彼ノ綴ル物語   作:えすあーる

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GWだからって本編を書く速度は変わらない…


出撃、初の戦闘

~第一泊地 グラウンド~

 

 

アビス「ハァ…ハァ…これで100週っと。次はブースター逆噴射、出力20%に設定…よし、もういっちょ走りますか!」

 

現在午前4時、まだ薄暗い中僅かにモーター音を響かせながら軽快に走る俺。訓練校からの日課で毎日走り込みをする。本音を言うと明るい時にしたいが、この時間帯しか警備員がいないので艤装を出すには仕方がなかった。そのうちそれが日常になって今も日が昇るまで艤装を付けて走っている。

 

アビス「そろそろ響達が起きる時間だな…艤装解除、そんで【艤装展開:気配隠蔽】…よしこれでいいだろう。朝飯何にしよう…業務の事もどうにかしないと…仕方ない、【艤装展開:並列思考】…とりあえず執務室に行くか」

 

そう言いアビスは自身から僅かに滲み出る深海棲艦のオーラを隠蔽した。当たり前の様にやっているが本来【艤装展開】という能力に気配を遮断したり、思考を二分割する機能はない。精々自分の想像した形の兵器を程度だ。だがアビスはこの力を概念的に捉え、兵器だけでなく自身の強化や使い魔的存在の召喚、魔法に準ずるモノの行使など、自分が使いやすい様に力で力を変質させていた。かつて深海ノ神姫が「魔法のようだ」と言ったのはこれを見ていたからだ。

 

~執務室~

 

 

アビス「まだ5時か、始業まであと1時間…よし!響達が来る前に終わらせるか!【艤装展開:加速】!」

 

まるで3人に分身でもしてるかの様に見える速度で書類の山を処理していく。ほとんどの書類はこの第一泊地を運営する為に必要な手続きの書類の為、流し読みからの判子で終わる。一息つくころには出撃や遠征関連の書類しか残らなかった。少ないなと思い、ふと時計を見ると6時になっていた。耳を澄ますと、バタバタと足音が近づいてきた。執務室の前で足音は止まり、バン!と扉が開く。

 

川内「提督!おはよう!夜戦しよ!」

 

曙「川内さん、まだ朝よ…まったく」

 

響「おはようアビス兄さ…提督」

 

アビス「おう、おはよう。川内、今日は出撃はあるが夜戦はなしだぞ」

 

川内「ちぇ~ま、出撃できるしいいよ!」

 

曙「昨日建造されたばかりなのに、いきなり出撃するわけ?」

 

アビス「まぁ出撃と言っても、近場の海域の哨戒だから大丈夫だと思うし、それに俺も出る・・からな」

 

俺の一言で全員が目を見開いて驚いた。

 

響「…それは提督も出撃について来るということで間違いはないね?」

 

アビス「あぁ、実際に現地で指揮を執る予定だ。勿論安全策はあるぞ(そうしないと深海棲艦に近づけないからな)」

 

曙「ホントに大丈夫なんでしょうね?」

 

アビス「妖精印の装甲ボートがあるから問題ないはずだ。とりあえず全員出撃準備だ。ドッグに行くぞ」

 

 

~出撃ドッグ~

 

 

アビス「妖精さ~ん、例のヤツ今出せそうか?」

 

妖精「アビスさん、いつでもおーけーです!みんなはやくうごかしたくてうずうずしてます!ボートはこちらです!」

 

バサッと大きい布が剝がされると、そこには小さめの装甲艇があった。

 

アビス「ボートって聞いていたんだが…まぁいいか動きゃあ何でもいい、俺はこいつで出る」

 

川内「提督が危険だと思ったらすぐ撤退するからね」

 

アビス「分かった。旗艦川内、随伴艦に響、曙。俺は艦隊から2㎞程離れて指揮を執る。今回は哨戒任務なので近海のみだが、万が一接敵した場合は基本殲滅する。相手が4隻以上の場合は即撤退するように!」

 

3人「了解!」

 

アビス「では全員、出撃!」

 

俺の声と共に3人は艤装を展開し海に出る。俺もそれに続く様に装甲艇に乗り込みエンジンをかける。

 

アビス「…哨戒とはいえこれが初陣だ。妖精達も気を引き締めて行くぞ!」

 

妖精達が「がんばるぞ~!」と意気込んでいる。俺も頑張らないとな。そう思い、ボートの速度を上げた。

 

 

第一泊地 正面海域

 

 

川内「哨戒って夜戦出来るかな~ねぇ、曙はどう思う?」

 

曙「哨戒だけなら夜戦なんてできないわよ。響、電探の方はどう?」

 

響「今の所、敵影はないよ。それにしてもこの電探、提督は一体どうやって手に入れたのだろう?」

 

曙「普通に開発したんじゃないなしら?」

 

響「うちに明石はまだいないよ曙…まぁ考えても仕方ないか」

 

響が持っているのは22号対水上電探だ。だが第一泊地には響の言う通り、明石はまだ着任していない。ならばどこから出てきたかというと、実はこれはアビスの艤装の一部なのだ。アビスの艤装は艦娘用の艤装なら響の電探の様に艦娘でも使用する事が出来るのだ。当然響達は知らないのでこの様な反応をしたのだ。

 

響「…!電探に反応あり!500m先、反応的にイ級が2隻。川内さん、提督に無線を」

 

川内「了解!」

 

川内は急いで携帯していた無線機を取り出しアビスに連絡した。

 

川内『こちら川内、敵がいたよ!数は2隻、どうする提督?』

 

アビス『…よし、戦闘を許可する。迎撃にあたってくれ!』

 

川内『了解!』

 

川内は無線を切り、響と曙に指示が出た事を伝える。

 

川内「提督から迎撃命令が出たよ!やるよ!」

 

響&曙「了解!」

 

3人はいつでも戦闘状態に入れる様にそれぞれの主砲を構えた。反応があった方に進むと2隻のイ級が見えてきた。

 

川内「見えた!2人共行くよ!ってー!」ドーン

 

響「さて、やりますか」ドーン

 

イ級1<( 'ω')ギャァァァァァァ(轟沈)

 

イ級2<クッコレデモクラエ!(小破)ドーン

 

曙「きゃあ!もう!何なのよ!」(小破)

 

川内「大丈夫!?」

 

曙「大丈夫!…このっやろう!」ドーン

 

イ級2クワバラ!(轟沈)

 

響「…戦闘終了、他に敵影はなし。川内さん、提督に無線を」

 

川内「分かった!」

 

響がそう言うと川内は無線機を取り出した。

 

川内『こちら川内。戦闘が終わったよ。』

 

アビス『被害はどうだ?』

 

川内『曙ちゃんが小破、後は無傷だよ!』

 

アビス『そうか…曙はまだ行けそうか?』

 

川内『ちょっと待ってね、今聞くから』

 

アビスは被害状況を聞くと川内に曙の様子を聞いた。川内は無線機のマイク部分を手で抑え、曙に状態を聞いた。

 

川内「曙ちゃん、提督がまだ行けるかって聞いてるけど…」

 

曙「私なら大丈夫よ。こんくらいで根をあげるつもりはないわ!」

 

川内「分かった。そう提督に伝えるね」

 

川内『提督、曙ちゃんは大丈夫だって。どうする?進む?』

 

アビス『曙が大丈夫なら進もう。進路は任せる』

 

川内『了解!』

 

川内は通信を終わると2人に進撃を伝える。

 

川内「2人共進撃するよ!曙ちゃんは念の為私と響の間にいてね」

 

曙「分かったわ」

 

響「後ろは任せて」

 

3人は隊列を組み直すし、川内が羅針盤を回して進んだ。

 

 

~戦闘終了から少し経った頃、戦闘が行われた海域~

 

 

アビス「一応初めて深海棲艦を見るが…ゲームの中二次元と比べると結構グロいな」

 

妖精「アビスさんもコレとおなじそんざいですよ~」

 

アビス「おっとそうだった。俺も深海棲艦だった事を忘れてたわ」

 

アビスは初めて見るソレに嫌悪感を抱くが妖精の一言により自分も同じ存在な事を思い出した。

 

アビス「とりあえずこの2隻を成仏させてやるか……どうか安らかな眠りを……」

 

アビスは2隻にそっと手をかざし、能力を使った。イ級は少しずつ光の粒子となって消えていった。すると光の一部が集まり、蒼く光る水晶玉のような物が現れた。

 

妖精「なんですかこれ?」

 

アビス「分からない…けど、出方を察するにこいつらイ級の魂かそれの器っていったところかな。とりあえず回収っと」

 

アビスは海上に浮かぶ2つの玉を回収すると空中に亜空間収納を出現させ、その中に放り込んだ。

 

アビス「この玉は仮で深海珠とでも呼ぼうか。よし、この調子で次に行くか」

 

アビスは装甲艇の中に戻り妖精に出発の指示を出した。装甲艇はゆっくりと動き出し、川内達が向かった方向に進路を取った。少しずつ荒れてきた海を装甲艇はスピードを上げて進んだ。

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