第11話マグマの魔王様
「はっはっは!!はぁ~っはっはッ!!久しぶりのシャバの空気は最高だなああぁ!これからボクがこの世界を蹂躙してあげるからねええーー!!」
そう赤い霊気のような物を纏った、ユウマは屋上で高々と宣言していた。
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黒神家邸宅
「そう言えば今日ユウマ見てませんね、学校にも来なかったし」
(私の名前は三途川ハカ、学校が終わったらここ黒神心霊相談所で助手のバイトをしているんだけど、今朝からユウマの姿が見当たらなくて⋯)
「あら、どっかで首くくってなきゃいいけど」
(あり得そうで怖い⋯この人は黒神ミレイさん、ユウマのお姉さんでとっても自由奔放な人、信じられないくらい霊感が強くて、見える、聴こえる、話せるっていう心霊界のスーパーマンみたいな人です、あとここだけの話なんだけど⋯強いのは霊感だけじゃなくて⋯総合格闘技も中高6連覇、更には全試合ワンパンっていう霊長類最凶でちょっと規格外のそんざ⋯)
「ハカちゃん?」
「はいっ!!」
ミレイの声で思わず、ハカは裏返った声で返事をする、
「変なモノローグしてない?」
「し、してません!!」
すると、
「できたーーーー!!!!」
そう言いながら、興奮した様子で2階から降りてくる、
「うるさーい、ワタルくんはもう少し静かに」
「はい⋯すみませんってそうじゃなくて!出来たんですよ!僕のフォクスの新しい武器が!!」
その手には黒と白の大きな銃を持っていた、
「こいつはベストマッチマグナム、2本の相性の良いフルボトルを弾を込めることでそれに応じた効果が得られるっていう、画期的な武器です!」
(そう長々と説明するのは、月影ワタルさん、ユウマの妹であるマキちゃんの同級生らしくて、ユウマのお父さんである黒神先生がスカウトしたらしい)
「でも、武器なんて良く出来ましたね?」
「いやー、作るのに2年も掛かっちゃいましたけどね」
すると、
〈臨時ニュースです、本日未明に”高おっ山”が噴火しました〉
「え?噴火?」
「映像見る限りで凄い焼け野原ですけど」
〈その他にも”口岳”や箱姉山”など数え切れない山々が噴火している模様です〉
「いや多すぎでしょ⋯火山じゃない山まで噴火してるし⋯」
「ん?何だこれ?」
ワタルがポケットから出したのは今までにないぐらいに輝いているフォックスフルボトルだ、
「何で急に光って」
〈それらの原因はこの得体の知れない生物によるものと思われ⋯⋯〉
テレビに映っていたのはマグマが燃えたぎる中で油揚げを血走った目で食べる黒神ユウマ、その人だった
「え?ユウマ!?」
(彼は黒神ユウマ、私の同級生でここ黒神心霊相談所の三代目筆頭、100体以上の悪霊に取り憑かれた不幸すぎる男なんだけど、普段から臆病でネガティブなユウマがあんな顔してるなんて一体⋯)
「とうとうストレスでぶっ壊れたとか?」
「いや、これは⋯」
(ミレイさんは気付いた、こんなの放っておいたら大変なことになってしまうわ)
〈また、この謎の生物は徐々に南下していて、日本最大の山フジコ山に向かっている模様です〉
「フ、フジコ山⋯!?」
「綺麗だねぇ打ち上げ花火みたい」
「どちらかって言うと流星群に近いですね」
(か・ち・か・ん!!)
「冗談でしょ?もしあの山が噴火したら私たちどうなっちゃうの⋯ああ⋯目の前に三途の川が⋯」
頭を抱えながら言うハカに、二人は
「渡っちゃう?」
「何でボトルが光ってんだ?本当にどういう仕組みなんだ?」
「わわわ、渡りませんからっ!」
慌てるハカをよそ目に二人は気にせずのんびりとしている、だがミレイはテレビの映像の先で暴れているユウマを再度見て言った、
「目覚めちゃったかあ、狗っち」
「狗っち?」
「確か、元々マキの囮影でしたっけ?」
ハカとワタルの質問にミレイは答える、
「そうそう、魔王よ、昔ユウマに取り憑いた山狗の狗っち、ハカちゃん、ワタルくん、面白そうだから行こっか、フジコ山」
「は、はい!」
(ミレイさん⋯笑ってるし⋯、それにこっちは)
「じゃあ、俺はこの武器の試し撃ちをしたいから、ラボに戻って⋯」
「ほら行くぞぉー!」
(物作りバカだし)
ワタルは首根っこを引っ張られながらミレイに連れられていく、
「分かりました!分かりましたから首根っこ掴むの辞めてください!首が⋯首が締まるぅーー!!」
そのまま引っ張られ、少し経つとミレイが砂色なコートとツバの広い帽子を被り、縄を持って出てきた、
「ユウマ、逮捕だぁー!」
(キャラ間違ってます⋯もう自由過ぎますよ⋯)
「行くから放してくれぇ!」
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フジコ山の樹海
「ひゃあっはああーー!!やっぱり火山で揚げた油揚げは最高じゃ!」
そう言い、油揚げを頬張るユウマ、そして隣には、
「魔王さま、いや、油揚げ先輩!いい火加減のをお持ちしました!」
「パイセン!アッツアツの油揚げをお召し上がりくださいッス!」
フジコ山で死んだ霊なのか、それが油揚げをユウマに差し出し、舎弟のようになっていた、
「苦しゅうない、どれどれ」
ユウマは霊達が持ってきた油揚げを躊躇うことなく頬張る、だが
「んん⋯⋯、あ゙?ぬるい、ぬるいぞ、冷めとるではないか!ボクが犬舌ならぬマグマ舌だと知っての所業か?」
怒りの表情を見せながら、霊達を威圧する、
「い、いいい、いや⋯」
「今すぐ⋯あ、新しいのを用意するッス⋯!」
霊達が焦り始め、提案するが、
「無用じゃ!」
拳一つで霊達を吹き飛ばした、
「ひいい!魔王さまああーーー!!」
「パイセえええーーン!!」
そのまま、2人の霊は星になるとユウマは再び高笑いを始める、
「フフフ、この体は良いのお、次から次へと新たなしもべたちが増え続ける、これからフジコ山を噴火させ、人間どもを一掃し、一人残らずキサマに取り憑かせるぞ、その霊たちにグツグツと煮えたぎった大地で思う存分油揚げを作らせるのじゃ!名付けて”人類揚げ揚げ計画”!フフフフ!フハハハハッ!!」
これからのことを考えながら、笑いを抑えられないユウマ、だがユウマの表情は苦悶の表情へと変わる、
「や、やめろ⋯」
だが、直ぐ様に高笑いをしていたユウマに戻るが、
「ん?何じゃ?ほう、ボクに抵抗出来るようになったのか」
「これ以上傷つけるな⋯」
「バカな事をぬかすな、魔王のボクに正義を論じようとでも思っとるのか?」
「違う⋯お、俺は⋯⋯猫舌なんだよ⋯」
その瞬間、ユウマの中から1人の少女が出てくる、狐の耳を頭に生やし、巫女服を着た赤い瞳の少女が、
「8年振りじゃのお、マキはまだ見つからんのか?」
「⋯ああ、知ってんだろ、ったく、目ぇ覚ましてんじゃねえよ、それとこの世界はお前の油揚げ工場じゃねえから⋯俺、完全に異界の生物扱いされてんだろ、どうしてくれんだよ」
地面に座りながら、ユウマはその少女基、山狗に言った、
(こいつの名前は山狗、8年前に俺に取り憑いた油揚げ大好きっ子で”マグマの魔王”の悪霊、俺には色んなやべえ悪霊が憑いてるけど、その中でもこいつはトップクラスにやべえ奴、背後に憑いてる時は見えねえけど怨念が強すぎてこうやって背中から離れると具現化しちまうほどの悪霊だ)
「どうもこうもあるか、霊体だと力も半減じゃからな、キサマはボクの計画に必要不可欠な存在じゃ、死ぬまで媚びへつらうがよい」
「絶対やだ、ただでさえ死にそうなのに、お前の面倒なんて見きれるか」
すると、ユウマをあることに気づく、
(そうだ、こいつの注意を逸らして逃げれば良いんだ、こんな小娘、浮遊霊にしてやりゃいい、そうすれば力も半減するし一石二鳥だ)
「あ!」
ユウマは森の奥の方に指を指し叫ぶ、
「あんなところに限定商品の”灼熱ウマふわ油揚げ”が!」
明らかに棒読みである、だがそれに山狗は、
「なんじゃと?灼熱ウマふわ油揚げじゃと?」
涎を垂らしながらユウマが指を指した方向に勢い良く向く、
(今だ!!)
「どこじゃ、どこに灼熱ウマふわが!?」
(はあ、はあ、よし成功だ、これであいつからも解放された晴れて俺は自由の身だ!)
ユウマはこっそりとその場を離れようとしたが、
「キサマぁ⋯逃げよったなああ⋯」
先程ユウマが放っていた赤色の霊気を纏いながら、目尻に涙を浮かべると、
「ボクを樹海で置き去りにする気か!」
両手に炎を纏うと、そこら一帯を吹き飛ばす、勿論近くに居たユウマは巻き込まれる、
「ぴえええええーーーーん!!⋯⋯⋯ぱおんッ!!」
吹き飛ばされた衝撃のまま地面に激突するとそのままユウマは気絶した、そして倒れたユウマを見ながら山狗はこう言った。
「一人は嫌いじゃ⋯」
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〈得体の知れないブサイクな未確認生物はその後あたり構わず山々を噴火させ、間もなくフジコ山に辿り着こうとしています、近隣の皆さんはこのブサイクが現れる前に大至急避難してください〉
「ブサイク言われすぎでしょ、ユウマさん結構イケメンだぞ?」
「ますますエスカレートしてますね」
「顔イッちゃってるねぇ⋯ウチの弟、写真映り悪いのかしら」
ワタル、ハカ、ミレイがそのニュースを見てそれぞれ言い合う、
「そこですか⋯?でも私たちが行ったところで何も出来ませんよね⋯」
弱気になるハカにワタルが言った、
「ハカさん⋯何を言ってるんですか、貴方の隣には悪霊すら怯えるほどの格闘技の達人が、イタタタタ」
ワタルはミレイに顔を思い切り握られる、
「ワタルくん、次言ったら死肉にするわよ?」
「すみませんでした」
ワタルは見事に綺麗な土下座をしてみせる、ミレイはハカに、
「うーん、どうだろ」
「ユウマはいつも困ってる人たちの為に頑張ってるのに⋯こんな扱いばっかり受けてて⋯私、悔しいです」
「⋯ハカちゃん?」
ハカはユウマに対する思うことを言う、
「あんなに沢山の霊に憑かれて、呪われて、毎日死にたくなるぐらい苦しんで、平等に与えられるはずの日常とかちょっとした幸運とか、そういうのも全部ユウマには無くて⋯普通に暮らせたら良いなって、一度で良いから熟睡してみたいってユウマはそれしか、そんなことしか望んでないのに、それなのに私は何も⋯」
ミレイはサッとハカに近づくと、ハカの胸を揉んだ、
「ちょ、ちょっと!なに触ってるんですかミレイさん!?//」
ワタルは直ぐ様、後ろを向く
「ここは柔らかいのにねえ、表情硬いよぉ⋯リラックス、リラックス」
続けて何度も揉み続ける。
「や⋯ちょっと⋯止めてくださいって⋯!!」
「俺もう、先行っていいっすか!?」
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フジコ山頂上にて
「グフフ、この山のマグマで揚げた油揚げはさぞ美味かろうなぁ、世界が真っ赤に煮えたぎるサマを想像しただけで⋯グフフフフヨダレが止まらんぞ」
ユウマに取り憑いた山狗がフジコ山を噴火させる寸前、後ろからの声に止められる
「ユウマ!何やってるの!!」
ハカだった、山狗はそれを見ると、
「誰じゃキサマは?」
(やっぱり⋯ユウマじゃない⋯)
「どこの誰だか知らないけど、今すぐユウマを解放して!ユウマに三途の川は渡らせない!」
「魔王に対して無礼なもの言いじゃのう、これより世界をグツグツにするのじゃ!人間どもは皆息絶え、霊となってこやつに取り憑く、キサマもその一体に加えてやろうぞ」
そこにワタルもやって来て、言い返す、
「いや多分だけど世界の住人全員取り憑かせたら、ユウマの肉体と精神が保たないから」
(やっぱ、あの時見てたんか)
「ん?キサマは⋯⋯あの時の小僧か!フフ面白い」
「そ、そんな事、させるわけ無いでしょ!」
(この霊⋯ヤバい⋯体の寒気が止まらない⋯ユウマにはこんな悪霊まで取り憑いてるの⋯?)
すると、ハカの後ろから大きな声をあげて山狗に対して呼びかける者がいた、
「おひさー狗っち」
ミレイだった、少し遅れたが追いついたらしい、
「き、キサマは!なぜキサマがここにおるのじゃ!」
驚愕とも恐怖とも言える表情で息を荒立てる山狗それにミレイは、
「なに言ってんのよ、弟のピンチに姉が駆けつけるのは当然でしょ」
「抜かせ小娘⋯よかろう、キサマも霊にしてやるぞ”人類揚げ揚げ計画”の一端に加わるがよい!」
ミレイは山狗の勧誘に対して、
「ごめーん、そういう趣味ないんだよねえ」
「相も変わらずふざけよって!魔王のボクに勝てるとでも思っているのかああ!」
「あら奇遇ね、私も生涯無敗なの」
そう言うとミレイは、山狗へと向かっていく、
「ミレイさん危ない!相手は山を噴火させる魔王なんですよ!幾ら何でも勝てるわけ__」
「ああもう!」
ワタルはビルドドライバーを取り出し、腰に装着しようとする、
「人間風情が調子に__」
山狗の視界にはもう既にミレイは消えており、変わりに上から声が聞こえた、
「大丈夫!手加減してあげるから☆」
「へ?」
ミレイは山狗に対して頬に一撃を放つ、
「へ?」
ハカですら変な声を上げると、ドゴォォ!!!という音と共に山狗が居た地面が取り憑いていたユウマと共に山を抉りながら直下して行った、
「えええええーーーー!!!?」
「うそーーーん!!?」
ハカとワタルはそれぞれ驚愕し呆然とする、
(ま、魔王も⋯ワンパン⋯!!!?)
「あなた本当に人間ですか!!!?」
この後、ワタルも先程の一撃程では無いものの思い切り拳骨を喰らった、
「おーいユウマー、狗っちー生きてるかー?」
ミレイはユウマと山狗で抉られた地面の穴に声を掛ける、穴の中からは、
「あが⋯あがが⋯⋯こわい⋯あの娘こわい⋯」
山狗はミレイに途轍もなく怯えていた。
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黒神家邸宅
「わ、分かった⋯ミレイに免じてこれからは少し控えてやることにするのじゃ」
霊体に戻った山狗は黒神家邸宅で話し合っていた、
「分かれば良いのよぅ、良い子にしてれば毎日美味しい油揚げ作ってあげるから」
「ほ、本当か?」
「もっちろん!」
尾を揺らす山狗にミレイはそう答える、
(すごい⋯魔王を手懐けてる⋯)
「アッツアツのマッグマグが?」
目を輝かせる山狗にミレイは、
「ええ、灼熱インフェルノの☆」
「ほわあああ!灼熱食べたかったのじゃ!ユウマ!すまんな、計画は後回しじゃ!」
「いや俺の計画じゃねえから⋯で、その灼熱なんとかは誰が作るの?」
ユウマがミレイに聞くと、
「あんたに決まってるでしょ」
「ですよねー」
「あっ、そうだユウマさんコーヒー飲みます?淹れ方を知り合いの店のマスターに教わったので」
「おっ!いいのか?じゃあ頼む」
「私も」
「じゃあ私も」
「分かりました、淹れてきます」
数分後、飲んだ全員から苦すぎると言われたワタルなのだった、
感想をお待ちしてます、誤字などがあれば教えてくださいお願いします。
俺クロの百鬼夜行編が始まる前に、主人公には仮想現実シュミレーションを単身で行ってもらうのですが、どれがいいと思います?
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