戦闘狂が行く理想郷   作:烏鷺

125 / 126
少し短めです。区切りが良くて一旦、切りました。サイガ-0をサンラクやカッツォが「彼」と言っていますが、性別を知らないので仕方が無いです。ですが、サイガ-0はこの戦いに挑むに当たって「サンラクとお近づきになりたい50%」「サンラクへの信頼50%」の気持ちの割合で戦っています。その想いが成就するのかは彼女次第です。


黒狗、大志、熱・其ノ捌

分身との戦い。本体と戦っているサンラク達へ分身を行かせないようにする為には分身に対して脅(・)威(・)を植え付けなければならない。

 

つまり

 

(俺があの3人と分かれて戦っていた方が良いとリュカオーンに判断させないといけない!)

 

あのメンツなら3対1の状態でもリュカオーンと十分戦える。しかし、そこに俺が加わる事でリュカオーンに確(・)実(・)に(・)勝(・)て(・)る(・)メンツになる。そうリュカオーンに思わせなければならない。

 

「『切り札』切らせてもらうぜ…!」

 

俺は覚悟を決めて分身体のリュカオーンにそう呟いた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「サンラクっ!後で色々説明しろよ!」

 

「あぁ!わかってるよ!!」

 

リュカオーン本体と戦いながら俺はカッツォにそう答えた。カッツォが言っているのは今空を飛んでいる『規格外戦術機鳥(きかくがいせんじゅつきちょう)【朱雀(すざく)】』の事だ。

 

アレはカッツォから預かった『規格外エーテルリアクター』が無ければ動かす事が出来ず破損していたエーテルリアクターを直すツテを持っていた俺はカッツォから預かっていた。

 

ウェザエモンの討伐報酬として手に入れた戦術機獣や特殊強化装甲は俺、ユウヒ、カッツォ、ペンシルゴンと共有だ。だが、俺はイ(・)ロ(・)イ(・)ロ(・)あったお陰でカッツォとペンシルゴンには規格外エーテルリアクターが直っている事を言っていなかった。

 

(まぁ、カッツォとは「怒らない」って約束させたし。後はペンシルゴンを上手く振り切れば問題ないだろ)

 

リュカオーンの攻撃にカウンターを決めつつそう考える。視界の端ではユウヒがリュカオーンの分身を単騎で押さえ込んでいるのが見える。

 

リュカオーンが分身を消さずにいる所から見てAIの思考として俺(・)達(・)3(・)人(・)よ(・)り(・)彼(・)奴(・)1(・)人(・)の(・)方(・)が(・)脅(・)威(・)度(・)が(・)高(・)い(・)と判断しているのだろう。

 

(まぁ、理解は出来るけどな…)

 

高い実力、高速の雷撃、スキルを使ったスーパーボールみたいな移動と強襲。リュカオーンが彼奴の雷撃を喰らった後に中々攻めてこなかったのもあの攻撃を警戒していたからだ。

 

(わかる…わかるぞ…)

 

リュカオーンと戦いながらリュカオーンの思考に理解を示す。俺がカッツォがレイ氏が攻撃を躱し反撃を決め、自身に対しクリティカルを決めようともユウヒの方が脅威度が高いのだ。

 

(わかる…けどなぁ……!!)

 

「ふっざけんじゃねぇぞ!!この駄犬がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

ソレに我慢が出来る程俺は出来たプレイヤーじゃない。

 

俺は叫び声を上げるとリュカオーンへの攻撃を更に苛烈なものにした。カッツォとレイ氏は俺の叫びと行動に驚いた様子を見せたがすぐに自身も攻撃の手数を上げた。

 

「『カタストロフィ』!」

 

「オラオラオラオラオラっ!どんどん行くよ!!」

 

レイ氏の重い一撃とカッツォの連撃にリュカオーンは上体を上げた。そして、身体が落ちるスピードを使い同時に両脚を振るってきた。

 

サイズが大きい脚を使った攻撃だ。近くにいるレイ氏やカッツォは勿論、俺も攻撃範囲に入っている。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

 

俺は直ぐに武器をしまうとスキルを複数点火して走り出した。この攻撃は以前に黒狼(ヴォルフ・シュバルツ)やライブラリ、SF-Zoo達との話し合いの時にユウヒから聞かされている。

 

(下手に横とかに避けずに最速で前進!!そして、安地の腹の下へ向かう!!)

 

攻撃を躱した俺はリュカオーンの腹の下へと辿り着き垂直に跳んだ。リュカオーンの腹はクリティカルが出やすい弱点部位。それはリュカオーンが生(・)物(・)の(・)|(・)貌(・)《(・)か(・)た(・)ち(・)》をしたモンスターだからでありそれ故の必然。

 

俺は跳びながらインベントリから武器を再装備して振るう。

 

「おらおらおらおらっ!!」

 

4発の攻撃は全てリュカオーンに入りクリティカルが発生した。そして、最高到達点からの落下が始まる。そして、その瞬間に俺より遅れてリュカオーンの腹の下へ入ってきたレイ氏を見た俺は彼の進む先に水晶を飛ばした。

 

「【発射せよ(Firing-up)】!」

 

発射された水晶はレイ氏の数メートル先に突き刺さった。

 

「そのまま走れレイ氏!」

 

正直タイミングが合うかは分からないだが成功させればリュカオーンに完璧な追撃をカマす事が出来る。

 

「はいっ!」

 

レイ氏は俺のセリフにそう応えるとスピードを上げて水晶へと走り出す。そして、着地する直前で俺は左側の武器を引くとレイ氏に叫んだ。

 

「水晶の上に跳べ!レイ氏!!」

 

「了解です!サンラクさん!」

 

レイ氏は俺の言うことに1ミリの疑いを示すこと無く跳んだ。レイ氏がジャンプした瞬間に俺は地面へと着地しそれと同時に武器で地面を殴りつける。

 

「【成長せよ(Growing-up)】!!」

 

音声認識を作動させる為の言葉(キーワード)。それと共に発した振動により撃ち込んだ水晶は急(・)成(・)長(・)した。

 

成長した水晶はレイ氏の足へと伸びて行き彼を押し出した。レイ氏は鎧を変色させ大剣を振るう。

 

「『アポカリプス』!!」

 

「タイミング完璧!」

 

レイ氏の大剣がリュカオーンを腹へと決まりクリティカルが発生した。流石のリュカオーンも飛び去り俺達から距離を取る。

 

しかし

 

「俺を忘れてもらっちゃ困る、ね!」

 

リュカオーンが跳ぶ先を理解していたかのようなポイントで待っていたカッツォの右ストレートがリュカオーンの顔面を捉えた。

 

鈍い音と共にリュカオーンの顔が撃ち抜かれる。僅かにリュカオーンの顔が正面から逸れて視線が外れる。

 

「レイ氏!!」

 

「はい!!」

 

その隙を逃がすはずもなく俺とレイ氏はリュカオーンに追撃を決めに行く。

 

「『縷々閃舞』!」

 

「『カタストロフィ』!」

 

リュカオーンの顔面を狙ったスキルによる打撃、そして別の場所からレイ氏の重い一撃が入る。

 

その瞬間だった。

 

ドォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!

 

俺達とリュカオーンの鼓膜をぶん殴る様な轟音が響いた。

 

「おいおいっマジか!!?」

 

「うっそでしょ!?」

 

「アレは…!!」

 

そして、轟音が聴こえた方向へ視線を向けた俺達は驚きで声を漏らした。何故なら

 

「堪んねぇな…今ので完全破壊にならねぇのかよ」

 

視線の先には身(・)体(・)を(・)半(・)壊(・)さ(・)せ(・)た(・)リ(・)ュ(・)カ(・)オ(・)ー(・)ン(・)と大(・)き(・)く(・)地(・)面(・)を(・)抉(・)っ(・)た(・)ユ(・)ウ(・)ヒ(・)が居たのだから

 

ユウヒは悔しそうにそう呟いているが十分過ぎる程に十分なダメージが分身に入っている事が解った

 

「流石です!ユウヒさん!!」

 

「本当に君は…!!」

 

ユウヒの近くではミュウラちゃんとペンシルゴンがはしゃいでいる。その気持ちもよく分かる程の光景だった。

 

「グ…ゥ……」

 

そんな中、リュカオーンの分身は僅かに声を上げるとその身体を散らして消えた。今までやっていた様な此方をハメる為の消滅じゃない。

 

明(・)ら(・)か(・)な(・)オ(・)ー(・)バ(・)ー(・)キ(・)ル(・)による消滅だった。

 

「すっげぇな……」

 

それを見た俺は素直にそう口にした。しかし

 

「お前ら油断するな!!」

 

視線を外していた俺たちにユウヒが血相を変えてそう叫んだ。その怒号に俺達はハッとしてリュカオーンを見る。

 

「クソっ!!」

「マジか!」

「何故っ!?」

 

視線の先にはリ(・)ュ(・)カ(・)オ(・)ー(・)ン(・)が(・)2(・)体(・)おり今正に俺達に前脚を振り下ろそうとしていた。

 

100話記念の番外何が良い?

  • 未来の陽務家の話し(弟)
  • 過去の陽務家の話し(家族旅行)
  • 過去の陽務家の話し(兄弟喧嘩)
  • R-18開拓
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。