戦闘狂が行く理想郷   作:烏鷺

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1月になった、死滅回游が始まるまであと少し…。先行上映を見たのにテレビで見るのが楽しみ過ぎる。

後、ファンパレが楽しすぎる。

投稿に影響出ないようにしないと…。


何時かの記憶が揺さぶられて・其ノ弍

レベルを49まで上げ涙光の地底湖を出てから2時間。俺とミュウラ、ペンシルゴンは「神代の鐡遺跡」を探索していた。

 

ウェザエモン戦まで残り4日、その前にユニークシナリオ「志し持つは蒐集者」をクリアするためのアイテムを集めたい俺は色々と恩のあるペンシルゴンにも参加して貰っていた。

 

「残りの日数で探したいって言ってたけど、何処にあるかは分かるの?」

 

「いや、此方のユニーク関連で手にした情報で此処にあるのはわかってるんだけど細かな場所まではわかってない」

 

涙光の地底湖があった場所より更に下の階層を進みながら俺はペンシルゴンにそう応える。

 

「へぇ、君が受注してるユニークにも情報を渡してくれる存在はいるんだ」

 

「…………」

 

俺のセリフの端々からそう推察した彼女に俺は沈黙を選択しつつ進んで行く。リュカオーンの呪いの効果で俺は全くエネミーに襲われないので探索自体は進んではいるがやはり中々見つからない。

 

「私達がいた場所から下に進んで来たけど何も無いね。ユウヒ君の呪いのお陰で敵は私にしか寄ってこないけど…」

 

「すまない、と言いたいところだがコレばっかりはリュカオーンに文句を言ってくれ」

 

「リュカオーンの呪いは此処でも効果抜群ですね」

 

ペンシルゴンのジト目を柳に風と受け流し壁や天井を見ていく。ペンシルゴンの言う通り何も無い。代わり映えのない風景だ。

 

「もしかしてだけど、アイテムがある場所は隠しエリアなのかもな。前回が時間指定タイプぽかったから考えてなかったけど」

 

「セッちゃんがいる花園みたいな仕様って事か…うん、ユニーク関連なら全然あると思う」

 

俺の考えにペンシルゴンもそう言って頷き参戦の意を見せる。俺達は頷きあって先程よりも注意して壁や天井を観察する事にした。

 

進んでは止まり、調べては進む。これを繰り返し続けて気づけば1時間以上が経っていた。そして

 

ピーッ

 

どちらが何をしたかは解らない。だが、何処からか音が鳴った。

 

「何?今の」

 

「怖いです…」

 

「解らない…だが、()()が反応したんだ」

 

場所はそこそこの大きさの通路。俺達は背中合わせで周囲を観察しつつ何かが起こるのを待った。

 

すると

 

ガチャ

 

音を立ててペンシルゴンが触れていた壁の一部が開いた。

 

「ドア?」

 

「中に入れって事みたいだね」

 

「真っ暗です。怖いですね」

 

開いた扉の先に見える黒い空間にミュウラはそう言って俺の肩にしがみついた。俺達も警戒しながら中に入る。開かれた扉は俺たちが中に入った瞬間に閉まり暗かった部屋は壁に光が通って明るくなった。

 

「何?この部屋…」

 

「鏡か?」

 

「ユウヒさんや私が沢山います!」

 

そして、中に入った俺達は内装を見て戸惑った。その部屋は一面鏡張りの部屋であり壁には俺達の姿が大量に写っている。

 

「何が起きるのかな?」

 

「わからん。だが、最悪なのは…」

 

鏡に写る自分を見ながらそう言うペンシルゴンにそう応えようとした。しかし、俺のセリフは遮られてしまった。

 

突然天井から現れた紅い四角形のエネミーによって。

 

「なにアレ?」

 

「私も見た事ないエネミーだね…。似た様なドローンはいるけど紅いに黒い文字のドローンは見た事ないよ」

 

突如現れたキューブ型のドローンに俺達は武器を構える。しかし、此処を俺よりも知っているペンシルゴンも困惑した様子を見せる。

 

「じゃあ、レアエネミーって事か」

 

「そうなると思う。けど、変だよね。エネミーなら名前が表示されるはずなのにコイツは表示されてない」

 

ペンシルゴンのセリフに俺は「確かに」と呟いた。通常、モンスターとエンカウントすると名前が表示される。しかし、このキューブは現れただけで名前も何も出てきていない。

 

「モンスターじゃなくて建物とかと同じただの物体なのか?」

 

「それにしては登場が派手すぎるでしょ。完全に敵の登場シーンじゃん」

 

「それを言われるとなんとも言えねぇ」

 

ペンシルゴンにそう言いつつ何も起きない状況に構えを解いて近づこうとした。

 

その時だった。キューブに刻まれた文字列が動き始めたのだ。

 

「今度はなに!?」

 

「わかんねぇよ!!」

 

急に現れたり動き出したり忙しない物体にそう言うが文字列はすぐに動きを止めると

 

「避けろ、ペンシルゴン!!」

 

俺達に向けてビームを放ってきた。ペンシルゴンは俺の叫びに反応してビームを避けるがビームは部屋を作っている鏡に反射して方向を変えた。

 

速度をそのままに反射して避けたペンシルゴンに襲いかかる。しかし、ペンシルゴンはレベル上限(カンスト)の敏捷で再び躱すとインベントリから何かを取り出して俺に放り投げてきた。

 

「それ使って!」

 

投げられた物を掴みセリフと共に意図を理解する。

 

「ミュウラ、離れろ。『纏い、轟け』『纏い、轟け』」

 

ミュウラを離れさせ纏雷を纏い敏捷を上げペンシルゴンを庇うようにビームとの間に割って入る。

 

そして、手に持っていた手鏡でビームをキューブへと反射させた。

 

「ナイス!」

 

反射したビームがキューブ目掛けて飛んで行く。ペンシルゴンはその光景にそう言うがすぐに息を飲んだ。

 

反射させたビームをキューブは面に波紋を作り出しつつ()()したのだ。その事実に俺も息を飲んだ。

 

「ダメージ無しかよ!!」

 

ビームを吸収し光を出したキューブにそう悪態をつきつつ手鏡をペンシルゴンに返す。キューブは再びビームを発射してくるが今回は規模が大きい。確実に手鏡では反射出来ない。

 

追いかけられたペンシルゴンと反射した俺はわかっていた。仮に手鏡の部分だけ反射できても自分は消し飛ぶ。恐らく手鏡だけが無事に残るだろうと

 

それだけの威力はさっきから出ていた。

 

「どう、するッ!?」

 

反射してきたビームを避けてそう言うペンシルゴンに俺は地面部分の鏡を殴って答える。

 

つまり

 

「部屋の鏡を利用しろってことね!!」

 

つまりはそう言う事だ。ビームだったから壊れなかったが鏡は鏡。殴れば割れる。

 

俺達は反射しまくるビームを避けつつ鏡を割る。そして、そこそこの大きさの鏡を手に入れその後ろに身を隠した。

 

しかし

 

「へ?」

 

俺は視界の端で捉えた映像に反射してペンシルゴンを押し倒した。

 

間の抜けた声を上げるペンシルゴンだが、押し倒した俺の上をビームが通過したのを見て全てを察したようだった。

 

「今のって…」

 

「あぁ、あのキューブ俺達の視線が切れた瞬間もう一発放ってやがった。今のは2発目のビームだ」

ビームが反射して飛んでくるわずかな時間に情報を共有する。俺達は一発目に放たれたビームからは視線を切らさなかった。実際、俺達が目で追っていたビームは別方向を飛んでいる。

 

問題はその瞬間にキューブがもう一発ビームを飛ばしていた事だ。

 

つまり、あのキューブはこの空間内全体か俺達二人の動きを完璧に把握しているということだ。

 

「どうする?」

 

「大元を叩く。ペンシルゴンはミュウラを頼む」

 

2発目のビームを警戒しながらそう尋ねてきたペンシルゴンに俺は即答し鏡の壁から身をさらけ出す。

 

「『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』『纏い、轟け』」

 

先の纏雷は未だに効果を維持している。俺は追加の詠唱を終えると今の最速でキューブに接近した。

 

「一点打ち!!」

 

そして、キューブの面のど真ん中に突きを放つ。杖の先は面を捉え火花を散らした。感触は材質の硬さを俺に伝えてきたがそれが破壊可能である事も教えてくれた。

 

「ぶっ壊す」

 

俺は口を歪めてそう呟くと強化されたSTRとAGIで攻撃を叩き込みまくった。そして、次の瞬間

 

キューブは追加のビームを三発同時に放った。

 

合計五発のビームが各々のタイミングで反射して俺達を襲う俺は杖を鏡に突き立て大きく割るとそれをペンシルゴンへと滑らせた。ペンシルゴンはそれを取ると壁のように立てつつ壁側へと移動した。

 

俺はそれに笑うと緊急で作られた安地に飛び込んだ。

 

「意図を理解してくれて助かった!サンキュ!!」

 

「何となく同じくらいの大きさだったからね。合っててよかったよ」

 

「ユウヒさん危なかったですね」

 

上からの反射を警戒しながらペンシルゴンにそう言い彼女は笑ってそう応える。

 

「んで、どうする?」

 

そして、俺は隣に座るペンシルゴンにそう尋ねた。ペンシルゴンは少し以外そうな表情を見せたがすぐに顎に手を添えて考え始める。

 

そして、ハッと顔を上げると

 

「ユウヒ君、もう一度ビームをキューブに向けて反射して」

 

俺にそう行ってきた。

 

「はぁ?意味なかったろうが見てただろ」

 

俺はさっきの光景を思い出してそう言うがペンシルゴンは笑うと

 

「さっきのが攻略のヒントかも」

 

と言ってきた。

 

「わかった」

 

余りにも自身満々の表情でそう言うペンシルゴンにミュウラは首を捻るが俺は頷くと上から反射してきたビームをキューブへと反射する。ビームは先程と同じく波紋を作りキューブに吸収されたがペンシルゴンはその光景に「やっぱり」と呟いた。

 

「さっきの反射と前の反射、キューブがビームを吸収する時、面に波紋が生まれてる」

 

セリフの意味が解らない俺が視線で説明を求めるとペンシルゴンはそう言い出した。俺は「だから?」と言うが彼女はそんな俺に

 

「波紋が出来るて事は面が波打ってるって事。つまり、ビームが当たる瞬間あの面は極端に柔らかくなってるんだよ」

 

と言ってきた。

 

俺はペンシルゴンのセリフに目を見開く。そしてもう一度ビームをキューブへと反射させていみた。

 

気にしていなかったが確かにペンシルゴンの言う通り面が波打っている。俺は笑うとペンシルゴンに「任せた」と言って飛び出した。

 

反射してくるビームを避けながらキューブへと進んでいく。そして、ペンシルゴンもまたビームを反射しながら移動を始めた。

 

俺達が狙うのは一撃を入れた面。既にダメージが入っている面をもう一度狙う。

 

ステップを踏んでビームを避けながらキューブに接近しビームが反射してくるのを待つ。

 

そして、その時が来た。

 

一瞬、ビームがキューブに当たり一撃を入れた面が波打った。柔らかそうに、軟らかそうに波った。

 

「ははっ」

 

そして、俺はその面に攻撃を叩き込む。振るわれた杖は面の中に入り込み中の硬いナニカに当たった。バキっと音が鳴りキューブに罅が入る。

 

そして、音を立てて崩れ落ちるとビームは空中で溶けるように消滅し中から真っ赤なパネルが出てきた。

 

「それは?」

 

後ろから来たペンシルゴンがそれを見てそう言うが俺にも何かは解らない。俺はパネルを手に取って表面を撫でると空中にウィンドウが表示された。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『浮動の岩盤』

 

大いなる時代に作られた物質。記憶を辿りに新たな形を望む物質。それ故に今は形が定まらない。

 

この空間の防御機構に隠されたモノである。これが次の記憶を宿すことを望む。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「!!」

 

ウィンドウの表示された内容に俺は目を見開いた。正に、俺が求めていたアイテムの1つだったのだ。

 

「それがそうなの?」

 

俺の様子に気がついたのかペンシルゴンがミュウラと一緒にやってきてそう聞いてくる。

 

「あぁ、これが探してたアイテムの一つだ。これであと一つ!!」

 

「やりましたね!ユウヒさん!!」

 

俺はペンシルゴンとにそう応えて拳を握った。ミュウラは笑って俺の肩に飛び乗る。すると

 

壁の一部が消え通路が現れた。

 

「また?」

 

「嫌な予感がします」

 

さっきと同じ展開にペンシルゴンがそう言いミュウラもペンシルゴンと似た表情でそう言い俺も握った拳を解いてため息を吐いた。

 

めんどくさいと言うのが正直な気持ちだが隠しエリアの更なる隠しエリア、行かない選択肢はない。

 

俺達はお互い顔を見合わせると頷きその中へと入っていった。

 




今回倒したキューブはONEPIECEのネオ・ポーネグリフを想像して貰えると全体像がわかりやすいです。

キューブは敵ではなく部屋に備わった機能なので名前ほ出ませんでした。
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