水晶巣崖から帰還した俺はビィラックに水晶群蠍の素材を預け呼び出されたアラミースに原石の塊を渡して兎御殿で休息を取っていた。
「アラミースの奴、発狂してたな。ビィラックもだけど…。やっぱり夫婦だろあの二人」
「長い付き合いですからね。色んな部分が似てくるのですよ」
日本庭園風の庭を眺めつつ希少素材と宝石を見て叫び散らかす
「俺よりもあの二人の関係を知ってるミュウラがそう言うならそうなんだろうな」
ミュウラのセリフにそう返しつつ庭を眺める。シャングリラ・フロンティアを初めてからまだまだ日は浅いがこのゲーム内でこんなゆっくりした時間を過ごすのはかなり久々な感じかする。
(まぁ、水晶群蠍の素材を見せたらミュウラに「休め」って言われたから休んでるんだけども)
水晶群蠍共を蹴散らしある程度決めていた時間が近づいてきたのでエイドルトに戻った俺はミュウラと合流し兎御殿の鍛冶場に行ったのだが、水晶群蠍の素材の山を見せた後、ミュウラに凄い顔で
「少し休んでください!!動きすぎですよ!!」
と、言われてしまった。言われるだけの自覚はあったのでこうして休んでいるわけだ。
「お、ミュウラ姉ちゃんに鳥の人の弟さん久しぶりやな」
すると、後ろから関西弁でそう声をかけられた。
「ピーツ久しぶりだな」
「久しぶりですね。ピーツ」
俺達を知る関西弁を喋る相手はシャンフロでは今のところピーツだけ、俺達は各々挨拶を返した。
「弟さん最近顔見せんで心配しとったんやで?まぁ、ビィ姉ちゃん達から元気とは聞いとったけど…」
「悪ぃな。最近ミュウラに言われるくらい動きまくってたからな…寄ってる暇がなかったんだよ」
「そうなんか〜、弟さんは鳥の人より買い物に来てくれるから唐突に来なくなって寂しかったわ」
「あぁーそりゃ悪いことしたな。………おっしゃ!じゃあ売りたい物とかもあるし買い物もついでにやっちまうかな!」
「さっすが弟さんや!ちょっと待っとき!今、用意するからな!」
関西弁のせいだろうか、いつの間にか売り買いする気になってしまった(偏見)俺は風呂敷を広げるピーツが準備を終えるまで待ちつつ売れるドロップアイテム達を探し始めた。
「準備できたで!」
「おしっ、んじゃあまずはコレからだな」
そして、俺達はドロップアイテムやポーションの売買を始めた。ミュウラを交えてゲットした時の話なんかもしながら売買を続け俺とピーツはお互い満足して売買を終えたのだった。
「また、なんか手に入ったら声掛けてや〜」
そう言って手を振って去っていくピーツに俺とミュウラも手を振り返し俺達はまた庭を眺める時間に戻ったのだった。
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………暇だ」
しかし、何時までものんびりしているだけでは飽きてきてしまう。俺はそう呟くと身体を伸ばして立ち上がった。
(こういう時ついつい身体を伸ばしちまうのは癖なんだろうな…)
「何処にいかれるのですか?」
「ヴォーパルコロッセオだ」
なんて事ない事を考えつつミュウラにそう応えた俺は目的地まで歩き出す。
「ま、待ってください!」
歩き出した俺にミュウラは慌てた様子で肩へと跳び乗り一緒にコロッセオへと向かう。
「コロッセオで何をするのですか?」
「訓練だ。それ以外理由あるか?」
首を傾げて問いかけてきたミュウラに俺は笑ってそう言いインベントリから武器を取り出す。
「お父様が作った
ミュウラは俺の手に握られた兎月を見てそう言い俺は頷く。俺がヴォーパルコロッセオでやりたいのは簡単に言えば兎月の取り回しの練習。
「大道が言ってただろ?
時間があるのならやれる事をやっておくべき。俺は兎月を空いた肩に掛ける様に持ち変えると辿り着いたヴォーパルコロッセオへの入口の扉を開けた。
「仕方の無い人です……休んでいてもすぐに戦いの事ばかり。最近は大道さんで頭がいっぱいですね?」
ミュウラは最近やたらと多くなってきた呆れ顔で俺にそう言いため息を吐く。しかし、そう言われても仕方が無い。
「大道は今のところ1番強い相手だからな。それに、彼奴は俺よりも武芸者として上だ。彼奴の言葉には必ず意味がある。………武器に意思が宿る。嘘じゃねぇと思うんだ」
上がいる。なのに挑む事すらしないなんてつまらない。
俺はミュウラにそう言うと中段で兎月を構えた。
「本当に……仕方の無い人です」
そんな俺にミュウラはそう呟くと肩から降りて観客席へと向かった。
「私もお手伝いします!ユウヒさんの相棒ですねら!!」
そしてそう言うとコロッセオに備え付けられていたレバーを下げた。何時かの戦闘訓練の時と同じく扉が上がりモンスターが出てくる。
「え?こういうのって
用意の良すぎる展開に思わずそう言ってしまう。まるで俺がそろそろ動き出すのが解っていたかのような用意周到さだ。
しかし
「コロッセオには取られられたモンスターが常に飼われているのですよ!ヴォーパルバニーの訓練を場所ですから!」
ミュウラは「何を当たり前の事を」とでも言うような表情でそう言い俺はそのセリフに納得してしまう。
「あぁ〜…そう言えばそうだったな。そりゃ準備が良くて当然か」
此処は「ラビッツ」で俺は他所から来た開拓者だ。俺たちに合わせた作りや準備が完全にそろっている訳なんてない。
他のゲームでは
「傲慢だな…」
俺は自分にそう呟き出てきた相手を見つめる。
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「フォーハンド・リッチ」
Lv.111
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「へぇ…初めましてのモンスターだな」
ボロボロになった黒衣を纏った女性形のモンスター。右手と背中から生えている左手に杖を持った明らかに魔法に特化した姿をしたモンスター。
俺の呟きが聞こえたのか、フォローハンド・リッチは俺をその視界に収めると自身も杖を構えた。
お互いが構えをとった状態で睨み合う。
「………………ぎゃああああッ!」
そして、その沈黙をフォローハンド・リッチが破り俺達の戦いが始まった。
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「はぁ〜…………最高っ!」
ミュウラに1番最初のモンスターを出してもらってから数時間。もう何体倒したかも解らないがミュウラからストップがかかり俺はそう呟いてコロッセオの地面に寝転がった。
「お疲れ様ですユウヒさん」
「おぉ、お疲れミュウラ。悪かったな、途中から参加させちまって」
「いえいえ、私はユウヒさんとの連携が沢山試せて嬉しかったですよ」
寝転がった俺の顔を覗く様にして声をかけてきたミュウラと話しながら空を見る。言葉の通り兎月の取り回し練習をしつつ途中からミュウラにも入ってもらい2人の連携を色々と試した。
体感で3時間程ぶっ通しでミュウラを付き合わせてしまった感じだがミュウラに疲れは全くなくむしろニコニコしている。
(めっちゃ魔法使ってもらったのになんでこんなにピンピンしてんだよ)
全然元気そうなミュウラにそう思いつつ俺は上体を起こした。
「スッキリしましたか?」
すると、ミュウラが唐突にそう言ってきた。
「まぁな、色々出来たし何となく大道の言いたい事が分かった気がする。ありがとうな」
俺はミュウラのセリフにそう応えて頭を撫でる。
ミュウラは目を細めつつも「もうモンスターがいなくなってしまいましたよ」と言い俺は「マジか…」と目を見開いた。
「ヴァッシュ師匠に言っておいた方がいいよな…」
「そうですね…。お父様には一応言っておいた方が良いですね。怒られるかもしれませんが……」
「マジかよ」
ヴォーパルバニー達のためのモンスターを倒し尽くしてしまった事でワンチャン師匠からの説教を賜る可能性が出てきてしまった。
俺は肩を落として兎御殿へと戻ったのだった。
しかし、師匠は居なかったため手紙を残した所何故かお許しの返事を貰い。俺は
100話記念の番外何が良い?
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