戦闘狂が行く理想郷   作:烏鷺

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ゴーレムパラダイス〜蛇型ゴーレムの倒し方〜

「来るぞ!」

 

「任せろ!」

 

「準備万端じゃ!」

 

去栄の残骸遺道を進む俺達は次々現れるゴーレムを倒しながら進んでいた。多種多様な型のゴーレムが出てくるこのエリアで3回目の亀の様な形のゴーレムとの戦闘である(ちなみに今回は背中に3枚の丸鋸(まるのこ)がある)。

 

後ろ足からバーナーを点火して突っ込んでくるゴーレムのヘイトを引き受けていた俺は大剣を構えるサンラクとハンマーを構えるビィラックに向かって走っていた。

 

ほぼ横並びで待つ1人と1羽に近づきタイミングを見て上に飛ぶ、目の前から対象が急にいなくなり緊急停止で動きが鈍るゴーレムにサンラクは大剣での突きを放つ。

 

鋒は2枚の丸鋸の間に入り装甲に突き刺さり

 

「今だビィラック!!」

 

「任せい!」

 

ゴーレムの身体に剣を突き刺さった剣に今度はビィラックが掛けてハンマーを振るった。

 

遠心力とハンマーの重さ、ビィラックの腕力で奥へと押し込まれた剣はゴーレムの身体を貫き爆発させた。

 

「にしてもすげぇなその剣、あんな馬鹿みたいな使い方してんのに全然壊れねぇ」

 

「まぁ、レアエネミーの武器だからな。早々に壊れる武器じゃねぇのよ」

 

「ワチが直したけぇ、当然じゃな!」

 

ゴーレムの爆発に巻き込まれてもビクともしていない剣を見ながらサンラクにそう言うとビィラックが胸を張ってそう言った。

 

「斬首剣か…人工パイルバンカーとして使える武器俺も作ってもらおうかな…」

 

今のゴーレムの様に接近が難しい的にはこう言う戦い方が非常に有効になる。俺の持つ杖は「突き刺す」と言う行為にあまり向いていない。

 

戦甲角杖は向いているがあれは先端の貫通力と武器の耐久値が高すぎて殴る方が基本持たないらしい(造り手であるビィラック情報)。

 

「ワリャが大量に持っちょる水晶群蠍の素材を使えば作れるぞ。ラビッツに帰ったら作っちゃるけぇ」

 

「そりゃ楽しみだ。よろしく」

 

「応!」

 

俺の呟きに肩に飛び乗ってきたビィラックがそう言い俺達はグータッチを交わす。そして、後ろで待機していたミュウラ、エムルちゃん、アラミースと合流して歩き出した。

 

「俺、サンラク、ビィラックの布陣はフルアタッカーでもタイプが違うからかなり動きやすいな」

 

「だな、それぞれの組んだ時の動きもだいたい確認出来たし次は全員参加でやってみるか?」

 

「だな」

 

そう、俺達が態々ミュウラ達を控えさせて戦っていたかと言うとそれぞれの戦い方の確認と布陣の確認のためである。

 

先の戦闘で基本全て終了し残りは全員での戦いのみとなった。

 

「ってか気になってたけどゴーレム達って俺らよりレベル高いのかな?呪いがあるのに全然逃げねぇよな」

 

歩きながら次のゴーレムの登場を待っているとサンラクがそんな事を言ってきた。

 

「確かにな…でも、エネミーとして出てきてても"機械"だからな。モンスターじゃないんじゃねぇの?機械に呪いもクソもないだろ」

 

サンラクのセリフに頷きながらも俺は考えて見た事を言ってみる。サンラクは「それもそうかもな…」と応えて頷いていた。

 

(あれは何か引っかかってる時の反応だな)

 

何処か納得していない様な声色を見せるサンラクにそう思いつつ俺は少しやりたい事があった事を思い出した。

 

「そうだ、次のゴーレムが出てきたらちょっとやりたい事があんだけど付き合ってもらっていいか?」

 

出てくるゴーレムがみんなこの布陣だと弱すぎて話にならなかったので試せなかったが全員参加なら余裕があるので試せると踏んだ。

 

「何する気だ?」

 

「まぁ、出てきたら説明するから」

 

俺のセリフにサンラクが訝しげな視線を向けてくるが俺はそう言って流す。

 

すると

 

「来ます!」

 

「実験台の登場だな…」

 

地面に積まれた瓦礫の山の影から蛇型のゴーレムが姿を現した。

 

耳を立てて音を聞いていたミュウラのセリフに反応して俺達は予め決めていた布陣をとる。

 

布陣は俺とサンラクが前衛、ビィラックとアラミースが中衛、ミュウラとエムルちゃんが後衛(2人に何かあればアラミースが下がる)。

 

「んで?何を試すんだ?」

 

「まずはゴーレムの装甲を破壊してくれ!」

出てきたゴーレムを見ながらサンラクにそう応えた俺は実験の為にサンラクと共にゴーレムに向かっていった。

 

シャアァァァっ!

 

突っ込んだ俺達にヘビ型のゴーレムは身体を伸ばして飛び込んでくる。俺とサンラクは左右に跳んで躱し、着地の瞬間に踏み込んで接近した。

 

「破壊するのは適当でいいかっ?」

 

「あぁ、中が見えてれば何処でも良い!兎に角、装甲を破壊してくれ!」

 

「任せろ!」

 

左右から接近して互いに攻撃を加えつつサンラクにそう応える。ゴーレムは身体を伸ばしたり縮めたりしながら攻撃を躱している。

 

しかし、俺とサンラク相手では躱す事しか叶わないのか攻撃が全然出来ていない。唯一、噛みつき攻撃が機能していると言えるがそれも俺達には無意味だ。

 

そして、俺は頃合を見て武器を湖沼の翠杖から戦甲角杖に変更すると、サンラクが破壊してくれた装甲の隙間目掛けてその先端を突き立てた。

 

「おらっ!」

 

そして、てこの原理で装甲を剥がす。すると、予想通り中には機械らしい構造が見て取れた。配線やらゴーレムを複雑に動かすためのジョイント部分が見える。

 

「ミュウラは抵抗力が高かったから大丈夫だったがお前はどうだ?」

 

そして、俺はゴーレムに跨るとこじ開けた内部に片手を添えると纏雷を発動した。

 

その瞬間、バヂッと言う音と共にゴーレムの配線に閃光が走った。

 

「狙い通りか?」

 

纏雷は触れた相手を麻痺状態にする。殴り合い等の接触で相手の動きを阻害し逆に此方は上がったスピードで相手を追い詰める。そして、ゴーレム達を見て思った。

 

『機械相手に使ったら電流でバグらせられるんじゃね?』

 

生き物としてのエネミーではなく機械としてのエネミー。リュカオーンの呪いが効かず練り上げられた世界観が土台にあるこの「シャングリラ・フロンティア」なら、外部からの電流でゴーレムをショートさせられるのではないかと考えたのだ。

 

そして

 

「やっぱりか!」

 

閃光と共に動きを停めたゴーレムに俺はそう呟いて乗っていた背中から降りた。

 

「試したい事ってコレかよ。同じ事考えてたのな」

 

動かなくなったゴーレムから降りた俺にサンラクがそう言ってくる。俺は「さっきの反応はそう言う事か」と納得しつつ「まぁな」と応える。

 

そして、頭の方に回り込んで戦甲角杖を振り上げると先端を頭に突き立てた。

 

「動きは停まっても勝利にはならないんだろ?」

 

ゴーレムはセリフに合わせる様に爆発しその場にドロップアイテムを残した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

顎蛇の偶像(がくじゃのぐうぞう)

 

蛇型のモンスターの気を強く引きつける。

 

特に大型の蛇型モンスターは良く惹き付けられる。地面に設置すれば餌と誤認させることが出来る。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「罠張り放題じゃねぇか」

 

拾い上げたドロップアイテムの説明にそう呟き俺は顎蛇の偶像をインベントリアにしまい込んだ。

 

「実験終了だな!これで電撃を流せばゴーレムは動きを停められる事がわかった」

 

「ほぉ、ゴーレムにこの様な対処法が…」

 

「流石ですユウヒさん!」

 

「流石ですわ」

 

「中々やるけぇ、流石じゃな」

 

俺は後ろで見ていたミュウラ達にそう言う。各々、感心した様な反応を示してくれるので試した甲斐があったと思う事が出来た。

 

サンラクともハイタッチを交わして俺達は再び歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、俺達は、と言うかサンラクは気づいていなかった。そして、忘れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なーんか楽しそうにやってるねぇ」

 

「私らのメールをガン無視して、平穏でいられると思ってるのかねぇ」

 

自分が外道2人のメールを無視していた事に

 

そして、それをユウヒに言っていなかった事に

 

「ユウヒが居るみたいだけどどうする?」

 

「事情が分かれば反撃はされないでしょ」

 

そして、外道2人が自分達の後ろにいる事に気がついていなかった。

 

「それじゃあ、あの鳥頭…キルと行こうかぁ」

 

「いいねぇ……ッ!!」

 

100話記念の番外何が良い?

  • 未来の陽務家の話し(弟)
  • 過去の陽務家の話し(家族旅行)
  • 過去の陽務家の話し(兄弟喧嘩)
  • R-18開拓
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