僕のヒーローアカデミア 僕の師匠は異世界最強の魔導士!? 作:ポップ推しの視聴者
殺人罪や個性乱用の罪で捕まりかけるものの、オールマイトの提案により、雄英高校の先生をすることとなる。
果たして、魔歩は無事に教師として職務を全うできるのか?
1-A教室にいる生徒全員が目の前の状況に目を丸くする。
目の前にいるのは担任の先生である、相澤先生ではなかった。
オールマイト、校長ともう一人、ほとんどの人たちが見たことのない身元不明の人物であった。
「みんな!彼が!臨時で入ってくださった副担任の先生だ!!」
「…は?」
クラスメイトのほぼ全員がその状況に頭をフル稼働させて理解しようとする。
だが、それが意味することはあまりにも非情な現実ばかりで脳が理解を拒むものも少なくはなかった。
「…相澤先生は、どうなったんですか?」
芦戸の言葉に、校長が答える。
大怪我をしているものの、命に別状はなく、後遺症もないだろうとのことで教室からは安堵の声が聞こえてくる。
ではなぜこの場に相澤先生がいないのか?
怪我で動けないから来ないなんてことを相澤先生がするとは思えなかった。
校長はここにいる全員に、個性無断使用の件について説明を始めた。
警察に聞いた話と同じものだった。
その責任を取る形で、相澤先生は少しの間謹慎処分を受けることとなったのだ。
そしてその事実が今の目の前の現状に繋がる。
オールマイトの説明に校長も付け加えて説明を始める。
校長曰く、彼は講師としてこの学校に勤めるらしい。
「担任はこのまま継続して相澤先生に担当してもらう。だが、謹慎を受けている彼が、今君たちに教育を行うことができない。だから副担任として彼を雇ったのさ。」
「彼のことを見たことがある者は?」
校長の問いかけに、緑谷・轟・爆豪・瀬呂が手を挙げる。
「では君たち四人に聞くよ。彼の実力に不満を抱くものは?」
次の問いに、手を挙げる者はいなかった。
唯一意識が朦朧としていた、轟だけは困惑を示しながらも挙げていた手を下ろした。
その姿を見た校長は満足げに頷くと話を続ける。
彼の強さは私も保証すると、言葉にしながら副担任の足を軽く叩く。
彼を雇った理由は2つあると話、もう一つの理由を話し始めた。
それは、自己防衛であった。
「彼は強い、それはヴィランにとって明確な盾となる。今回のことを危険ととらえた雄英高校は、さらなる自衛の手段を必要としたのさ。それが、彼だ。」
校長先生の言葉に生徒たちは次々と明るいリアクションが生まれ始める。
そんな様子をオールマイトは笑みを浮かべながらも鋭い視線で見つめていた。
(もし、内通者がいるのであればこの状況を芳しくは思わないだろう。この程度の
そんなこんなで話をしながら、朝のHRが終わる。
すると始まるのは当然新しい先生に始まる質問ラッシュであった。
魔歩先生はすぐさま生徒に囲まれ色々なことを聞かれていた。
「先生!何歳!」
「先生彼女いる!?」
「何でここにきたの?」
等様々な質問が飛んできて回答をする暇すらなかった。
そんな中、たった一つのセリフがその場の全てを上書きする。
「し、師匠!なんで雄英高校にいるんですか!?」
クラスメイトの全員が声の主に振り向く。
その視線の先にいたのは緑谷出久だった。
「師匠?緑谷さんの?」
「緑谷この人の弟子なのか!?なんかかっけえな!」
その話題がクラス一面を支配する。
その話題が尽きることはなく、次に一瞬の静寂を作り出したのは爆豪の言葉であった。
「てめぇの"個性"はなんだ?デクと同じなんか?」
"個性"もちろん気になるだろう。
氷も風も雷も炎も出すことができるチート個性"魔法"。
その"個性"を持つ緑谷の師匠なのだ、その個性も強力なのではないかと期待する。
だが、魔歩先生は予想とは違う返答を返してきた。
「デク?それは誰のことだい?」
当然であった。
このクラスにデクと言う名前の人間はいない。
その上に魔歩先生はこのクラスに来たばかりでおそらく誰の名前も覚えていないであろうことは明白であった。
ゆえにその返答は当然であった。
だが、それを失念していたクラスメイトたちは一気に冷静になる。
「1時間目は俺らや新副担任の先生の自己紹介だろ?そこからまた話しようぜ。」
切島の一言に皆が賛同し、授業の始まりを待った。
授業が始まると、生徒から自己紹介が始まった。
名前・個性・趣味や特技を簡単に話し、次の人にパスをする。
そんな自己紹介をしていた。
そして爆豪の番になった。
「…爆豪勝己、個性は爆破。」
淡々と自己紹介をしていく。
だが次の発言にクラスがどよめく。
「てめえみたいな一般人が先生だ?てめえに何が教えられんだ?」
先生に喧嘩をふっかける。
それにはさすがにクラスの全員が爆豪の発言を止めようとする。
だが、彼にその気はなく、目の前の先生に対して認めないという旨の話を叩きつけた。
だが、魔歩がそれを受け止めることはなかった。
「不安なのは分かりますよ。俺も頑張ります。だから、そのうち認めてほしいな。」
そう返して、直ぐに次の人に自己紹介を促した。
爆豪は何か言いかけるも、次の自己紹介が始まったため、妨害するのはさすがに…と判断した爆豪は肩をワナワナと震わせながら席についた。
そしていよいよ、先生の番になる。
「俺は…緑谷魔歩、1-Aの副担任です。個性は"魔法"、詠唱に応じた魔法を扱うことができる個性です。特技は、空を飛ぶこと…かな?よろしくお願いします。」
自己紹介を終えて、頭を下げた瞬間に拍手が巻き起こる。
そして、同時に質問ラッシュの開始だった。
様々な質問が飛び交い、時間が許す限り魔歩先生も答えていく。
クラスの音が止まったのはまた爆豪の発言であった。
「てめえはデクの、なんなんだ?」
クラスが静まり返る。
時間にしてものの数秒、時が止まったかのような感覚に陥る。
そして次に時が動き出したのは、クラス中から湧き上がる爆笑の渦であった。
「おまえ、そのセリフ【彼女】かよ!!」
「ひゅ〜独占欲か?」
「あ゛ぁ゛!?んなわけねえだろ!!黙れモブども!!」
爆豪の台詞回しが、相手に嫉妬する彼女のそれにしか聞こえなかったことからクラスでは爆笑が巻き起こる。
緑谷は目を丸くしながら爆豪に視線を送るが、すぐさま殺意とも取れる睨みと視線交わったため、逃げるようにそっぽを向く。
先程から上がってくる【デク】と言う名前。
それが誰なのかは分からなかったが、この状況で関係性を問われる生徒は1人しかいないだろう。
そう結論づけた魔歩は、あらかじめ緑谷の母と決めていた
「俺は、いず…緑谷くんとは親戚の関係なんだ。少し遠いけど、緑谷くんの母の旦那さんの妹さんの結婚相手の弟です。」
微妙に遠い。
クラスの大半がそう感じた。
リアクションに困る中途半端な距離感に、教室の雰囲気は何とも言えぬ空気が漂う。
そんな空気を吹き飛ばすかのように、生徒の一人が高らかに声を上げる。
「ねぇ!僕のことキラキラ!どう思う!?」
青山優雅は手を挙げることもなく、唐突に魔歩先生に向かって自身に関する問いを投げつける。
キラキラが何のことを言ってるのか分からなかったが、とりあえず「そうだね。」と返答してその場をしのぐと、クラスの雰囲気も先ほどのものと近くなり、時間いっぱいまで質問タイムが続いたのであった。
午前中の授業は問題はなかった。
教科を担当する先生たちが問題なくいた為、かつイレイザーヘッドの担当はすべて2人配置の教科であったため、ある程度は問題かった。
だが13号とイレイザーヘッドがともに始動していた、災害救助訓練が問題であった。
教師2人が負傷、尚且つイレイザーヘッドについては処罰による謹慎処分。
それゆえに指導者がいない状態であった。
そのための補助員である。
そして午後に始まった、ヒーロー基礎学。
もちろんその場に立つのは、相澤先生の代理として教壇に立つ魔歩先生であった。
もちろん、いきなり現れた人物が【ヒーロー基礎学】と言うヒーローを目指す上で必須である科目の指導に入ることは不安でしか無かった。
だが、魔歩先生はそれを前々から察していたのか懐から取り出したものを生徒たちの前に見せつける。
それは、小さな鈴だった。
どうやらこの授業ではこの鈴を使うようだった。
先生が説明を始める。
どうやら今回は訓練を行うのではなく、生徒たちの特徴をつかむためのレクリエーションであるとのことだった。
生徒一人ひとりに鈴を渡して詳細を語り始める。
「皆はそれを体の一部につけてください。」
そう言いながら、先生も一つの鈴を腰に結びつける。
先生曰く、生徒全員VS先生のレクリエーションとのことだった。
鈴を取り合うゲームである。
鈴を取るために手段は問わない、先生を殺すつもりでかかってこいとのことだった。
あまりに唐突な話についていけないと顔に出ている生徒もいるが先生は構わずにストレッチを始める。
するとその様子を見ていた、一人の生徒の口角が鋭く上がる。
両の手で個性を発動させその反動で加速する、お馴染みの高速移動。
それを見た緑谷は止めようとするがそれよりも早く彼は先生を射程範囲に捉える。
爆豪は先生の腰にかかっていた小さな鈴を紐ごと引きちぎり取り去る。
爆豪は、着地をするとその手にプラプラと鈴を揺らしながら黒い笑みを浮かべる。
「おい、もう鈴を取っちまったぞ?こっからどうすればいいんだ?あ?」
そんな爆豪を傍目で見ると、先生は分かりやすくため息をつきながら爆豪と同じように右手を上げると何かを見せつけるようにプラプラを振り始める。
それは、爆豪がとったはずの鈴であった。
爆豪も、クラス全員も目を丸くする。
爆豪の手には確かに、先生から奪った鈴が握られている。
それは間違いがない。
では先生が持っている鈴はなんなのか、予備の鈴を出してきたのか?
爆豪はハッとして、自分の腰に目を配る。
するとそこには自身の括り付けていたはずの鈴が姿を消していた。
怒りにゆがめた顔をすぐさま先生へと戻すと、先生はその考えを理解したのか鈴を腰に着けながら話し始めた。
「まだスタートなんか言ってないぞ。5分後に始めるからストレッチをするなり、準備をするなり、作戦を考えるなりしていてください。」
そう伝えると、先生はストレッチの続きを始めた。
生徒たちは動揺しながらも、先生の指示に従い、各自準備を始めた。
何人かの生徒たちは、先生のレクリエーションに対して相談を始める。
「先生の鈴を取るっつっても、こんな大人数でかかったら、まず逃げ切れねえよな?」
「それに殺す気で来いって…そんな事できないよ。」
そんな会話をしていたが、それを聞いていた轟がその場にいるメンバーに鋭い言葉を投げつけた。
「そんなつもりじゃ、たぶんあの先生にはちっともはが立たねえぞ。」
その言葉を聞いた、メンバーは「だけど…」と話そうとするもそれを遮って轟は話を続ける。
「あの先生は、黒い怪物を一人で倒したんだぞ?俺たちがあの黒い怪物に一斉にかかって倒せてたか?」
その言葉に全員が詰まる。
あの怪物を見た人たちにとってはそれがどれだけ困難なことは想像に難くはなかった。
それを直接見ていない生徒たちも、それらの生徒の様子を見て困難なことは理解できる。
本気で全員でかかっても勝てない可能性が全員の頭によぎる。
だがしかし、それが彼らの諦める理由になどはならない。
命がけではない、そんな中での格上との勝負。
それに、うろたえるものもいれば、轟の話を聞きさらに感情を高ぶらせるものもいた。
時間がたち、いよいよレクリエーションの開始時刻となった。
レクリエーションの初戦の時間は20分間であった。
先生のスタートの掛け声とともに様々な生徒が先生に使って突撃してくる。
その先陣を切るのは、またもや爆豪であった。
爆速ターボで、先生との距離を詰めて再び鈴を取りにかかる。
鈴に手を伸ばすも、当然その手は躱されてしまう。
しかし、それを予測していたのか、爆豪は爆破をうまく利用して先生の背後へと回り込む。
そして再び先生の腰に向かって手を伸ばすも、その腕を左手で弾かれ、軌道を変えられてしまう。
手を引こうとするも、それより早く先生のが爆豪の腕をつかみ、ビルの中へと投げ飛ばす。
その後に続いて、何人もの生徒が、先生の鈴を奪おうと迫りくる。
数での突撃。
それも立派な作戦の一つであろう。
だがしかし、そんな単調な作戦は彼に通用することはなかった。
攻撃や鈴を取りに来た生徒の手を、すべて回避か受け流しで対応し、それらを捌き切る。
数にして10人以上であったが、それでも先生の鈴を取るどころか触れることすらできなかった。
逆に何人かの鈴を奪った後に上空に飛び上がる。
攻撃を仕掛けていた生徒たちは、それを見上げて攻撃を仕掛けようとする。
「
真空呪文を地面に叩きつけ、周りの生徒達を吹き飛ばす。
そして着地してすぐに散らばった生徒たちを回り、鈴を回収した。
先生はまだ攻め入っていない生徒を見つけると、まるで挑発でもするかのように手首で「かかってこい」と言わんばかりに言葉を続ける。
すると、次に攻撃を仕掛けていたのは轟だった。
足から氷を生成し、その氷結が先生に襲いかかる。
「
氷結の手前に自分で氷塊を生成し、盾の代わりにする。
するとそこにぶつかった氷は、その周りを囲うように氷結した。
轟からはその様子は確認できずに、次の生徒たちが先生に向かって突撃する。
常闇と、瀬呂が氷の影から姿を現し、凍っていないことに驚きながらも攻撃を仕掛ける。
常闇は
先生は攻撃を躱し、2人の横顔を見つめる。
そしてその特徴を覚え込むために、2人の個性に触れる。
ダークシャドウはすぐさまその手を払い除けて攻撃を再開する。
対する瀬呂のテープに触れた彼は、その粘着質に動揺する。
それを見ていた生徒たちは好機ととらえて逃さない。
「
粘着質のテープは、簡単に燃え広がっていき、瀬呂のものへと駆け上がる。
それと同時に先生も瀬呂に向かって走り出す。
瀬呂が慌ててテープをちぎるとその間に先生は、通り過ぎざまに彼のポケットから顔を出していた鈴を掠め取る。
轟が氷結で援護をしようとするも間に合わず、むしろ先生はその氷を足場にして、常闇の元へと飛んでくる。
その先生に向かって常闇はダークシャドウを仕掛ける、先生に簡単に躱されてしまう。
そして、自身の鈴も取られると確信した常闇であったがそれを助ける人物が乱入する。
爆速ターボで爆豪が突っ込んでくる。
それを見た先生は右手と左手をそれぞれ爆豪と常闇に向けて、真空呪文を放つ。
爆豪は躱すも、常闇は躱しきれずに、建物に向かって吹き飛んでいく。
爆豪は先生の鈴を奪いに来るわけではなく、蹴りを顧問の先生
の顔面に向けて蹴りを繰り出す。
先生はガードをしながら、爆豪に向けて距離をとる。
背後からは氷とレーザーが挟み撃ちのような形になっていた。
(レーザー!?確か、青山優雅か!)
生徒の名前を思い出しながら、それでも回避をしていく。
遠距離攻撃が厄介だと感じた先生は、青山優雅を視認するとそこに向かって、走り出す。
そんな青山を守るように緑谷が前に立ちふさがる。
そんな様子に、小さな笑みを浮かべるもすぐさま真剣な表情へと戻る。
緑谷が火炎呪文を放つも、それは簡単に躱され、むしろ後ろから追いかけていた爆豪に当たりかける。
それに動揺したのか、爆豪に謝りの言葉を告げる。
だが、それが一瞬の隙を生む。
先生を視線から離したことで、彼の魔法へと判断が遅れる。
緑谷は一瞬にして先生との距離を詰められ、緑谷を回転させて気絶させてから鈴を奪い去る。
そして無防備になった、青山の鈴も奪い去った。
残る生徒は2人であった。
爆豪と轟。
2人とも初めから先生を警戒するように見られた。
爆豪は先生に攻撃を仕掛けるも全て、ガード、回避をされる。
それにしびれを切らした爆豪が右の手のひらを先生に向けて目一杯広げる。
そして、その手のひらからは大きな爆発が発生し、先生へと襲いかかる。
魔歩先生は左手で爆風ガードしながら煙の中へと突撃し、爆豪の腕についていた鈴を掠め取った。
轟は、再び氷結を先生に向かって放つ。
何度も見てきたその光景な、先生は鋭い視線を向けながら、呪文を放つ。
「
それを唱えた瞬間、青山のように轟に向かって一つの熱線が氷を溶かして向かってくる。
咄嗟に躱わした轟は隙だらけであり、先生から簡単に鈴を取られてしまって、完敗だった。
1-Aの生徒たちが束になってかかっても、先生の鈴を取ることはできなかった。
そんな事実にがっくりと項垂れながらも、先生の方へと視線は向けていた。
「今日はお疲れ様!」
そう言いながら、疲れ切っている生徒たちに次々と声を掛ける。
まだまだ先生には余裕がありそうであった。
これで何を見たのか?生徒たちの疑問に対して先生が回答する。
それは、生徒たちの個性とその使い方を直に見たかったとのことだった。
このレクリエーションは一回で終わることはなく、チームを何回か作り、そのテーマごとに行われたのであった。
授業の終わり、生徒たちが帰る様子を職員室から眺めていた。
そんな様子を見てオールマイトが彼に声を掛ける。
「初授業お疲れ様!どうだった?」
するとその質問に「彼らのことが少し分かった」と返すとすぐさま授業作成に取り掛かった。
みなさん!いつもこの小説をお読みいただきありがとうございます。
先週更新を金曜日から月曜日に変えたら色々と変化致しましたので、月曜日更新にしていきたいと思います。
そしてお気に入り登録が300を超えました!皆さん本当にありがとうございます!
これからも頑張っていきますので、本作品をぜひともよろしくお願いします!