エボリューションと月と影   作:旅人0605

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第21話アベルの収容違反

 

 

 

 

 

 

カインとアベル、この2人の兄弟喧嘩は「旧約聖書」創世記にまで遡る、結果この喧嘩は人類最初の殺人と呼ばれ、カインのアベル殺しによって幕は閉じたのだが、罪はなく逆恨みの如く命を奪われたアベルの怒りは如何ほどであったか⋯

 

_____________________

ある日のシュミレーションルームにて、警告音が鳴り響いていた、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈警告します、SCP-076 アベルの仮想現実内殺傷人数がシステム許容値をオーバー、管理者はこの警告より90分以内にユーザーログイン数を許容値に戻してください、繰り返します⋯〉

 

「なるほど⋯やっべーな⋯⋯ってわかんねーし!こいつ何言ってんの?」

 

ユウマがそう言うと、シュミレーションルームの画面が切り替わり、とある言葉が書かれていた、

 

〈警告します、ユーザー2による不適切な発言を確認、ユーザー2を消去しますか〉

「いや、待て待て待て」

「茶番してる暇はないわ、SCP-076 アベルが仮想現実内で脱走、ログイン中の人間の命を無差別に奪ってるのよ」

 

そこにワタルが割って話し掛ける、

 

「また、危険なSCPですか?懲りませんね〜」

 

紅茶を飲みながら言うとハカの説明にユウマが、

 

「アベル?聞いたことあるな」

「旧約聖書に出てくるわ、兄カインに殺されたのが弟のアベルよ」

 

その後ろからミレイも言う、

 

「なるほど、初戦ですでに一敗してるのね、それでこの私に勝てるかしら?」

「戦う前提やめろ!」

「アベルのオブジェクトクラスはKeter(ケテル)人型SCPの強さの上限値とされています」

 

映像に映されたのはアベルと思われる人物の後ろ姿、褐色の肌に赤い線のような物が彫り込まれており、長い茶髪だ、

 

「つまり⋯彼より強い人型SCPはいないってことね」

「なんでそんな奴が脱走してんだよ、仮想現実つっても、財団の管理はどうなってんだ?」

 

そのユウマの言葉に答えるようにハカは言った、

 

「海底200メートルの岩盤層に石棺と共に収容されてるわ」

「石棺?」

 

画面が切り替わり、海底にある石で出来た棺を映し出す、

 

「ええ、SCP-076は石棺のSCP-076-1と実体のアベル SCP-076-2の2つで構成されるの、今までも収容違反を繰り返してて、そのたびに多くの財団職員が犠牲になってきた」

「でも⋯いつも最終的には再収容できてるんでしょ、ってことは不死身ってわけじゃないのね」

「はい、ただアベルは超人的な身体能力を有し、拳銃やアサルトライフルの弾丸ははたき落とすため聞きません」

「ハエみたいに言うなよ⋯」

「弾丸をはたき落とすって、一体どんな速さとパワーではたき落としてんでしょうか」

 

続けるようにハカは言う、

 

「そのため今まで再収容には石棺ごと13.6トンのエレベーターで圧殺したり、TH3焼夷手榴弾による焼殺といった手段が取られてきました、でもそれは脱走が施設内に収まっている場合の話で施設外への逃走時には局地的な核弾頭が使用されたこともあります」

「相変わらずやることが派手な財団ねー」

「まあ、財団も我々の日常を守っている訳ですから」

「そうまでして対象を”終了”させてもアベルは命を失うと塵になって、その後、石棺の中で6時間から25年かけて再生、再び外に出てきます」

「執念深いやつね、1000年前の恨みってやつか」

「何時もより、多めにボトルを持って行ったほうが良さそうですね」

 

すると、

 

〈警告より10分が経過、80分以内に仮想現実SCP-076内のユーザー殺傷人数が許容値に戻らない場合、システム保護のため、当該仮想現実を初期化します〉

 

「さっきからこの90分縛りなんなんだよ」

「それもSCP財団の収容プロトコル規定よ、脱走より90分以内に対象を沈静化できない場合、施設ごと職員もろとも水没させて沈静化させることになってるの、急ぎましょう」

「これも、市民を守る為か」

 

〈SCP-076への緊急転送を開始しますか?〉

 

だが、転送をする前にハカがパソコンを弄り始める、それを見たユウマは、

 

「なんだよ?急ぐんだろ」

「ちょっと保険をかけておきたいの」

「保険ってもしかして」

 

〈自動プログラムの設定を完了しました〉

 

「これでいいわ、今度こそ行きましょう」

 

________________________

 

 

       クリア難易度:★★★★★

 

         【SCP-076】「アベル」

       最強人型SCPとの戦闘に勝利せよ

 

 

 

 

________________________

 

 

「想像より凄惨な状況だな⋯」

 

ユウマの視線の先には瓦礫だらけのあちらこちらから黒い煙が立ちこめている都市だった、

 

「あれを倒せばクリアね」

 

ミレイの視線の先には先程の後ろ姿の特徴と合致する、SCP-076 アベルの姿が、

 

「っの刺青サイコ野郎、ワンパンでケリつけてやる!」

「無茶すんなよ」

 

そう言うと、ミレイはアベルの元へと降りていく、

 

「ミレイの姉御、ちょっと待っ⋯」

「塵になって1000年寝てろ!」

 

ワタルの静止虚しく、ミレイはアベルに突っ込んでいくと、その瞬間土煙が立ち込める、だが、反してそのままアベルは吹き飛ばされていった、

 

「ユウマ!」

「あいよ!」

 

ミレイの言葉と共にユウマは手から黒い影のような物を出すと、ミレイを先程降りたビルへと引き戻す、だが、

 

「あら⋯全然効いてないみたい⋯」

 

先程までビルの下に居た筈のアベルが、ミレイ達が居るビルの屋上に姿を現していた、しかも先程ミレイから喰らった攻撃をものともしていない様子だった、

 

「ふーん⋯異能力者か⋯面白い、だがお前らは◯すぞ」 

 

ワタルはドライバーを装着して、ボトルをセットする、

 

フォックス!ガトリング!

 

「変身!」

 

『Are you ready?』

 

ハンドルを回し、即座に変身するとワタルも臨戦体勢へと変わる、

 

「まずあのブレードを奪うわよ、ハカちゃん行ける?」

「発動までに数秒かかります」

「そのぐらいなら稼ぐわ…ワタルくんも行ける?」

「行けます!」

 

アベルは尋常ではない殺気を出しながら言った、

 

「お祈りの時間は終わりだ、行くぞ!」

 

ミレイとアベルがお互いに走り、間合いを詰め、アベルがミレイに斬撃を食らわせようとしたが、これをミレイは避ける、

 

「それは1回見たわよ」

 

そのまま、流れに任せ、ミレイはアベルの背中に渾身の一撃を放つ、だが

 

「⋯蚊でも止まったか?」

 

そう言うと、アベルはミレイを吹き飛ばす、

 

「がはっ!」

 

ミレイは着地すると、直ぐ様ハカは指を鉄砲の形にし、黒いエネルギーのような物を生成し、発射する、

 

「三途の川に沈めええ!」

「これでも喰らっとけぇ!!!」

 

『ホークガトリンガー!』

 

ワタルの手には先程までには無かった機関砲が握られており、リボルマガジンと呼ばれる部分を回し始める、

 

『テン!トゥエンティ!サーティ!』

 

『フォーティ!フィフティ!シックスティ!』

 

『セブンティ!エイティ!ナインティ!』

 

『ワンハンドレッド!フルバレッド!』

 

その音と共に、ワタルは弾道をアベルへと向けた、だがハカの出した黒いエネルギーもワタルが出した弾丸も全てアベルとは別の場所へと放たれる、

 

「バカめ、どこを狙っている」

 

だが、それによって出来た土煙がアベルを襲う、

 

「くっ!これが狙いか⋯!」

 

するとアベルが持っていたブレードが吹き飛ばされた、

 

「こっちよ!」

 

隙が出来たアベルにミレイはブレードを持っていた腕を蹴り飛ばした様だ、

 

「ユウマ!今よ!」

「りょーかい!」

 

ミレイの声を聞き、ユウマは先程の影でアベルを縛り上げた、

 

「これでおいたは止めて、お家に帰る気になったかしら?坊や」

 

だが、ピンチな状況になっているにも関わらず、アベルは笑みを浮かべながら言った、

 

「⋯勝った気か?」

 

「え?」

「まさか、ミレイの姉御離れて下さい!!」

 

「これで勝った気かと聞いている…うぉおおらぁぁ!」

 

すると声を上げながら、アベルは縛られていた影を一瞬で、引きちぎった、

 

「うげ⋯」

「アベルは過去に強化鉄鋼性の扉を引き裂いたほどの怪力の持ち主よ」

「まずい…」

 

フォックス!コミック!

 

『Are you ready?』

 

「チェンジ!」

 

ワタルは装甲を変え、四コマ忍法刀を取り出すと、直ぐ様トリガーを1回押した、

 

『分身の術!』

 

その様子を見ていたアベルは、

 

「ふ⋯そっちの女は少しはお勉強ができるようだ、筋肉馬鹿も見習った方がいい」

「誰が筋肉馬鹿だ」

 

ミレイは冷静にツッコむとアベルは続けた、

 

「冥土の土産にいいものを見せてやろう」

 

すると、アベルは先程ミレイが蹴り飛ばした筈のブレードを2本生成した、

 

「俺から武器を奪おうなんて無駄なこと、さて⋯誰から死にたい?」

 

アベルはその言葉と共に、ミレイは吹き飛ばす、

 

「っがは!」

 

ユウマには斬撃を食らわせ、叩き切る、

 

「早ぇ!」

 

ハカは見えないほど早い衝撃を与え、吹き飛ばす、

 

「きゃあっ!」

 

そして、ワタルは分身を一度の斬撃で全て叩き切ると、本体に2度斬撃を与える、

 

「分身が…」

 

地面に倒れ伏す4人を見て、アベルは、

 

「そろそろ⋯死ぬか」

 

〈User1・User2・User3・User4のバイタルサインが基準値の49パーセント以下を確認、プログラム実行条件に適合、これより自動プログラムを発動します〉

 

このアナウンスと共に、ビルの上空が荒れ始める、

 

「今度は⋯何が?」

「SCP-073 カインの転送よ、アベルを止められるのは彼しかいないわ、そのためにこのプログラムを組んでおいたの」

「⋯願ってもない助っ人だな」

「大丈夫ですよ…ね?兄弟喧嘩で…全滅なん…てないと良いですけど」 

 

そして、上空から人型が降りてくるのが見えた。

 

 

こうして今ここに、創世記・エデンで生じた兄弟喧嘩の続きが仮想現実へと舞台を移し、3人の異能力者と一人の仮面ライダーを巻き込んで再び勃発しようとしている⋯

 




ワタルの持つフォックスフルボトルには特定のボトルと組み合わせるとそれにあったウェポンを読み取って生成させる力がある、


SCP-076 本家様

http://scp-jp.wikidot.com/scp-076

俺クロの百鬼夜行編が始まる前に、主人公には仮想現実シュミレーションを単身で行ってもらうのですが、どれがいいと思います?

  • SCPや都市伝説のミッション
  • ラブ&ピースの世界のミッション
  • クロスオーバーのミッション
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