引き続きよろしくお願いします!!
「おい、あんまワクワクさせんなよ」
俺は空を飛び俺を見る
水晶群蠍とは一線を画す明らかな強敵。
そんなモンスターを前に俺は口角を釣り上げポーションを飲み干しスタミナとMPを回復させた。水晶群蠍との戦いを経て太陽は沈み月が出てきている。
月光に照らされた身体はその輝きをより強くしモンスターの強さをより際立たせているように見える。
「『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』っ!」
スキルのリキャストタイムが終了していない中で現れた強敵を前に俺は早口ではっきりと詠唱を開始した。
しかし、身体に雷光を弾けさせる
「グオォォォォォォォォォォァァォォォォッ!!」
金晶蠍竜は咆哮を上げるとその口を輝かせブレスを放ってきた。
纏雷で上昇したAGIでブレスを躱すが放たれたブレスは水晶を破壊し被弾した大地を更地に変えた。
「ははっすっげぇな!」
その高すぎる威力に笑いが出てくる。
(もしかしなくとも当たったら死ぬし余波でもHP持ってかれるな)
笑いながら走りブレスの脅威を頭に刻み込む。金晶蠍竜は走る俺を目で追いながら再び口を光らせると容赦なくブレスを放ってきた。
(光りだしてから発射までざっくり2秒ってとこだな)
俺はブレスが放たれた瞬間に目の前にあった水晶へ跳び発射台にすると横へと方向を変えて跳んだ。
ブレスは当然の様に水晶を破壊し大地を更地に変える。一発目のブレスで現れていた水晶群蠍達さえも消滅させていた。それだけで威力の高さが解るというものだろう。
跳んだ先、別の水晶に足をつけた俺は僅かな突起に指を掛けると着地の反動を使って体勢を整えて勢いそのまま水晶の上を走り出した。
そしてジャンプ。
空を飛ぶ竜に目掛けて跳び上がった。
しかし、自らに近づく敵に金晶蠍竜はその尾を振るう。横から迫る尾を俺は胴を捻り兎月を構えて迎え撃つ。
直撃の瞬間にスリッピングアウェーの容量で兎月から先に尾の側面に接触させ身体を回転させる。威力、速度共に自身の動きより速い物体に回転しながら当たったのだ当然身体は
弾かれた先、ジャンプした時よりも更に金晶蠍竜に近づいた俺は武器を兎月から戦甲角杖に交換すると右足にその先端を突き刺した。
(水晶群蠍よりも柔い、か?)
ステイタスが上昇したからなのか、戦甲角杖の武器としの効果なのか、手に伝わった感触に違和感を覚えつつも足を上へ上げその力を使い身体全体を上に運ぶ。
戦甲角杖を足場に立ち上がった俺は身体を造る水晶の突起に手をかけ身体を引いて金晶蠍竜の身体を登り始めた。
しかし、金晶蠍竜は足を前後を動かし足に乗った俺を飛ばす。あまりの勢いに簡単に身体は宙へと投げ出されてしまった。
そして、その隙を突くように尾が迫る。
「クッソ!!」
蠍の尾の特徴を持った尾。当然その先端は鋭く殺意に満ちている。咄嗟に兎月を取り出しそれと同時に詠唱を3回。
この瞬間に最低限AGIとSTRを上昇させる。兎月の杖体と先端がぶつかり火花が散る。今まで体験した事の無い力で身体が押し出され地面に向けて落下していく。
「【
俺は地面に激突する前に安全地帯へと避難した。MPを消費し自身ごとインベントリア内に転送する。安置に入っても慣性は残り続けるが兎月と手を上手く瞬間的に連続で交互に地面に当て続けることで減速し事なきを得た。
「っても死なねぇだけでHPは持っていかれたな」
何度か手で速度を落としただけでHPが削れた。それだけ飛ばされた時の速度が強すぎたという事だろう。インベントリから早速ポーションを取り出しHPを全快にするとMPを消費し外へ出た。
「【
「は?」
しかし、現実空間に戻った俺が1番最初に見たのは金色の光。俺が出てくる場所目掛けて放たれようとしているブレスの輝きだった。
「マジか!?」
まさに発射直前、俺は急いで転身しその場から離れた。
轟音と共に水晶の地が更地に変わり金晶蠍竜はブレスを躱した俺に追撃を仕掛ける。左腕を振り上げ水晶を砕き体勢が完全に整わない俺に攻撃を仕掛ける。
「っ!」
咄嗟に前に飛び出し僅かに空いた空間に身体を滑り込ませて攻撃を躱した。しかし、攻撃の手が止まることはない。金晶蠍竜は尾の先を俺に向けると
「毒かよ!!」
その先端から紫色の液体を発射してきた。
勢いの強い直線的な毒液散布。ステップで回避は出来たが防戦一方の状況。
「人が竜に適うわけねぇってか!?」
気に入らない状態に悪態を着きつつ詠唱していく。既に「詠唱破棄」のリキャストタイムは終了しているが残り7回の詠唱、此処で使ってしまうのは上手くない。
「『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』『纏い轟け』」
最大バフ状態になり身体で弾ける雷光は更に強さをました。
金晶蠍竜の尾による薙ぎ払いが来るが跳んで躱しすかさず迫った右手の攻撃はスキル込の突きで受ける。
着地の瞬間に走り出し水晶を足場に再び跳ぶ。金晶蠍竜は翼をはためかせて風圧での吹き飛ばしを実行してきたがインベントリアに入る事でそれを回避する。
現実空間へ出れば攻撃と回避の連続。一瞬でも気を緩めれば簡単に死ぬ。それほどまでに強大な敵。
「でも堕としてやるよ」
回避する中でそう呟くと俺はインベントリから
「行け!!」
そして、それを兎月で打ち上げる。飛んでい方向は金晶蠍竜の翼の付け根付近。
てけてけてんっ!てけてけてんっ!てけてけてけてけてんっ!
「爆土の偶像の爆発とくと味わえ」
俺が打ち上げた
強い衝撃は兎月で打ち上げた時に条件を満たし飛んでいる間に踊りは完了している。
轟音爆破
爆土の偶像は金晶蠍竜の翼付近で爆発を起こし身体の水晶を爆散させてその巨体を傾かせた。
「棘尽雷」
そして、その傾いた身体とダメージを負った翼を貫くように稲妻を放つ。あの時感じた違和感。水晶群蠍よりも柔く感じた俺の触覚は正しく金晶蠍竜の翼は爆発と稲妻で身体から千切られた。
「片翼じゃ飛べねぇよな?…………堕ちろ!!」
俺は千切れて落ちてきた翼をインベトリアに収納すると
「
現在夜、空には月が輝いている。吸収蓄積されていた月光の魔力が音声と共に俺に流れ込み棘尽雷の発動に伴って全損したMPを全快にする。
「流石だビィラック!!」
脳内でドヤ顔をカマすビィラックを想像してそう言いつつスキル「詠唱破棄」を使用し再び纏雷を纏う。
そして、一瞬で堕ちた金晶蠍竜に接近すると身体に兎月による連撃を叩き込んだ。
「ギュアァァァァァァァァァァァァァ!!」
ダメージに次ぐダメージに金晶蠍竜が声を上げる。
「うるせぇよ!!」
俺はそう叫び顔に接近すると右側から横殴りに兎月を振るった。身体と顔にヒビが入り僅かに顔の向きをが逸れる。
(チャンス!)
視界が逸れて追撃がしやすくなり俺は再び踏み込み攻撃の体勢に入った。
しかし
(影っ!)
視界が薄暗くなった。
斜め上には俺に先端を向ける尾。毒液散布を予期しその場からステップしようとした。
「!!」
しかし、その予想は外れ尾はまるで飛蝗の腹の様に伸びると地面砕き突き刺さった。毒液散布回避の為にステップの体勢に入っていたので直撃を避ける事は出来たが風圧に押されてしまった。
金晶蠍竜は地面に刺さった尾を抜くと
「飛び散っ!?」
勢い良く発射された毒液は地面に発射し飛び散る。俺はすかさず魔力を消費すると
「【転送《エンター》:格納空間《トラベル》!】」
インベントリア内に避難した。
「上手い使い方だな…」
発射の力強さを上手く利用した攻撃に思わずそう呟く。そしてすぐに現実空間へ戻り
「クソッ」
本日2回目の転送直後の強襲を受ける羽目になった。
俺が出てくる瞬間を狙ったブレスをギリギリで躱し体勢を整え走る。空から地へ堕ちた竜は上体を起こし両腕、尾、片翼で攻撃してくるが俺はギリギリで回避し攻撃へと繋げられていた。
左手薙ぎ払いを身体を低くして回避し
右手薙ぎ払いを突きで受ける
空いた空間を走り向け接近し腹に連撃を加える。
尾が横から迫るが跳躍と兎月のカウンターでクリティカルを取る。
跳躍した瞬間に片翼で巻き起こされた突風が襲い身体が浮く
その瞬間を狙ったかのように両腕が振るわれるが指の間に身体を通しつつ関節への攻撃を当てる。
毒液の散布をステップで躱し尾を殴りクリティカルを出して接近し身体を殴る。
攻防が何十回と繰り返され金晶蠍竜の身体にはヒビが大量に入り俺のスタミナは減って行った。
(もう充分溜まったろ!!)
最後のスタミナを消費し走り攻撃を躱す。そして、溜まった魔力とバフを全て消費して俺は再び棘尽雷を片翼の付け根付近へと放った。
稲妻が走り翼を砕く。
直上への落ちてきた翼を金晶蠍竜の咆哮を耳にしながら躱しMPを回復する。
そして、回復したMPを全て使い翼と自身をインベントリアに収めた。
「これで厄介な突風は無くなったな」
格納空間でスタミナとMPを回復しつつそう呟く。ぶっちゃけると突然に身体を浮かせて来るあの突風は厄介な
身体が宙にあると思った以上に身体の操作がしずらくなる。今回は相手が巨大である為指と指の間に身体を通して回避すると言う行動が出来ているがサイズが少しでも違えばこうはならないだろう。
それを潰したことに俺は息を吐き全快したMPを消費して纏雷を纏い外へ出た。
「何やってるんだ彼奴?」
外へ出た瞬間に再びブレスが来ると思い回避行動をとった俺は何もしてこなかった金晶蠍竜を見てそう呟いた。
何故なら金晶蠍竜は顔を天に向けてじっとしていたのだ。
そして
「ふざけやがる」
金晶蠍竜は俺の目の前で身体中に入っていたヒビを全快させた。
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