霊呪忍   作:かりん2022

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入学

 神社で、私は全力疾走していた。

 鳥居を潜っても潜っても、終わりは見えない。

 

「産土神様とか冗談じゃない! やっぱり罠依頼だったなちくしょう!」

 

 私は必死で逃げていた。ああもう、最悪!

 どでかい異形に追われて、心臓が破けそうになるくらい必死で走り続けていると、鳥居の先に光が。それがなんだろうと、飛び込むしかない。

 

 私は助走をつけて、飛び込んで……そして生まれた。

 

「だううー!(やっぱり死んだー!)」

 

 嘆いても始まらない。こうなってしまったものは、新しい人生を歩まなくては。

 来世があっただけ、万歳ではないか。

 

 

 

 

 

 私、メイと弟のハガネは今年、国立の学校へ通う。別に双子ではない。

学校への入学年齢に幅があるだけだ。

この国の国立学校は二つあり、貴族の通う国立竜玉学院と、平民の通う国立鴉玉学院である。

それぞれ、竜の守る宝物、カラスの守る宝物、という意味らしい。

私が通うのはもちろん、国立鴉玉学院の方。

 

塾を開いていた母が先生としてお呼ばれして、交換条件として、私達も入学させてもらえる事になったのだ。学校の入学資金貯めるの大変だったから本当に助かる。

自己紹介などはないらしく、教室にバラバラと生徒が散る。

 

友達作るの難易度高いな……。前世では、クラスの人数が少なかったから、簡単に仲良くなれたというか、ならざるを得なかったのだけれど。

 

クラスを見渡してギョッとする。ポーカーフェイスはなんとか保ったけど……。

 

「メイ」

「うん」

 

 めちゃくちゃ凄いのに憑かれている人がいるな……? 顔色が悪い。それに病的に太っている。呪霊に気づいているようだね。憑かれているとはいえ、それが認知できる人は少ない。

 他の人はもちろん、その化け物に無反応だ。

 この世界、魔物はいても幽霊・呪霊は認知されていないのだ。

 

 そして何を隠そう、母と私とハガネは霊能者な転移者、呪術師な転生者、忍者な転生者である。

 

 母はがっつり見える人で、世界を跨ぐ傍迷惑な世界転移系呪霊に私達はしてやられた。というかよくぞ死ななかったな母よ。

 

 母の世界では、霊能の技術がかなり進んでいたものの、霊能力では物は動かせなかったらしい。術式だ、護符だ、占いだの進んではいたものの、見えない人には全く見えない触れもしないなのでマイナーだったとか。

 

 私の世界では、呪霊は人を簡単に害せたし、呪術で人を害する事も可能だった。

 身体能力なんかも底上げできた。

 

 ハガネの世界では、主に人同士で争っていて、霊能とかはあったかわからないとのこと(でもまあ呪霊に襲われたんだから、あったんでしょうね)。でも結界だのなんだのの技術はあったらしい。

 

 転移者だから、母の血に流れる霊力と術式はバッチリ受け継いでいる。

 

 私の世界の技術やハガネの世界の技術は使えないかといえば、この世界には魔力があって、それで結構代用できる。

 

 霊力と術式、魔力を混ぜる事も出来た。これは内緒にする事にしている。

 

 護符なんかは、こっちの神様について調べて、こっちの神様に帰依する事で作れるようになった。

 

 そんなこんなで、私達は互いに知識を教え合い、力を合わせて生きてきた。

 

 しかし、私達は普通を知らない。それに、私達3人、学校は通うべきとの固定概念があった為、喜んで学校に通う事としたのだ。

 

 父親? 魔力がなくて物理的に抵抗できない母に、正妻との間にまだ子ができてないのに、二人もできるまで手を出しやがったクズが何か? 正妻に子供が出来てどれだけホッとしたことか。手切れ金以外に財産を要求しない、跡取りにならないって証文? もちろん書きましたとも。

 

 

「君、私達と友達にならない? 私はリン!」

「俺はハガネ。武術の師範になりたいんだ!」

「わっ わぁっ」

 

 ハガネが呪霊にパンチして、呪霊は消し飛んだ。

 

「な、友達になろ!」

 

 ニコリと笑いかけるハガネ。

 

「名前。教えて?」

「あっ 僕はニコラって言います!」

 

 そうして、私達はニコラと友達になった。

 しかし、教室の人達には引かれてしまった。ううん。うまく誤魔化したつもりだったが……。

 




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