戦闘狂が行く理想郷   作:烏鷺

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メモアプリからのコピーをミスって前回投稿したのをまた、投稿してしまいました。

教えてくれた方、感謝です!!

投稿し直しました。


蒐集者と至る・其ノ参

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ、マジか!!」

 

夕飯を食べる為に一時的にシャンフロからログアウトした俺はヘッドギアを外しベットの上で叫んだ。

 

「鉄鉱石の採取で2時間近くツルハシ振るって1個も採れないなんて…。巫山戯た事してくれるぜ乱数の女神様よぉ…!」

 

今ならフェアリアなみに乱数の女神が嫌いだと断言出来る。それ程までに荒れていた。

 

「鉄鉱石が素材の武器はかなりあったからドロップ率が極端に低いってわけじゃ無いんだろうけど、現実は最悪だ。こんなの楽の持ってるクソゲーでもなかったぞ」

 

(ユナイトラウンズがあるが格ゲーでは無いので未プレイ)

 

愚痴をこぼしながら部屋を出た俺はリビングへと降りる。電気が付いているので誰かいるのだろう。

 

「あっ遊兄おかえり」

 

「ただいま瑠美。まぁ、ずっと部屋にいたんだけどな」

 

リビングの扉を開けるとソファに瑠美が座っており久しぶりに会話をする。

 

「それにしても珍しいな。今日バイト休みか?」

 

「うん、今日は休み。今月シフト出すの少し遅れちゃってさ。1日オフになっちゃったんだよね」

 

「でも、何時もなら単発でバイト入れてるだろ?」

 

「遊兄が「休むのも大事」って言ってたんじゃん。実はさ、夏休み中にモデルのバイト決まったから遊兄のアドバイスに従ってみようと思って。いい機会だしね」

 

「読者モデルって奴か、スゲーじゃん」

 

瑠美の報告にそう言うと瑠美は「これで憧れの永遠様にほんの少しだけ近づいたわ〜」とトリップした様子で言ってきた。

 

瑠美の言う永遠様は「天音永遠」という人気モデルで瑠美のような若い女性達に絶大な人気を誇っている。らしい

 

俺はそこら辺にあんまり興味が無いのでよく知らないが瑠美は本当に天音永遠の事が好きなようだ。

 

「そうだ、遊兄。今度、お腹絞る筋トレ教えて」

 

トリップしている瑠美を放置して母さんが作ってくれた料理を温め直していると瑠美が唐突にそう言ってきた。

 

「ん?筋トレなら俺が教えたメニューやってるんじゃないのか?」

 

「うーん…夏だからさお腹とか見える服を着る機会が多くなるんだけどもっと脇側を絞りたくてさ…」

 

俺のセリフに瑠美は脇の下辺りをさすってそう言ってくる。瑠美は普段、服を着こなしたいと言って俺が作った瑠美の目的にあったメニューをこなしているが、今回は季節にあった着こなしの為に別のメニューが欲しいらしい。

 

「つまり、腹斜筋と前鋸筋…いや、前鋸筋はあまり鍛えすぎず腹斜筋をメインで鍛えたいって事か…。いいよ、メニューを変更して動画送る」

 

瑠美の身体を鍛える目的を加味した上で考えそう言うと瑠美は「ありがとうっ!」と言ってリビングを出ていった。

 

「明日、朝走った後に動画撮って送るか…」

 

リビングから出ていく瑠美を見送り温まった料理をテーブルに置いてそう呟く。サクッと食べて風呂に入りまたシャンフロに戻らなければならない。早く食べてしまおう。

 

「いただきます」

 

そう言って手を合わせ俺は今日の夕飯を食べ始めた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「おっ…らっ!」

 

夕飯と風呂を済ませシャンフロに戻ってきた俺は引き続き四駆八駆の沼荒野でツルハシを振り続けていた。

 

ツルハシが岩石を砕きまた石ころが零れ落ちる。ツルハシを振り続け1時間、手に入れた鉄鉱石は一つだけ。このまま行けば6個手に入れる頃には朝になってしまう。

 

「クソっ、乱数の女神め!」

 

中指を立てて笑っているであろう女神に文句を言いながらツルハシを振るう。時間は既に夜であり四駆八駆の沼荒野も月明かりが通っているとはいえ暗くなっておりプレイヤーも居なくなっていた。

 

「そりゃ、こんだけっ、見通しが悪けりゃ、誰も採取には、来ないわなっ!」

 

誰も居ない荒野で一人そう言いながらツルハシを振るう。それでも出てくるのは石ころばかり。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁっ、たくよ!ツルハシは重いし、スタミナ一々削れてくし、足場は悪いし、全然出てこねぇし!!4時間以上やって1個って効率悪すぎ!!」

 

流石に苛立ち誰もいないからと大声で叫んでみた。実際、少しスッキリしたが少しだけだ。

 

「ツルハシなんてめんどくせぇ。取れなくても良いからストレスだけ発散させて貰うぜ!!」

 

流石にこのままでは精神的に不味い。俺は致命の闘杖を装備すると目の前にある岩石に闘杖を打ち付けた。

 

「おらっ!!」

 

闘杖と岩石がぶつかり合い音が響く。闘杖はツルハシよりも大きく岩石を破壊した。

 

「スゲっ、あと1回か2回殴れば完全に破壊できそうじゃん」

 

壊れた岩石を見てそう言いもう一度殴ると岩石は砕けて無くなった。

 

「マジか…ツルハシだとあんなに小さくしか削れなかったのに、武器使うと2回で破壊できるのかよ…。これは楽しいな!」

 

そう言うと俺は次の岩石に視線を移し移動を始める。シャンフロの沼の仕様は足が底に着くまで片足を動かすことが出来ないと言う「歩み状態」の強制。移動は苦労するが今は、岩石を破壊しまくりたかった。

 

「ふっ!!」

 

次の岩石に辿り着き闘杖を振るう。ガラッと音を立て岩石は面白いように崩れていく。

 

「ははっ、プチプチを潰すみたいな感覚だな!」

 

更に歩き破壊し、更に、更に、更に、更に、更に更に、更に、更に、更に、更に、更に、更に

 

「ふぅ〜、スッキリしたぁ!」

 

こうして岩石を破壊して40分強。とうとう四駆八駆の沼荒野の岩石は無くなった。

 

「…………やり過ぎたな。楽しくなっちゃって忘れてたけど完全に他のプレイヤーの迷惑になるやつだ…」

 

そして、やり終わって我に返ってしまった。

 

オンラインMMOでやってはいけない事をやってしまった。大多数の顔の分からない人間がプレイするからこそやってはいけないのに、やってしまった。

 

「ホントすみませんっ」

 

朝になっているここを訪れるであろう他のプレイヤーに謝罪して辺りを見回す。空の雲が流れてゆき雲に隠れていた月が出て沼荒野を照らす。

 

「ん?なんだアレ……?」

 

だから気づけたのだろう。四駆八駆の沼荒野の中で煌々と輝く黄金の鉱石に

 

「黄金の鉱石?」

 

眩しく光る鉱石を沼から拾い上げる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『黄金石の墓石』

 

沼の全てが集まり結晶化したモノ。この鉱石から何を拾い上げられるかは何者にも分からない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

出てきたウィンドウにはそう書かれており一つだけ手に入れた鉄鉱石とは明らかに文面が異なっていた。

 

「まさか、レアドロップ?此処にきて乱数の女神が美しく微笑んだか!?やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

まさかのレアドロップの出現に今までの時間が報われた気がしてユウヒは叫んだ。

 

「はっはっはっ!やっといい鉱石が手に入ったぜ!鉄鉱石使うよりコレ使った方が絶対いい武器になるだろ!!」

 

『黄金石の墓石』に天に掲げて叫ぶ。それ程までに嬉しい事だった。

 

「おっ、1番最初にぶっ壊した岩石が復活してるな!流れに乗ってツルハシ振ってみるか!!」

 

何時間もツルハシを降っていたのに鉄鉱石が出てこなかった現実を忘れる程に

 

しかし

 

「よっ!!」

 

唐突に運が向いてきたのかユウヒが奮ったツルハシは岩石を砕き何やら緑色の鉱石を削り出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『沼棺の化石』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おぉ!また鉄鉱石とは違う鉱石が出てきたな!いいぞぉ、なんか女神様が仕事しだしたじゃないか!!」

 

ゲームにおける素材回収の楽しみをやっと、やっっっっっっっっっっとシャンフロでも味わう事が出来た。ユウヒはガッツポーズを決めるとツルハシを振り始める。

 

「このまま残りの鉄鉱石もゲットだ!」

 

このままビッグウェーブに乗って素材をゲットする。上がったテンションがエネルギーとなっていた。

 

しかし、残りの鉄鉱石を全て回収する頃には時間は深夜2時になっていた。

 

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