「な、何をするんですかっ?」
思い付きを試そうとミュウラに声をかけた俺にミュウラは心配そうな表情でそう言ってきた。
「大丈夫だ、失敗したらサンラク達が大変になるが
「たぶん、ですか!?」
俺は笑ってミュウラにそう言ったがミュウラは何故か心配そうな表情をより深くしてそう言ってきた。
そして、そう言っている間にリュカオーンの分身は破裂した足を直して立ち上がると喉を鳴らして俺に飛び込んできた。
「クハっ!色々考えつくと楽しくなってくるなぁ!!でも、俺達が倒してぇのは
飛び込んで来た勢いそのまま右前脚を薙いだリュカオーンの攻撃を上に跳んで躱すと「ピンボール」を発動させて左前脚へと回り込む。
そして、兎月で左前脚に打撃を加えていく。ピンボールの効果で身体の上へと移動しながら関節部は重点的に攻撃を加えていく。
クリティカルが発生し兎月の効果が徐々に現れ始めた。クリティカルに次ぐクリティカル、攻撃の威力が上昇してMPも回復していく。
リュカオーンは当然攻撃を続けさせる訳もなく俺を迎撃してくるが空が足場となっている今の俺には回避も追撃も簡単だ。それにリュカオーンの攻撃自体は既に見切っている。
ウェザエモンの
「秋津茜、シークルゥ!大技を使うに当たって条件はあるか!?」
俺は横に跳びつつ両脚での攻撃を仕掛けてきたリュカオーンの攻撃を避けて弾きつつ秋津茜にそう尋ねる。すると
「ユウヒさん!すいません!私のレベルはまだ43でして、大技を戦いながら当てるのはまだ難しいんです!なので正面か身体を此方側に向けて的を広くしてもらえると助かります!!」
「拙者は何時でも大丈夫でござる!」
秋津茜は謝りながらもそう言ってきた。シークルゥは自信があるようなので心配ないが秋津茜は申し訳なさそうにしている。
「容易い」
しかし、俺は彼女のセリフにそう呟いて応えると攻撃を躱して「遮那王憑き」を発動すると一気にリュカオーンの顎への跳んだ。
そして、スキルを発動しつつ顎を兎月で下から打ち上げると直ぐに顔の横側へ移動し殴りつける。
「やっぱ顎打たれりゃ脳が揺れるかっ?」
少し反応が鈍ったリュカオーンにそう言いつつ頭の上へと移動を始める。リュカオーンは頭を振ると横にステップして噛みつき攻撃をして来た。
「おっと!」
俺はリュカオーンの攻撃を地面へ向けて跳ぶ事で回避する。そして、空中で身体を縦に回転させて足から着地する。何時もの様に勢いを殺せていないので多少のダメージが入ったが気にせず直ぐに瓦礫の方へと走り近くにあった瓦礫を兎月で砕いた。
「行け!」
そして、大きく砕いた瓦礫を殴り飛ばしリュカオーンへぶつける。しかし、こんな攻撃がリュカオーンに当たるはずもなく簡単に前脚で叩き壊されてしまった。
しかし、そんな事は織り込み済みの俺は既に回り込むように駆け出しておりリュカオーンも俺を追って来ている。
「やっぱりそう来るよな」
しかし、俺はその場から上に飛び上がった。特に攻撃のチャンスという訳ではないしかし、リュカオーンの視線は俺に釘付けになっていた。
「今だ!」
それを確認した俺は秋津茜とシークルゥにそう叫んだ。
「素晴らしい!流石でござるユウヒ殿!刮目せよ夜の帝王…我が『タケノミカヅチ』をっ!!」
俺のセリフに応えたシークルゥは地面に刀を突き刺すと俺を注視する為に顔を上げていたリュカオーンの分身体の下顎を大量の
「クハっすっげぇ!確実に脳揺れたろ!」
「警戒されていなければ簡単に当てることが出来るでござる!」
大量の竹に顎を打たれたリュカオーンの分身体は身体を大きく揺らしている。今まで俺を最大限に警戒していた分身体にこの攻撃は読めなかったのだ。
「やれ!秋津茜!!」
足を止めているリュカオーンを見下ろしながら効果が切れる直前のピンボールで空を踏みその場から離脱する。そして、それと同時にリュカオーンの真正面に立った秋津茜は3つの手印を組み両手を広げると息を大きく吸いこんだ。
そして
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁああぁッ!!」
肺に取り込んだ空気を全て吐き出してエリア中に響くほどの大声を出した。
発声と共に生じたのは
「なんだよアレ!?」
「明るくて何も見えません!」
夜の暗くなった視界を覆う強烈な光に目を細めながらそう叫ぶ。ミュウラに至っては眩しすぎて目を完全に閉じている程だ。
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
自身が放った攻撃に更に想いを乗せる様に秋津茜は叫んでいる。そして、その攻撃はリュカオーンの分身体に直撃し
「グ………ォ……………」
リュカオーンの身体を
(魔法攻撃によるものか?いや、違う!恐らくは
「クハっ!最高だぜお前らぁ!!!!!」
僅かに身体の形状が崩れているリュカオーンの分身体を見て俺は口角を歪めて叫んだ。
「ミュウラ!マジックファトスだ、勝ちに行くぞ!!」
「はいっ!!」
そして、肩にいるミュウラにそう言ってとどめを刺す為にダメージから回復していないリュカオーンに突っ込んだ。
(回復する前に責め潰す!波状攻撃だ!!)
シークルゥ、秋津茜の攻撃でダメージを受けているとはいえミュウラの魔法は高い順位で警戒されている可能性がある。リスク覚悟の直進による接近、ミュウラの魔法の被弾確率を上げる。
「グオォォォァォォァォォォォォォォォォッ」
「『マジックファトス』!!」
近づく俺達にリュカオーンが声を上げて噛み付き攻撃を仕掛けると同時にミュウラが魔法を放った。未だにリュカオーンの身体は崩れたままだがそんな事はお構いなしと言った様子だ。
しかし、その警戒が今回は仇になった。形が不形成な顔への攻撃。ミュウラの放った魔法は左の目尻に当たり時間差で左目を含む顔面を大きく破壊した。
目を含めた左顔面の破壊により攻撃方向は僅かに俺たちを逸れる。そして、俺は「遮那王憑き」の効果時間を残している。
「終わりだ」
ミュウラの魔法により破壊されて抉れた様な傷を負ったリュカオーン。スキルの効果で跳躍力が強化された俺は傷の真正面に飛ぶと
傷を穿つ様に
兎月の効果で回復した魔力を含めて全ての魔力を注ぎ込んだ棘尽雷は
「はははっ!やっぱりなぁッ!!ミュウラのマジックファトスで出来た傷を見た時から思ってたぜ!!闇そのもののお前の身体には光を伴った攻撃は
破裂したリュカオーンの残骸が飛び散る中で俺はそう叫びながら着地の衝撃を技で吸収する。そして、直ぐにサンラク達の方に視線を飛ばすとリュカオーン本体を睨んで走り出した。
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「『我は混沌を手繰る者。天上に在りて天の果てへ飛翔し、奈落に在りて深淵の底へ潜行す』」
(凄い!本当に条件を達成出来た!!)
陽務君に護って貰いながら私は
(でも、本当に凄いのは陽務君達兄弟の『信頼』!!)
そして、それと同時に条件達成の為のお膳立てを完璧なモノにしてくれた遊仁君と陽務君の信頼関係に感動していた。
『
私があの場を離れる前に言われた言葉。陽務君の状況を見て何がしたいかを考えて行動した。そして、陽務君は遊仁君がそうしてくれるだろうと無条件の信頼を行動で示した。
お互いがお互いを良く知っているからこその行動
(私と姉さんにこれと同じ事ができるでしょうか…)
同じ兄弟姉妹でも私には絶対に出来ない。そう断言できる。そして、詠唱をしながら私は込み上げてくる
(兄弟の無条件の信頼。そして、その後、自分達が隙を作り出せば
そうなのだ。弟が自分の策に応えてくれるという無条件の信頼。それはサイガ-0が攻撃する隙を作る為のモノだ。だが、隙は
(陽務君は遊仁君の手で私がフリーになればどんなタイミングでも隙を突くと
不確定要素に次ぐ不確定要素。
この場に集結したプレイヤーのゲーマーとしての高いレベルが、実力が『運』を掴んだ。
「『双貌たる天魔、尚も手を伸ばし極点へと至る』」
(このスキルは前提条件が厳しく条件が整う前に戦いが終わってしまうことの方が多い…)
「『我が覇道を塞ぐ大敵よ、我が覇たる道の先導は我が他に要らず』」
(実用性の無いものだと思っていたスキルを使う為に全員がここまでしてくれた…!!)
「『即ち我が一撃は塞がる万象を砕く』」
(みんなの思いと信頼、そしてこの状況を作り出した
「『我が身は天にありてサタナエル、魔にありてサタン。双貌一つに混沌を
サイガ-0はこの瞬間に産み出す過程に幾つもの運が絡んでいる事を正しく理解していた。そして、その運を掴む実力者が自分の為に力を尽くしてくれている事も理解していた。
詠唱を紡ぐ声に力が籠り、大剣を握る手にも力が籠る。
「『
そして、満を持して詠唱が完了した。
100話記念の番外何が良い?
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未来の陽務家の話し(弟)
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過去の陽務家の話し(家族旅行)
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過去の陽務家の話し(兄弟喧嘩)
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R-18開拓