よう実世界に転生した畜生系主人公が神室真澄に心を打ち抜かれる話 作:サンディエゴ
畜生系主人公が神室真澄と共に邪悪なるロリを解き放つ話
クラス内投票。
数ある特別試験の中で屈指のクソ試験の地位をほしいままにしている試験だ。
というか試験の体裁を為していない。
どう足掻いても退学者を発生させるという内容で、それをなんとか乗り越えるには2000万のプライベートポイントを使うしかないというクソの中のクソ。
何故こんな理不尽な試験が行われたのかと言えば、それは全て月城のせいだったりする。
やつの目的は綾小路を退学させることなのだが、ここで問題となってくるのは彼の優秀性だ。
ホワイトルームの完成作、作り上げられた天才。
そんな彼を通常の手段では退学させるのは不可能だ。
テストで赤点を取れば退学だが、当然そんなミスをするわけもないし、何かしら校則違反を行わせ、難癖をつけて退学……という手段も難しい。
綾小路なら仮にやったとしても証拠を握られる失態などするはずはない。
通常の学園生活で合法的に退学させるのは難しく、可能性があるとすれば退学者の発生率が高い特別試験だが、これもまた難しい。
綾小路が退学するほどの難易度の試験ってなんだよ、という話になる。
ぶっちゃけ、どうしたって自然に退学させることは難しいのだ。
なので強硬手段に月城は出るしかなかった。
それがクラス内投票――強制的に退学者を発生させる理不尽な試験を権限をフル活用し実行、それで何とか……という意図はまあ、わかる。
原作よりもちょっとばかし状況が悪く、失態を犯したばかりの月城にとって、速やかに功績を立てるのは急務。
だからこそ、多少強引でもいいから試験を認可させ、綾小路を退学させるための計画を進めようと考えた――その気持ちはよくわかるんだが……。
「で、どういうことなんですか真嶋先生? 真嶋先生はそんな人ではないと信じていたのに……」
「残念です」
「お、俺は最後まで反対して……でも、理事長代行が……」
「情けない言い訳をする先生は見たくなかった」
「言い訳なんてやめなよ」
「……ぐすっ」
えっ、今がどういう状況だって?
そりゃ、見てわかるとおり……我らがクラス担任の真嶋先生が「クラス内投票」の説明をしたあと、足早に去ろうとしたところを坂柳に捕まえられて、プライベートポイントを使って時間を買い取り、尋問――もとい、詳細の質問をされているところだが?
教室のど真ん中に正座して座っている真嶋先生の周りをぐるっと生徒で固めているところだが?
傍目から見ると完全にアレな光景だが、これはただ生徒が先生に話を聞いているだけだからセーフ。
正座したのも真嶋先生が自らやったことだし……怒りの表情の自分の生徒に囲まれるのってやっぱりツラいんだろうなぁ。
特に葛城みたいな真面目な生徒から今にも「ぺっ」っと唾を吐かれそうな態度は相当に堪えているようだ。
しお……しお……という擬音が聞こえて聞こえてきそうな程に、真嶋先生はしぼんでいた。
だが、それも仕方ない。
生徒の立場からすればこれほど理不尽な試験はないのだ。
まあ、特別試験を経て、ある程度退学というデメリットに関しての慣れは出来ている。
原作とは違って荒稼ぎしているものだから、どのクラスの生徒もそれなりに裕福に暮らしているのだ。
もちろん、クラス用の貯蓄とか色々あるけど、それでもお小遣いとして月に数万使える生活を送っている。
生徒たちが勝ち取ったものとはいえ、これだけの待遇なので不甲斐ない成績なら退学……は嫌だけどしょうがない、ぐらいの気持ちはある。
ただ、それはあくまで特別試験のペナルティとして、常識的な範囲内においてのこと。
「ペナルティとしての退学じゃなくて、退学前提の試験って……なに!?」
「選抜試験とかならわかるけど、そうじゃないならふるい落としをする意味……どこ!?」
「教育的意義の説明を求める。説明できないような試験なんて――やめなよ」
「……今年は退学者が居ないからって」
「退学者居ないのっていいことでは?」
「今までも相当だったけど、もはや試験の体裁すら整っていないように思うのですが?」
「……俺もそう思う」
まあ、こうなる。
怒ってはいるものの冷静に淡々と問いただしてくるAクラスのみんなの様子に、ただただ真嶋先生は小さくなっていく。
可哀想。
「それほどまでに俺達の2000万プライベートポイントを使わせたいのか!」
「あ、あからさますぎる……」
「でも、そうとしか」
「2000万のプライベートポイントがある限り、退学の脅しで生徒の動きを抑制できないからこんな手に」
「だとしても乱暴ですよねぇ」
などという感じでAクラス内の考察がまとまっていく。
理不尽すぎる試験の内容。
こんなことをする理由は何か――と考えた場合、そう考えるのが妥当だ。
まさか特定個人の生徒を退学させたいから、こんな試験を仕組んだ……などとは普通は考えない。
そもそも退学者が必ず発生する試験だが、一年は全クラス2000万プライベートポイント以上を保有しているので、本当に意味の無い試験なのだ。
批判票がどうとか、賞賛票がどうとか、そんなルールはホントになんの価値もない。
退学者が発生するか、あるいはそれを2000万プライベートポイントを使って取り消して終えるか、その二択しか結末は存在しない。
だからこそ、みんな怒っているのだ。
これはただ2000万プライベートポイントを消費させるだけの試験なのだと。
実際、月城の思惑としては綾小路をこれで退学させることが出来たら万々歳。
出来なくても、退学取り消し用のポイントを一年から奪えば次に活かせる――そんな目算なのだろう。
だが、そんな策謀が生徒たちの心に火を付けた!
「皆さん! こんなことを許していいのでしょうか!」
考察が進む度に静かにボルテージが上がっていく教室内に坂柳の声が響いた。
みんなが一斉に彼女の方に注目する。
我らがAクラスのリーダーの一人、邪悪なるリーダー――坂柳有栖を。
「これはもはや試験ではありません。ただの回収です」
「我々が試験のルールに則り、公正に集めたプライベートポイント。それを奪うためだけのイベント」
「プライベートポイントは本来、電子マネーとして既に私たちに支払われているはずのもの。2000万プライベートポイントの貯蓄も、何かがあったときに備えて集めていた私たちのお金です」
「それをあとで不都合になりそうだから、無理矢理に吐き出させるために試験という名目を使い、本来はペナルティであるはずの退学を人質に使う――これが許されていいんでしょうか?」
「いいえ、あっていいはずがありません! 高育の主役は私たち生徒です。Sシステムでも特別試験でも、好きに場やルールを設定し、競い合わせるのはいいでしょう。それらの効果や妥当性には疑義はありますが……少なくとも学園には学習の場――ゲームの場を用意し、行わせる権利はある」
「ですが、そこまでです。ゲームで言えば彼らはディーラーでしかありません。場を用意する、手札をそれぞれに渡し、ゲームの進行役を行う――彼らに許されているのはそこまで。あとの勝負は我々、生徒こそが主役。ディーラーであるなら、ただ黙っているべきです」
「だというのに、彼らはゲームの進行役をしながら、札を配りすぎたと言ってこちらの札に手を伸ばしてきた。これはもはやディーラーの権限を超えています。ゲームの破綻と言っていいでしょう」
坂柳の口が回る回る。
無茶苦茶、楽しそう――いや、実に愉しそうだ。
「ディーラーであるならば進行役に徹するべきで支配をするべきではない。ディーラーはただ札を配り、ゲームの行方は勝負するプレイヤーに任せるべきなんです。その不可分を学園側から破った。で、あるなら……」
「くくくっ、何をしようってんだ?」
むぅ、何やつ!!(礼儀作法)
ガラッと勢いよく教室の前の扉が開き、入って来たのは実に愉しそうな笑みを浮かべているよう実ナンバーワンの不良こと龍園とその仲間たちだ。
「おや、何のようですか? 龍園くん」
「なに、性根がドブ川のように腐ったお前なら、こんな馬鹿げた試験なんてまともにやらず愉快なことをしそうだと思ってな」
「さ、坂柳の性根がドブ川のように腐ってるだって? 酷い!」「ちょっと真っ黒で底が見通せないぐらいだよ!」「やめなよ」
そーだ、そーだ! 精々タールぐらいの黒さしかないぞ!
「ふっ、酷い言われようですね。そんな龍園くんこそ、何かいかがわしいことを考えているのでしょう? いつも悪巧みをしている顔をしてますし。あと、ホームズは覚えておきなさい」
「龍園さんがいつも悪巧みをしている顔だと?!」「失敬な、顔だけじゃなく笑い方もそうだ!」「そもそも、存在自体が常に悪巧みしてる感じでしょ!」
坂柳らの挨拶代わりの口撃が飛び交い、そして自分たちのリーダーを擁護するための支援の声が……あれ、これ擁護かな? 擁護になってるかなぁ? と言うかなんで俺だけ……。
「ふっふっふっ」
「くっくっくっ」
そんなクラスメイトたちの声など聞き流し、二人はカリスマっぽいオーラを放っている。
やつら――この一年で随分の成長を!!
「成長……うん? 成長でいいのかな?」
気にするなご主人!
それはそれとして、龍園は坂柳と協力する気のようだ。
まあ、プライベートポイントを大量に集めたい彼からしても、この試験はクソゲーもクソゲー。
なにせ、退学取り消しに2000万プライベートを4クラスがそれぞれ払ったら、損失は8000万プライベートポイントになるのだ、いざという時の切り札用の貯蓄なので放出させるのは難しいかも知れないが、それでも存在していればチャンスはある。
少なくとも無為に消えるのは彼としても許容できない、出来るわけがない。
「こんなふざけた試験、まともにやってられるか。……他のクラスも同じ気持ちだろうよ」
「ふっ、でしょうね」
「策はあるんだろうな?」
「もちろんです。相手がこれ以上ないほど、いいネタをくれたのですから、ここは――」
「待ちな。その話……俺たちも混ぜてもらうぜ」
むう、何やつ!!(天丼)
龍園と違い、後ろのドアから入ってきたのは二年を南雲雅だ。
「おや、南雲先輩ですか。どのようなご用件で?」
「今、言ったとおりだ。見かけだけは儚げ美少女で、内側は指の先までどす黒い邪心で出来ている後輩なら、きっと面白いことをやるだろうと思ってな」
「坂柳さんがどす黒い邪心で出来ているだって!? 酷い!」「そうだよ、確かに坂柳さんの99.89%は加虐性ロリで出来ているけど、ホームズに負けることで猫に負けるよわよわロリ分に変換できるんだから! マスコットなんだから!」「やめなよ」
「裏で女を殴ってそうな男ランキング上位を龍園くんと争っている南雲先輩に美少女なんて言われるなんて……困ってしまいます」
「南雲が裏で女を殴ってそうな男だと?! ……まあ、たしかに」「でも、龍園くんと違って外面だけは取り繕って隠蔽はするよ?」「悪知恵を働かせるからな!」
再び行われる挨拶代わりの口撃、そしてそれぞれのリーダーへの援護射撃……援護射撃? たぶん、援護射撃。
「はっはっはっ」
「ふっふっふっ」
「くっくっくっ」
とりあえず、意味深に笑う三人。
こいつら仲いいな。
それにしても、坂柳・龍園・南雲の三人が集まるなんて。
「高育の誇る――邪悪三銃士が」「ダーク・トリニティが」「最悪三頭龍が」「――揃った!」「この勝負」「ああ、俺達の勝利だ」「もう何も怖くない!」「パインサラダを食べに行こう」
みんなノリがいいな、おい。
だが、確かにこいつら三人が協力し合っている姿は何とも頼もしい。
敵じゃなければ頼りになるやつらだからな。
三人まとめて相手をする羽目になる学園側はまあご愁傷様ということで。
「ぁぁ……」
ああ、真嶋先生が頭を抱えて蹲ってしまった! ひどい、誰がこんなことを……!
「まあ、ともかく二年も協力してやろうという話だ。俺達としてもこんな試験がまかり通られては困る。これが通るってことはいつ似たような試験が学園の気分次第で起きてもおかしくなくなる。枕を高くして寝ることもできやしない」
「ふふっ、ありがとうございます。どのみち協力を仰ぐつもりで巻き込むつもりだったので手間が省けました」
「くくくっ、二年も巻き込んでとなるとなかなかに規模のでかいことを考えていやがったな」
「相手が大義名分を与えてくれたのですから、どうせなら……と」
ドSロリスマイル全開の坂柳はそう言いながら葛城の方を見た。
視線を向けられた彼はおもむろに片手を上げ、そしてグッと親指をあげた。
「――やってよし!」
「ああ、光のリーダー葛城からのオールフリー宣言だ」
「やっちゃえ、有栖」
「ブレーキ役を時々してくれる神室さんからのアクセル指示だー!」
「にゃー!」
「ホームズも!!」
やっちゃえ、邪悪なるロリ! そして、外道カス三人衆! 毒には毒を! 悪には悪をぶつけるんだよ! お前の邪悪パワーを解き放つときだ!
「ふふふっ、ではご期待に添えましょう。相手がこれ以上無いほどの大義名分を与えてくれたのですから、我々がやるべきことはただ一つ! まずは――校舎を占拠します!」
どや顔で宣言する坂柳。
「私たちの戦争の始まりです!!」
〈人物紹介〉
●ホームズ
→邪ロリを解き放つ判断をした邪悪なる猫。
●坂柳有栖
→やってよしの許可を貰ったのでウキウキのロリ。最近のブームは神室の部屋でダラダラしながらみんなでサブスクの映画を見ること。一番最後に観た作品は「ぼく〇の七〇間戦争」。きっと関係はない。とりあえず、校舎を占拠した。
●龍園翔
→退学者前提の試験? 許せねぇ、許せねぇぜ高育。生徒は居るだけでプラベートポイントを毎月発生させる俺の貴重なカモ――財布! それを奪おうだなんて(退学者許さないマン)
●南雲雅
→堀北兄とはちゃんと遊べたので拗れてはない。それはそれとしてちゃんとしたカス。同学年だと遊び相手としてはつまらないので面白そうな一年と絡んで遊ぼうかなって。
●真嶋智也
→もうどうにでもなーれ!!
●月城常成
→やらかして早く功績を立てようと焦ってる。綾小路以外は舐めてるので権力を背景に強引に進めれば学生程度ではどうしようもないと考えている。学生なんて所詮はガキ。
視点での描写が欲しいキャラ
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葛城康平
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坂柳有栖
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神室真澄
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鬼頭隼
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山村美紀
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一之瀬帆波
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椎名ひより
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綾小路清隆
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堀北鈴音
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櫛田桔梗
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佐倉愛里
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南雲雅
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堀北学
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茶柱佐枝
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真嶋智也
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星之宮知恵