彼ノ綴ル物語   作:えすあーる

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お久しぶりです。すいませんちょっと仕事してました。小説の事すっかり忘れていましたよ。はい、頑張って書きます……


横須賀鎮守府崩壊(1)

~第一泊地~

 

 

アビス「…一体何がどうなってやがる」

 

 

謎の深海棲艦から逃げてアビス達が第一泊地に帰投したのは日が落ちた後だった。リリィ達は装甲艇に待機してもらい、アビス達がドッグに入ると何故か妖精達がバタバタと動いていた。よく見ると入渠ドッグがフル稼働していた。響達も驚いていたので不思議に思い近くの妖精に声をかけ事情を聞いた。

 

 

アビス「妖精さんよ、一体何があった!?」

 

妖精「あ!おかえりなさいアビスさん!えっとあの…」

 

「待ってください妖精さん、私が説明します」

 

アビス「その白い眼鏡…お前、爺さんとこの大淀か」

 

大淀「はい。横須賀第一鎮守府所属の大淀です」

 

 

入渠ドッグから出てきたのは大淀だった。しかしその目にかけている眼鏡が本来付けている物ではなく、白いフレームの眼鏡になっていた。これは過去にアビスが大本営で大淀の区別が出来ない為に提案したものである。

 

 

アビス「大淀がいるって事は入渠ドッグにいる奴らは横須賀の艦隊ってことだな?とりあえず座りな。後、響達は艤装外して補給してこい」

 

 

アビスはパイプ椅子を持ってきて大淀を座らして、ほったらかしだった響達を補給に行かせた。アビスも椅子に座り足を組んだ。何故か左手に鋼材を持ちながら。

 

 

大淀「えっと、今いるのは横須賀第一鎮守府の第一、第二艦隊以外の全員です。すみません、アビス少尉。勝手にドッグを使わさせてもらってしまって」

 

アビス「それは構わない。でもなんで全員うちに?」

 

大淀「それなんですけどね…実は今日午前10時、横須賀第一鎮守府が壊滅・・しました…」

 

アビス「……は?」グシャ

 

 

大淀からの突然の報告によりアビスは反射的に左手の鋼材を握りつぶした。目の当たりにした大淀は少し怯えながらも報告を続けた。

 

 

大淀「えっと…く、詳しく説明してもいいですか?」ビクビク

 

アビス「…悪い、続けて」

 

大淀「あ、はい。では続けますね。あれは午前9時頃でした――」

 

 

~9時頃、横須賀第一鎮守府~

 

 

大淀「――はい、提督。こちらが本部から届いた書類です」

 

鳴海「あぁ、助かる。……はぁ、今度は呉の艦隊がやられたか」

 

大淀「四大鎮守府のうち舞鶴、佐世保、呉の三箇所で被害が出てます。提督も気をつけてください」

 

鳴海「もちろん。にしても南西諸島に巣喰う謎の姫か…」

 

 

鳴海と大淀が頭を抱えているのは最近南西諸島に新たな姫が出現したのだ。南西諸島は5年前に当時の四大鎮守府の主力艦隊計48艦による連合艦隊の猛攻撃で奪還したが、最近そこに【飛行場姫】と名付けられた姫が居座り始めたのだ。その圧倒的な艦載機の数による空襲により四大鎮守府の主力艦隊ですら近づけなくなっていた。

 

 

鳴海「しかし…今回の海域調査は奴の縄張りに近かったな。何もなければいいが」

 

大淀「そうですね…予定では既に帰投しているはずですもんね。通信にも応答しませんし」

 

 

鳴海達が心配している理由。それは丁度問題の海域付近のポイントで敵の掃討、及び海域調査の為、大和、金剛、加賀、北上、吹雪、叢雲による主力部隊を送り込んでいたのだ。だが帰投予定時刻は9時を過ぎても帰っていないのだ。大淀が通信をするが、反応はなかった。鳴海は腕時計を見ると針は9時30分を指していた。

 

 

鳴海「大和、皆…無事に帰ってきてくれ…」

 

大淀「提督……っ!危ない!」

 

 

大淀が鳴海を押し倒し、上に覆い被さった瞬間ドゴーンと大きな爆発音と衝撃が2人を襲った。大淀が顔を上げると執務室の上半分以上が吹き飛んでいた。

 

 

鳴海「何が……起こった…っ!」

 

大淀「…提督!足が!」

 

鳴海「いい!…クソ!とうとう鎮守府に殴り込みに来たか、深海棲艦!……あ?」

 

大淀「なんですか、アレ…」

 

鳴海「分からん!とりあえず警報を鳴らす!第二艦隊を迎撃に当たらせろ!」

 

 

鳴海は右足を負傷したが気にせず立ち上がり警報を鳴らす。深海棲艦の襲撃かと思い海を睨むが、海には大きな黒い球体・・が一つだけあった。球体の頂点に砲が付いているのが見えたため、アレで砲撃されたのは理解出来た。ただ、その砲に問題があった。

 

 

大淀「あの砲、というよりあれは……艤装!?提督!あれは大和型の艤装です!」

 

鳴海「……なん、だと」

 

 

なんと球体に装備されていたのは本来深海棲艦が使用しているinch砲ではなく、大和型の艤装だった。主砲だけではなく艦娘との接合部分含め、丸々引っ付いていた。よく見ると大和型だけでなく他の艦娘の艤装も等間隔で並んでいた。35.6cm連装砲や『カ』と描かれた飛行甲板など、そしてそれぞれに対応するかの様に黒い人型の上半身があった。それを見た鳴海はソレが何なのかすぐ理解した。

 

 

鳴海「あれは…まさか……」

 

大淀「噓…どう見ても大和さん達、ですよね……」

 

鳴海「……ここにいても砲撃されるだけだ。ひとまず防空壕に行く。そっちで指揮を執る」

 

大淀「分かりました。提督、肩を」

 

 

鳴海は少し考えた後、負傷した足を引きずりながら、大淀と防空壕へ向かった。

 

 

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