個人的には最後の日車の「またな」が流石、杉田さんと思ってしまう程感情が籠っていて感動しました。
「1分経ったぞ!!」
「雷「殴雷撃!!」
「ナイス!ユウ!」
第2フェーズ終了まで残り2分。スキル同時出しの攻略方法を見つけた俺とサンラクは互いに時間を測りながらウェザエモンと戦っていた。
「さっきは計測ミスって斬り殺されたけど、今度はドンピシャだったな」
「応、また、1分経ったらアレが来る。ユウヒはMPを少しでも回復しろ。それまでは俺が受け持つ」
「了解」
2度目のスキル同時出しを完璧に阻害した俺達はウェザエモンから距離を取ってそう話す。俺の応えを聞いたサンラクは走り出しウェザエモンに接近していく。
俺はインベントリからマギ・ポーションを1本取り出して飲み込みMPを全快させた。そして、ウェザエモンのあの攻撃スキル同時発動についてわかったことを頭の中で整理する。
(現状、あのスキル同時出しは『雷鐘+何か』でしか来てない。主なパターンは『雷鐘+入道雲』。恐らく、相手をしている俺とサンラクが高機動のアタッカーだからだろう。俺達の動きをある程度阻害しつつ確実に殺せる組み合わせで来てるんだ……。『雷鐘+断風』は自分を巻き込みつつの発動であれ以来使っていない。AIがその組み合わせよりも『雷鐘+入道雲』の方が良いと判断しているのか?それに、相手が俺達じゃ無かったら全く別の組み合わせになるのか?幸いな事にサンラクのファインプレーで雷鐘の発動を阻害出来ればあの攻撃を止められると分かった。雷鐘はモーションがわかりやすいから近接で張り付いていれば防げる。後は、防ぐのにどの位の力が必要になるかだが…)
「コレばっかりは最低値を求めても仕方がねぇ…全力でぶん殴って止める」
そう、あれこれ考えてたがそれしか方法がない。最低値を求めて加減した結果、失敗が1番最悪のパターンだ。
俺は殴雷撃の使用で解除されてしまった纏雷を再び纏いサンラクに加勢する為に走り出した。どんどんウェザエモンとサンラクに近づいていき、その戦いに割って入る。
「待たせた!」
「待ってたぜ!一瞬頼む!」
俺の参戦にサンラクはそう言うと僅かに下がりウィンドウを開いた。恐らく、ウェザエモンの攻撃が来るまでの時間を確認しているのだろう。
「大時化!」
俺はウェザエモンの攻撃を躱し殴りを繰り返しながら迫ってきた左手を躱す。そして、戦甲角杖で頭を横殴りしてその勢いを使って半歩だけ距離を取ると戦甲角杖の先端をウェザエモンの喉元に向けて突きを放った。
「ふッ!」
四角錐がウェザエモンのアーマーの隙間に吸い込まれるように入り込み穿つ。しかし、ウェザエモンは少しよろけた程度で全くのノーダメージだった。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!クソッ!!マジで硬ぇなロボ武者!!どうやったら殴り合いで倒せる様になんだよ!!??」
さんざっぱら見させられてきた光景にいい加減腹が立ってきた。最初に聞かされていた事でもあったがここまで何も無いと流石にキレる。
「我慢しろ!それと後、20秒で来るぞ!」
そんな俺にサンラクがウェザエモンの背後かは切り込みつつそう言ってきた。
「わかってるよ!声に出しただけだって!!」
サンラクにそう応えつつ俺も接近して戦う。そして
「雷「ハンド・オブ・フォーチュン!」
20秒が経過し瞬間に来た雷鐘をサンラクがその腕を殴りつけて阻害し俺達は第2フェーズ終了までの1分間の戦いに挑む事となった。
だが
「『セカンドシフト……オーバードライブ…』」
「雷鐘…
「「は?」」
ウェザエモンは身体から雷鐘と衝撃波を放ち俺達を殺してきた。
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「雷鐘…雷響!!」
第2フェーズ終了まで残り1分。それが確定してより一層気を引き締めた私は今日何度目かも分からない嫌な光景を見た。
「ふざけないでよ!!」
サンラク君に攻撃を邪魔された直後、僅かに動きを停めたウェザエモンのセリフと共に放たれた雷撃に私はそう叫んで再誕の涙珠を2つ投げつけた。
衝撃波が組み合わさった
(此処まで来たのに、此処で新技!?)
何処までふざけているのかと、叫び散らかしたいが絶対にやらない。私だけはやっては行けない。
そう思って喉まで上がってきていた叫び声を飲み込む。
「2人とも大丈夫!?」
蘇生した2人の傍によってそう言う。2人は声を揃えて「助かった」と応えると私に目もくれずにウェザエモンへ向かっていった。
わかっている。それ程までに今の状況は悪い。なんせ、最強種を相手にしながら次々と出される技に思考を巡らせなければならないのだから。
完全攻略と思われた瞬間に出される新技は最強種が相手では致命的なモノだ。並のプレイヤーなら1回目の連続攻撃の時点で心が折れる。
ユウヒ君とサンラク君だからこそまだ戦えているんだ。
「対価の天秤の残りのポイントは250ポイント。そこから更に100ポイント!ユウヒ君とサンラク君に!!ウェザエモン…どれだけ面倒なのよアンタ!!」
叫びながら天秤を操作する。ユウヒ君にはスタミナをサンラク君は更に幸運のステータスを上昇させる。
(私の分は少しでも良い…!だから、残りを皆に!!)
そう思い私は祈るように僅かな時間目を閉じた。
そして
「「ペンシルゴン!!」」
ユウヒ君とサンラク君の声に反応して目を開けた時
私の目の前にはウェザエモンがいた
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「「助かった!」」
此処に来て繰り出された新技に殺られた俺達はペンシルゴンに助けられて復活した。そして、ウェザエモンを見つめて同時に走る。
纏雷のバフでサンラクより早く辿り着いた俺が戦甲角杖を振るいウェザエモンを攻撃する。何時ものようにウェザエモンはそれを受けるがその瞬間にサンラクも到着しその身体に一閃、斬撃を入れに行った。
しかし
「マジか」
ウェザエモンは今まで見せて来なかった素早くコンパクトな動きでサンラクの攻撃を躱したのだ。
サンラクは目を見開いたが俺は言葉が漏れてしまった。何故なら、その動きは俺が最初に断風を躱した時と同じ『全くの無駄のない動き』だったからだ。
(モンスターの動きじゃない…
それも、熟練の達人の動き。その事実に驚きつつも俺は口を歪める。
「アンタ…
モンスターとしての行動を止めたように見えたウェザエモンに喜んだのだ。
そして次の瞬間、俺達の身体をエネルギーが包んだ。それは、先に体験したステータス上昇のエネルギー。つまり、ペンシルゴンがまた天秤を使ってくれたのだ。
ただし、今、どのステータスが上昇したのかを確認している暇はない。俺とサンラクは動きが変わったウェザエモンに躊躇うことなく攻撃を仕掛けた。
だか、ウェザエモンはそんな俺達を無視して真っ直ぐ走り出した。
その先にいるのは
「ペンシルゴン!!」
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