「硬そうなのが来たな!」
「作業用ゴーレムじゃな」
「どうでもいい!ぶっ壊せばただの鉄の塊だ!」
上から降ってきたゴーレムに俺とサンラクが武器を取って接近する。ビィラックも武器であるハンマーを握るが俺やサンラクと違い重装備だからか突っ込んで行くことはなかった。
「ウェザエモンとは違う完璧な機械…試したい事があったんだ!」
湖沼の翠杖を持つ俺はサンラクよりも早く接近し杖を振り上げた。
しかし
「避けろ、ユウヒ!!」
後ろからサンラクの声が聞こえた。
「は?」
声に反射して振り向くとそこには鋒を光らせたアラミースがおり
「危ねぇ!」
発射された光線は身体を反らせて躱した俺の顔の上を通過して作業用ゴーレムを破壊した。
「私がいる限り乙女の道を阻むことはできない!」
「何をやっとるんじゃおどりゃ!」
アラミースの攻撃で破壊されたゴーレムはポリゴンを散らす事なく塵と変わりゴーレムを破壊した当の本人はビィラックに頭をぶん殴られている。
「たかが作業用ゴーレム相手に
「マジか…」
「対竜規模って…」
「大丈夫ですか?ユウヒさん」
ビィラックのセリフと光線の通り道に何も無くなった現状に俺とサンラクは唖然とする。心配してくれるミュウラには「躱したから平気だ」と返して俺とサンラクは光線で削り取られて何も無くなった地面に顔を引き攣らせた。
「ドロップアイテムすら落ちてないぞ」
「今の技で消し飛んだんじゃねぇの?」
「ゲームでドロップアイテム事消えることってあんのな…」
「『剣聖』恐るべし、だな」
「まぁ、その剣聖は鍛冶師にボコボコにされてるけどな…」
2人でビィラックにタコ殴りにされているアラミースに苦笑いを浮かべる。そして、サンラクと話していた俺はふと、サンラクの足元に玉が転がってきている事に気がついた。
「それボールか?」
玉を指してそう言うとサンラクも気がついたらしく足元から玉を拾おうと手を伸ばした。
すると
ガシャ
「へ?」
玉は形を変えてサンラクの手にしがみついた。そして、光り出す。
「コイツッ!」
「腕上げろ!」
光出した瞬間に何が起こるか理解した俺達は行動に出た。サンラクは俺の声に反応して腕を高く上げ、俺は玉を野球の要領で高く打ち上げた。
ホームランよろしく玉は空高く飛んで行く。そして
爆発した。
「何なんだ今のは!?」
「アレがワチが言おうとしとった"厄介な奴"じゃ!この土地で生まれた
騒ぎに反応し駆け寄ってきたビィラックが腕に残った部品を外しながら話すサンラクにそう応える。
「奴らは何をしてくるかわからん!気を張っちょれ!」
ビィラックのセリフに頷き武器を構える。
「ユウヒさん!」
「サンラクさん!」
しかし、呑気に話していたからなのだろう。ミュウラとエムルちゃんが声をかけてきた時には俺達は既に
「おいおい…」
「確かにこりゃあ厄介だ…」
玉ゴーレムに囲まれていた。
「走れ!」
囲んでいる玉ゴーレムが光出した瞬間に俺は近くにいたビィラックを掴んで走り出した。
俺のセリフに反射したサンラクも俺と同じように近くにいたアラミースを掴んで走り出す。
お互いにスピードが武器のプレイヤー。爆発には巻き込まれなかったが一回目の爆発に呼応して連続爆発が始まった。
「おぉ!?いきなりかよ!!」
始まった攻撃にサンラクが叫ぶ中、俺は立ち込める煙の奥にデカイ影があるのを見つけた。
「奴か!」
煙を払い進むと玉ゴーレムよりも巨大な身体の中心に穴の空いたゴーレムがいた。
「見た目モン〇ターボールかよ!?」
「何言ってるんですかっ?」
「何言っとるんじゃ!」
見たまんまにそう言った俺だが肩に乗るミュウラと掴んだビィラックに突っ込まれてしまった。二兎には「なんでもねぇよ」と返して手に持っていたビィラックを肩に乗せる。
「あのデカイの次々玉ゴーレムを出しとるようじゃの」
「みたいだな」
「どうするんですか?」
両肩に感じる重さに違和感があるが俺はミュウラのセリフに悩む。玉ゴーレムは出てから爆発までラグがある。接近するのは容易だが、接近した所で強襲される可能性がある。
「発射の瞬間を抑えられれば良いんだけどな…」
既に玉ゴーレムが密集した地で爆破と玉ゴーレムを躱しながら徐々に近づいていく。奥ではサンラクがエムルちゃんとアラミースと協力して玉ゴーレムを排除していた。
そして、俺はある事に気が付いた。
「サンラクに玉ゴーレムが集まってる?」
デカイゴーレムから生み出された玉ゴーレムがサンラク達の方に大量に転がって言っているのだ。
「確かに偏っとるの」
「確かにそうですね」
肩に乗るビィラックとミュウラもその光景に呟く。
(遠距離攻撃を持つアラミースとエムルちゃんを狙ってるのか?先に排除したい理由はなんだ?考えられるのは…)
「試す価値ありだな!」
現状から考えてゴーレムがサンラク達を狙う理由に当たりをつけた俺はミュウラに指示を出す。
「ミュウラっ、何処か適当なゴーレムとサンラク達を入れ替えろ!玉ゴーレムが集まり過ぎてて身動きが取れなくなってる!」
「ですが入れ替えが出来るのはサンラクさん達だけです!エムルねぇさまやアラミースさまはどうするのですか?」
「連続で手を叩いて逃がせ!」
「っはい!」
指示にミュウラが頷いたのを確認し俺は次にサンラクに声をかけた。
「サンラク!3秒後に短剣をデカイのに向かって投げろ!」
「はぁ!?」
突然の事にサンラクは訳が分からんと声を上げるが無視だ。
パンッ、パンッ、パンッ!
連続でミュウラの拍手が鳴りサンラク、エムルちゃん、アラミースの位置が適当な位置の玉ゴーレムと入れ替わった。
「なんだか分からねぇが……行けっ!」
そして、突然の位置替えにサンラクは混乱していたが指示通りデカイゴーレムに向かって短剣を投擲した。
しかし、デカイゴーレムは見た目に反する速さで上に飛び投擲を回避してしまう。
「悪い!」
「いいや、ナイスだ!」
投擲を回避された事にサンラクが謝るが奴が飛んだ瞬間に走り出していた俺は笑ってそう応えた。
そして、ジャンプして近くの建造物の残骸に留まったデカイ玉ゴーレムは上から近づいてきた俺に玉ゴーレムを落として来た。
「やっぱりな近づけば俺に玉ゴーレムを落とすと思ったぜ!」
そして、俺はゴーレムの行動にそう言うと奴が落として来た玉ゴーレムのひとつを杖で真っ直ぐ打ち返した。
「遠距離攻撃持ちを積極的に狙い投擲を躱した…。見た目に反して防御が脆いんだろ?玉の打ち返しは野球で何度もやってるんだ。…自分が生み出したゴーレムの爆発………自分で味わいな」
俺の打ち返した玉ゴーレムは狙い通りデカイ玉ゴーレムの身体に空いた穴に吸い込まれるように収まり次の瞬間、その中で爆発した。
爆煙が広がり上から半壊したデカイ玉ゴーレムが落ちてくる。
「後は任せい!」
それを見たビィラックは俺の肩から跳んで行き。
「『マテリアルデストロイ』!」
手に持っていたハンマーを振るい再びゴーレムを上に打ち上げた。
「上へ下へと忙しいやつだな!」
上へと飛んで行くゴーレムにそう言い残し俺はゴーレムの行く末を眺める。すると、ゴーレムは身体を光らせ始めた。
「あ、ヤバいっ」
その光景に何が起きるか察した俺は転進した。サンラクも何が起こるか察したのか走っている。
そして、打ち上げられたゴーレムは予想通り
大爆発して散っていった。
「とんでもねぇ爆発…」
「本体も自爆系だったか…」
「間一髪じゃな」
「危なかったですね」
「無事で何よりだ乙女よ」
「ビックリしましたわ…」
爆発の煙がまだ残る中、俺達は吹き飛ばされた地面や1番被害の大きい残されていた残骸を見ながら各々そう呟いた。
すると
「なんだ?」
「何か落ちて…?」
俺達の元に何かが落ちてきた。アイコンが着いているソレを俺とサンラクは難無くキャッチして確認する。
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爆土の偶像×2
自然発生するゴーレムが稀に生み出す小規模な己の分け身。キャノンボールゴーレムの生み出した偶像は、強い衝撃を受ける事で爆発を起こす。
爆土の偶像の踊りが最高潮に達した時、土の中より炎が生じる。
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自然発生するゴーレムの体内に循環するエネルギー。キャノンボールゴーレムの体内に駆け巡るエネルギーは可燃性が高く、空にに触れるだけで大規模な爆発を起こす。
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「「…………」」
デカイ玉ゴーレム、キャノンボールゴーレムと言うらしいゴーレムを倒した事で手に入れたドロップアイテム。だが、その説明を読んだ俺とサンラクは閉口してしまった。
ハニワモドキは手榴弾みたいなものだし、液体はニトログリセリンみたいなもんだ。危険すぎる。
「「インベントリアに封印だ」」
俺とサンラクは声を揃えてアイテムをインベントリアに収納した。その態度にミュウラ達が首を傾げているが危ないものは触れないのに限る。
「さて、先を急ぐぞ」
「だな、早く魔力運用ユニットをゲットしないとな」
俺達は訝しむミュウラ達にそう声をかけて先を進んだ。