戦闘狂が行く理想郷   作:烏鷺

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永劫に終止符を打て・其ノ拾弐

時は戻り現在、サンラクは今にも出てきそうな笑い声を必死に抑えて目の前の光景を写真に収めた。

 

「おい待て、サンラク!その写真どうするつもりだ!!」

 

「いや、後で色々使うだけだよ。一応、クラウドにも保存しておくから安心してくれ!!」

 

「やめろー!!」

 

写真を見てニヤニヤ笑うサンラクにカッツォの叫び声が届くが悲しい事にその声は心までは届かなかった。

 

サンラクは親指を立ててサムズアップして微笑みウェザエモンへ視線を戻した。

 

「こんな時に何やってるの君達は!?」

 

「それはカッツォに言ってやってくれ、この緊張感とは180°真逆な事をしているのは彼奴だけだ」

 

ウェザエモンを前に巫山戯るサンラクとカッツォにペンシルゴンがそう言うがサンラクは平然とそう言ってのける。だが、さっきまでの態度とは違い、その目は真剣そのものだ。

 

「おい…あの馬鹿はこの状況で何してんだ?」

 

「あぁ〜気にするな。それよりも…ウェザエモンが何かやりそうだぜ」

 

ウェザエモンの後方から追いついたユウヒもカッツォの現状に呆れた様子を見せるがサンラクのセリフに従って視線をウェザエモンへと向けた。

 

「鎧にヒビが…」

 

そして、見た。あの頑強なアーマーにヒビが入っていくのを

 

「カッツォ君が何してるのかは気になるけど……2人とも気をつけてね。まだ、メンバーがマシだった頃の阿修羅会でたった一度のだけ、この第3フェイズまで来た事がある。だけど、その時は『初手』で全滅…鎧に亀裂が入ったウェザエモンが放った咆哮と衝撃波で尽くを蹂躙された……会った瞬間にバフなんかでガチガチに防御してもダメだった。多分、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そして、ペンシルゴンのセリフに唾を飲み込んだ。

 

「それって"戦い''にならないって事じゃねぇか…笑えねぇな」

 

戦いにならなければ自分がいる意味がない。ユウヒはそう考えてそう言いペンシルゴンを見る。そして、彼女が何か策を隠している事をその顔を見て理解した。

 

「聞いてる限りお手上げだが…秘策ありって面だな」

 

そして、サンラクもペンシルゴンの顔を見るとそう言ってニヤリと笑う。

 

「コレがダメだったら自分で何とかして避けてね」

 

ペンシルゴンはサンラクの笑みに自身も笑みで返すとそう言いインベントリから瓶を取り出した。

 

「『シャンフロ』は世界観や設定が攻略の鍵になるんだ。私はずっとウェザエモンを『神代の技術で身体を機械化したサイボーグ』だと思ってた…けど、サンラク君が聞いたという『死に損ない』と言う単語で大体のウラが見えた」

 

そして、そう言うとその瓶をウェザエモンに向けて放り投げた。瓶は弧を描きウェザエモンへ落ちその中身をぶち撒ける。

 

次の瞬間

 

「オォォォォォオオォォォォォォォォォォォォォォオォォォォォォオォォォォォォォォォォォォォォォオォォォォォォォォォォォォッ!!」

 

中の液体を浴びたウェザエモンの咆哮が響き俺達の耳を貫いた。

 

「なんだ、攻撃か!?」

 

「いや、違う!HPを減ってねぇ!何をしたんだ!?ペンシルゴン!」

 

その叫びに顔を顰めながらも俺がそう尋ねると彼女は片耳を塞ぎながらも答えた。

 

「サンラク君の情報で見えた事…それはウェザエモンの『分類』!!奴を『死に損ない』と言うって事は奴はまだ生きていると言う事!つまり、ウェザエモンは『アンデッドモンスター』!!だからこその聖水!それも『慈愛の聖女イリステラ』が丹精込めて作った『聖女ちゃんの聖水』!!」

 

ペンシルゴンのセリフと共にウェザエモンの身体が叫び声を響かせヒビを広げていく。

 

「対アンデットポーションとしては最強クラス!」

 

そして、ウェザエモンは叫ぶのを止めるとその顔を左手で覆った。

 

「ビンゴ!全体攻撃をキャンセル出来た!!」

 

ウェザエモンの様子に第3フェイズ突入時の攻撃を回避できたと確信したペンシルゴンは喜ぶがウェザエモンは顔を上げると全身からオーラを迸らせて立ち上がった。

 

「おいおい…なんか威圧感増してねぇか?」

 

「『聖女ちゃんの聖水(意味深)』なんてかけるから怒っちゃったんじゃない?」

 

「ちょっと変な事言わないでよ。シャンフロのアイドルなんだからね聖女ちゃんは」

 

「いや、知らんわ」

 

ウェザエモンの姿にサンラクが変な事を言うがペンシルゴンは速攻で言い返して反撃した。まだ、シャンフロを始めて日が経って居ないサンラクはそう言ったがそんな事を言っている場合ではない。

 

「うわぁ!?」

 

ユウヒ達の後ろでカッツォの声が上がり振り向けばカッツォが足止めしていた騏驎が人型に変形していた。

 

「な、なんか、変形しちゃったんですけど……」

 

「ちょっと何アレ!?いい加減にしてよ!!」

 

四足歩行を二足歩行に変え腕までつけた巨人にカッツォはそう呟きペンシルゴンはキレ気味にそう言う。

 

「なんだ解らんがアレもウェザエモンと合体するなら阻止してもらわんとヤバいな」

 

「あぁ、流石に合体までされたら勝てん。確実に負ける」

 

ウェザエモンと戦い既にこう言う状況に慣れ始めているユウヒとサンラクは落ち着いた様子でそう言い視線を合わせて頷くと

 

「ペンシルゴン、お前はカッツォのサポートに回ってやってくれ」

 

「姿が変わってるって事は対処法も変わってるはずだ。人型だからカッツォを十分に活かしてやればぶっ壊せる可能性はある」

 

そう言ってペンシルゴンを見つめた。

 

「でも「大丈夫だ。信じろ」

 

ペンシルゴンはそう言う2人に声をかけようとしたがユウヒが言葉を被せて彼女のセリフを塞いだ。

 

「解ったよ…なら、コレは返しておくね。もう手助けは出来ないだろうから」

 

そう言ってユウヒとサンラクに再誕の涙珠を1つづつ渡すとその場を離れた。

 

「さてと…」

 

「行くか」

 

そして、二人はそう呟き武器を構える。

 

「「ぶっ壊してやるよ!墓守のウェザエモン!!」」

 

そして、その叫びと共に最後の戦いが始まった。

 

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2人に背を向けて走る。向かうのはカッツォ君の元、不思議と心配はない。きっと、彼が「信じろ」と言ってくれたからだ。

 

「うん…信じるよ、ユウヒ君。私の予想を超え続けてくれた君を、そして、サンラク君を信じる」

 

そう呟いて私はカッツォ君の元まで辿り着いた。

 

「お待たせ」

 

「あれ、2人は?」

 

私の登場にカッツォがそう言ってきたが2人に言われた事をそのまま言うとカッツォ君は一瞬嫌そうな顔をした。

 

「まぁ、良いや。この伽藍堂を倒すにはウェザエモンと同じく2人の方が良い。協力して地面に張り倒そうか!」

 

しかし、直ぐに表情を変えると拳を構えてそう言った。

 

「そうだね。私もウェザエモン達には散々やられてるんだ…。此処で憂さ晴らしさせてもらうよ!」

 

そして、私も魔槍を構えてそう言う。今、私達もユウヒ君とサンラク君達と同じように最後の戦いを始めようとしていた。

 

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