしい。

 そんなこんなで騒がしくも楽しい一日は過ぎていった。

 

 

 




〈人物紹介〉
●ホームズ
→なんか思い出しそうな気がしそうな猫。大体、次の試験の顛末について悟っているので休暇を楽しんでいる。なんかホワイトルームの最高傑作を変な感じに壊した自覚が出てきたので、関係者にちょっと申し訳なく思ったがよくよく考えるとカス連中なのでまあいいかとなった。

●神室真澄
→一之瀬からはガチっぽいオーラを感じて危険視している。なのでタップリとホームズとの中をアピールするために写真データを見せびらかしたり、目の前でイチャイチャした。独占欲は強いが束縛しすぎて嫌われるのが嫌なので我慢している系女子。

●坂柳有栖
→童心に返っている疑惑のある邪悪なるロリ。調子に乗って船上プールで遊んだ結果、あとで肌がヒリヒリして泣くことになる。綾小路と一緒に居た椎名を見てなんともいえない表情になった。そのあとで椎名と仲良さそうにしていたホームズにも似たような視線を向けた。独占欲が強い。

●一之瀬帆波
→流れるようなスムーズさでホームズを誘拐しようとした誘拐犯。動画配信サイトで雫の動画を見つけた際、登場した黒猫を一発でホームズだと見抜いたヤベー女。神室から写真データを購入した。それでいいのか。

●椎名ひより
→ホームズも居るし、読書仲間の綾小路もいるしで楽しい学校生活を送っている文学少女。ミステリー専だが最近は綾小路からオカルト関係の本を薦められて読んだりもする。ジャンルによっては知識があると深くミステリー小説を楽しめるので。

●綾小路清隆
→なぜかオカルトにハマってしまった最高傑作。高育の蔵書では不十分だなぁ、と思いながら調べつつクラスのことを考えたり、茶柱から情報を絞ったりとわりと忙しい毎日を送っている。干支試験については概要だけ知っているが、既に試験の顛末が見えているので気にしないことにしている。
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