戦闘狂が行く理想郷   作:烏鷺

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永劫に終止符を打て・其ノ陸

「舐めてんじゃねぇぞ!!」

 

雷鐘を回避しながらウェザエモンに接近しアーマーの隙間に突きを入れる。相変わらずダメージは無いが憂さ晴らしには丁度いい。

 

「サンドバックにさせてもらうぜ、ウェザエモン!!」

 

フットワークを駆使した近接での連撃。ヴォーパル・コロッセオでユウヒに教えてもらった技だ。

 

「大時化!」

 

「食らうか馬鹿が!」

 

俺に真っ直ぐ伸びてくる腕を下から蹴り上げ僅かに方向をずらす。ユウヒの言った通り物理エンジンが作用し大時化は俺の頭の横を通り過ぎた。

 

「オラっ!!」

 

大時化の発動で前に出てきたウェザエモンの脇腹に斬り込み攻撃する。攻撃の勢いそのままに背後をとった俺はその背中にスキルを使用した攻撃を放った。

 

「ドリルピアッサー!」

 

ダメージは入らないがウェザエモンの姿勢は更に前に倒れる。そこから更に攻撃へと繋げようとするがウェザエモンは身体を回転させ背後にいる俺に太刀を振るってきた。

 

モーションの大きい攻撃を俺は弾き走り出す。間合いは5m以内、情報と短い経験ではあるが断風が来てもすぐに反応できる間合いであった。

 

「断風!」

 

「見えてるぜ!!」

 

十分に反応出来る間合いで襲いかかってきた斬撃を躱し接近する。まだまだ、足りない。もっと斬ってやる。

 

そう思って接近する。しかし

 

「大時化」

 

ウェザエモンへと走る俺にウェザエモンも走り込み大時化を繰り出してきた。

 

(やべぇ!突っ込みすぎた!)

 

後悔と共にウェザエモンの手が頭へと迫り一回目の死を覚悟した。

 

「熱くなりすぎだ!」

 

俺の身体は蹴って押し出されウェザエモンの技は不発に終わった。

 

「ウゲッ」

 

突然の横からの蹴りに頭から倒れ変な声が出た。HPが減って半分になりつつも顔を上げればそこにはウェザエモンに応戦するユウヒがおり紙一重の回避で断風を無効化していた。

 

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「HP減ったけど助かった!」

 

サンラクとの戦いで断風からノータイムで大時化が来た瞬間に魔法とスキルを発動して走り出した俺はギリギリのタイミングでサンラクを蹴って助けることが出来た。

 

「熱くなりすぎだ!頭冷やせ!」

 

俺を1度殺したノータイムのスキル攻撃の発動を忘れていたように見える突撃にため息を吐きつつそう言い攻撃を捌く。

 

「わりぃ!ノータイム発動、完全に頭から抜けてた!」

 

「やっぱりか、此処からは俺が受け持つ!」

 

「わかった!」

 

その言葉を残しその場から引いたサンラクを確認して俺はウェザエモンと戦う。攻撃を躱しつつ此方からも攻撃を加える。

 

さっきのサンラクの戦いで2分31秒。俺のと合計して約7分。ペンシルゴンが言っていた10分までの3分を稼がなければならない。

 

「雷鐘!」

 

攻撃モーションに入っていた俺に容赦なくウェザエモンは雷を落としてくる。俺は「ディフェンシブフット」からの全力疾走で雷を躱していく。

 

5秒間を躱しきった俺はウェザエモンに接近してヘイトを此方に向けながら立ち回る。すると

 

「俺も入るぜ!」

 

HPを全快しスキルのリキャストタイムを消化したサンラクが戦闘に参加してきた。

 

「待ってたぜ!」

 

サンラクの参戦と同時にウェザエモンの左側に走りサンラクは右側に走る。ウェザエモンは左右を取った俺達に視線を向けるとまず俺へと走り込んできた。

 

「此方見ろや!」

 

その隙をサンラクが見逃すはずもなく背中に突きを加えるとウェザエモンは立ち止まり後ろにいるサンラクに太刀を振るう。

 

「次は此方だ!」

 

その隙を俺がついて攻撃しヘイトと思考を散乱させる。俺とサンラクは示し合わせて移動するとウェザエモンの前に出た。

 

「断風!」

 

俺達を仕留める為の断風が来るが左右にそれぞれステップして躱す。次の瞬間、サンラクは馬跳びの台のように背中を晒すと俺は片手をついて回転しながら背を飛び越え回転を利用してウェザエモンの頭に杖を叩き込んだ。

 

「ナイス!」

 

「ダメージは入ってねぇけどな」

 

一旦距離を取りつつそう言う。

 

「やっぱ長い間合い羨ましいな」

 

「杖は取り回し次第で自由に間合いを変えられるからな、慣れれば此方の方がいいぞ」

 

サンラクのセリフに笑って応えつつウェザエモンに攻撃を仕掛ける。振り下ろしをサンラクが弾きその隙を俺が突く。数的有利で攻め立てて反撃の隙を作らない。

 

「入道…雲ッ!!」

 

ウェザエモンは自身の周りで立ち回る俺達を払う様に巨腕を振るうが俺達はお互いに高機動アタッカー、その腕から逃れるのは容易だった。

 

「雷鐘!!」

 

「此処でノータイム!?」

「躱せ!!」

 

背後を取った俺達に放たれる雷に俺はそう叫び走り出す。サンラクも同様に走り出して回避していく。

 

「ペンシルゴン!!」

 

そして、俺は雷を避けつつそう叫んだ。そして、ペンシルゴンはウィンドウを確認すると

 

「2分だよ!!」

 

そう叫んだ。

 

「聞けー!サンラク!!」

 

そして、ペンシルゴンの応えに頷くとサンラクに叫ぶ。ヘイトが俺に集中する事になっても伝えなければならない事があった。

 

「何だ!?」

 

「スキル攻撃のリキャスト無視は2分のインターバルがある!頭入れとけ!!」

 

そして、離れた位置で叫んだサンラクにそう告げた。

 

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サンラクを蹴って助ける前、俺はペンシルゴンにあるお願いをしていた。

 

「ペンシルゴン、悪いがスキル攻撃のリキャストが無視されて連続で攻撃が来るまでの時間を測っていてくれないか?」

 

「時間を?」

 

「あぁ、あのリキャストタイム無視はカッツォの勘の通りだと俺も思う。じゃないとゲームとして成立しないからな…だから必ず一定の時間で連続攻撃をしてくるはずなんだ。だから頼む」

 

俺のセリフにペンシルゴンは頷くとタイマーをセットして動かした。それを確認した俺は熱くなりっているサンラクへと走り出し、魔法とスキルを発動させてサンラクを助けた。

 

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「連続攻撃までの時間を測るの、ペンシルゴンに頼んでたのか!」

 

「まぁな!それをどうにかしないと俺達不利だろうが!!」

 

「ありがたいぜ!!」

 

ウェザエモンの攻撃を捌きながらサンラクと話す。実際は激しく動き回っているので大声で叫び合っているだけだが意思疎通ができているから問題は無い。

 

ペンシルゴンのおかげで情報が増えた俺達はペースを上げて攻撃を仕掛ける。スタミナが心配になるがお互いにカバーしあってスタミナの管理が出来ていた。

 

「サンラク!」

 

「わかってる!残り1分切ってんだろ!?」

 

そして、考えるべき持つ一つの事に着いても疎通と管理が出来ていた。

 

あの連続攻撃が来たという事は10分経過させる目標がもう少しだと言う事だ。お互いに回避と攻撃をしながら立ち回る。

 

そして

 

「動きが……」

 

「止まった」

 

「流石だよ、2人とも蘇生1回で此処まで来た。…………10分だ」

 

狙っていた時間が訪れた。

 




前半の立ち回りは花御vs虎杖&東堂を意識して書きました。特に左右から挟み込んでの攻撃はそれっぽく書けたかなと思います。
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