誤字報告大変助かってます。楽しんで読んで貰えると嬉しいです。
全員が散開し各々の役割を全うする為に位置につく。俺とサンラクは完全な前衛。リュカオーンのヘイトを受け持ちダメージを与える。カッツォは中衛兼前衛、俺達とリュカオーンのダメージを狙うがいざとなったらミュウラを護る為に後衛に下がる。
そして、サイガ-0はどのポジションにもハマらないジョーカー。
最大火力をリュカオーン相手に決める為に立ち回る。前衛後衛に分かれてはいるが俺達の『役割』はサイガ-0を
その為に全力でリュカオーンを攻撃する。
(なんならサイガ-0が最大火力を出す前に倒す!)
俺は心の中でそう叫びリュカオーンに接近した。
サンラク、カッツォと横並びを走っていた所を飛び出しリュカオーンに
速いと言っても何の策もないただの斬撃、リュカオーンは当たり前のように躱すと瓦礫が作り出した影から分身が飛び出してきた。
「甘ぇよ!」
分身の左前脚での攻撃を弾き、切り返しで追撃を図る。分身はそれを躱しその瞬間に本体が攻撃を仕掛けてくる。
前後を取られ逐一、反転したり竜骨を持ち替えたりしなければならないが問題は無い。リュカオーンの攻撃を弾きつつ移動し瓦礫を背にリュカオーンを迎える。
本体と分身は袋小路に追い込まれた俺に前脚を振り下ろしてくる。しかし、俺はスキル「見切り」で回避行動に補正を掛けつつ攻撃を回避すると地面を竜骨の刃で抉りつつ
「【
地面に金水晶が作られ月明かりに照らされて光っている。意味のある仕込みになるかどうかはこの後次第だがやって損は無い。
リュカオーンはそんな俺の行動など興味なしと怒涛の攻撃を仕掛けてくる。回避、弾き、反撃。リュカオーン本体と分身を相手に以前とは比べられない程、戦えている。
しかし、防戦気味である事は否めなかった。
(このまま防戦気味で終わるかは………)
「「俺達もいるぞ!!」」
「此奴ら次第だな」
俺に振り下ろされたリュカオーン本体の右前脚での払いを紅いオーラを拳に纏わせたカッツォが弾き、分身の攻撃を阻害するようにサンラクが水晶が付いた武器で殴る。
「ぐっ………!」
俺はカッツォの肩を踏み台にして跳ぶとリュカオーンの頭に斬撃を叩き込んだ。クリティカルが発生しリュカオーンが頭を振って上を取った俺を落とした。
落下に受身をとった俺に本体の追撃が来るがサンラクが弾く。分身もタイミングをずらして攻撃をしてくるが俺が弾き飛ばした。
「何俺の事踏み台にしてくれてんだよ!」
「背丈が丁度良かったんだよ。細かい事は気にするな」
自分が踏み台にされた事にカッツォが叫んだが俺がそう言って「リュカオーンに集中!」と叫ぶと即戦いに意識を戻した。
「所でサンラク。その武器はビィラック作の新武器か?」
カッツォとの会話を終えた俺はリュカオーン本体の攻撃を弾き俺の隣に立ったサンラクにそう話しかけた。
「あぁ、そうだ!戦闘の幅を広げる為に
「そうか、俺もだ。どっちが楽しく使えるか試そうぜ」
サンラクの応えに俺は笑い。手に持つ金晶竜骨を見せつつそう言う。サンラクは俺のセリフに笑うと「良いぜ」と不敵な笑みを浮かべて応えた。
「お前ら真面目にやれェ!!」
そんな俺達にカッツォの叫びが響くが俺達はこんな話をしながらもリュカオーンの攻撃を弾き反撃に出ている。
サンラクが右前脚の振り払いを弾き俺が作られた隙間から腹の下へ入り腹部に連撃を見舞う。頭に次ぐ弱点部位への攻撃にクリティカルが発生する。
リュカオーンは俺を腹の下から晒す為に後ろへ跳んぶが
「【
リュカオーンの着地予想点にサンラクのセリフと共に水晶が撃ち込まれた。しかし、小さい。リュカオーンは足などを取られることなく着地できてしまう。そう思った。
「【
しかし、撃ち込まれた水晶はサンラクが籠手を地面に突き刺し言葉を発すると急成長しリュカオーンの左脚を捉えた。
着地の瞬間に入れられた外部からの衝撃にリュカオーンの体勢が崩れ頭の位置が下がる。少し出遅れたがリュカオーンが頭を上げる前にギリギリで追いついた俺はステップで顔の横に移動すると首元に斬撃を叩き込んだ。
「ははっ、面白い能力だな!」
クリティカルが発生する中、俺はサンラクにそう叫ぶ。
「そうだろ!最高の武器だ!!」
サンラクはそう応えつつも金水晶が付いた左の籠手でリュカオーンを殴り飛ばした。すると
「お前らそっち行ったぞ!」
カッツォの声が響き俺達の視線は声の方向に吸い込まれる。見てみるとリュカオーンの分身が俺達に迫ってきており奴の間合いまであと少しだった。
そして、分身の攻撃を成功させる為に本体が攻撃を仕掛けてくる。俺達は攻撃を躱しつつ分身の攻撃を弾こうと武器を構えた。
「うおっ!?」
「くそっ!」
しかし、分身は攻撃をすると見せかけて身体を溶かすと俺達の視界を潰してきた。
分身が出した残滓を振り払うように本体の前脚の振り払いが俺達に迫る。直前まで来る方向が解らなかっただけに回避を困難だった。
「ははっあっぶねぇ!!」
「厄介すぎだろ!」
俺達は咄嗟にインベントリア内に逃げると悪態をつく。サンラクはインベントリからポーションを取り出し飲んで魔力の回復をしているが、サンラクよりも魔力に余裕がある俺はすぐに外へ出た。
リュカオーンは消えた俺達を探すように辺りを見回していたがそこに俺は斬撃を決めた。
「ナイス!」
そして、突然現れた俺の攻撃を受け怯んだリュカオーンにカッツォが右ストレートを決める。
「テレポート使ったんだね」
「あぁ、流石に今のはヤバかった。回避する為のスキルは後に使いたかったしな」
カッツォと並びリュカオーンを見ながら話をする。リュカオーンは俺達を睨みつつ攻撃のタイミングを狙っている。
「おっと…!」
そして、このタイミングでサンラクが格納空間から出てきた。位置は俺とカッツォの前、位置調整をミスってかなり近くなっていた。
そして、そこを見落とすリュカオーンではない。
サンラクが俺達の視界を塞いた瞬間に飛び出し攻撃を仕掛けてきた。俺達は咄嗟に散って回避するが、リュカオーン本体と1番近い位置に着地したサンラクは後ろにあった瓦礫が影を作っている事に気が付かなかった。
地面を削るような音が微かに鳴り分身が飛び出してくる。
「マジかっ!」
サンラクの声が響きヤバすぎるタイミングでの攻撃に俺とカッツォの表情が強ばった。
「『アポカリプス』!」
しかし、そんなサンラクへの攻撃を許さないとばかりにサイガ-0の攻撃がリュカオーンに決まった。
「大丈夫ですかサンラクさん!」
マントを翻しサンラクにそう尋ねるサイガ-0に一瞬だけ呆けた表情を見せたサンラクだが頭を降ると
「最高のタイミングだ、助かったよレイ氏!」
めちゃくちゃいい笑顔でそう言った。
(きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ陽務くんに素敵な笑顔を向けられましたぁ!!)
サンラクの笑顔に心の中で黄色い歓声を上げるサイガ-0だが周りの誰もそれには気が付かない。サイガ-0が気が付かせていないのでそれは当然だが、サンラクの言う通りベストなタイミングであったのは確かだ。
「助かったサイガ-0!流石だ!!」
「サンラク、彼に一生感謝しなよ!!」
俺とカッツォは助けられたサンラクを後目にそう言いつつ本体へ接近する。後ろから「わかってるわ!」と声が響いてくるが反応している隙はない。
更なる追撃を許す前に先に攻勢に転じる。
分身の対応はサンラクが何とかするだろう。俺とカッツォは本体への攻撃を仕掛けた。斬撃と拳による打撃。斬撃で出来た隙を突いた打撃、打撃で出来た隙を付いた斬撃。
攻撃の雨だがリュカオーンのHPを削っている感覚は薄い。
俺もカッツォもリュカオーンからの反撃の尽くを潰しているのでHPが削れていないという点に関しては同じだ。でも、基礎値に差がありすぎる。
(笑えるくらい理不尽だ!楽しすぎるだろ!!)
覆せない自体にボルテージが上がっていく。
カッツォがリュカオーンに飛び込み拳打を連続で放つ。リュカオーンに被弾したのは半分程、残りは躱されてしまった。此処で俺は躱した隙を突いて追撃をする場面、しかし、俺は落ちてくるカッツォの元へ回り込むと竜骨の峰を下から上へと振り上げた。
俺の行動にカッツォは一瞬だけ驚いたが、流石はプロゲーマー。すぐに意図を理解すると峰に片足を乗せた。
コンっと言う固く軽い音が響き俺の振り上げとカッツォの屈伸運動でカッツォは更にスピードを上げて再びリュカオーンに接敵した。
そして、再びリュカオーンに連撃を叩き込む。予想外の行動からの攻撃、リュカオーンにカッツォの拳が全て被弾する。その隙を突いて俺も斬撃を連続で叩き込む。
「【
ついでに3箇所に金水晶を作り出しておき再び攻撃に戻った。
「『カタストロフィ』!」
そして、そこにサイガ-0が割って入り攻撃を叩き込んだ。
(サイガ-0が来た!つまり分身が消えたという事!!)
俺の邪魔にならないタイミングでの攻撃と参戦が告げる意味、次の分身の出現と視界潰しへの警戒を強めつつリュカオーンに迫る。
「『縷々閃舞』!!」
そして、分身に専念していたサンラクも参戦しスキル込の連撃を叩き込んだ。リュカオーンはサンラクの連撃を諸に受け体勢を崩す。俺は今の位置を確認しつつある場所を目指して攻撃を仕掛ける。
「『アポカリプス』!」
そして、サイガ-0も鎧の色を変化させながら強力な一撃を叩き込んだ。しかし、攻撃を受け続けるリュカオーンではない。
奴は一瞬だけ視線を上に向けると俺とサイガ-0の攻撃を躱すために垂直に跳んだ。
「「チャンス!!」」
リュカオーンの行動にサンラクとカッツォが動こうとするが
月が雲で隠れるのをリュカオーンと俺は見逃さなかった。
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