誤字脱字報告ありがとうございます。
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今時間あるかな?
from:アーサー・ペンシルゴン
To:ユウヒ
やぁやぁ、ユウヒくん。モモちゃん達との話し合い以来だね。突然なんだけど今時間あるかな?
もし、暇ならおねーさんと二人で楽しいお出かけに行こう!
罠とかじゃないから暇だったら連絡頂戴。
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ヴォーパルコロッセオでひたすらにモンスターと戦い兎月や他の杖の熟練度を上げ続けた日から1日、何時もの日課であるランニングと筋トレを終えた俺の元に一通のメールが届いた。
「………………罠じゃないとか言ってるけど、罠だろ」
どう見たってそうとしか思えないメールに俺は思わずそう呟く(正確には送り主のせいでそう見える)。
現在朝の10時39分。早過ぎず遅すぎずシャンフロを始めるには良い時間だ。明日は1日道場で練習があるので夜遅くなってしまうと良くないがこの時間から何かすると言うなら大丈夫だろう。
しかし
「まずは風呂だ」
俺はそう呟くとペンシルゴンにメールを返しタオルを持って風呂へと向かった。
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Re:今時間あるかな?
from:ユウヒ
To:アーサー・ペンシルゴン
時間はあるけどもう少し待って欲しい。落ち合う場所が決まってたら教えてくれ。
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「ふふふっ」
私はエイドルトにあるカフェのテラス席で返ってきたメールの内容を見て微笑んだ。
「楽しそうだな、
「やだなぁ
そんな私に声をかけてきたのは親友兼悪友の
モモちゃんも私に釣られるようにコーヒーを口に含むと「何かいい事でもあったのか?」と尋ねてきた。
「ふふーん、実はねぇ…ユウヒくんとお出かけする事になったのさ」
モモちゃんの問に私は上機嫌にそう答える。しかし、私の答えを聞いたモモちゃんはなんとも言えない表情をすると
「彼で何を企んでる?」
失礼にもこんな事を言ってきた。
「別に何も企んでなんかないよ〜。ちょーとレベリングとかに付き合ってもらうだけだよ」
「………………………………はぁ」
ユウヒくんへ集合場所を記したメールを送りながら答えた私にモモちゃんは深いため息を吐く。
「頼むから彼がシャンフロから居なくなったりするのだけは避けてくれ。彼には色々迷惑をかけた上に
「そんなに気にしてたんだ。……まぁ、モモちゃんならそうなるか」
モモちゃんらしいと言えばらしいセリフ。長い付き合いだからこそ解る事柄にそう言う。
「大丈夫だと思うよ。ユウヒくんとは付き合い長くないけど、彼が
だからこそ私は自信を持ってモモちゃんにそう言った。
「何故、断言出来る?」
私のセリフにモモちゃんは訝しげな視線でそう問いかけてくる。
「ウェザエモンの時も彼、私が最終確認するまでもなく戦う気満々だったし戦闘中も戦意っていうか殺気っていうか…そう言うのが凄い出てたから…。そんな人が自分に
「よく見ているな」
「そりゃぁそうだよ。ユウヒくん…後ついでにサンラクくんは良く見てないと何するか分からないから。まぁ、良く見てても勝手になにかしてるんだけどね」
ユウヒくんについて話す私に意外そうな表情を向けているモモちゃんに私は追加で言いふくめるようにそう言う。
「お前が一個人にそこまでのめり込むのは珍しいな。私の知る限り初めてじゃないか?」
すると、モモちゃんはニヤリと笑ってそう言ってきた。
「…………………まぁ、色々事情があるんだよ」
不意打ち気味にそう言われた私は落ち着くために少し黙り改めてモモちゃんにそう答えた。
「ほぉ…」
私の答えにモモちゃんは「興味深い」とでも言いたげな表情を浮かべる。
「何時か話すよ。色々決着が着いた後で、ね」
そんなモモちゃんに私はそう返すと自分の分の料金を支払って席を立った。さっきユウヒくんからメールが返ってきたのだ。すぐに待ち合わせの場所に来ることだろう。
(何処かの鳥頭と違ってちゃんとメールを確認してくれるなんて…ホントに双子なのかな?)
「トワ」
そんな事を考えつつテラスから出ようとした私をモモちゃんが呼び止めた。
「
振り返った私にモモちゃんは席を立ってそう言った。
「任せて」
私はモモちゃんに短くそう返して歩き出したのだった。
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「ユウヒさんおはようございます!」
「おはようミュウラ。つってももう11時だからおはようではないか」
風呂を済ませ諸々の準備を整えた俺はシャンフロにログインしていた。
「今日はどのように過ごされるのですか?」
「あぁ〜…今日はペンシルゴンに誘われてるからそっちを済まして終わりかな」
ミュウラの質問に答えつつメールに記された場所を確認する。ペンシルゴンから集合場所として指定されたのはエイドルトの入口近くにある蛇の林檎。
(水晶巣崖からのショートカットでエイドルトに入ったからまだ
時刻を確認しつつ俺は頷くとミュウラに声をかけた。
「ミュウラ、フォスフォシエにゲート開いてくれって………どうした?」
しかし、ミュウラは何やら凄い顔をして絶句していた。
「あの開拓者さんは怖いです…あまり会いたくありません……」
「あぁ……」
「それに最近拠点にしていたエイドルトではなくフォスフォシエにゲートを開くと言うことは
「マジか…」
ミュウラのセリフに俺はそう言うしか無かった。ミュウラが「そう言うモノ」が苦手なのは知っていたがまさかここまでとは思っていなかった。
(いや、行きたくない場所と会いたくない人物のダブルパンチでいつも以上に反応してんのか)
「わかった、あまり無理させてもアレだしな。ミュウラはラビッツで留守番しててくれ。留守は任せた」
ガクガクと震えているミュウラを見てそう考えた俺はそう言うとミュウラにフォスフォシエにゲートを開いてもらい外へ出た。
「じゃ行ってくるわ」
「お早いお帰りを待ってます」
ゲート越しにミュウラに手を振り扉が閉まるのを確認して歩き出す。そして、その足で向かうのはポーション等を販売している薬屋。
「
「ビィラック育成計画」の折に倒そうとしたが物理攻撃が効かない事を知り回避した相手。そのまま
しかしゲーマーとしてソレは良くない。自分のスタイルと相性が悪いからと言って無視し続ける事は許されない。
「そんでもって戦う為には
(普通の聖水でコレならウェザエモンに使った『聖女ちゃんの聖水』とやらは一体幾らしたんだ)
薬屋の棚に陳列されている聖水、1個で5000〜30000円。効果が上がるに連れて値段も上がっていく。ショップで販売されているのはこの値段に見合った効果を持つ聖水だが、ウェザエモン戦でペンシルゴンが使った聖水はこんな値段じゃ無いだろう。
「背に腹はかえられねぇ…買うか」
ピーツのショップで買い物をした後なので少し手持ちは減っていたがそれでも買えるだけの聖水を購入して俺は店を出た。
「「あ」」
すると、間の抜けた声が聞こえた。
「ん?」
声に反応してん見てみれば鎧に剣を咥えた黒い狼のエンブレムを刻んでいるプレイヤーが2人いた。
「ユウヒ!」
「見つけたぞ!!おい、連絡だ!!」
俺の姿を見た2人のプレイヤーは嬉しそうな顔でそう叫んだ。
(クソが…めんどくせぇ)
この後の展開が解ってしまうが故に心の中でそう呟く。
(サイガ-100め罰を食らっても止まってねぇぞ)
仕方ないと理解しつつも愚痴らずにはいられない。俺は身体を屈めると出てきたばかりの薬屋の入口の屋根へと跳んだ。
「「待て!」」
2人はそんな俺にそう言うが待てと言われて待つ奴は居ない。
「お前らに構ってる暇はねぇんだ」
俺はそう言い残しその場を後にした。
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