よう実世界に転生した畜生系主人公が神室真澄に心を打ち抜かれる話 作:サンディエゴ
畜生系主人公が神室真澄と一緒に合宿に参加する話
新しい年が来た。
新年を迎えるというのはいいものだ。
毎年体験しているはずなのに、常にこの時期は新鮮に感じられる。
今年は女神と出会うことが出来たので、その感動も一押しだ。
あの保健所の職員との限界ギリギリバトルもやることもなかったから、実にいい年だった。
これもきっと大天使マスミエルのお陰だろう。
崇めなきゃ。
なに? 女神と天使で表記揺れが激しい? とても神々しく、なんか凄い存在であることがわかればいいんだよ。俺からすれば神や天使の名すら霞むのがご主人という存在であって――
いや、まあそんなこと――はとても大事なことであるが、一旦は置いておくとして。とにかく、新年を迎えたわけだ。
色々と楽しい時間を過ごした。
クリスマスは部屋でパーティーをしたし、正月には羽子板代わりのバドミントン大会をAクラスで開催したり、佐倉や一之瀬たちを呼んでTRPGをやったりもした。
なんか佐倉のダイス運がヤバいことになってたせいで、坂柳がウキウキで持ってきたシナリオが崩壊しかけたが。
あとご主人、俺にお座りさせて片手をあげさせるポーズやってもラック値は上がらないと思うぞ。
いや、イケる? ご主人に期待されているなら仕方ない。うぉおおおっ、唸れ俺の招き猫パワー!
まあ、無理だったけど。
そんなこんなでダラダラとした正月休みを満喫し、しばらく経ったある日のこと――
新年を迎えたら何をするのか、みんなはわかるかな?
そうだね、特別試験だ。
「混合合宿」の時間だ、オラぁ!!
最近――というか真・体育祭の後は大体生徒側が好き勝手にやっていたため、その告知が為されて1年生から3年生まで「そういえばそんなのあったな……」みたいな雰囲気になったのは秘密だ。
さて、話を「混合合宿」に戻すとしよう。
「混合合宿」という特別試験は何をするのかというと全学年が一緒に試験に挑む、合同試験の一つだ。
3学年で林間学校で合宿し、異なるクラス、学年で生徒たちが混ざり合い、共同で課題に取り組む試験。
知識や技能を試すだけでなく、生徒たちの協調性やリーダーシップ、戦略的思考を試すもの――とされている。
生徒たちでグループを作り、そのグループで「禅」、「筆記試験」、「スピーチ」、「駅伝」などの試験を受けて、その点数で順位を決め、順位に応じた報酬とペナルティが与えられると言った感じだ。
この試験のことを聞いたとき、俺がまず最初に思ったのは原作通りなんだなーという感想だった。
色々とやりたい放題しているからそろそろなんか試験の方も変化すると思っていたのだが、あるいは月城の干渉とかで。
ただ、よくよく考えると学内でやるタイプの試験じゃないし、無人島試験のような予定が決められていたタイプの試験なのだから変更が難しかったのかもしれない。
月城は月城で例の事件の謝罪行脚やらなんやらで大変そうだったし。
それなりに立場がある人にとって、新年ほど忙しいものはないからなぁ。
まあ、そんなこんなで「混合合宿」の試験は行われることになった。
では、原作と違いはなく開始されるのかというとそうでもない。
「さて、楽しい合宿になりそうですね」
「試験内容に「禅」と「駅伝」があるの忘れてない?」
「坂柳有栖の冒険はここで終わってしまったようですね」
「諦めるのが早い早い。いつもの口車で何とかしなさい」
「知的でクールなイメージが私のはずなのに、詐欺師のような言い方はどうかと思いますね」
「詐欺師というか脅迫というか」
「弱みを見つけてつけ込んでいるだけです!」
「堂々と言うな」
原作だと1年はその説明を行きのバスの中で聞くことになるのだが、聞こえてくるご主人と坂柳の会話からわかるように既にその内容は1年も事前に知っている内容だった。
何故かと言えば内容が決まったら、普通に生徒会の南雲がその内容を横流ししたからだ。
原作で南雲は混合合宿の内容の事前の横流ししている。
でなければ、原作で行った暗躍の根回しが不可能だしね。
それを今回は1年も含めてやっただけ。
理由はシンプルに――「そっちの方が面白い」と言う理由らしい。
原作と違い堀北兄とは勝負もしてそれなりに納得しているので、わざわざ橘を狙い撃ちにしてまで暗躍する意義を感じていないし、悪巧み三銃士として色々と学園相手にやることに楽しさを覚えたのが今の南雲だ。
「全学年に均等に情報を横流ししたからセーフ」
「お前というやつは……」
これが南雲と堀北兄との会話の内容だった。
一応、学園側が公表するよりも先に生徒会の人間が情報を流すのは普通に問題ではある。
ただ、どこかの学年、クラスだけに有利になるように流したわけでは無く、みんなに流したから問題ないと堂々と開き直る姿に堀北兄は頭を痛めていたが、最終的に「まあ、学園側以外は困らないから別にいいか……」で納得したあたり、だいぶ彼も性格が変わった気がする。
やっぱ学園側に対して、結構思うところあるだろ。堀北兄……。
まあ、そんな感じで3学年に同時に合宿合宿の情報が持たされたわけだが。
その結果、彼らが出した結論は――
(((これ、談合した方がいいな……)))
というものだった。
まあ、仕方ないね!!
3年生に関しては「CPはAクラスが得るけど、その分のプライベートポイントは配布するわ」と言うスタンスなので、出来るだけ学年で稼いだ方がいいと言うスタンス。
2年生は南雲の思うもまま、1年生に関してもまだAクラスを諦めていない生徒も居るが、「とりあえず、特別試験では学年単位で協力し合ってCPを引き出して、その後に何か勝負でもしてその配当を決めればいいのでは?」という意見によって封殺された。
つまりは全学年連合である。
おかしい、特別試験というのは色々クラスとか学年で思惑が錯綜してギスギスするイベントでは?? えっ、とりあえず談合して理論値のCPを学校側から回収して、そのCPをどう分配するかを決めた方が建設的? 足の引っ張りをして結果としてショボいCPを得られないより、みんな幸福? ――確かに!
とまあ、そんな感じで「談合しようぜ!」という話になった。
「ルールを確認しよう。まず、男女に分かれて六つの小グループを作り、そのグループの責任者を決める。その後に他学年とも小グループと組んで六つの大グループを男女で作る」
「試験をすることでその六つの大グループで順位を作って、その順位に応じた報酬とペナルティを受けるというのが基礎的なルールですね」
「報酬に関しては「1位グループには1人3CPと1万プライベートポイント」、「2位グループには1人1CPと5000プライベートポイント」、「3位グループには1人3000プライベートポイント」……」
「ペナルティに関しては「4位グループは1人-5000プライベートポイント」、「5位グループは1人-3CPと-1万プライベートポイント」、「6位グル-プは1人-5CPと-2万プライベートポイント」か」
「プライベートポイントに関しては一先ず置いておいていいだろう。重要なのはCPに関わる1位と2位の報酬と5位と6位のペナルティだ。報酬は最大化、ペナルティは最小化しなければならない」
「報酬に関しては追加条件として、小グループ人数/10をかけ、更にクラス構成によって4クラス混合なら3倍、3クラス混合なら2倍されるというものと、更に小グループ責任者がいるクラスの報酬は四捨五入後に2倍されるという条件があります」
「グループ人数の上限ってあるんですか? このルールなら1位にするグループに責任者と責任者のクラスの人を詰め込むだけ詰め込めば稼げますけど」
「一応、一つのグループの上限は15人までらしいな」
「では、理論上最も稼げるのは責任者のクラスの人間が12人、それと他のクラスから一人ずつで15人が最高率ですね。その場合、一人あたりのCPは3CP×15/10×3=13.5。四捨五入で14CP。責任者のクラスはそれが倍なので一人あたり28CP、責任者のクラスは12人なので合計で336CP。その他のクラスの3人は14CPなので、42CP。全体合計で378CP。同じ計算式で2位の場合は全体合計は135CP。合わせて+513CPですね」
「5位と6位はどうする?」
「そっちは簡単ですね。単純にグループの人間が少なければ少ないほど、失う総CPは無くなる。1位から5位まで上限いっぱいの15人で埋めて、残りを6位にすればいいんです。つまりは5位は15人、6位は5人」
「ペナルティは5位が一人につき-3CP、6位が-5CPだから……。-45CPと-25CPか。合計で-70CP」
「+513CPと-70CPで、合計で+443CP。これが理論値ですかね。まあ、色々と詰める必要はあります。これをどう分配するのかとか6位は成績が個人成績でボーダーを割ると退学者が発生するペナルティもあるので、メンバーの選考と立ち回りに関して話し合う必要がありますが――」
もうね、なんて言うかね……うん。3学年が全員で協力の様子を見せるとこんな風に話がさっさと進むんだなって。
いや、まあ、坂柳だけでも十分優秀なのに南雲やら堀北兄まで参加していると話が早い早い。
トントン拍子に話が決まっていき、対混合合宿の作戦案は完成してしまった。
というわけで学生にとっては今回の試験は試験でもなんでもない、多少課題やら何やらをやらなきゃいけないのは面倒だが、それを除けば合宿という珍しいワクワクするイベントでしか無いわけで……。
バスの中の雰囲気は極めていい。
楽しな様子だった。
合宿ってイベント、ワクワクするよね。わかるとも……。
因みに一応、手順通りに試験についての説明を移動するバスの中で始めた真嶋先生。
生徒たちの様子に「あっ(察し」という顔になると説明を途中で切り上げて、自分の席に戻ってしまった。
もうちょっとみんな聞いてあげようぜ。
「……はぁ。これはどう考えても……ホームズは勝手に入り込んでいるし……」
ごめんて。
気落ちする真嶋に俺は心の中で謝った。
一応、申し訳ないと言う気持ちはあるのだ。
けど、一人残されるのは寂しいので……反省はしない!(キリッ
本来なら、俺は残される予定だった。
一応、ご主人たちは抗議したのだがペットを合宿に連れて行くことは出来ないという――「まあ、そうだろうな」という正論で拒否られてしまった。
というわけでお留守番、ついでに一度無人島試験の際に逃げられたのでGPS付きの首輪まで付けられて、俺は混合合宿の期間は学園で面倒を見られる予定だったのだが――――
あーっと、爪が滑ったー!!(首輪破壊) そして、脱出! バスの中に潜伏!! っしゃあッ!!
といった感じでご主人たちと合流した。
爪が滑ることはあるし、うっかり脱出することだって猫にはよくあること。
そして、偶々入りこんだバスがご主人たちのバスだったという偶然が生んだ奇跡。
「なあ、坂柳……いくらなんでもあり得ないと思うんだが?」
「じゃあ、なんですか? ホームズに脱出してこのバスに来るように命令したとでも? 現実的に考えてくださいよ、真嶋先生。仮にそんなことを頼んだとしても、実行できるわけないじゃないですか。ただの猫ですよ?」
「ホームズがただの猫なら、ただの猫にあれだけ対抗意識を燃やしている坂柳さんはいったい……?」
「やめなよ」
「それはそうなんだが……っ! いくらなんでも出来すぎているというか」
「猫がそんなに賢いわけないじゃないですか」
「そーだそーだ。ホームズがいくら賢いとはいえただの猫、人の言葉なんてわかるわけがないですよ」
言ってやれ、坂柳! ご主人!
「というわけで偶々首輪を破壊して、逃げ出したホームズがこのバスに乗り込んでいただけのこと。もうバスも出発してしまったわけですし、これはこのまま合宿も一緒に同行するのがいいでしょう」
「飼い主の責任としてちゃんと面倒を見るので」
「ぐぬぬ……」
何やら痛そうに胃の部分を抑える真嶋。
すまない、だが林間合宿に参加したいんだ。どうせ試験の結果なんてもう終わったようなものだから……ね?
そんな俺の気持ちが伝わったのか、伝わっていないのか。
真嶋はがくっと肩を落とし、俺は混合合宿に参加できることになったのだった。
〈人物紹介〉
●ホームズ
→プリズンブレイク(二度目)。GPS付き首輪程度じゃ対策にならない猫。猫は自由に生きるものだから……仕方ないね。
●坂柳有栖
→教師陣営の胃を攻撃し続ける邪悪なロリ。ホームズのことで突っ込まれても「猫がそんなに賢いわけないでしょ。常識で考えてください」と堂々と言える面の皮の厚さを持つ(強い)。やったー、合宿だー! 駅伝やだー!
●南雲雅
→別に綺麗なったわけじゃないが、尊敬する先輩である堀北兄とはそれなりに勝負も出来たので満足。学園相手に引っかき回している1年を見て、「そういうのも有りか」と原作と違って学習した。性格は普通に悪い。
●真嶋智也
→Aクラスの反応から「これ既に試験内容がわかってるし、何なら対策済みだなこんちくしょう」と察してしまった。猫も乱入した。胃が痛い。正直、手に負えないクラスだと思っている。クラスというか大体は坂柳だけど。あと2年は長い。
視点での描写が欲しいキャラ
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葛城康平
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坂柳有栖
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神室真澄
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鬼頭隼
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山村美紀
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一之瀬帆波
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椎名ひより
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綾小路清隆
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堀北鈴音
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櫛田桔梗
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佐倉愛里
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南雲雅
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堀北学
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茶柱佐枝
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真嶋智也
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星之宮知恵