「おーこれはこれは…ドス黒い瘴気が湧き出てるな」
フオスフォシエで聖水を購入しついでに
「この先に
リュカオーンの
「リュカオーンの
本来ならば瘴気対策をして進むであろうエリアだが、以前来た時と同じく俺の周りの空間だけは清潔感が溢れている。
「まぁ、
あの絶対強者に対する謎の信頼に俺は笑いつつ「よし」と声を出してドームの中へと足を進めた。
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エリアボス
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「早速居たな」
ドーム内に入った瞬間になったボスエネミーとの接敵を知らせるSEを聴きながら目の前で杖を構える髑髏にそう呟く。
(
「そんなお前を倒す為に聖水を買い込んだんだ。ペンシルゴンとの約束もある…。さっさと倒させてもらうぜ!!」
「ギャッギャギャギャギャッ!」
開戦のゴングとなるセリフと共に歌う瘴骨魔の笑い声が響く。俺は飛び出すと同時に
「このゲームすげぇよな。お前を倒す為の聖属性付与、魔法で武器に付与するのは勿論だが武器に
そして、俺は歌う瘴骨魔にそう言うと手に持っていた聖水の瓶の蓋を開け中身を兎月にぶっかけた。
「ギャ!?」
敵がとった不自然な行動、だが武器にかけられた液体が何であるか解ったのだろう。歌う瘴骨魔は笑うのを止めると杖を構えた。
「遅せぇ」
しかし、俺は詠唱破棄を使い纏雷を発動させると一瞬で歌う瘴骨魔との間合いを詰め肉の付いていない下顎に兎月を振るった。
「クハっ!ちゃんと当たるじゃねぇか!!」
ゴキッ、と言う鈍い音と共にクリティカルが発生し歌う瘴骨魔の下顎が兎月で撃ち抜かれる。歌う瘴骨魔は体勢を崩しありとあらゆる部位が攻撃し放題となった。
「呪術系のモンスターから杖を取り上げたらどうなるのか?試さねぇ手はねぇよなっ!」
俺は直ぐさま歌う瘴骨魔が杖を握っている右手に兎月を振るう。しかし、歌う瘴骨魔は兎月で殴られても杖は離さずダメージが入っただけに終わった。
「ふッ」
だが、そこで引くなんて事はしない。追撃に次ぐ追撃。中段突き、下からの打ち上げ、横薙ぎ、鼻への突き。体勢を整える間を与えず4回の攻撃を叩き込む。
「あ?」
そして、5回目の攻撃である右肩への打ち込みの際に異変が起きた。兎月が歌う瘴骨魔の身体をすり抜けたのだ。
「あぁ…ブン回してたから聖水が散ったのか…」
俺は兎月の体表に水滴の類が一つもない事を確認してそう呟く。深く考える事もない。俺は兎月に聖水をかけて聖属性を付与しただけであり。水気は振り払えば無くなっていく。むしろアレだけ振り回して良く持った方だ。
兎月が通り抜けた歌う瘴骨魔の身体から瘴気が吹き出し俺にかかる。リュカオーンの呪いがあるお陰で大した事は無いが少しピリピリしてほんの僅かではあるがダメージも入っている(2くらい)。
「まぁ、聖水はまだまだあるから平気だけどな」
俺はインベントリから再び聖水の瓶を取り出し兎月に振りかけ歌う瘴骨魔に接近する。しかし、歌う瘴骨魔は杖を俺に向けると瘴気のビームを放ってきた。
「そんなのもあんのか!」
頭を傾けビームを躱し歌う瘴骨魔に接近する。兎月の間合いに入り俺は左手を弾く為に兎月を振るう。聖水が塗布された兎月は歌う瘴骨魔の左手を弾き杖を持つ右手が狙いやすくなった。
「やっぱ邪魔だな。その杖」
そう呟きつつ歌う瘴骨魔の右腕の下から兎月を通す。左手で持った兎月は歌う瘴骨魔の右腕を抑える様に添えられる。そして、兎月の端を右手で掴むと一瞬で両腕と兎月で歌う瘴骨魔の右腕を挟み込む形が完成した。
そして、そのまま身体ごと下へ引く。
元々ボロボロの身体。肉体を持たない瘴気の身体は単純な物理攻撃は通さないが今の兎月は聖水をかけたことで《接触が可能になっている》。
バキッ
耳に快音が届き歌う瘴骨魔の右腕が折れた。へし折った腕はそのままに俺はインベントリから聖水の瓶を取り出すと狼狽えている歌う瘴骨魔に向けそれを投げる。
「武器にかけるだけじゃねぇよ」
そして、その瓶に左脚による蹴りを入れると瓶を砕き聖水を直接歌う瘴骨魔にぶち撒けた。
「キシャアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
聖水が直接自身にかかった事で歌う瘴骨魔は叫び声を上げる。身体からは煙が立っており聖水による浄化が行われているのだと一目でわかった。
「辛そうだなぁ」
俺は未だ叫び声をあげている歌う瘴骨魔に口角を上げてそう言い首へ兎月を振るった。クリティカルが発生し歌う瘴骨魔はよろけながらも叫ぶのをやめて俺を見る。
すると、背後から6体の分身が現れた。
「いいんじゃない?」
新たに現れた6体の分身にそう言い兎月を構える。歌う瘴骨魔が生み出した分身は各々違う武器を装備し遠近をカバーできるようになっている。
「まずはお前だな」
分身が奏でる歌を聴きながら分身の中で最優先に潰すべき一体。遠距離攻撃が可能な弓矢を持った歌う瘴骨魔に接近する。しかし、それを許すわけはないと歌う瘴骨魔は矢を放ってくる。
しかし、纏雷を発動した状態で今のレベルなら矢を躱すことは造作もなく矢は俺の横を通り抜けて行った。
しかし、矢を躱した所に剣を持った歌う瘴骨魔と斧を持った歌う瘴骨魔が前後から襲いかかってきた。
「まぁ、そう来るわな」
回避した敵に対する追撃、定石通りの連携にそう呟く。そして、俺は後ろから来ている剣の歌う瘴骨魔に背中越しで突きを決め攻撃を妨害する。そして、前からの斧による攻撃を躱すと斧の歌う瘴骨魔を軸にするように身体を回して歌う瘴骨魔の後頭部を兎月で殴りつけた。
そして、次に迫ってきた片刃の剣を持った歌う瘴骨魔の攻撃を躱し剣を抑えるように兎月を上に重ねる。スキル
「そろそろだろ」
俺は叫び声を聞きつつ聖水を兎月に振りかけて充填し次の歌う瘴骨魔に視線を向ける。
「あぁ?」
そして、俺はあるモノを見て声を出した。
「なんで本体が
そう、腕をへし折ってから攻撃を加えていない歌う瘴骨魔の本体が何故か怯みモーションを取っていたのだ。
それを見た俺は口角を歪めて兎月を構える。歌う瘴骨魔の分身達は俺に向かって攻撃を仕掛けてくるが俺はそれを
そして、躱しながら
「シャワーでさっぱりしてこい!」
そして、瓶に向けて近場にあった大きめの石を投げる。瓶よりも硬い石が当たった衝撃で瓶は簡単に砕け聖水がばら撒かれる。歌う瘴骨魔の分身達は聖水シャワーをモロに浴び叫び声と共に身体から煙を立たせた。
そして、それと同時に本体が絶叫する。
「クハっ、やっぱりそうか。お前が生み出した分身と
叫ぶ歌う瘴骨魔達を見ながらそう言って笑う。あの時ダメージを喰らって居ない本体が怯んでいたのはそう言う事だったのだ。考えていた事が正しかった事に笑ってしまう。俺は聖水で苦しむ歌う瘴骨魔の分身達に接近すると各々の関節に兎月を叩き込んだ。
関節への攻撃でクリティカルが発生し準備が整っていく。
(聖水による攻撃。1回で分身を消滅させられるだけの効果がないにも関わらず本体が怯んだ。お前らはHP共有型な上にその数値が低いんだろ?)
通常の物理攻撃無効に呪術によるデバフ。そして、分身による連携の取れた攻撃パターン。釣り合いを取るためにそうであっても不思議ではない。
大量に発生したクリティカルは歌う瘴骨魔のHPを削り本体の動きがマトモでは無くなっていく。
「限界だろ!」
既に限界に達しているとわかる動きをしている歌う瘴骨魔本体。攻撃を続ける俺に歌う瘴骨魔の分身達は俺を迎撃してくるが動きが悪すぎて寧ろ隙になっている。
兎月への聖水の塗布を定期的にしながらも攻撃し片刃の剣を持った歌う瘴骨魔の胸骨を砕き、弓の歌う瘴骨魔の頭骨を砕き、斧の歌う瘴骨魔の首を砕き、残りの歌う瘴骨魔の分身達も砕いていく。
そして
「最後だ」
今まで攻撃の回避するだけで迎撃していなかった本体に兎月を振るう。欠損した右腕削られたHP限界を迎えている歌う瘴骨魔に抗う意思は見えない。
「久しぶりに人型を相手にできて楽しかったぜ」
俺は動きが鈍くなった歌う瘴骨魔の頭蓋骨を砕き戦いを終わらせた。
「聖水の残りギリギリ…でも、俺の勝ちだ!」
エリアボス撃破のSEを聴きながら拳を握りドロップアイテムを確認する。
「呪術系のアイテムしかねぇ…」
相手が相手だったので予想はしていたがドロップアイテムは全て呪術系。自身の魔法以外に強い抵抗力がある呪いを刻まれている身としては使い道の無いドロップアイテム達だ。
「ピーツに売ろ…」
ドロップアイテムの一覧を前にそう呟いた俺は時間を確認する。ペンシルゴンとの待ち合わせまで少しある。
「早めに着いてた方が良いか?いやでも、早くつきすぎて面倒い連中に会うのもなぁ……」
こうして悩む間にも時間は刻一刻と過ぎていくのだが悩まずにはいられない。
しかし
「まぁ、追いかけられたら追いかけられたで言い訳になるか。それに、ペンシルゴンならそれを理由になんやかんや上手くやるだろ」
ペンシルゴンの性格と行いからそう判断した俺は早速エイドルトへと走り出した。ボスを倒したことで瘴気が薄くなった渓谷を抜けてエイドルトまで続く道を走り抜ける。
途中まで纏雷が効果を発揮していた事もありあっという間にエイドルトへ辿り着いた俺はメールに記されていた蛇の林檎へと向かった。
100話記念の番外何が良い?
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未来の陽務家の話し(弟)
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過去の陽務家の話し(家族旅行)
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過去の陽務家の話し(兄弟喧嘩)
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R-18開拓