戦闘狂が行く理想郷   作:烏鷺

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植物の輝きをその手に・其ノ肆

「やっと着いたな……」

 

『往年の輝苔』が自生していた大樹から進み、俺はマップで現在地を確認してそう呟いた。

 

「凄い…木で出来た洞窟ですね。奥から光が漏れてきてます」

 

目の前には木々で作られた洞窟があり中に入って進めばト〇ロでも居そうな雰囲気だ。

 

「マップにザックリと印をつけた場所だがここで間違いない。奥から漏れてくる光もお目当てのモノの光だろう」

 

口を半開きにしているミュウラにそう言い俺は洞窟の中に入った。ミュウラも俺の後に続き中に入る。

 

「明るいですね」

 

「あぁ、このエリアは植物が発光してたりするから明るいが此処は一際明るいな」

 

(大樹もこの洞窟もマップで見るとエリアの端だ。一般に探索されるルートからは大分外れているがモンスターに代わり映えがない。元々"そう言うエリア"なのかそれとも……)

 

ミュウラと話しながら歩き続けこの先にいるであろうモンスターについて考える。

 

(ミュウラが師匠から聞いた昔話には"大空を飛ぶ"と"相手を突き刺し"と言う文言があった。昆虫でその2つの情報に当てはまるのは幾つかあるが……恐らくは蜂型のモンスターだろうな)

 

昆虫型と決めつけるには早すぎるとも思うがこのエリアのモンスターが尽く昆虫型なのを踏まえるとこの先にいるモンスターもそうだと思われる。

 

「まぁ、どんなのが来ても倒せば良いだけだな」

 

色々考えていたが最終的に倒すのだから問題ない。そう考え俺は歩いていた。

 

その時だ

 

「なんだ、この音?」

 

広い空間に出た瞬間何かが振動しているような音が聞こえてきた。

 

「ブーン、ブーンって響いてます」

 

ミュウラも気がついたのかその長い耳を立ててそう言う。次の瞬間

 

「伏せろっ!!」

 

俺達の頭上をモンスターが猛スピードで通り過ぎた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

レアエネミー

エンパイア・シルバービークイン

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

モンスターを見ればその姿とウィンドウが開きモンスターの名前が表示された。

 

「シルバー?クイーンなのにか?」

 

モンスターの名前を確認した俺は思わずそう言ってしまった。普通、蜂のコロニーでは女王が一番偉いがゲームのモンスターで"シルバー"が着く場合はその上に"ゴールド"が着くモンスターがいる場合が多い。ゲームのモンスターにリアルさを求めすぎるのはダメだが親が親だからか俺は首を傾げてしまった。

 

「まぁいい、俺を襲ってきたって事は俺よりも強いって事だよな?クワッドビートルから敵がいなくて退屈してたんだ、楽しませてくれよ!!」

 

だが、俺はインベントリから湖沼の翠杖を取り出すとビークインの白銀に輝く翅と巨大な針を見て笑いつつそう叫んだ。そして、ビークインはそんな俺の叫びに応えるようにもう一度俺に突撃して来る。

 

「はっやッ」

 

リュカオーン程ではないが速い突撃に俺は「ファイティングスピリッツ」と「嬉々応戦」の2つを発動しステイタス全体に補正をかけて最小限の動きで回避する。

 

そして「一艘飛び」を発動するとビークインに向かって飛びかかり翠杖を振るった。しかし、ビークインは針で翠杖を受けると更に上に飛び上がり針先から紫の液体を発射してきた。

 

「ははっ、あからさまに毒だろ。ソレ」

 

放たれた液体を躱しつつそう言い地面に着地した俺は魔法を発動する。

 

「『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』」

 

纏雷を3回発動しSTRとAGIを強化する。

 

俺の上を飛び続けるビークインに向かって走り木々を足場にして跳び上がった。

 

「おらっ!」

 

先程よりも速い翠杖での攻撃。しかし、ビークインはそれを躱すと俺に向けて針を発射してきた。

 

「飛ばせるのかよ!」

 

地面へ落ちながら針を翠杖で受け弾き着地する。そして、再び走り出しまた木々を使って接近する。

 

そして、今度はビークインの身体ではなく翅を狙って翠杖を振るった。

 

ギンッ

 

翠杖はビークインの翅を掠め飛んでいるビークインの身体を揺らしたがビークインは落ちなかった。

 

だが、今気にするべきは攻撃に失敗したことでは無かった。

 

「イヤイヤ…翅を掠めて出る音じゃないだろ今の」

 

そう翅を攻撃した時に出た音だ。柔らかい翅を攻撃した筈なのに音も感触も鉄のそれだった。

 

(アレ翅じゃねぇだろ…大分硬いぞ)

 

予想外の硬さにそう驚いた俺は更に魔法を発動する。

 

「『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』」

 

合計8回の重ねがけ更にAGIとSTRが上昇し攻撃のテンポが早くなる。

 

洞窟を作る木々の壁面から壁面へ飛び周りビークインに的を絞らせないように動く。

 

ヒットアンドアウェイで攻撃を入れ続ける。しかし、ビークインは翅や針で攻撃を受けダメージを防いでくる。

 

「チッ、更に上げるか」

 

リュカオーンの呪いを跳ね除けていることから強いのはわかっていたが尽く攻撃を防がれるとは思っていなかっただけに思わず舌打ちが出る。

 

「『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』」

 

更に纏雷を重ねがけして速度を上げる。

 

(此処が洞窟で良かった。めっちゃ動き易い!)

 

壁面から壁面へ高速で飛び回りビークインが上に逃げても追走して攻撃を加える。ビークインも俺に攻撃を仕掛けて来るが俺は攻撃を紙一重で躱して未だノーダメを貫いていた。

 

(昔やった闘牛みたいな感じだ……)

 

自分より攻撃力が高いであろう相手の攻撃を紙一重で躱す。懐かしい思い出に浸りながら俺はビークインに接近すると腹と胸を繋ぐ部分に翠杖を叩き込んだ。

 

昆虫であるが故の弱点、そこを攻撃された事でクリティカルが発生しビークインがとうとう高度を下げた。俺はすぐにビークインの上を取ると4枚の翅の付け根に湖沼の翠杖を突き刺した。

 

「シャアァァァァァァァァァァァァッ!」

 

赤いポリゴンが散る中ビークインは甲高い声を上げるが俺には関係ない。

 

「終わりだ!」

 

インベントリから致命の闘杖を取り出すと強化されたSTRとAGIを駆使して連続攻撃を叩き込んだ。

 

クリティカルが発生し続けビークインの命を削っていく。そして俺を背に地面に落ちたビークインは落下ダメージが止めになりポリゴン塊となって消えた。

 

撃破とレベルアップのSEが鳴り響く、そして、レベルアップと同時に新たなスキルも獲得する事が出来た。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

レベル33→37

 

STポイント52

 

一点打ちLv5→LvMAX

振るい薙ぎ→一掃薙ぎ

スパイラルエッジ

ディフェンシブフットLv4→Lv8

アクセルLv6→LvMAX

三連撃Lv7→LvMAX

タップステップ→スライドムーブ

見切りLv4→Lv6

インパクトステップLv8→LvMAX

乾坤一擲

フラッシュカウンター→ジャストパリィ

一艘飛び→三艘飛び

三段蹴り→Lv7

掴み討ち →Lv4

ファイティングスピリット→Lv3

グラスポッパー→Lv4

拳打→拳豪砕破

嬉々応戦→Lv3

武舞→武侠舞

魔耀來々

圧縮詠唱NEW

短縮詠唱NEW

浸透打ちNEW

表壊打ちNEW

ジャンピングストライドNEW

終戦武舞NEW

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おいおい、レベルが一気に4つも上がったぞ。それに、詠唱に関するスキルをゲット。スキルが進化してるし上にレベルが上限まで行ったヤツもあるぞ」

 

致命魂の首輪を装備しているにも関わらず4つもレベルが上がり驚いてしまった。そして、遂にゲットした魔法の詠唱に関するスキル。効果を見るにこれで益々戦いやすくなったと言える。

 

「流石です。ユウヒさん!!」

 

「おう、ミュウラ。比較的楽な相手だったぜ!」

 

スキルを見ていた俺に飛びついてきたミュウラを抱きとめそう言う。俺はインベントリからマナ・ポーションを取り出し戦いで消費したMPを回復する。

 

すると

 

「ユウヒさん、レベルが上がりきっているスキルが幾つかある様ですわ。スキルが多くなりすぎる前にラビッツの特技剪定所(スキルガーデナー)で合体する事をお勧めします」

 

方に乗ったミュウラが俺が出しっぱにしていたスキルの一覧を見ながらそう言ってきた。

 

「あ〜、確かにそうだな。合体すると更に強くなるってサイトにも書いてあったし……」

 

「サイト?」

 

「なんでもねぇよ」

 

俺のセリフに首を傾げるミュウラにそう言いながらも一覧を見る。特技剪定所で合体出来るのはレベルが上がるタイプのスキルのみ、そして、レベルが高ければ高いほどスキルはより良いスキルになるそうだ。

 

「合体は全体的にスキルのレベルが上がってたからで良いかな。その方が良いみたいだし」

 

まだまだ、レベルが上がるスキルがあるのでミュウラにそう言いウィンドウを閉じる。俺のセリフにミュウラは頷き

 

「ユウヒさんの答えならそれを尊重しますわ」

 

と言ってくれた。俺は頭を撫でて返答としつつ足を進める。"シルバー"が出てきた所を見るにこの先に"ゴールド"が居るのだろう。

 

「どんなヤツなのか楽しみだ」

 

そう呟き一際明るい場所に向かった。

 




スキルの獲得とレベルアップ書くの疲れる…。
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