4本の腕、最低限のアーマーに細身の身体。見るからに「高機動型」と言った容貌のゴーレムに俺とサンラク、カッツォは突っ込んだ。
俺達の視線の先にはゴーレムとあと1つ、扉が写っている。セキュリティが反応し扉の前に出てきたゴーレム、どう考えても"あの扉の先に何かがある"。
俺は纏雷を発動し上昇した
「しッ」
横薙ぎに振るわれた戦甲角杖はゴーレムの頭へと迫る。しかし、ゴーレムは左手を僅かに動かすと自身との間にシールドを展開した。
戦甲角杖とシールドがぶつかり合い甲高い音が鳴る。俺は防がれた瞬間に返し技を繰り出し右足を狙って杖を振るった。
「マジかっ」
しかし、ゴーレムは足首からバーナーを点火すると避ける動作から回し蹴りを放ってきた。ゴーレムがそんな動きをするとは思っていなかったが、杖で蹴りを受けるとタイミング良くサンラクとカッツォが到着した。
「ナイスヘイト!」
「体勢も崩れてるじゃん!」
サンラクは上、カッツォは斜め下方向からそれぞれ攻撃を仕掛ける。しかし、ゴーレムはそれを右腕と背中の腕から展開したシールドで受け止めた。
「良いシールド持ってるねぇ!」
攻撃とシールドのぶつかり合いで火花が散る中、カッツォはそう言って笑う。俺は杖で右足を払うと直ぐに攻撃に転じた。そして、それに合わせてサンラクとカッツォも攻撃を仕掛けていく。
しかし、ゴーレムのシールドは予想以上に硬かった。4本腕である事の利点を活かした防御に胸からもシールドを展開してくる。背中はそもそも腕のシールドでカバーが効く為避けたりもしない。その上、シールドのサイズはある程度調整が出来るようだ。
だが
「弱点はあるよなぁ!」
俺はあえて攻撃の間合いをずらし展開されたシールドの"端"を杖で殴った。すると
「おっ」
「なるほどね」
シールドはかけて歪な形をなった。それを見たサンラクとカッツォは笑い俺と同じシールドの端にそれぞれ攻撃を加えていく。攻撃を加えられたシールドはどんどん崩れていき各部位残り半分程になった。
「やっぱりな、シールドのサイズが変更可能な分、中央付近は固くても端は弱い。まぁ、当然っちゃ当然だが俺らの前じゃ致命的だぜ、それ」
ボロボロになったシールドに笑いながらそう言うとそのセリフを青ランプとして俺、サンラク、カッツォの3人での連撃が始まった。
どんどんシールドが削れて行き小さくなっていく。しかし、『門番』のゴーレム。これで終わるはずがない。
奴はシールドを消して俺達の攻撃を一瞬だけ自身の身体で受けると"シールドを剣の形状に変化"させて攻撃してきた。
「クハッ四刀流てか?」
防御型から攻撃型への変更。剣になったシールドを構えるゴーレムに俺達も各々武器を構える。そして、一斉に走り出すと武器を振るいぶつけ合った。
「なんかさっきより固くなってねぇか!?」
「単純に広げてたシールドを剣の形に圧縮してるんだから硬いだろうよ!」
「さっきみたいな破壊はダメそうだね!」
削る所か欠けすらしない剣型のシールドに俺達はそう言うが気づいている事があった。
(胸に展開されていたシールドが消えてやがるな…)
そう、俺達の連撃の際はちゃんと展開さてれいた胸部のシールドが今は展開されていないのだ。考えられる理由は2つ。
1つ、攻撃型に切り替わると使えないシステム
。
2つ、胸部のシールドのエネルギーも剣にしている。
(多分後者なんだろうな…)
「良い攻撃性能だ、悪くない」
俺の考えが正しいとしてそうなって来るとやる事は1つだ。俺はゴーレムの突きを杖で受けると身体を反転させつつ下からゴーレムの右腕を支える様に肩に乗せるとゴーレムの腕に上から杖を通した。
バキッ
そして、杖を掴むとそのまま下方向へ降ろしゴーレムの腕をへし折った。
「が、良くもない」
俺はへし折ったゴーレムの腕を掴み投げつける。ゴーレムは自身の腕が折られた事にパニックになった様子もなく投げつけた腕を左で払うと
「ガラ空きだ」
狙い通り胸部がガラ空きになった。
考えた事は単純だ。もしゴーレムが剣の強度増加の為に胸部に展開していたシールドのエネルギーを各腕のシールドに回しているなら何処かの腕を破壊すればその分のエネルギーは行き場を失い咄嗟に別の腕へと回されるのではないか、そう言うシステムなのではないか
そして、その考えは正しかった。今、この瞬間にも胸部にシールドが展開させる事はなく左腕の大きくなった剣での攻撃をしようとしている。だが、空いた胸部は致命的だった。
「死ね」
俺は笑い杖を振るう。
「殴雷撃」
それと同時に残りの全ての魔力を消費し魔法を発動がする。纏雷が消えると同時に杖に雷が集まり
轟音と共にゴーレムは扉へと殴り飛ばされた。
「…………相変わらず馬鹿げた威力だな」
「ゴーレムが可哀想だよ………」
飛ばされたゴーレムにサンラクとカッツォは同情した様にそう言うが、結局は倒すのだ、関係ないだろう。
「さっさとトドメ刺すぞ」
俺は2人にそう言って歩き出しゴーレムに近ずく。
その時だった
歩く俺の影とは別の小さい影が射した。
「っ!」
すぐまさその場から跳びずさる。すると、俺がいた場所には穴が空き、俺の視線の先にはへし折った右が赤い光を灯して浮遊していた。
「ビームかよ…」
その光景にそう呟き笑う。まさか、壊された腕に攻撃が出来るとは思っていなかった。
「来るぞ!」
すると、突然サンラクがそう叫んだ。後ろを振り向けば殴り飛ばしたゴーレムが三本の腕、その掌の中心を光らせている。
「クハッ」
次に何が起こるか簡単に想像できる展開に笑いそれと同時にゴーレムによるビームの乱射が始まった。
「スゲェ!ぶっ壊した右腕も撃ってきてるぞ!」
「厄介以外の何物でもないでしょ!!」
「楽しんでんのはお前くらいだよ!」
乱射されるビームを躱しつつサンラク、カッツォとそう言い合う。そこそこ狭い場所で乱射されているので逃げ場がない。しかし
「3人とも上に!」
「跳んでくださいですわ!!」
俺達は3人で来たわけではない。
「従剣劇『独奏』・【至高の一閃】!!」
「マジックエッジ!!」
アラミースとミュウラの声に反応し跳び上がった俺達の下を通過して2人の攻撃がゴーレムに届く。
「ミュウラ!」
そして、2人の攻撃により煙が舞う中で俺はミュウラを呼ぶとインベントリアから水晶巣崖の水晶を取り出すとミュウラ達の方へと投げた。
「!、任せて下さい!!」
俺の行動で自身が何をすれば良いのか解ったのかミュウラはそう言うと両手を叩いて水晶とゴーレムの位置を入れ替えた。
「「ナニソレ!?」」
それを見たサンラクとカッツォがそう叫ぶがフィニッシュは目の前だ。
「殺れ!ペンシルゴン、ビィラック!!」
俺はペンシルゴンにそう叫ぶと彼女達は笑い
「いいお膳立てだよ!ユウヒくん!」
「任せい!!」
「『乾坤一擲』!!」
「『タイタンブラスト』!!」
ゴーレムの胸に槍を突き刺しその槍をハンマーで殴りつけて貫通させた。
流石のゴーレムも胸に穴を空けられれば動けない。身体を爆散させて散っていった。
「シールド、そしてソレの形状変化にビーム…その他にも色々ギミックは会ったんだろうがこの面子が揃うとこうなるわな」
「運がなかったねぇ」
「ビームには驚いたけどな」
その様子を着地しつつ見ていた俺達はそう言いながらペンシルゴン達の方へと歩き出した。そして、彼女達と合流し
「ナイス、兎力パイルバンカー」
と言ってミュウラやエムルちゃん、ビィラック、アラミースとハイタッチした(ちなみにペンシルゴンはやりたがらなかった)。