僕のヒーローアカデミア 僕の師匠は異世界最強の魔導士!? 作:ポップ推しの視聴者
入学早々にいきなり除籍をかけた個性把握テストを受けることになってしまった緑谷出久。
果たして、無事にこのテストを乗り越えることができるのだろうか?
まず初めは50m走だった。
どうやら出席番号順になっているようで緑谷はまだまだ先だった。
それもありみんなの走り方を観察していく時間ができた。
すると初めから、面白い走り(?)方をしている生徒がいた。
それは、入学試験の際に緑谷の目の前でロボットを倒していったレーザーの少年だった。
少年はスタートの段階から後ろを向いていた。
そしてスタートの掛け声と同時に飛び上がり、レーザーの反動を使って、高速飛行を始めたのだ。
こんな個性の使い方があるのかと、感心をしてみていたが、いきなり途中で墜落、再び飛び上がってレーザーを発射するというよく分からない挙動をしていた。
記録は【5.51s】と低くはないものの墜落してしまったのがもったいない。
本人曰く、1秒以上射出すると腹を壊す、らしい。
次に走った飯田が【3.04s】という恐ろしい記録を叩き出した。
彼はエンジンの個性をもっており、まさに水を得た魚であろう。
そして、緑谷と爆豪の番になる。
2人はスタートラインにセットし、構える。
スタートの合図とともに爆豪は走り出す。
緑谷はクラウチングスタートの構えのままゴール地点を目に焼き付ける。
「
その詠唱を唱えた瞬間、緑谷の体は何やら光で包まれ緑谷の体ごと光がゴールに向かって放たれる。
恐ろしい速さで光はゴールラインを過ぎてすぐの場所に降り、包んでいた光は拡散する。
そこには緑谷が着地をしたかのような姿勢で止まっていた。
【1.54s】
クラスメイトの全員が目を見開いて緑谷の姿を見つめる。
速かった、速すぎた。
速さ特化の個性であるはずの飯田の記録をゆうに超えた1秒台の記録にもはや言葉を失っていた。
爆豪が自身の爆破を使い、爆速ターボなるもので【4.13s】という好記録を出していたがそれでも緑谷の記録の前には日の目を浴びることはなかった。
「い…1秒台!?んなあほな!?」
「何の"個性"をどう使ったらあんなことになるんだよ…?」
爆豪はわなわなと肩を震わせながら、憎悪に満ちた目を緑谷に向ける。
緑谷はみんなの下へと戻る途中だった。
フラフラとレーンから外れながら爆豪は緑谷に向かって向き直る。
そして、50m走と同じ様に爆速ターボを使って緑谷に突撃する。
「どういうことだ!こら!わけを言え、デク!!てめえ!!」
まさかいきなり襲われるなどと思わず、爆豪の突撃に気がつくもただ目を見開き、振り返ることしかできなかった。
何かの攻撃を受けると思わず目を閉じて顔面を両手で守る姿勢を作るも、自分に衝撃が伝わってくることはなかった。
恐る恐る目を開くと、白い布で動きを制限されている爆豪の姿があった。
布の先を見ると相澤先生が、布で爆豪を捕らえていることがわかる。
「なっ…固っ、つか【消え】…!?」
爆豪は"個性"がいきなり使用不可能になったことに驚きを隠せなかった。
相澤先生はそんな様子を見つめながら、自分が個性を【消した】事を話し始めた。
そこから緑谷は、相澤先生の正体に気がつく。
「消した…あのゴーグル!抹消ヒーロー、イレイザーヘッド!!」
【抹消ヒーロー:イレイザーヘッド】
相手の個性を消すことができるプロヒーロー。
メディアを嫌っており情報を出していないため、謎が多いヒーローである。
個性を解いてから、時間がもったいないと次の準備の指示を出した。
爆豪は緑谷を睨みつけながらも、その指示に従って次の準備へと進む。
緑谷もそんな爆豪に恐怖を感じながらも、次の種目の準備に移動した。
握力では障子目蔵が【540kg】という桁違いの数値を叩き出していた。
緑谷は【78kg】であった。
続いて立ち幅跳び。
これも2人で同時に記録を取るタイプだったため、再び爆豪と緑谷が同時に計測することとなった。
緑谷は怯えながら隣に視線をやると、爆豪が鋭く睨みつけているのを見てしまった。
すぐさま視線をそらして競技に向き直る。
そして計測が始まりました。
爆豪は同じ様に爆速ターボを使って普通の跳躍では届くことがないような距離を飛躍する。
緑谷も大きく深呼吸をすると、跳躍をする。
ただ跳んだだけでした。
いよいよ、着地をすると言った瞬間に、緑谷の右手には光の魔法陣が出現する。
そして砂場に向けると、詠唱をする。
「
地面に真空呪文をぶつけて再び飛び上がる。
【9.45m】
こちらもまた好記録だった。
続いて反復横跳び。
ここでは峰田実が断トツの記録を打ち立てていた。
その次にボール投げ。
ボール投げでは良い人こと麗日お茶子が自身の個性を使い、ボールが落ちてこないという事態を引き起こした。
ゆえに
【∞】
記録無限。
先ほども言ったがこれは投げているのだろうか?
ちなみに緑谷は
そして長座体前屈、上体起こし、とこなしていき最後は持久走になった。
持久走は全員が一斉にスタートする。
全員がスタートラインに並び、合図を待つ。
「はい、スタート。」
相澤先生の緩い声がかかる。
それと同時に全員が一斉にスタートする、とは行かなかった。
八百万がなにかの創造を始める。
八百万 百、創造の"個性"を持つ少女だ。
これまでの種目すべてで機器を生成することでほぼTOPを独占しているような状況だった。
この種目もおそらくバイクやらを生成してダントツ1位でゴールするだろう。
緑谷もスタートダッシュを決めてから思考を巡らせる。
(周回タイプの競技で瞬間移動呪文は使えない。あれは、ルートを指定できない。)
そんな事を考えていると自分よりも圧倒的に早く駆け出したメンバーが2人いた。
轟 焦凍、半冷半熱の"個性"をもつ八百万と共に推薦で入学してきたエリートだった。
彼は右足で氷を生成しながら滑るように移動している。
早い話走ってすらいない。
これ一応長距離【走】なんですがね…。
そしてもう一人は飯田天哉だった。
エンジンの個性を持つ彼ももちろん先頭に食い込むような速度を見せていた。
そんな2人を見ながら緑谷は、作戦を固める。
「
緑谷の体に光の魔法陣が出現し、自己強化呪文を施す。
すると緑谷の走る速度は上昇し、先頭2人に追いつかないまでも集団からは抜け出すほどの速力アップにつながる。
そして、今度は左手に光の魔法陣を出現させる。
「
氷結呪文を放つと緑谷が走るレーンが凍りつく。
「!」
轟はもちろん自分と同じ"個性"の挙動を見せた緑谷に視線を移し、肝心の緑谷も前を走る(?)轟の様子を観察しながら凍らせたレーンに乗る。
そして、氷のレーンを勢いよく滑る!
が、
「いっ!?」
カーブを曲がることが全くできなかった。
曲がれなかった緑谷はそのまますごい速度でコース外へと吹っ飛んでいく。
走っていたクラスメイトたちは、もちろん全力で走りながらも吹っ飛んでいった緑谷の方を心配して見つめる。
感じるの緑谷はおでこを押さえながら痛そうにうめくも、自力で起き上がる。
「…いってて〜。あの氷の移動、見様見真似でできるものじゃないな…。かなり難しいぞあれ。」
そう言いながら、轟へと視線を向ける。
さも当然かのように、苦も無くカーブも悠々と曲がっていくその流麗さに思わず感嘆の声を漏らす。
だがそんな目を奪われている暇はないと、すぐさま走ってレーンへと戻る。
そして、遅れてしまった分を取り返すかのように、魔法で強化した速力で取り返し、4位でゴールをした。
先ほどの事故を心配して、飯田と良い人の2人が緑谷のもとに寄り添う。
2人が心配の声を掛けるも、緑谷は全く大丈夫とでも言わんばかりにぴょんぴょん跳ねたり、腕をぐるぐる回してみせたりする。
そんな様子を2人のクラスメイトが睨みつけるかのような視線で見つめていた。
爆豪と轟だ。
2人の思惑は違えども警戒心をもって緑屋を見つめていたことは共通するところだった。
("個性"の発現はもれなく4歳までだ!なにをしやがったんだ!)
(俺と同じ"氷の個性"か?いや、風や高速移動も使ってた…。風の応用で高速移動をしてるのか?それとも俺と似たような"そういう個性"か?)
それぞれに思考を巡らせるも答えは出ない。
その2人の疑念が晴れるにはまだ時間がかかるのかそれとも案外すぐに解けるのか…。
そしてすべての競技が終わったということは、これから始まるのが除籍宣告である。
クラスの大半が息を呑み、相澤先生へと向き直る。
相澤先生が、結果発表を始めていく。
手に持っているプロジェクターで一括表示がされるらしい。
クラスの間に緊張が走る。
(((この中の誰かが…除籍処分…!)))
「ちなみに除籍はウソな。」
そう言いながら結果の一覧をみんなの前に表示する。
今か今かと待ちわびたはずの結果だが、その情報をすぐさま確認できるものはいなかった。
「君等の最大限を引き出す、合理的な虚偽。」
「「「はーーーーーーーーーー!!!?」」」
流石にキレる。
クラスの大半が担任に対して文句の一つでもあろう騒ぎが起こる。
当たり前だ、除籍されるかもしれないと覚悟のもとで取り組んだのにそれが嘘だと言われたらさすがにビビったどころの話ではない。
だがそんな状況にも先生ではなく生徒の方にツッコミを入れた存在がいた。
「あんなのウソに決まってるじゃない…ちょっと考えれば分かりますわ。」
八百万が呆れ顔でそう呟く。
結局総合順位では八百万がダントツ1位でこの個性把握テストを終えた。
創造でほぼすべての計測競技にて機器を用いて圧勝している。
これは、個性把握テストであって体力測定ではないってことのようです。
ちなみに2位轟、3位爆豪、4位緑谷、5位飯田とTOP5はこのような形になった。
相澤先生からガイダンス資料などを各個人で教室のものを確認しろ、どの指示が出て今日の授業は終了となった。
全員が1-A教室へと戻って着替えを行い、帰りの支度をする。
そんなとき、クラスメイトから様々な話が持ちかけられる。
「よぉ!TOP4とTOP5!と∞女子!」
たまたま3人で固まっていたところに突然話しかけられる。
髪が黄色で派手な男の子を筆頭に何人もの生徒が集まってきていた。
どうやらみんなで自己紹介をしていたようだった。
先ほどはいきなり始まった個性把握テストのせいで自己紹介やらなんやらが全くできずにお互いのことを何も把握できてないことを思い出す。
飯田、麗日が順に自己紹介をし、続いて緑谷の番になった。
「僕は、緑谷…っ。」
突然何か寒気すら感じるような視線が緑谷のことを貫く。
すぐさま視線を感じた方向へと向き直るとそこには、個性把握テストTOP2の轟がこちらをみていることがわかった。
なぜ彼が見ているだけでこれほどまでの寒気を感じたのか。
それはわからなかったが、悪寒を感じた彼は、轟からすぐさま視線をそらしクラスメイトの自己紹介を聞く。
そんな時間を過ごしながらも、それぞれ帰路につく。
そんな帰り道は飯田、緑谷、麗日の三人が同じ方向だった。
そんな中、話題は緑谷と麗日の名前の話題になる。
飯田は麗日の名前が分からずに、∞女子と呼んだことから始まった。
麗日お茶子は自分の名前と個性を紹介し、緑谷に話を振ろうとする。
だがその時に衝撃的な名前を聞くこととなる。
「ええっと、確か、飯田天哉くんに、緑谷【デク】くんだよね!」
その言葉を聞いた緑谷も飯田も素っ頓狂な声を上げてしまう。
今彼女から言われたのはなんだ?
デク!?
聞き覚えしかない罵倒に緑谷は混乱する。
すると麗日は爆破の個性の人が緑谷のことをそう呼んでいたことを話し始める。
たしかにそうであった。
爆豪は彼を蔑称で呼ぶ。
それは、【
そんな由来を説明された、麗日は蔑称を呼んでしまったことを謝罪しながらも持ち前の明るさを維持したままこう答えた。
「でもデクって【頑張れ】って感じがして、なんか好きだ、私!」
「デクです!」
「緑谷くん!?」
浅いぞ、緑谷。
蔑称だったはずのあだ名が、一人の少女の言葉によって少しだが救われる。
【頑張れって感じのデク】
この言葉は彼にとってかけがえのない言葉になっていく。
そんな蔑称を認めた事に対して飯田くんや麗日さんと色々な対話をしながら、その日の学校生活を終えて、帰路へと着くのであった。
「相澤くんお疲れ様!」
個性把握テストが終わり、職員室に帰ろうとする相澤先生にいきなり声を掛ける人物がいた。
声のした方へと視線を向けるとそこには、スーツ姿のオールマイトが待っていましたと言わんばかりに立っていた。
「オールマイトさん…見てたんですね…暇なんですか?」
相澤先生から返ってきた言葉はかなり冷たいものだった。
だが、構わずにオールマイトは【合理的虚偽】と話した相澤先生に、エープリルフールは既に終わってる、と冗談を飛ばしながら本題を話し始める。
「【見込みゼロ】なら切り捨てる君のやり方さ。今年はそんな生徒がいなかったのかな?特に…」
「緑谷少年をどう感じた?」
オールマイトは緑谷出久について質問を飛ばす。
かつて見た【とある人物】の面影を緑谷出久に感じていたのだ。
そう、"氷の個性"と"風の個性"を同時に扱っていた10ヶ月前に見た緑色のコスチュームに身を包んだ人物に…。
「…ずいぶんと肩入れをしているんですね。それは教師としてどうなんですか?」
相澤先生にはオールマイトが一人の生徒に特に意識しているように見えた。
だが、オールマイトへの意見はこの一言のみしか紡がない。
次に発した言葉は、オールマイトに向けたセリフではなく、この場には居ない生徒たちに向けた言葉、そして緑谷出久に宛てたであった。
「私にはヒーローを目指す一高校生にしか見えませんでしたよ。他の生徒にも言えることですが、"見込みゼロ"と判断すればいつでも切り捨てます。」
「半端に夢を追わせることほど残酷なことはない。」
そう言ってその場をあとにする。
そんな彼なりの優しさを感じながらも自分とは正反対な考えを持つ相澤先生に、相性の悪さを感じながら見送った。
入学から数日が経ち、学校の説明や案内、オリエンテーションなどのイベントが終わり、1年生も通常授業が始まっていた。
午前中には普通科高校と変わらない、座学の授業が行われる。
そして午後には、ヒーロー科ゆえの必修科目の授業を受けることとなる。
その名も、
【ヒーロー基礎学】
ヒーローになるために必要な事柄を学習するために全日程の午後はヒーロー基礎学の授業が割り当てられている。
そして、今日がその初回授業の日だった。
「わーたーしーがー!!」
「普通にドアから来た!!!」
オールマイトが
それだけで1-Aの生徒全員が沸き立つ。
今目の前で先生をやっている人物が日本で誰もが羨むであろう、No.1ヒーローなのだから仕方ない。
そしてオールマイトが提示した今日の学習内容を聞いた教室はさらにボルテージを上昇させていく。
その授業内容とは…
【戦闘訓練】
であった。
普通科ではありえないであろう授業、戦闘など元来であれば覚える必要などあるはずもないものだったが、"個性"が蔓延したこの世界ではヒーローが力ずくで抑えなければならない
それゆえの授業だ。
オールマイトがリモコンを操作すると、教室の壁から棚のようなものがせりでてくる。
そこに収納されていたのは、アタッシュケースのようなものだった。
オールマイトはそれについての説明を始めた。
入学前に、生徒は全員"個性届"というものを提出する必要がある。
今回緑谷は個性を"魔法"として提出している。
そして、それと同じくして"要望"も提出している。
その要望こそが、このアタッシュケースの中に詰め込まれているのであった。
それを見た1-A組の生徒はまるで宝石でも目にしたかのように輝いた目で見つめる。
そして、何人かは立ち上がり、その名を叫ぶ。
「
自分たちの個性をより有効活用できるように、そして最高にかっこいいデザインになるようにと工夫をこらした自分たちの
それをほぼ全員が受け取ると、すぐさま更衣室へと向かい、着替えを始める。
だが唯一、一人だけは棚からケースを取ることはなく、自身のカバンを持って更衣室へと向かっていった。
そして、着替えを終えた
全員が、グラウンドに集まり個性的なコスチュームに身を包む。
そこにいたのはただの高校生ではなく、紛れもなくヒーローを志す者たちであった。
そしてカバンにしまってあったコスチュームに着替えた最後の少年がグラウンドに姿を現す。
その姿はまさしく
【緑色のNo.1ヒーローを模した姿】
であった。
学校から作られたコスチュームではない。
何か特別な機能があるわけでも決してない。
だがそれでも、彼にとって、緑谷出久にとって間違いなくこのジャンプスーツこそが彼にとっての
母からの様々な思いが込められたこのコスチューム以外にはなかったのだ。
母からの心からの応援を緑谷出久は感じながら、初の戦闘訓練へと挑むのだ。
「さあ!!始めようか、有精卵共!!」
個性把握テストを4位という好成績で終えることができた緑谷。
入試と比較すると若干順位が落ち着きを見せましたね。
考えていた方もいるかも知れませんが、ついに轟から"個性"ダブりということで目をつけられてしまいました。
今後、轟と緑谷がどの様に関わっていくのかも気にして頂きたいなと思います。
次回もよろしくお願いします。