彼ノ綴ル物語   作:えすあーる

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ローソンコラボのキャラメルだけ買えました。敷波ちゃんだやった~かわいい~


大切なのは心の在り方

~大本営管轄提督訓練校~

 

アビス「はぁ…今日は卒業演習試験の日か。相手は誰なんだ響?」

 

響「今日は君の親友の龍崎訓練生だよ、アビス兄さん。良かったね」

 

アビス「よくねぇよ、あいつ絶対天龍に突撃させるから指示するの面倒なんだよ」

 

龍崎「まぁそう言うなってアビス。でもだからって手加減はしねぇけどな」

 

アビス「うわ!急に背後から出てくんなこの能面野郎!普通に出てこいよ!」

 

響「びっくりしたじゃないか、龍崎訓練生」

 

龍崎「スマンスマン。2人を見つけてついやりたくなった」

 

俺が鳴海提督に拾われて8年が経った。3年前、15歳になった俺は予定通り訓練校に入学した。提督になる為に鳴海元帥の艦娘達に必要な知識とこの世界の事を叩き込まれた。やはり戦況はあまりよろしくないようだ。それはそれとしてこの体、記憶力も強化されている為忘れる事がほとんどない。そのおかげで入学試験では主席になった。2位はそこの能面…もとい龍崎 圭りゅうざき けいだ。龍崎は過去に住んでいた所が深海棲艦の襲撃に遭い、顔に酷い怪我を負ったそうだ。それを隠す為に常に能面を付けている。そして今日は卒業前の演習試験だ。

 

響「2人とも、もうすぐ時間だよ。私は先に行くよ」

 

響はこの訓練校での俺の秘書艦だ。ここでは訓練生1人1人に大本営で建造された艦娘が秘書艦につく。響は俺が鳴海元帥の所に来たばかりの頃に建造されたが育成の余裕がなく、艦娘の訓練校でもあるここに俺と一緒にやってきた。8年間一緒にいたせいか俺の事を兄さんと呼ぶようになった。元艦これプレイヤーで響推しだった身としては夢みたいな事だ。

 

アビス「さて、遅れる前に俺らも行きますか」

 

龍崎「そうだな。悪いが今回ばかりは勝たさせてもらうぞ。今日は加賀がいるんだぞ?お前に勝ち目はあるのか?」

 

アビス「ふっふっふ…残念だったな。俺はある助っ人を頼んだのだよ。お、きたきた。おーいこっちこっち!」

 

龍崎「え?それって…?」

 

俺がそう声を上げると、廊下の奥から「やっほ~」と可愛らしい声と共に2人の女性が現れた。

 

七海「アビス君~約束通り武蔵ちゃん連れてきたよ~」

 

武蔵「七海よ、私にちゃん付けはやめてくれとあれほど…はぁ、もういい。今日は頼むぞアビス訓練生」

 

龍崎「助っ人って七海ちゃん所の武蔵かよ…」

 

七海「私の武蔵ちゃんは最強なんだからね!」

 

そう言い胸を張る小柄な彼女の名は七海 雪ななみ ゆき。彼女はこの訓練校では珍しく一般枠からの募集でやってきた。成績は3位だったはず。入学後に話す機会があったので色々教えていると何故か懐かれた。よっぽどの理由がない限り俺と龍崎のそばから離れることはない。とても可愛らしい。ちなみに俺はこの顔と義手のせいでこの2人以外に話しかけられる事はなかった。

 

七海「私は観客席で見てるから、2人共頑張ってね!」

 

アビス「あぁ。卒業が確定しているとはいえ手を抜くつもりはないぞ」

 

龍崎「俺もだ。最後位勝ちたいからな」

 

俺達はそう意気込み、演習場に向かった。

 

~演習場~

 

大淀「さぁやってまいりました!アビス訓練生対龍崎訓練生の卒業演習試験です!司会は私、大淀でお送りします。早速ですが各訓練生の艦隊紹介です」

 

大淀がリモコンのスイッチを押すと観客席にある大きなモニターにそれぞれの編成が映し出された。

 

アビス艦隊         龍崎艦隊

 

 旗艦赤城         旗艦加賀

   武蔵           瑞鶴

   比叡           霧島

   響            北上

   伊58           摩耶

   伊19           吹雪

 

アビス「へぇ、完全に空を取る気だな。まぁいい制空権はくれてやる。だが下はもらうぞ?」

 

俺は手元にある演習用の無線機を手に取り、艦隊に指示を出す。

 

アビス『よし、こちらは予定通り伊58と伊19を先行させる。赤城は少々分が悪いができるだけ相手の艦載機を引き付けてくれ。武蔵と比叡は先行する2人が配置につくまで弾幕を張ってくれ。響は武蔵達のフォローを頼む』

 

赤城『了解しました。では我々は出撃します』

 

この世界での艦娘の戦い方は実に機械的だ。まるでゲームの時のように動く。当然深海棲艦はお行儀よく戦わないのであまり通用はしない。だから俺はそのセオリー通り・・・・・・には動かない。ゴーヤとイクを先行させたのもそうだ。2人には索敵範囲外から相手艦隊の背後に付き、砲撃戦で気を取られている隙に魚雷をばら撒いてもらう。当たれば上々、1人でも轟沈判定を出せたらパーフェクトだ。…お、演習が終わったようだ。勿論完全勝利だ。

 

~校舎廊下~

 

龍崎「…また負けた!お前ほんとぶっ飛んだ作戦してるぞ?普通潜水艦にあんな事させるか!?」

 

アビス「そうでもしないと勝てなかったからな、今回の編成じゃあね。(俺1人なら速攻で片付くけどな)」

 

龍崎も俺が戦術を教えたのだが、まだ動きがぎこちないんだよな。動きが読みやすい。まぁこれから実戦で経験を積んでもらうしかないか。そう思いつつ、2人で歩いていると「2人共ちょっといいか?」と呼び止められた。

 

アビス「何か御用でしょうか鳴海元帥殿?」

 

鳴海「うむ、お前さん達に少し大事な話があってな。会議室に来てくれんか?七海君もすでに待っておる」

 

龍崎「訓練校3トップの俺たちに大事な話…ですか。分かりました、アビス行くか」

 

アビス「分かった。どうせろくでもない事だろ」

 

鳴海元帥はこの訓練校の校長みたいな役割も持っている。最初入学した時は驚いたものだ。そんな気はよそに、俺たちは会議室へ向かった。

 

~会議室~

 

鳴海「さて、儂だ3人を呼んだのは配属先の鎮守府の事だ。まぁ座りなさい、アビスは普段通りに話してくれて構わない。ここには儂らしか居んからな」

 

鳴海元帥は会議室に入ると扉の鍵をかけ、椅子に座った。俺たち達も催促され、対面の椅子に座る。

 

アビス「…分かったよ爺さん。で?俺たちの配属先はどこなんだ?さっさと教えてくれよ」

 

龍崎「うわ口悪すぎだろお前!」

 

七海「そうだよ!もうちょっと優しく言えないの?」

 

鳴海「構わんよ2人共。アビスは昔からこうだ。それで君らの配属先なんだが、最近近くの無人島を改築した新しい泊地が出来てな。横須賀傘下第一、第二、第三泊地、それぞれに配属となった。」

 

龍崎「俺たちみたいな新人がいきなりそんな所でいいのでしょうか?」

 

七海「そうですよ!もっと行くべきはずの人がいるんじゃないんですか?」

 

鳴海「成績優秀でこれまでとは違う戦い方をする君達ならば上手くやれるだろうと思ったのだ。それに卒業祝いというわけではないが、初期艦はここでの秘書艦を連れていってもよい。泊地への出発は二週間後だ、遅れるな。話は終わりだ、戻ってもよい。あぁ、アビスは残ってくれ。もう一つ話がある」

 

龍崎「アビス、またあとでな」

 

七海「失礼いたしました~」

 

2人が出ていくと鳴海元帥は真面目な顔をし、俺に向かって座り直した。なんとなく嫌な予感がする。

 

アビス「それで爺さん、もう一つの話って?」

 

鳴海「実はな…ここ最近横須賀傘下の鎮守府から艦娘が失踪する事件が絶えないのだ。だから調査を手伝えとは言わんが、何かあったらすぐ連絡をくれ。そしてあの2人の事も頼んだぞ。お前ならきっと大丈夫だろう?」

 

アビス「なるほど、了解した。新しい泊地で余裕が出来たら捜索でもしてみるよ。あの2人には俺直伝の戦略が叩き込まれているからどうとでもなるさ。泊地同士の距離はそんなにないのだろ?」

 

鳴海「あぁ。海を艦隊で移動しても1時間はかからないそうだ」

 

アビス「それならいい。この話はお終いだ。…さてしばらく爺さんの鎮守府とはお別れか」

 

鳴海「いつでも帰って来るといい。皆アビスの事は家族だと思っとるからな」

 

アビス「…そう思ってくれているのはありがたいな。(正体を明かしてないとはいえ、深海棲艦・・・・の俺を家族だと言ってくれるのか…)」

 

俺は自分が深海棲艦である事を誰にも話したことはない。事実上俺は敵側の存在と同じだからだ。もしばれたら何をされるか大体想像はつく。俺は鳴海元帥の言葉に対してそんな事を思いつつ、会議室を出た。

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