そう あの日からずっと
3 ALTER of the soul bladeBLEACH Competition
卍
「ち、ちくわぶ……っっ!」
女ががばり、と掛け布団を跳ね上げ起き上がる。
「……。う、うーん。夢か……、悲しみ」
その女は乱れた長い白髪を手櫛で整え、あくびを一つ。そして、手早く身支度を整えて姿見と向かい合う。それが終わると、手持ち無沙汰に瀞霊廷内を
「よし、オルタさん絶好調~、だな」
尸魂界護廷十三隊所属の女死神、沖田オルタの一日は大体こんな感じで始まるのだった。
何故走るのか、その理由をオルタは知らない。ただ、駆けまわっていると得も言われぬ悦びが体中から湧き上がってくる。自分の力だけで地に足をつけて立っていることが、奇跡のように思えるのは、尸魂界に来る以前の自分が関係しているのだろうかとも思ったが……それは、今となってはどうでも良いことだ。
「やっほー沖田ちゃーん」
「ん。キョーラクか。早いな」
正午にはまだ早い時刻だというのに、そのおでん屋は営業していた。そこで待ち合わせをしていた人物の隣に、沖田オルタは座る。
女物と思われる桃色の着物を羽織ったキョーラクと呼ばれた男……、『いや護廷十三隊八番隊隊長の京楽春水じゃねぇか、主よ』。彼と仲良く会話するある意味大物な沖田オルタは、亭主に手早くおでんを注文する。
「今日は二番隊に追いかけられていないんだねぇ」
「ああ。奴らの瞬歩よりも、私の全力疾走の方が速い。それに、最近のそいPONはナナオの相談でお前のサボりに目を光らせているぞ」
「おっと藪蛇だったかい?まぁそう言っちゃあいけないか。彼女も彼女で真面目だからねぇ」
はんぺんをむちゃむちゃ食べながら、我関せずといった具合に箸を進めるオルタ。それに京楽春水は苦笑いを浮かべた。
「まぁ良いか。今日は君と吞む約束していたしね」
「うん。おでんはいつ食べても美味しい。お昼から食べられて嬉しみ」
「あ、辛子はボクが貰うね。たいしょーう、出汁割頂戴な」
こんにゃくと大根をよそってもらい、美味しそうに頬張るオルタの横顔を見て、京楽は編み笠で瞼を隠した。
「君が鳴り物入りで護廷十三隊に入って三年かい。いやいや、馴染めたみたいで良かったよ。初めて来たときは、あの更木剣八が連れて来たってことで瀞霊廷は大騒ぎだったね。大変だったよ、どーも」
「そうなのか?……次は卵と、餅巾着が欲しい」
「そーそー。更木隊長伝えで卯ノ花隊長も迎えるのに乗り気だったしねぇ」
当時のことを京楽春水は振り返る。
出生不明の彼女が斬魄刀を持っていたことや、更木剣八と斬り合える実力者だったこと、その剣八が目をかけていることもあり(彼の機嫌を損ねて暴れられてはたまったものではないので)、監視と言う名目で即座に護廷十三隊へと入隊させた。
卯ノ花烈や更木剣八は彼女の十一番隊への入隊を強く要求していたが、山本元柳斎重國は戦いの快楽に現を抜かし過ぎることを危惧し、人員や実力、隊の気質などを鑑みて十三番隊への編入を決定した。
「ところで最近気になっていたんだけど、その厚底の下駄はなんだい?金属でできているじゃないの」
「この靴か?十二番隊に作って貰ったぞ。普通の草履では私の足の運びに耐えられないからな」
「それもう瞬歩じゃないんじゃあないかな……。実際どうやってるの?」
「うーん、何と言うかな。こう、地面や世界ではなくて時空の境をダンッ、っと蹴る感じだ。あ、ちくわぶください」
「成る程、全く分からないねぇ……山爺が目をかけるわけだ」
その時、すりガラスがはめ込まれた引き戸ががらりと開かれた。
「……隊長」
「沖田オルタ第四席……」
一人は感情のこもらない声で、もう一人は呆れたように、店内にいた死神たちの肩を掴まえた。ぴたりと杯を持つ手が止まる京楽と、マイペースにおでんを頬張り続ける沖田は、二人そろって後ろを振り返る。
「あ、あら~七緒ちゃん。お早いお付きで……」
「……ルッキャか、ほぉひはんは?んくっ……キョーラクと違って私は今日、お休みだが」
無表情で眼鏡を光らせ京楽に詰め寄るのは八番隊副隊長の伊勢七緒。
「仕事しますよ隊長……立ってください」
「あだだっ、そう引っ張らないで七緒ちゃん……あ親父さん、お代はこれで、ってあ、あぁ~……」
一方、おずおずと沖田オルタの傍に来たのは最近十三番隊に入隊した見習い死神の、朽木ルキア。
沖田オルタがなんやかんやで仲良くなった『十三番隊副隊長、及び第三席』の二人と繋がりが深い彼女だが、しばしば手合わせをしていたことや入隊時期も近いこともあって、仲は悪くない。天然でマイペースな先輩と生真面目な後輩といった様子だ。
「その、沖田殿。そんな改造死覇装で立ち歩かれては困ります……前々から注意を受けていたでしょう?」
「キョーラクはこれで良いと言ってくれたが。これが一番動きやすい。走ってる最中、足に布が触れると気が散る」
そう言って瀞霊廷から流魂街にかけて散策する沖田オルタと、彼女について回る朽木ルキア。今日は戌吊まで足を延ばし、ルキアの昔馴染みの姉弟や、郛外区をふらふらしていた頃のオルタが迷惑をかけた面々の下に顔を出す。
何かの面影を思い出す為に。
いつも通りの休日。いつも通りの道。いつも通りの景色。夕暮れの中を、二人は歩く。瀞霊廷の中を、無言で歩く。言葉を交わさずとも、進む方向は同じだった。
何人もの隊士が道を行き交っている。賑やかな喧騒が瀞霊廷内を満たしている。
「ん?」
「どうしました、沖田殿」
「落とし物だな。届けて来る」
「あ、ちょ、お待ちを……速いッ!?」
ルキアの目の前から消えたオルタ。
「沖田殿……
————一人の男性が、人気のない道を歩いている。
「追いついた」
「————」
不意に声がかけられた。その人物が振り返ると、褐色肌に白い髪の女性が立っていた。
「……藍染隊長。落としたぞ」
「————おっと、これは失礼しました」
「ではこれで」
必要最低限の会話だけを済ませて、沖田オルタは消え去った。
(……そうか。君は、私が藍染惣右介に見えているのか)
卍
「十三番隊第四席、沖田オルタ」
十一番隊隊長更木剣八が流魂街から引き連れて来た死神。鬼道や白打は習得していないものの、我流の斬術と走法はあの剣八に匹敵する。死神の戦いは極論、霊圧と霊圧のぶつかり合いであるにも関わらず、ただの剣の技術でその理屈を撃ち砕きうる未知の存在。
「あらら。まさか完全催眠が効かない死神がいるなんてなァ」
糸目の男が、暗がりで何らかのデータを纏めていた男に声をかけた。
「どないします?何ならボクが始末して……」
「まさか。ギン、鏡花水月から逃れた程度で、彼女が私の計画の支障になると思うのかい?」
艶やかで穏やかな、柔らかい口調で男は笑う。楽し気に細められた彼の瞳は、生徒に諭すような優しいものだった。
「……おっかない御人や」
卍
『俺の抑止の力か、主の対魔力か心眼か……それともお前の神仏を毀す力か?ともかく、まさか主に鏡花水月が効かないとは思わなかったんだが。これ絶対目ぇ付けられたよな⁉』
なーにが“まさか。ギン、鏡花水月から逃れた程度で、彼女が私の計画の支障になると思うのかい?”じゃ。面の皮の厚い知ったかかまってちゃんが、アニメ千年血戦篇とかで負けず嫌いなの知ってんだっつーの、こっちゃ。内心ピキってても驚かんぞ、あンのインテリ擬きゴリラ。
それはそれとしてあんたが本腰どころか指一本でも動かすと今の主じゃ太刀打ちできねーんで座ってろください(震え声)。
『と、いうわけで卍解デザインコンペの始まりじゃ。急いでこの小娘の卍解を作るぞ。期日は藍染とかいう死神の小僧が何らかの手段で殺しに来るまでとする』
『俺が具象化するとかの主の成長イベントとかはねーのか!?』
『あるわけなかろう。そのような暇があると?お前は何か理由を付けてこっちに引きずり込まんか』
『マジかようっわァぐだぐだじゃねぇか!?』
『是非も無かろう、こんな状態じゃぞ。というか煉獄、お主、屈服されずとも力貸す所存だろうに……』
『双方から万事解り合おうとする姿勢が大事なんだよ!だから卍解なんだろ⁉』
『……語源なぞ初耳じゃが』
『すまん今それっぽい適当言った!』
ちくしょー、こっちはリンボ感オリチャーなんてしたくねぇのに。藍染もこんなライブ感でアドリブぶち込んでたんじゃねーだろうな……。
『とりあえず俺が幾らか武器の形状をだな、これを叩き台に、できるなら戦ってる主に見せて……その間に主と戦い方とか体の慣らしとかやってくれませんかね魔王様?』
『む、我がか?我も幾らか案を考えた方が良くないか?』
『……じゃあ魔王様はどんな卍解をお考えで?』
斬月のおっさんプレゼンツの卍解コンペを参考に、抑止力の先輩みたいなアンリミテッドブレイドワークスした俺。だがなぁ、
『うーむ……この中から剣を選ぶのか。我ならば、このガトリング魔王砲とかを超火力にしてだな……』
『主を
主の適性に合わんから。チャンイチの戦い方はアーチャースタイルでもなんとかなるけど、こっち純正のセイバー+アサシン適性だからさぁ。
『むぅ、文句ばかり言う贅沢者め……では六臂の黒い餓者髑髏が出てきてだな、この巨大骸骨が直接戦闘をする。ほれ、あの畜生道の狛村のと同じじゃ。まあ発生する霊圧を放っておくと三界神仏全てが灰燼と帰すのだが……』
『んな魔王様の能力そのものな卍解があるかぁ!バレるわ!つか、ついでみたいに言うが後者の能力の方がメインだろそれ!概念どころか世界そのものに干渉するタイプのヤツ見たことあんのかアンタ!』
『生前の戦いで見たことあるわ!使っておったぞ、兵主部一兵衛が黒い髑髏をわんさと出して!』
『レアケース中のレアケース出すのはルールで禁止ッスよねぇ⁉そもそも和尚のソレは卍解じゃねぇから多分!』
この人、残火の太刀しか知らない斬月のおっさん状態とは思わんかった。つーかやっぱやべぇ奴だよ、この魔王⁉何で現世にいた時に零番隊と戦ってんだよ⁉
そんなこんなで、あーでもない、こーでもないと頭を悩ませながら数時間。
『……おい煉獄。本当にこれで良いのか?』
『ぶっちゃけこれ以上刀の形状を弄るのは無理があった……。始解でもまだ機能不全起こしてるのに、下手にしたらこっちがキャパシティオーバーだ』
『だからって貴様……卍解が鎧と
『本当は使ってほしくないんだけどな……甲冑は兎も角、+αの方の力が無いと今後は拙い。それに主が力を引き出す関係上これは付けないと、魂どころか世界の均衡が崩れる……』
嗚呼、何とかデザイン画は上がったぞぉぉ……、あとは納品だぁ、魔王様頼むよマジでぇ……。ルルハワの邪ンヌとかこんな入稿地獄だったりすんのかなぁ……?
どうして生前の時点で和尚との戦いが成立してたの、この魔王……。
魔王「戦国時代はヤベーヤツらがホイホイ生まれておったぞ。越後ドラゴンとか」
煉獄「島国は神秘が集まりやすいってそう言う事じゃねーと思う……」
ぐだぐだ鯖でちらっと言及されたり出るとしたら(多分名前は鰤風になる)
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その他
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オールイン
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沖田オルタ(+ノッブ)の単独行動Aのみ