更新遅れてしまいましたが楽しんでいただけると嬉しいです。
「よぉ、サンラク」
「来たな、ユウヒ」
日課を終えて自室の隣にあるトーニングルームで師匠から教わった技、心を反復し集中力を高めた俺は支度を済ませてシャンフロにログインしていた。
ミュウラと共にビィラックに依頼していた武器を受け取りに行き話しながら兎御殿を歩けば縁側でサンラクがエムルちゃんとくつろいでいた。
「ビィラックから武器は受け取ったのか?」
「バッチリだ。能力もシンプルだから今のステータスでもちゃんと扱える」
「ユウヒさん、鍛冶場で武器を振り回してまたビィねぇさまに怒られてました」
「すいませんでした」
ブチ切れたビィラックを説得してくれたミュウラにそう言いながらサンラクの隣に腰を下ろす。
いよいよ今夜、俺達はウェザエモンに挑むのだ。
お互いに空気が引き締まっているのを理解出来る為、何時ものおふざけはなしだ。ただ静かにその時を待っていた。その時だった。
「ん?」
サンラクが空を見上げて変な声を出したのだ。
「メールバード?」
つられて空を見た俺も飛んで来るメールバードに首を傾げる。メールバードはサンラクの肩に止まり手紙を渡す。エムルちゃんは肩に止まったメールバードに何やら文句を言っているがメールバードは気にした様子は無い。
「誰からだ?」
「ん〜と、えっ、サイガ-0から!?」
「誰?」
手紙を確認し驚くサンラクに俺はまた首を傾げ用事を済ませたメールバードは直ぐに飛んでいき居なくなってしまった。
「サイガ-0は新しくフレンドになったプレイヤーなんだけど結構油断ならない相手って言うかさ…よく分からないプレイヤー何だよ。確か『
サイガ-0からの手紙を読みながらそう言うサンラクに俺は顔を顰めた。頭をよぎったのはサードレマでの出来事であり正直あまりいい印象はない。
(リーダーのサイガ-100って奴は少しマトモな感じだったけど……サイガ??身内か?…………にしても、サイガねぇ………)
クラン『黒狼』の印象が良くなかったので一個人として全く意識していなかったがサイガと言う名前は覚えがある。もしかしてと思うが此処はゲームの世界だ。無粋は止めておこう。
「うわっ、また来た!?」
俺が何か考えている内にサンラクの肩にまたメールバードが止まり手紙を渡している。忙しな、と思いつつも手紙が気になり内容を聞いてみたが
「なんか、何も無いっぽい……?」
訳の解らない答えを返されてしまった。こういう時のサンラクは自分もよく理解出来てない時なのでこれ以上聞いても意味が無い。
「取り敢えず返信だけすれば?」
「そうだな……気にしないで下さいって送ろう」
俺のセリフに頷いたサンラクはサクッとメールバードを送り「頼んだぞー」と手を振った。
「よしっ、それじゃあサードレマに行こうぜ。最終調整だ」
「OK、俺もマナ・ポーション買いたい」
「……今夜ぁ、新月だなぁ」
メールバードを見送りお互いの必要な物を買う為にサードレマに行こうとした俺達に師匠から声がかかった。
「師匠」
「あ、兄貴」
突然の登場に驚いたが俺達は軽く頭を下げて挨拶をした。
「行くんだろ?今夜」
そして、そんな俺達にヴァッシュ師匠はそう言って煙管を吹かす。
「「はい!」」
俺とサンラクは一瞬お互いの顔を見てそう答えた。既に迷いはない。後は整えるモノを整えるだけだ。
「良い面構えじゃねぇかい…」
そんな俺達にヴァッシュ師匠は満足げに頷くと草鞋を履いて歩き出した。
「お前ら『ヴォーパル魂』を忘れんじゃあねぇぞ。……勝ってこい!」
そしてそう言い残して去っていく。
「「押忍!!」」
その背中に俺達は力強くそう応えた。
「サンラクさん」
「ユウヒさん」
応えと共に師匠を見送る。俺達は武器だけじゃなくアクセサリーまで貰った。その意思に応えたいと思う。そして、そんな俺達はにミュウラとエムルちゃんが声をかけてきた。
「ん?」
「どうした?」
各々相棒に応えて向き合う。すると、ミュウラとエムルちゃんはお互いの顔を見ると服のポケットから何かを取り出した。
「ミュウラと相談しましたわ。ウェザエモンに挑むお2人にコレを貸そうって」
「お父様が私達子供達にくれた御守りです。ウェザエモンに勝てるようにってお願いしました」
そう言う二兎の手にあるのはネックレスとブレスレット。それぞれ水色の石が付いている。サンラクはネックレスを俺はブレスレットを受け取る。
そして、それぞれの相棒の頭を撫でた。
「ありがとな。まぁ、俺達はあっても無くても負けないが」
「これで、確実に勝てるようになったな。ミュウラとエムルちゃんのお陰だな」
そして、そのアクセサリーをつけようとした。
しかし
「「ん?」」
何故か弾かれエラー表示が出てしまった。サンラクと俺は顔を顰め現れたウィンドウを見る。
すると
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アクセサリースロットが不足している為、これ以上装備出来ません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「「アクセサリースロット??」」
全く知らない単語が登場し俺達は揃って首を傾げた。
「お二人共、アクセサリースロットの拡張をやってないんですわ?」
そんな俺達にエムルちゃんがそう言うが俺達はそんな単語は知らない。
「拡張?」
「何それ?」
「開拓者さんはファステイアで色々教えて貰えるはずなんですが」
首を傾げる俺達にミュウラがそう言うが俺はファステイアには行ったけどそこら辺をすっ飛ばし。サンラクに至ってはファステイアに言ってすらないので知るわけが無い。
「お二人共前々から思ってましたが少し可笑しいですわ」
その事を打ち明けるとエムルちゃんに呆れ顔でそう言われてしまった。
「「すいません」」
揃って反省の色を見せるが俺達は相棒からの贈り物を付けることが出来ない事が確定してしまった。
しかし
「アクセサリースロットの拡張はラビッツでも出来ますよ」
天は俺達を見捨ててはいなかった。ミュウラの天啓に俺達は色めき立ち早速、スロットの拡張が出来る所へ向かった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「あらぁ、おいでやす〜エムル、ミュウちゃん。それに、あんさんらが噂の人たちどすなぁ」
ラビッツのアクセサリーショップを訪れた俺達を迎えたのは京言葉で話す新しいヴォーパルバニーだった。
「こ、今度は京言葉かよ……」
「何時かこんがらがるぞ」
「「エフュールねぇさま(おねーちゃん)です(わ)」」
新しいヴォーパルバニー、エフュールの登場にそう言う俺達にミュウラとエムルちゃんが紹介してくれる。俺達のことはどうやら知っているらしく紹介は不要だった。
「それでぇ、今日はどないしはったんどす?」
店に訪れた俺達にエフュールがそう言うのでそれ達はそれぞれの相棒からの御守りを装備する為に来た事を話した。
「まぁまぁ、なんとも可愛らしい理由どすなぁ。それに、そないなお2人があのウェザエモンに挑むなんて剛毅なことやわぁ」
言葉の端々に何処か馬鹿にされてる感が漂っているが今はどうだっていい。俺達は早速、アクセサリースロットの拡張をやってもらう事にした。
「ここに手を出しておくれやす」
「手を?」
「左右どっちでもいいのか?」
「どちらでも構わへんよ」
エフュールの指示通りに俺達はそれぞれの利き手を出す。サンラクは右を俺は左を、エフュールは俺達の手をそれぞれ見ると
「なるほど、現在の霊穴は1つ…それが父様のブレスレットで埋まってはるんやなぁ」
そう言ってきた。
「どのくらい拡張出来るんだ?」
俺達の手を見るエフュールにそう尋ねると「2つ」と答えてくれた。それだけあれば十分、俺達は早速アクセサリースロットを拡張してもらった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ありがとうございました〜!」
エフュールにスロットを拡張してもらった俺達はそれぞれの買い物を済ませ千紫万紅の樹海窟へ向けて夜のサードレマを歩いていた。
「……まさか、アクセサリースロットの拡張があんなんだとはな」
「……痛覚が再現されてたらトラウマもんだぞ」
お互いに拡張されたスロットを確認しながらそう呟く。
アクセサリースロットの拡張はなんとエフュールが持った太めの針で手をぶっ刺されると言うものだった。
しかも、それ自体に意味は無いエフュールのサービスだった。
「「…………」」
揃ってなんとも言えない気持ちになってくる。しかし
「まぁ、これで各々相棒からの贈り物を装備出来るんだ。良しとしようぜ」
「そうだな」
それはそれ、これはこれ。俺達はミュウラとエムルちゃんにそれぞれ見送られ兎御殿を出た。次に訪れる時は勝った後だ。
「行くか」
「だな」
色々な物を背負って俺達は千紫万紅の樹海窟へと走り出した。今俺達の胸に宿る熱はウェザエモンへの闘志、それがウェザエモンを焼き尽くすのか、俺達が焼き尽くされるのか、それはまだ解らない。
サードレマを出る際にAnimaliaと言うプレイヤーに見つかり全力で逃げる羽目になった事をここに記載しておく。
呪術廻戦最新話。やっと、やっと…!
最推しキャラの鹿紫雲が登場しました!!木村良平さんのかっこいい声でますます好きになる!!
戦闘シーンが楽しみて仕方ありません!!