僕のヒーローアカデミア 僕の師匠は異世界最強の魔導士!?   作:ポップ推しの視聴者

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緑谷の優勝への欲望に火が灯り、A組全員が同じ土俵へと登る。
全員が同じ地点を目指してついに激突する。


第17話 駆け抜けろ、体育祭予選

 

会場を埋め尽くすほどの多くの歓声に、クラスメイトたちは様々なリアクションを示す。

緊張に体を強張らせるもの、緊張を感じながらも凛とした行動をとるもの、その巨大な歓声にむしろ滾らせるもの。

様々な様子を見せながら入場するA組の生徒たちを観客たちは期待の溢れる視線、歓声、行動で表現する。

そんな歓声の中で、A組に続きB組そしてサポート科、普通科が入場し参加者全員が並び、会場に収まる。

毎年1年の選手宣誓は、入学試験を1位で突破したものが行うことになっている。

それはつまり、今年の代表が緑谷出久であることを示していた。

ミドナイト先生の呼び出しに返事をし、足と腕を交互に…いや、一緒に動かしながらガチガチの状態でマイクの前へと移動する。

体が震える。

そんな緊張感にのまれながらも、震える唇を必死に動かして言葉を紡ぐ。

 

「せ…宣誓!我々、選手一同は日頃の努力の成果を存分に発揮し!」

 

どこにでもある普通のの選手宣誓である。

これまでの努力を発揮する、力を出し切る、戦い抜く。

そんなことを宣言していた。

そして最後の一文を告げようとしたとき、彼の頭に逡巡するものがあった。

 

(…お前に勝つぞ。)

 

轟のセリフだった。

その言葉が緑谷の思考を一気に染め上げる。

覚えてきた言葉があった。

だが、それを塗りつぶすその言葉に緊張も、予定もすべて消し飛んで【優勝】だけが彼の頭に残る。

 

「…正々堂々戦い、優勝を勝ち取ることを宣言します。」

 

その宣言に多くの者は真意を考えることもなく、拍手をする。

だが、A組の全員と一部の人間達がその言葉の真意を感じとる。

 

緑谷(ぼく)が優勝を取る。】

 

彼はそう宣言したのだ。

拍手の中でA組の列に戻る緑谷にクラス全員分の視線が突き刺さる。

そして戻る途中に肩に何かが思い切りぶつけられる。

何事かと振り返るとそこには、恐ろしい形相でこちらを睨みつける爆豪勝己(幼馴染)の姿があった。

そのあまりの形相にすぐさま視線を外してそそくさと自身の場所に戻る。

改めて彼も超えていかなければならない事実に落胆をしながらも、頭の中では彼と戦うに備えた作戦を振り返る。

この日のために、クラスメイトとの戦闘のシミュレートは何度も行ってきた。

それがどこまで通じるか、いや、勝つために通さねばならない。

硬い意志を秘めながら、第一種目が発表されるであろう電光掲示板に視線を送る。

 

「気になる第一種目はこちら!!」

 

ミッドナイト先生の掛け声で、ルーレットのように競技の名前が回り始める。

全員が息を潜めて、その画面に注目するなかついに1つ目の競技がその画面に現れる。

 

[障害物競走]

 

会場にざわめきが伝わり始める。

ついに競技が判明し、ミッドナイトがその競技について説明を始める。

スタート地点は競技場のゲート1つ。

そこからスタートし、競技場の外を回りながら3つの障害物を乗り越えて、スタジアム内に戻るレースである。

障害物については、見てみてからのお楽しみだということで、説明はなかった。

ミッドナイトの掛け声で、生徒全員がスタート地点であるゲートへと集まっていく。

だが集まっていた生徒の多くが途中から異変を感じる。

 

(あれ?これ…。)

 

(全然ゲートの大きさ足りなくない?)

 

全員がゲートへと集まるが、始まる前から満員電車のようにすし詰め状態。

それどころか溢れ出し、ゲートに入ることすらできていない生徒すらいた。

緑谷もゲートの中ほどでもみくちゃにされている。

だがそれでも、時間はまってはくれない。

当然開始時刻になると同時に、ミッドナイトのスタートの掛け声が響き渡る。

それと同時にさらに強い力で周りから押しつぶされる。

なんとか進もうとした次の瞬間、緑谷はとあるモノを感じ取る。

 

(…!冷気!?)

 

緑谷は咄嗟に飛び上がり、地上2.5mほどの高さの壁に着地する。

次の瞬間、緑の板場所を含むゲート付近の床が、人の足を巻き込みながら凍りつく。

こんな芸当ができるのは緑谷が知る中では一人しかいない。

 

「轟くんか!」

 

その予想通り、轟は先頭に躍り出ると同時に後方に氷を走らせ、後続の脚を氷漬けにして止めたのだ。

この時点で大半のメンバーが行動不能となる。

が、大半だ。

緑谷を含むA組は全員その氷結を回避し、B組のメンバーの多くも回避行動を取っていた。

緑谷の視界の先にはすでに10人以上の人たちがゲートを抜け出して駆け出している。

緑谷の目に炎が灯る。

壁に着地した緑谷は、そのまま勢いに任せて壁を走り抜け、ゲートの外へと飛び出す。

するとそこはすでに一面銀景色と化しており、すでに轟による対策が行われているようだった。

だが、緑谷自身にとってそれは想定内。

 

初級火炎呪文(メラ)!!」

 

着地点にメラを放ち、氷を溶かす。

そして、次に彼のとった行動は、溶かして進むことではなく、その氷の上に滑り出すことであった。

それを見た轟はわずかに目を見開く。

 

「轟くん!君の氷の移動手段!個性把握テストの失敗から何もしないわけないだろう!!練習させてもらったよ!!」

 

緑谷は氷の上を器用に滑りながら、前を走る轟に離されるどころかむしろ距離を縮めていく。

だが、依然として1位は轟、後続にはA組のメンバーが続くような状況だ。

轟の妨害をものともせずに緑谷もトップグループに躍り出る。

 

(瞬間移動呪文(ルーラ)は最短距離を瞬間移動する呪文、こういったコースが決められてる種目や状況下では使えない…!)

 

そんな彼らの目の前に第一の障害が姿を現す。

 

「あ〜れ〜〜!!?」

 

緑谷の後ろから不思議な悲鳴(?)が聞こえてきたため、振り返るとそこにはふわふわと不思議な吹っ飛び方をする峰田の姿があった。

何が起きているのか動揺していると今度は前方から大きな音が聞こえてくる。

見覚えがあった。

それはかつて入学試験で彼らの目の前に立ちはだかった、強大な壁。

 

「あれって…。」

 

「ドッスン!?」

 

「1つ目の障害!ロボ・インフェルノだぁああ!!!」

 

超巨大なロボットであった。

多くの参加者が思わず足を止める。

緑谷も突然のことについつい足を止める。

 

「あ…あの時の巨大ロボ!?」

 

改めてみると、その強大さについつい気後れしてしまう。

だが、先頭を走る彼は違った。

 

「クソ親父が見てるんだ…。」

 

ロボ・インフェルノが巨大な右腕を轟に向けて伸ばす。

対する轟は右手を地面につけると、そのままロボットに向かって振り上げる。

するとそこから巨大な氷が生成され、ロボットをあっという間に飲み込んでいく。

全身を氷漬けにされた、ロボットは当然だが機能を停止する。

その置物とかした巨大な機械の下をさも当然かのように轟は走り抜けていった。

他の者たちは、凍らせれたロボットの下を通ろうと走り出すが、轟がそんな隙を作るはずもなかった。

 

「…不安定な姿勢で凍らせたから…。」

 

独り言のようにつぶやいた轟のセリフが言い終わる前に、その氷漬けの機械は、前に重心が倒れていき、やがて大きく倒れ込み、辺りを強風が吹き飛ばす。

 

「いま…倒れる瞬間に誰かいたぞ!?」

 

「え!?死んだ!?」

 

「この体育祭って人が死ぬのか!?」

 

普通科、サポート科の面々はその異常な状況に、目を白黒させ動揺を隠しきれない。

そんな下敷きになったであろう人物たちは、

 

「「俺じゃなかったら死んでたぞ!!」」

 

【1-A 切島鋭児郎 個性:硬化】

 

【1-B 鉄哲徹鐵 個性:スチール】

 

個性がダダ被りの2人であった。

そんな非情な現実に切島は涙しながらも、先頭めがけて走っていく。

緑谷は、氷漬けの機械が倒れたのを確認してからその上を滑り、難なく越えていく。

順位に大きな変動はなく、依然轟が1位を先行している。

そして次に現れた障害は、その後見えない穴の上に、たった1本のロープが設置されただけのいわば綱渡りゾーンであった。

轟はそのロープゾーンについても速度を全く落とさない。

ロープを凍らせ、その細い氷の上を美しさすら感じる様で滑っていく。

そして全く速度を落とすどころか氷を用いて加速することで、後続を引き離して独走する。

その様子に緑谷も苦笑いを浮かべる。

 

(氷の使い方を鍛えたとしてあんな綱渡りができるのか!?)

 

緑谷はすぐにはロープに進もうとはせずに一度この障害の全貌を見渡す。

切島、鉄哲、爆豪、常闇といったように次々と緑谷を抜き去り、ロープへと進んでいく。

が、爆豪はその個性を利用して、ロープに足や手をつけることすらなく爆速ターボで乗り越えていく。

そう、おそらくその手段がこの状態では一番強力だろう。

ロープを無視して飛び越える、跳び越える方法。

一応緑谷にも飛び越える方法はあるが、魔法力の消費を考えたら今後のためにもあまり取りたくない手段であった。

だがここでいつまでも止まっているわけには行かない。

リスクは高いが、今後を考えれば最低限の魔法の行使で済む方法。

その手段を選択してついに挑む。

そんな様子を後ろからやってきた麗日と蛙吹は見つける。

 

「デクくん。どうしたんだろ?」

 

「緑谷ちゃん?止まってるわね?高所恐怖症だったりしたのかしら?」

 

そんなことを話しながら、穴の底が見えないことに一瞬恐怖する麗日。

そんな麗日に対して蛙吹は「大袈裟な綱渡りね」と端的に答えると、蛙らしい跳躍力でロープの1/4ほどをショートカットし、両手両足を器用に使いながらロープをスイスイと進んでいく。

 

「今ロープにいる人たち!気をつけてください!!すみませんが!ロープを大きく揺らします!!」

 

その直後に響き渡る大きな叫び声。

その場にいる全員が目を見開いて声のした方へと視線を向ける。

するとそこには今から走り出さんばかりのクラウチングスタートの姿勢で構える緑谷出久の姿があった。

案の定、スタートダッシュを決めて全速力でロープ、そして大穴のエリアに向かって走り出す。

そのままの勢いで、緑谷は大穴に向かって思い切り飛び出す。

まるで大穴に対する恐怖などないように…いや、もっと正確に表現するのであれば穴に落ちることなど全く考えてなどいないかと感じる勢いであった。

だが、その速度では到底穴を越えた反対側には及ばない。

だが、この場にいる多くの者は知らない。

彼の個性を、空中での移動手段を持っていることを。

 

初級真空呪文(バギ)!!!」

 

風の風圧を利用して前に加速力をさらにつける。

だがそれでもまだ大きく足りない。

呪文1発分では全く届かない。

今の彼の実力で、空中から向こう岸へ到達しようとすれば、バギを10発前後は放たなければ対岸には届かないだろう。

そうなれば魔法力の消耗は馬鹿にできない。

ゆえに緑谷は一つの作戦を考えたのだ。

徐々に緑谷の身体は重力に負け、底の見えぬ穴に向かって吸い寄せられる。

ロープ側から見れば、徐々に加速しながら…

 

【彼らのしがみつくロープに加速して迫っているのだ】

 

ロープを進んでいた生徒たちが、彼の警告した内容を感づき始め、早急にロープのエリアを抜けんと慌ただしく動き始める。

ある者は忙しなく進み、ある者はロープから落ちないようにしがみつく。

緑谷の額からは冷や汗が出てくるが、それは頬を伝うことはなく、むしろ額から上昇して虚空へと飲まれていく。

凄まじい速度で、ロープの左側に落下する緑谷。

そして身体が通り過ぎるまでのその刹那に、彼は右手でロープを掴んで握りしめる。

彼の体重と加速度がそのままロープに伝わり、形状を維持できないと悲鳴を上げながらロープは大きく張り詰める。

緑谷を中心に大きくロープはへこみ、張力を全開に働かせる。

ロープにいた生徒たちは、必死にロープにしがみつき来る衝撃に備える。

引っ張られたロープ(ひも)はどうなるのか?

それはもちろん反発する。

緑谷の身体は、力の溜められたロープの解放と同時に凄まじい速さで、対岸方向へと撃ち出される。

緑谷の身体は大穴を越え、次の障害めがけて大きく跳んでいった。

あとに残されたロープはぐわんぐわんと揺れ動きとても無事に通れるような状態ではなくなっていた。

 

「デ…デクくん、スゴイ…。」

 

大きく跳んでいった緑谷だが、重力によって地面に落下していくことは分からない。

下を眺めると、飯田、切島、鉄哲などの生徒たちが走っているのが見えた。

だがそんなメンバーを空中から追い越し、その先まで飛び入りで割り込む緑谷。

 

初級真空呪文(バギ)!!」

 

着地の瞬間にバギを唱える、衝撃を殺す。

それでもすべての衝撃を取り除くことはできずに、自身の身体を2〜30mは引きずってブレーキをかける。

そして、目の前にいるであろう2人の人物を目指して走り始める。

 

(まだ、轟くんとかっちゃんの姿を見てない。2人はまだ先に居るんだ!)

 

そしてついにたどり着く第3の障害物。

それは、一面地雷原の爆発コースであった。

先頭を走る轟はいつの間にか爆豪に追いつかれており、2人で小競り合いをしながら地雷原の中を進んでいた。

すでに2人は地雷原の中を1/3ほど進んでおり、普通に走ったのでは追いつくことは難しい。

そもそも、地雷原の中を普通に突っ走ろうものなら…

 

「うわぁぁあああああああ!!?」

 

こう(飯田)なる。

エンジンの個性を利用した加速力でも爆発前に駆け抜けるなんてことはかなり困難であることは今の飯田くんを見れば十分に分かった。

となれば残る手段は先ほどと同じにはなるが、空からの攻略が理想だ。

だが、時間的な猶予はあまりない。

先程のロープエリア(ザ・フォール)で作戦を立てている時間が長すぎた。

そのために今これほどの遅れを取っているのだ。

もう作戦の立案に時間を使う余裕はほとんどない。

 

(第1障害物では呪文1発分、第2障害物では呪文2発分、ここでは呪文3発までは…いや、)

 

「中級呪文1発分だ…!」

 

思考をまとめる。

先程同様に、クラウチングスタートの構えをとる。

スタートも同じ、そして飛び出すのも同じ、そして呪文を唱えるもの同じ。

だが、その呪文だけが先ほどの呪文とは少し違うものだった。

両手のひらを地面に向けて魔法力を集める。

両手には魔法陣が展開されるが、その魔法陣は普段唱えている魔法よりもより輝きが強く見える。

 

中級真空呪文(バギマ)!!!」

 

強力な突風が、緑谷の手のひらから放たれる。

その威力は先ほどの初級呪文(バギ)と比較しても明らかに強力なものだった。

ロープの張力なしで、先ほどの大穴と同じかそれ以上のサイズの地雷原を抜ける必要がある。

そのためにはバギではあからさまに足りない。

そして中級呪文(バギマ)でも足りない。

それをプラスするのが今彼の真下にはある。

突風を受けた地雷はもちろん反応して爆発する。

それは1つや2つではなく、そのあたりにある地雷がまとめて爆発を巻き起こす。

これが緑谷の作戦であった。

跳躍力+中級真空呪文+地雷の爆風にて先頭2人を追い越す。

だがしかし、ここで予想外の出来事が巻き起こる。

 

「のわあぁぁぁあぁぁぁぁああああ!!?」

 

爆風があまりに強すぎたため、緑谷や空中で姿勢制御ができずにそのまま打たれた野球ボールが如く飛ばされていく。

後ろで起こった巨大な爆発に気づかないわけもなく、先頭を走っていた2人も思わず後ろを振り返る。

すると巨大な爆煙の中から緑谷が悲鳴を上げながら吹き飛ばされ、2人のはるか頭上を追い越していったのだ。

 

「な、なんだ!?後ろから緑谷ぶっ飛んできて…先頭2人を抜いた!!?」

 

実況をしていたプレゼント・マイクもその急な展開に動揺を隠せない。

だが、隣に座る相澤先生は冷静に緑谷の特攻、そしてその健闘を見つめる。

だがそんな大爆発跳躍でも、地雷原のすべてを突破することはできそうになかった。

くるくると回転しながら緑谷の身体は地雷原の最終ラインの数m手前目指して落下してくる。

 

「デク!俺の前を行くんじゃねえ!!!」

 

(後続に道を作っちまうが、後ろを気にしてる場合じゃねえ!)

 

突然追い抜かされた爆豪と轟は互いに小競り合いをやめ、瞬時に標的を緑谷に切り替える。

爆豪は爆速ターボで地雷を全無視。

轟も地面を氷結させ、無害な道を作り出す。

追い抜かれた2人だが、それでも緑谷に即座に食らいつき、三竦みとなる。

緑谷も何とか体勢を整えようとするも、それが叶うことはなく、2人にすぐさま追い抜かれてしまう。

その直後に、緑谷の身体は地面に落下する。

当然地面には地雷があり、緑谷がその場に落下したことで作動し、大きな爆発を巻き起こす。

緑谷は姿勢を整えるどころか再びその爆発で宙に舞うこととなる。

 

「うわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!?」

 

空中に舞い上がる緑谷をよそに、轟と爆豪の2人は地雷原を無事に抜け、そのまま互いに妨害をしながらスタジアムの中へと入っていく。

緑谷は2度目の落下で、轟が生成した氷の上にたどり着き。

地雷の爆発を逃れる。

先頭2人はすでにスタジアムの手前まで走っていた。

緑谷はすぐさま立ち上がり、先頭を追いかけるも当然追いつくはずもなく障害物競走は3位という結果で幕を下ろした。

 

(((………。)))

 

「…なぁ、なんであいつらTOP3なのに全員が全員全く嬉しそうじゃないんだ?むしろ悲観でもしてそうで怖いんだが…。」

 

(勝てなかった…。やっぱり第2障害物のところで時間をかけすぎだんだ。入試のときもそうだった、作戦の思考に時間を割きすぎなんだ。結局それで最後に焦って作戦が崩壊してる。もっとだ、もっと情報の整理と作戦立案を早くやらないと…!)

 

(デクのやつ…俺を抜きやがった!半々野郎にも負けた…くそっ!くそっ!くそっ!!)

 

(緑谷に一度抜かれた、それに着地の瞬間何かされてたは間違いなく負けてた…。今回勝てたのは【運】だ。…緑谷っ。)

 

3人が互いに視線を交わす。

互いに睨み合う。

彼らの戦いはまだ始まったばかりだが、それでもその炎は最高潮に達さんばかりに燃え上がっていた。

そんな様子をスタジアムの屋根の上から見ている人物がいた。

 

「…轟くんの氷結はスゴイな。上級魔法レベルか?爆豪くんの後半の伸びを素晴らしい。出久は考えすぎのドツボだな、情けない。」

 

そう呟くの、スタジアムの外へと視線を向ける。

 

(前回の強襲から屈することなく体育祭の開催。この体育祭は過去のものと比べてかなり大事な行事だろう。)

 

魔歩先生は去年の雄英を知らない。

しかし、強襲が行事でも起これば雄英高校の信頼は地に落ちる。

それは安易に想像できた。

だから彼は、スタジアムの外、具体的に言えば屋根の上から会場の中外を同時に監視していた。

 

「出久、優勝できる力はあるんだから。してみせろ。」

 

誰にも届かぬエールを送りながら、魔歩先生は監視へと戻った。




お久しぶりです。
大変お待たせして申し訳ありませんでした。
仕事と投稿の両立が難しいことをひしひしと痛感しております…
普段からこれを両立している人は本当に尊敬します。
20連勤を終えてようやく投稿できて安心しております。
当初よりも遅い更新ですが続けていくつもりですので、待っていただける方はよろしくお願いします。
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