僕のヒーローアカデミア 僕の師匠は異世界最強の魔導士!? 作:ポップ推しの視聴者
試験でロボットと戦えたことに、自身の力が通用しかとこに安堵するも、結果がどうなのはまったく想像がつかない状況だった。
No.4 前途多多多難!?
「ただいま〜。」
試験の帰りだったはずの緑谷だったが、自宅に着くころには緊張も興奮も冷め、冷静さを取り戻していた。
むしろ、玄関に迎えに来た母のほうがずっと心配そうに出久の下へと駆け出してきた。
出久は自分の母を落ち着かせながら今日の体感を説明していく。
そんなことをしながら、誰かを探して辺りを見回すものの、母以外の人間がいるようには感じられなかった。
自身が割とあることを母に伝えると荷物を自分の部屋に持っていき、机にすわる。
そして今日の出来事を頭の中で再び映像として映し出す。
いわゆる復習というやつだ。
うまくいった点と、そうではなかった点の両方が巡る。
スタートダッシュでの出遅れ、最初の接敵の際の硬直、前半の非効率な戦闘。
敵に対しての戦闘スキル、火力、作戦の立案とその成果、そしてなにより…
(あの良い人を、助けることができた。)
そのことが緑谷にとっては一番の思い出だった。
これまでできなかったことを、今日初めて
自分の努力が報われた気がした。
目からは自然と涙がこぼれ落ちてくる。
(何を泣いてるんだ。まだ始まってもないのに…!)
そう思いながら涙を腕で乱雑に拭き取るも、彼の感情が変わることはなかった。
これまで遠い存在だと思っていた、できないことだと思っていた
だがそれだけを考えるにはもったいない。
少し感傷に浸ってから、だめだった点の修正に入る。
スタートダッシュ時の油断、無警戒さ。
怯える、怯んでしまうことが癖になってしまっていること。
これらは修正しなくてはならない点だった。
そんな振り返りを行っていると、背後の扉をノックする音が聞こえてきた。
緑谷は入るように促す。
扉の方へと振り返るとそこには最近はほとんど付きっきりでいる探していた人物の姿があった。
「師匠!」
緑谷は歓喜の声を上げながら、魔法使いに駆け寄る。
魔法使いは、やってきた緑谷に「お疲れ様」と声をかけながら頭をなでる。
恥ずかしさを感じながらもそれを突き放すことはなく肩をすぼめながら受け入れる。
魔法使いは緑谷に今日の試験のことを聞く。
緑谷は自分の中で振り返っていた内容をブツブツと口に出しながら魔法使いに説明していく。
が、途中からは自己分析に集中してしまい、もはや聞かせる話ではなく独り言のようにブツブツと話すだけになってしまった。
魔法使いは、またか、とでも言いたげな表情をし、頭をポリポリとかきはじめる。
緑谷の独り言が終わるまでは、数分かかり我を取り戻した緑谷が何度も繰り返し謝罪をするところまでで一区切りだった。
そんなお家芸も10 ヶ月という長いようで短い時間を共に過ごした魔法使いは慣れすらも感じていた。
緑谷は思考を凝らすと周りが見えなくなり、自分の世界に入り込んでしまう癖がある。
それも直さなければならないと、緑谷も魔法使いも感じていたが、意識してもまだまだ直るまでには時間がかかりそうだった。
試験の日は疲れているだろうと、緑谷を早く休ませ、次の日からまた訓練を始めたのだった。
試験結果の発表までは特にこれといって大きな事は起きなかった。
師匠からは新たに【ステータス変動系】の呪文を習得する訓練を受け、【
そんな訓練の日々を送っていた数日後、ついに雄英高校から通知が送られてきた。
お母さんは慌てた様子でその通知を緑谷へと渡し、受け取った緑谷は息を呑む。
緑谷は部屋に戻るとその封筒を開く。
するとそこには、何やら小さな機械が入っていた。
それは投影機になっているようで、そこからいきなり映像が目の前に投影された。
「私が投影された!!!」
目の前に出てきたのは自身が最も尊敬する
なぜオールマイトが雄英高校からの通知されたものにいるのか?
その疑問は彼の話で直ぐに解決した。
どうやら来年度から雄英高校の教師として働くことになっているらしい。
つまり、もし緑谷が雄英高校に合格をしていたのであれば、来年からオールマイトの授業を受けられるということだ。
より緊張を感じて両手に力がこもる。
オールマイトから告げられたのは筆記試験と実技試験の結果だった。
筆記試験は22位、実技試験は45Pで16位、無事に合格だった。
それを聞いた瞬間、嬉しさが込み上げてくると思っていた。
【合格】
その言葉を待ち望んでいたのだから。
だが、実際に感じたものは、【拍子抜け】だった。
受かった。
受かってしまった。
必死に努力をした、地獄のような特訓を繰り返した。
はっきり言ってしまえば血反吐吐くような努力をした。
あまり思い出したくはないが…。
そんな血の滲む努力を経て手に入れた合格だったが、実感がないのか、はたまた努力ゆえに自信があったのかは分からないが、それでも彼はキョトンとしながら話を聞いていた。
だが、それだけで終わる話でもなかったようだった。
オールマイトはまだ話を終わらせる気はない。
「こちらのVTRをどうぞ!!」
そんな掛け声とともに投影された映像はライブスタジオではなくある映像に切り替わる。
そこに映し出されていたのは教師ではなく、実技試験の際に助けた
その子は衝撃的な話を始めた。
少女はある人物の特徴を話し始める。
モサモサ頭の、そばかすの、地味めの…。
自分のことを話しているのだとすぐに分かった。だがなぜ自分の話を始めたのか、それも試験官を務めていたプレゼント・マイクに、まったく分からなかった。
「その人に、私の
耳を疑った。
彼女は何を言っているんだ?
なぜ自分の首を絞める事を言っているんだ?
大事なポイントを相手に渡す?
なんで?なんのために?
さまざまな疑問が一気に頭を駆け巡る。
しかし、その答えはすぐに彼女の口から語られることになる。
彼は自分のことを助けてくれたと説明し始めた。
「私のせいで、ロスした分だけでも…!!」
ポロポロと緑谷の瞳からは涙がこぼれ落ちてくる。
彼女に心を揺るがされたのはこれで何回目だろうか。
たった数回顔を合わせただけだった。
それなのにこうも心を動かされる。
まさにヒーローのような少女だと感じる。
「よかった…」
こぼれ落ちた言葉は先ほどの入試結果を聞いた時とは違い、心の底からあふれ出た感情だった。
「この子が無事で…本当によかった…っ!」
「あの人、助けてくれたんです!!」
助けることができた。
これほどまでに嬉しいことがあるのだろうか?
だが緑谷の心はまだまだ落ち着ける隙を与えられることはなかった。
「君の行動は、人を…人の心を動かした!!」
緑谷は目を見開いて、オールマイトを見つめる。
「君の行動は綺麗事だった!素晴らしい綺麗事だった!!」
「ヒーローってのは命を賭して綺麗事を実践するのがお仕事だ!!」
オールマイトはテンションを高めたまま画面の向こうにいる緑谷に対して力強く話を続ける。
「君の行動はまさしくヒーローそのものだった!!」
「
実技試験で見ていたもう一つの技能、
敵を倒すことをメインの課題として提示し、もう一つの技能は隠して裏で検査を行う。
人を助けるという、ヒーローとしての当たり前の事を試験という他人を落として、自分がのし上がるような試験形式の中で当たり前にできるか。
それを測っていたのだろう。
オールマイトは彼に審査制で手に入れたポイントが告げられる。
「緑谷出久!!50P!!」
「ついでに麗日お茶子!!45P!!」
「つまり…君が、今年度の雄英高校入学試験の"首席合格者"だ!!!」
緑谷は目を丸くする。
まさか"
頭をかきむしりながら思わず笑みを浮かべ、めちゃくちゃだよ、とつぶやくように言葉をこぼす。
「来いよ緑谷少年。
「っっはい!!!」
多くの者に助けられながらではあるが、ようやく人を助けられる所まで来た。
ここからだ。
ここから夢の高校生活が始まる。
そんな事が起きている裏の話だ。
緑谷の母は出久の結果が心配で、部屋の前をうろちょろしていた。
魔法使いが階段を登り、緑谷の母を見つける。
母は心配そうな顔で魔法使いの方へと振り返る。
魔法使いはすぐさま今の状況を察する。
おそらく、入学試験結果の通知が来たのであろうこと、そしてそれは今現在進行系で出久が確認をしているのであろうこと。
緑谷の母はそれが心配で心配で仕方がないのであろうことも。
魔法使いは母の隣まで歩いていき話しかける。
「大丈夫ですよ。出久は絶対に合格してますよ。」
そう語りかけるも、でも、と心配が崩れることはない。
魔法使いもそれをわかってか続けて話す。
「信じましょう、出久を。一緒にお祝いの料理でも作って待っていましょう。」
そう告げると、魔法使いは一足先に下の階へ通りていった。
緑谷の母は、心配そうな視線を出久の部屋に送るも、魔法使いの後を追ってキッチンへと向かっていった。
緑谷は、合格通知書を持って母と師匠の元へと駆けていく。
そして、用意されたご馳走を、3人で美味しそうに頬張りながらこれからの高校生活を夢見て話を弾ませたのであった。
合格発表を終えてから1ヶ月。
さらに魔法に磨きをかけて、いよいよ登校初日を迎えることとなった。
緑谷の母の心配性も相変わらずで、ハンカチやティッシュを持っているかの確認を何度も何度も行う。
それに出久は、若干のめんどくささを感じ始めていた。
魔法使いも苦笑いをしながら緑谷の母に視線を向ける。
そして、出久に視線を戻す。
雄英高校の新品の制服に身を包み、少しブカブカしているその様子はまさに新入生という名がふさわしい姿だった。
時間ギリギリになってしまった出久は、少し焦り気味に扉に手をかける。
また母から呼び止められる。
いい加減にうっとおしくなってきた。
その気持ちは言葉にも現れる。
強めに、なに、と質問を飛ばすと…
「…超かっこいいよ。」
涙目になりながら、心の底からの気持ちがそのまま形に表れる。
魔法使いもそれに続けて、いってらっしゃい、と出久に語りかける。
出久もそれに歓喜を感じながら力強く。
「…!行ってきます!!」
と出発のあいさつをした。
雄英高校につき、校舎内に入るとそこはあまりにも広い空間だった。
入学試験の時でさえ、広い会場に困惑していたが、いざクラスに向かおうとするとその広さに思わず迷子にでもなってしまいそうだった。
緑谷は1-Aの教室にようやくたどり着く。
緑谷は決して大きくはないがそれでも彼の4倍以上もある大きな扉が彼を出迎える。
扉に手をかけると、見た目ほど重くなく、すんなりと扉を開けることができた。
できれば、
最悪だ、まさかの一緒になりたくなかった2トップが同じクラスとはと絶望をするしか無かった。
夢の学校生活がまさかの形でスタートする羽目になった。
爆豪と視線が合うと、緑谷はある記憶をフラッシュバックする。
(どんな汚え手を使えば
胸ぐらを掴まれながらとんでもない形相で脅しともとれる行動をする爆豪。
緑谷はそんな爆豪に恐怖を感じながらも胸ぐらを掴まれている右手を握り返す。
震えながらもその手には力がこもる。
爆豪も思っていたよりも強いその握力に訝しむ。
(【勝ち取った】んだ…!「君はヒーローになれる。」って!)
爆豪を涙目になりながらも必死に睨みつける。
(だ…だから、僕は いくんだ…!!)
人生で初めて爆豪と正面から逃げずに立ち向かう。
涙目になりながらも
そんな記憶を振り払うように頭を左右に振り回す。
すると、爆豪もそんな緑谷を見つけて睨みつける。
(ぜってーなんか裏があるハズだ。)
緑谷に対して不信感にも似た何かをたぎらせているのであった。
爆豪の視線に合わせてメガネの少年もそちらへ視線を向けると緑谷を捉える。
すると、カクカクという擬音が似合うかのような歩法で緑谷に近づいてきて自己紹介を始める。
【
飯田は緑谷に自己紹介を終えると、緑谷の自己紹介も待たずにそのまま続いて語り始める。
どうやら飯田も試験が終了した直後に救助活動Pの存在に感づいたらしく、試験構造を理解したようだった。
自分にはそれが理解できなかったと、後悔し緑谷のことを一枚上手だったと素直に認めているようだった。
だが当の本人は…
(いや、僕も気づいてはいなかったけどなぁ…)
なんて思っていたが、口に出すとややこしいことになることは明白であったため、その場は濁す。
緑谷が、自己紹介を再びしようとするがまたまた何かに遮られる。
それは聞き覚えのある女性の声だった。
「あっ!そのモサモサ頭は…地味めの!」
振り返るとそこには入学試験の際に幾度となくお世話になった少女が制服姿で立っていた。
そんな制服姿に魅了され、直視できずに視線をそらす。
だがそんな最中でも相手は、落ちるはずがない、と自身を助けてくれたときの話をしながら自分のことのように喜んでいた。
緑谷もアワアワとしながらも、少女に直談判のことのお礼を言おうとする。
まぁ少女は直談判を本人に知られてるとは思ってるわけもなく、思わず彼に、直談判?なんで知ってるの?、と聞き返してしまったのだがその返答が返ってくることはなかった。
「お友達ごっこがやりたいなら他所へ行け。」
なぜこうも話が続かないのだろうか?
話そうとすればほぼ確実に何処かから横槍が入ってくる。
入学初日だからなのか?それともこれが高校、強いては雄英高校だからこそなのだろうか?
そんな事を考えながら声のした方へと視線を向けるとそこには…
「ここは、ヒーロー科だぞ。」
寝袋に入りながらウ◯ダーインゼリーをものの1秒足らずで飲み干した変質者がいた。
いや、貴方その角度から見上げてたら少女のスカートの中覗いてるように見えるし、不審者として訴えられたらこの時点で終わってたのでは?と思いますが果たして…
そんな不審者が立ち上がり寝袋の中から出てくる。
声で男であることは分かっていたが、出てきた男はくたびれております、とてもまともな大人には見えなかった。
静かになるまでに何秒という、お決まり文句のような発言からこの男が先生なのかとクラス全体が疑い始めたとき、彼から担任だと告げられて驚きを隠せなかった。
(じゃあ…この相澤って人、プロヒーロー!?)
わけにはわからないまま、1-Aの全員はグラウンドへと連れ出された。
クラスメイトも入学式は?ガイダンスは?と不満な声を漏らし、疑念のまなざしを
「「こ、個性把握…テスト!!?」」
なんと入学式への参加もせずにいきなりテストを行うというのだ。
それには不満が爆発する生徒に対して相澤は淡々の話を続ける。
「雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"もまた然り。」
相澤先生が言うには、これから行うテストは体力測定の個性あり版であるとのことだった。
爆豪が呼び出されて機械仕掛けのソフトボールを投げ渡される。
そして個性を使っていいから投げろと指示を渡される。
爆豪はニヤリと笑みを浮かべてから円の中でボールを振りかぶる。
「死ねえ!!!」
((………死ね?))
個性"爆破"を使って爆風を生み出し、それを利用してボールを吹き飛ばす。
投げてはいないがこれでも良いらしい。
相澤先生がスマホを生徒たちに見せるとそこには【705.2m】と記録が出ていた。
とてつもない好記録だ。
個性を全力で使えるとクラスのほとんどが沸き立つ。
そんな様子を見て相澤先生が一言告げる。
「ヒーローになるための3年間、
クラス全体が静まり返る。
気圧された。
プロヒーローだと再認識させられる。
そして衝撃的な言葉が相澤先生の口から放たれる。
「トータル成績最下位の者は、見込みなしと判断し、【除籍処分】としよう。」
それには全生徒から不満の声が爆発する。
だが、相澤先生はこれが雄英高校だと一切態度を崩すことはない。
緑谷も例外ではなく、不安にのみ込まれていく。
先生はヒーローと離れてるかの話を始めた。
予期せぬ接敵、自然災害、大事故、そういった
生徒全員を黙らせる。
理解せざるを得ない、納得せざるを得ない、なぜならそれらの理不尽は事実であり、それを覆す存在もまた事実なのだから。
「 "Plus Ultra" さ、全力で乗り越えてこい。」
その言葉に覚悟を決める者、不安を拭いきれぬものなどがいた。
だが、緑谷の面は不安も覚悟も感じられたものではなかった。
目を丸くして何かを思い出したかのような面だった。
(
魔法使いの言葉を思い出す。
小さく笑い、顔を上げるところにはすでに覚悟を決めた面構えがあった。
(そうだ、逃げるんじゃない…。必死に、全力で…乗り越えるんだ!)
入学初日から波乱の個性把握テスト。
緑谷は、無事に乗り越えることができるのか?
ここまではなんとか定期更新ができていて安心している作者です。
次回個性把握テストになりますが、クラスメイトの個性説明は省かせていただきます。個性の説明までしてると字数が足りなくなってしまうので…。個性が知りたい方は原作を読んでいただくか、調べてください。
入試は首席で合格した緑谷。
個性把握テストでは一体どのような順位を叩き出してくれるのでしょうか?
次回もよろしくお願いします。