戦闘狂が行く理想郷   作:烏鷺

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珍鳥確保!

「今だレイ氏!」

 

「流石です、サンラクさん!!」

 

レイ氏とのエリア攻略、俺はヘイトを引き受けていたワイバーンの隙を作り出しレイ氏の一撃へと繋げる。

 

レイ氏は振り上げた大剣でワイバーンの首を刎ねワイバーンをポリゴン塊への変えた。

 

「流石ですねレイ氏!後半エリアのモンスターを一撃とは」

 

「いえいえ!サンラクさんがヘイトを受け持ってくれたおかげですよ!」

 

文句なしの強さに俺はレイ氏にそう言うと何故か畏まった様子でそう返してきた。ちなみに『レイ氏』とは戦闘時に「サイガ-0氏」と呼ぶのは手間ではないかと本人に言われそう呼ぶことになった。「サイガ」だけでは「サイガ-100」被るので間をとって『レイ氏』という訳だ。

 

「それにしても凄いですサンラクさん!ヘイトを受け持ちながら未だに被弾していないなんて」

 

先の戦闘の様子を思い出したのかレイ氏は興奮した様子で俺にそう言ってくる。

 

「リュカオーンの呪いのお陰で装備が出来ませんからね。一撃喰らえば死んじゃいますからね」

 

「で、では!一刻も早く呪いを解かなければなりませんね!」

 

レイ氏のセリフに応えるために身体に刻まれたリュカオーンの呪いを見せた俺にレイ氏はそう行ってくる。

 

「あ〜それについてなんですけどもうちょっと後でも良いかなって思ってるんですよね…」

 

しかし、俺は頭を搔きながらそう応えた。

 

「へ?」

 

俺のセリフにレイ氏は間の抜けた声を出す。

 

「あの会議の時はテンション上がっちゃったんですけどユウヒが言ってた様にこの呪いに助けられる事もあるんですよね…だから、もう少しあとでも良いかなぁって思ってるんですよ」

 

そんなレイ氏に俺は今までの経験を思い出したながらそう言う。

 

「そうなんですね…」

 

「あっ、でも足くらいは解呪したいかもですね。サイガ-100の話だと『イリステラ』ってNPCが解呪出来るんでしたっけ?」

 

「はい、『慈愛の聖女イリステラ』。シャングリラ・フロンティアの中でユニークモンスターの呪いを解呪出来るのは彼女だけです」

 

レイ氏の情報に俺は「そうなんですね」と呟く。流石はレイ氏だ。シャングリラ・フロンティアで最大火力(アタックホルダー)の称号を持っているだけはある。

 

「ですがイリステラは凄く人気でいつもNPCや高レベルのプレイヤーに囲まれているので中々会うのが難しいんです。無理やり会おうとするプレイヤーが多くてイリステラを信奉するプレイヤー達が『聖女ちゃん親衛隊』を作って守っています」

 

「『聖女ちゃん親衛隊』って……」

 

そこまで人気なのかよ、と思ってしまうがこの話を聞いてやっとサイガ-100の交渉の内容が完璧に把握できた。

 

「でも、クラン黒狼(ヴォルフ・シュバルツ)の力なら比較的簡単に聖女ちゃんと会えるって訳ですね」

 

「はい、姉さ…団長はイリステラだけでなく聖女ちゃん親衛隊のリーダーの方と仲が良いですから…」

 

「…………でもまぁ、そこまで切羽詰まってるって訳でもないし後回しですね。それより今は先に進みましょう!」

 

「は、はい!」

 

レイ氏のセリフに色々納得しつつも俺はそう言い先へと進んだ。

 

「うおっ火ぃ吐くのかよ!」

 

「大丈夫ですかサンラクさん!」

 

無果落耀の古城骸の攻略を進めている俺とレイ氏は赤い鱗のワイバーンと戦っていた。俺は吐き出された火炎を躱しつつレイ氏に無事を伝えてヘイト管理を続ける。

 

しかし、ワイバーンは何故か高く飛ぶと俺とレイ氏に纏めてブレスを放ってきた。俺とレイ氏はスキルを点火しAGIを上昇させる事で攻撃を回避する。

 

そして、俺は近くの瓦礫を発車台にしてスキルも使いワイバーンへ跳び接敵し手に持っていた湖沼の短剣を投げつけ攻撃を仕掛ける。

 

ワイバーンは投擲を翼をはためかせる事で防ぐ。しかし、攻撃を防ぐ為に出来た隙をレイ氏を見逃さなかった。

 

俺の後方から斬撃が飛来しワイバーンの翼を切り裂く。ダメージを負ったワイバーンが落ちる中、着地した俺は再びスキルの力で飛び上がりもう1枚の翼を湖沼の短剣で切り裂く

 

飛べなくなったワイバーンは地上へ落下しレイ氏はその首にスキルによって強化した大剣を叩きつけた。爆音が鳴り響き土煙が上がりワイバーンがポリゴン塊に変わる。

 

「お疲れ様ですサンラクさん!」

 

土煙を払いながらその外へ出るとレイ氏がそう言ってきた。

 

「お疲れ様ですレイ氏。凄い攻撃でしたね」

 

お互いに戦いを労いながら話をしていく。

 

「いえいえ、飛んでいたワイバーンにとどめをさせたのはサンラクさんが隙を作ってくれたからですよ」

 

「でも、その一瞬の判断は流石でした。打ち合わせとかしてなかったのにいいコンビネーションでしたね」

 

さっきの戦闘でのレイ氏の翼への斬撃は見事だった。それを思い出しそう言うと何故かレイ氏は胸に手を置いて「はぁ…」と息を吐いた。

 

「レイ氏?」

 

そんなレイ氏に声をかけるが何故か反応がない。

 

すると

 

「いや〜凄い音だったねぇ」

 

「ほーんと俺たちの耳にまでよく響いたよぉ」

 

聞こえるはずがない声が聞こえた。ぎこち無い動きで振り返ればそこにはニコニコ笑顔のペンシルゴンとカッツォそして「よっ」と言って手を挙げているユウヒがいた。

 

「な、何故……」

 

あまりの事態にそれしか言葉が出ず俺はペンシルゴンとカッツォを見て固まってしまう。

 

「『深淵のクターニット』」

 

しかし、ペンシルゴンの口からその単語が出た瞬間に俺の足はフルスロットルで動き出した。

 

しかし

 

「悪いなサンラク」

 

俺の足の間に杖が投げ込まれ俺は勢い良く転倒してしまう。

 

「何すん「ナイス!ユウヒ!!」

 

余計なことをしてくれた弟へ文句を言おうとした俺だがそのセリフは顔の横を通り抜けた拳とセリフに邪魔されて待った。

 

「なぁにか俺たちに言うことあるよねぇ?サンラクぅ??」

 

倒れた俺に拳を馬乗りになり拳を振るったカッツォと目が合い完全に終わったことを察した俺は

 

「ごめんなさい……」

 

そう言う事しかできなかった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「ま、マジで…マジですいません、したっ」

 

「本当に悪いと、思ってんのかよっ!」

 

「思ってます!思ってます!」

 

「ならなぁんで同じことを何回もするのかなぁ?全然反省してないよねぇ??」

 

今、俺の前では動物虐待(サンラクの処刑)が実行されていた。カッツォに関節をキメられたサンラクがタップしながら槍の鋒を向けるペンシルゴンとカッツォに謝っている。

 

「あ、あの…助けなくてもいいんでしょうか?」

 

「あぁ、大丈夫ですよ。サイガ-0さん、今回の件は彼奴が悪いですから」

 

それを眺めていた俺にサイガ-0がおずおずと話しかけてくるが見苦しいモノを見せてしまっている身としてはそういうしかない。

 

「マジでごめんなさいっ、許してくださいっ」

 

「許すわけないだろっ」

「ごめん無理♪」

 

「ほ、本当にいいんですか??」

 

更にキツく関節をキメるカッツォと鋒を更に近づけるペンシルゴン。サイガ-0はオロオロした様子でそう言う。

 

「はぁ…」

 

流石にこれ以上身内の恥は晒せない。俺は溜息を吐くとペンシルゴンとカッツォに声をかけた。

 

「そのくらいにしても良いんじゃねぇの?サイガ-0さんが困ってんぞ」

 

「まだまだやりたりなんだけど?」

 

「私も楽しいから止めたくないねぇ」

 

俺のセリフにカッツォは眉をひそめて、ペンシルゴンは笑顔でそう応える。サンラクは「お、弟よ…」とうめき声に近い声を発している。

 

「もう良いって。これ以上身内の恥を他人(他のクラン)に晒せるかよ」

 

俺はジェスチャーでカッツォに離す様に示す。すると、カッツォは溜息を吐きつつもサンラクを解放した。

 

「ありがとうユウヒ!流石我が弟だ!!」

 

サンラクは俺に飛び付いてそう言ってくるが俺は助けたつもりはない。

 

「他人(他のクラン)に晒せねぇだけで助けたつもりはねぇよ。俺たちしか見てないところで続きをやってもらえ」

 

「裏切り者ーっ!!」

 

俺のセリフにサンラクは叫びカッツォとペンシルゴンは凄く良い笑顔を浮かべた。そして、俺はそんな3人を無視してサイガ-0に振り向くと「御見苦しいモノをお見せしました」と言って頭を下げた。

 

サイガ-0はサンラクを心配するようにチラチラと見つつも「い、いえ…」と言って頭を下げる。俺は頭を上げると恨めしそうに俺を見ているサンラクに問いかけた。

 

「サンラクはサイガ-0さんと一緒になにやってんの?エリア攻略?」

 

「サラッと話を変えやがった…マジで歪みねぇな………そうだよ、手伝ってもらってたんだ」

 

「報酬とかは?」

 

「無償だよ、有難いことにソレで良いって言ってくれた」

 

「え?本当ですか?」

 

サンラクのセリフに俺はそう言ってサイガ-0に視線を向ける。すると、サイガ-0は「はい…」と呟いた。

 

「マジかよ…」

 

流石に予想外過ぎてそう呟いてしまう。まさか最大火力(アタックホルダー)が無償で他のクランのメンバーを手伝うなんて有り得なさすぎる。しかし、嘘をついている気配はない。

 

サンラクをひたすら心配していた様子、エリア攻略に無償で協力、サイガ-0の性別

 

色々と考えた俺は今もチラチラとサンラクを心配そうに見ているサイガ-0を見てある考えに至った。

 

「嘘だろ…………」

 

しかしすぐに頭を振るう。

 

(幾らなんでも考えが飛躍しすぎだろ…有り得なくは無いけど有り得ねぇよ………)

 

頭の中でそう言って俺は頭を搔いた。

 

「大丈夫、ユウヒくん?」

 

そんな俺にペンシルゴンが声をかけてくるが俺は「大丈夫」と応えてサイガ-0に「ありがとうごさいます」と言っておいた。

 

そしてサンラクとサイガ-0を見て話す(主にサイガ-0)。

 

「俺達もフィフティシアに向かってる途中、一緒にエリア攻略に挑んでも良いですか?」

 

「おおっマジか!!めっちゃ助かる!!」

 

俺のセリフにサンラクはテンションを上げサイガ-0は少し俺以外気が付かないレベルだったが気を落とした様子を見せた。ペンシルゴンとカッツォには視線で「良いかな?」と問いかけるが2人は問題なしと頷いた。

 

こうして俺達は5人でのエリア攻略に挑む事になった。

100話記念の番外何が良い?

  • 未来の陽務家の話し(弟)
  • 過去の陽務家の話し(家族旅行)
  • 過去の陽務家の話し(兄弟喧嘩)
  • R-18開拓
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