いい匂いがしてきて目が覚めた、こんなにいい匂いを嗅いだのは何時振りだろうか。身体を起こそうとして何となくやめる
「まだ眠い…もう少し寝よっかな」
、、、そういえば今セナの家いるんだっけ
「全然実感湧かないなぁ」
ん?てことはセナが朝食を作ってくれている、、、ッテコト?!そうと分かれば早く行かなくては!とようやっと回り始めた頭で思考をし韋駄天のごとくリビングに向かう
2階から階段を下りてリビングに向かうと予想どうりセナが朝食を作ってくれている、のだが
(なんだあれ、天使か?スッゲーかわいいんというか滅茶苦茶絵になってるんだけど)
思いがけない光景に見惚れているとこちらに気付いたのかセナが振り返る
「おはようございます、今朝食を準備しているので少々お待ちください」
「了解」
と、言いつつテーブルには向かわずそのままキッチンに入っていく。近くに来て漸く気付いたのかセナが困惑の混じった目でこちらを見る。
「どうかしましたか」
「いや?特に何も?唯テーブルで待ってるよりセナのこと見てた方が得だしね」
「そうですか」
と言いつつ、セナの白く透き通る肌に朱が混じる。照れてるのかな?かわいい」
こちらをジトーっと見るセナの視線で口から漏れていたことに気付くが特にダメージもないのでむしろ嬉しい
「危ないので、席に座っていてください」
「あぁ、いやただ邪魔しに来た訳じゃないんだ。手伝おうと思って」
「手伝い、というか料理できるんですか?」
「人並みにはね」
セナの手元を見る限りスクランブルエッグを作って、あともう一品作っていた途中らしい。これは、、、魚?
「魚焼こうとしてたのか?」
「えぇ、今日は時間に余裕がありましたから」
「そっか、オーケー魚焼いたことなら何回もあるから。じゃあ張り切りますか!」
~十分後~
そこにはこの世のものとは思えない絶品魚料理!、、、ではなく冷や汗だらだらの男と冷ややかな目で見る少女の目とプスプスと音を上げるダークマターがあった。
(あれ!?なんでこんな真っ黒焦げなの!?ちゃんと焼いてたよな?)
「、、、料理できるんじゃなかったんですか?」
「その、筈だったんだけど」
実際こっち来る前にも魚釣り趣味だったし何回もやったことあるんだけど。
そんなことを考えていると徐にセナが魚に手を伸ばし口にする
「おいし、くは、さすがに無いですが、嬉しいですよ」
「嬉しい、、、?っていうか絶対不味かっだろ?あとで俺が処理しとく「いえ、私が貰います」あっ、ハイ」
「本当に無理すんなよ?」
「大丈夫ですから、テーブルに運びましょう」
その後、テーブルにはとてもおいしそうなスクランブルエッグとダークマターが並んでいたがすぐにどちらも綺麗になくなっていた。
食べ終わった後も落ち込んでいるとセナが声をかけてくる。
「そろそろ機嫌を直してください、それに時間があるとは言いましたが今日は行くところがあるので準備して下さい」
「行く場所?」
「ミレニアムですよ、検査に行きます」
「あぁ、そうだったな。さっさと行くか」
と言うことでミレニアムにゴー!
と言うことで電車を乗り継いで着きましたミレニアム
「んで?とりあえずどこ行くの?」
「少し時間が余っているのでそこら辺の店に入りましょうか」
「んじゃあ、あそこのお店にするか」
適当に選んだ店にはいると結構若者に人気と言う感じの雰囲気のお店だった。席に着くとバイトらしき店員が来て席に案内してくれる。
「メニューはこちらです。もう注文がお決まりでしたらお聞きいたしますが」
「えーと、特に決まっていないんですがおすすめとかあります?」
「そーですねー、せっかくならこの『カップル限定!期間限定フルーツパフェ』とかいいんじゃないでしょうか?」
、、、どうやらカップルと間違えられているらしい。まぁ、男がほとんどいないキヴォトスに於いては男女のペアはカップルと間違えられてもしょうがないなと思いいつつカップルじゃないことを伝える
「あのー、俺たちカップルじゃn「それを一つお願いします」」
店員さんがオーダーを伝えに行くのを横目に俺はセナに疑問を口にする
「セナ?俺たちカップルじゃないよ?」
「えぇ、ですが普通のパフェよりおいしそうでしたしそれに、、、いえ、なんでもありません」
「、、、そっか」
その後は何となく気まずかったのでパフェが来るまで無言だった。
「ご注文の『カップル限定!期間限定フルーツパフェ』です~!ごゆっくり~!」
パフェが来ると二人して目を見張る
(でかくね?)
自分の顔より遥かにデカイと思うほどの大きさのパフェが来た。向かいの彼女の様子を伺うと目を輝かせながら嬉しそうに見つめている。表情はポーカーフェイスのままだがなかなか面白い雰囲気を出している
「「いただきます」」
さてどうしよう、こんなに食える筈がない。セナに任せるか?
「セナ?俺そこまで食えそうにないんだけど」
「大丈夫です、このくらいだったら私一人でも。何なら他の人たちもこのくらいなら普通の量かと」
「マジかよ、キヴォトススゲー」
そんなことを考えていると、向かいに控えめにそれでいて物欲しそうに口を開けているセナを見つける。
「、、、なにしてんの?」
「いえ、''あーん''をして貰おうかと」
「何で?」
「、、、カップルじゃないとバレたらよくないかと思ったので」
「それは、まぁ、そうだが」
じゃあ、早くしろと言いたげにセナがこちらを見ている…ような気がする。意外と甘えたなのか?
「あ、あ~ん」
「ん、おいしいですね」
「、、、さいで」
何やかんやで食べ進めていき食い終わり会計を済ませた
「お金よかったんですか?」
「ん?あー大丈夫だ。お金なら死ぬほどある」
そう、なぜかお金がこっちの世界に持ち込めていた。クレジットと言う形にはなっていたがかなりの額稼いでいたのでお金に困ることはないだろう。
「それにセナの可愛い顔見せて貰ったし」
「、、、」
痛いってぽかぽか叩くのやめてくださいセナさん
十分後、ミレニアムのビルに着き上層階へとエスカレーターが二人を押し上げる。眼下に広がるアリのような人の群れが規則的かつ不規則的に蠢くのがわかる。夏らしく蜻蛉が飛んでいて意外と高く飛ぶもんだなと頭のどこかで考えて、珈琲でも飲みながら眺めていたいと思うほどにはどこか落ち着くような景色だった。
「なぁー、セナー」
「はい」
「今日みたいに検査じゃなくてまた二人でデートにでも来ような」
「、、、そうですね、それもいいかもしれません」
「今のに何も言ってこないんだ?」
「、、、」
さっきよりも強く叩かれちゃった
向かいのビルに反射する二人の人形を眺めがらそんな会話を交わす。
(嗚呼、本当にいい眺めだ)
と、いつかのヘリからの光景を思い出す。眼下に広がる敵の群れが蠢く。蜻蛉のような蝿のような落下物がどんどん投下される。そんな光景を平和な此処と重ねるのは場違いだろうか。
(まぁ、一寸平和とは言い難いがね)
「どうかしましたか?」
どうやら考え事をしすぎていたようだ、いつの間にか廊下の端で止まっていた。
「いんや?なんでもねー」
そんな考え事もセナのことを見るだけで吹き飛ぶ。
(
遥か高く蜻蛉が飛ぶ、高く高く極楽にも届きそうなほど
(まぁ、極楽蜻蛉は俺の方か)
自虐的にそう思うのだった
ちなみに極楽蜻蛉の意味知ってます?僕は某珈琲チェーン店で窓の外の蜻蛉見て小説で書いてみようと思ったんですけどそのときに初めて知りました。