僕のヒーローアカデミア 僕の師匠は異世界最強の魔導士!?   作:ポップ推しの視聴者

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 入学してから早数日、ついに実戦に近しい訓練【戦闘訓練】へ挑むこととなった緑谷出久。果たして"無個性"の実力はどこまで通じるのだろうか?ヒーロー科のメイン授業の幕開けだ。


No.6 挑め、"無個性"

 

オールマイトの声を聞き、クラス全体に熱が入る。

オールマイトは遅れてきた緑谷の服装に自身の面影を感じ取る。

耳のようにも見える長い緑色の触角が生えたマスク、歯のようなデザインがされている口元のマスク。

それだけでも彼がオールマイトをリスペクトして、それをコスチュームに取り込んでいるのが容易に分かった。

しかし、いつまでも感傷に浸っている時間もないため、オールマイトも授業の説明を始める。

生徒たちは今回もロボット関係の演習を想像するも、それはすぐさま打ち破られる。

 

「今回はその【2歩】先へ行く!」

 

今回行うのは屋内での"対人戦闘訓練"であった。

オールマイト曰く、凶悪犯罪とは屋外よりも屋内のほうが多いらしい。

言われてみれば当たり前だ、わざわざ誰かに見られるリスクを孕んでまで表で、犯罪行為を行うメリットなどない。

誰にも見つからないように、隠れて犯罪を行うことは自然だった。

だからこそ今回行う訓練は、2対2の屋内対人訓練を行うという話であった。

 

「基礎訓練もなしに?」

 

蛙吹から当然の質問が飛んでくる。

だが、オールマイトが言うには「その基礎を知るための訓練」だと話す。

 

「勝敗のシステムは?」

 

「ぶっ飛ばしてもイイんすか!?」

 

「また相澤先生みたいに除籍とかあるんですか…?」

 

「分かれるとはどのような分かれ方をするのですか?」

 

「このマントやばくない?」

 

生徒からは様々な質問が飛んでくる。

その質問があまりにも多すぎて、オールマイトも対応ができずに混乱してしまう。

すぐさまカンペを取り出して、今回の訓練についての説明を行う。

簡単に説明すると、核を守る(ヴィラン)と核を回収する正義(ヒーロー)の二手に分かれたチーム戦だ。

敵役(ヴィラン)はヒーローの捕縛または制限時間核を守り切ること、正義役(ヒーロー)はヴィランの捕縛または核の回収(に触れる)が勝利条件となる。

そして、肝心のそのチームはくじ引きで決めることとなった結果、緑谷は麗日とチームとなった。

 

(ま、マジか…ちゃんと喋らないとこれ…!)

 

そして、訓練の初戦を務めることとなった。

まさかの一番手である。

そして肝心の敵役(相手役)は…

 

「Dコンビーーー!!!」

 

(Dってまさか!?)

 

オールマイトの宣言に驚き、思わずある人物へと視線を向ける。

その視線の先には、同じくこちらをこちらを見つめる爆豪の姿があった。

視線がかち合う。

緑谷は爆豪に対する恐怖心から思わず視線を一度そらしてしまう。

しかし、これではいけないと思い直し、再び爆豪へと視線を向ける。

その瞳には先ほどの不安が込められた弱さではなく、これから挑むものとしての覚悟が込められた強いものであった。

それを理解した爆豪は小さく舌打ちをする。

ヴィランチームは先にビルの中に入って準備をする。

その間ヒーローチームはビルの前で少しの間待機をしていた。

緑谷と麗日は見取り図を見ながら訓練の準備を整える。

 

「相澤先生と違って罰とかないみたいで安心したね。」

 

と緑谷に話しかけるも、緑谷の表情は全く安堵など感じていないことが容易に理解できる。

麗日が心配そうに声を掛けると、緑谷は自分と爆豪の関係性を簡単に話し始める。

かっちゃんは凄いやつだった、だがそれと同時に同じくらい嫌なやつだった。

自分よりも目標も、自信も、体力も、"個性"も何倍も凄かった。

でも、いや、だからこそ

 

「今は、負けたくない…な…って。」

 

自分にとっては恐怖の象徴であると同時に才能の象徴だった。

だからこそ今は彼を超えたいと本気で思っていた。

麗日はそれに熱い男の因縁を感じ取り、全力で応援しつつ、コンビであると語りかけ、共に乗り越えようとやる気を高めるのであった。

そして、開戦の合図が響き渡る。

 

【屋内対人戦闘訓練 開始!】

 

それと同時に緑谷と麗日は正面玄関からではなく、窓から侵入する。

他の生徒達はその様子をモニタールームからその様子を観察する。

そしてそれはオールマイトも同じだった。

緑谷と麗日は一階から順にしらみ潰しに探っていく。

緑谷も麗日も探索や探知に向いている技術や"個性"を持ってはいない。

だから時間はかかるが一つ一つ丁寧に探していくほかはなかった。

探索を進めていきながら緑谷はあることを考えていた。

それは、これまでに書き記してきた【将来のためのヒーロー分析ノート】だった。

初の実戦訓練。

将来(ヒーローになったとき)のために築いてきた知識を振り返り、どう活用するべきかを考えていた。

そうして進んでいたとき、いきなり道の角から爆豪が姿を現した。

緑谷の姿をとらえた瞬間、爆豪は緑谷に向けて右腕を振り下ろし、爆破を発生させる。

緑谷は瞬時に振り返り、麗日をかばいながら後方へ回避行動をとる。

回避はなんとか間に合い、爆発の直撃を避けてほとんどノーダメージに抑える。

マスクの半分が爆発によって消し飛んでしまってはいたが…

 

「デクこら、避けてんじゃねえよ。」

 

爆豪はイライラを募らせながら、理不尽にも緑谷が躱した事に対して文句を付ける。

緑谷はそんな爆豪を最大限警戒しながら言葉を返す。

 

「かっちゃんが敵なら、まず僕を殴りに来ると思った。」

 

観覧席では、爆豪の奇襲に対する文句とそれを躱した緑谷への称賛の声が口々に挙げられる。

それに対してオールマイトは「実戦中だ」と端的に今の状況をもう一度生徒たちに再認識させる。

現場では再び爆豪が緑谷に向かって突撃する。

 

「中断されねぇ程度にぶっ飛ばしてらぁ!」

 

そう勢いよく殴りかかるも、緑谷のほうが早く動き出し、爆豪の右腕を押さえ込む。

それに爆豪は目を見開き、自身の動きが読まれたことに驚愕し、隙ができる。

緑谷はその腕を離すはずもなく、そのまま右腕を持ち上げて背負投で爆豪を地面に叩きつける。

爆豪は予想外の行動に意識を割かれてしまい、受け身を取ることもできずにダメージを受ける。

その瞬間を見た麗日やモニタールームは緑谷に釘付けになる。

起き上がる爆豪に対して、様々な感情のこもった声色で語り始める。

爆豪は大抵最初は右の大振りで攻めてくること、そしてそのデータは【凄いと思ったヒーローの分析】としてノートに書き記していたということ。

そしてそれは爆豪がかつて爆破して投げ捨てたノートに記載していることを次々と話す。

 

「いつまでも"雑魚で出来損ないのデク"じゃないぞ…僕は…!」

 

「"【頑張れ!!】って感じのデク"だ!!!」

 

爆豪相手に啖呵を切る。

その瞳は初めこそ怯えていた要素があったもののすぐに変化する。

あの時と同じだった。

あの、雄英高校の入学試験の実践の時と。

 

(通じるじゃないか…!なぁ、勝てるだろう魔法使いの一番弟子!緑谷出久!!)

 

彼の表情は一変し、笑みがこぼれていた。

嘲笑うかのような笑みではない、挑戦者の笑みだった。

それを見た爆豪は額に血管を浮かべて、今にも爆発しそうな勢いで緑谷を睨みつける。

 

「そういうところ()ムカツクなあ!!!」

 

激しい怒号を緑谷に向かって叩きつける。

飯田から通信が入るも、話もまともに聞かずに、「黙って守備してろ」と身勝手な要求のみを叩きつけて連絡を断ち切ってしまう。

これには飯田も怒りを隠しきれずに誰もいない空間に向かって彼に対する愚痴をこぼしていた。

爆豪が今度は爆速ターボを使って緑谷との距離を詰めてくる。

緑谷は麗日に向かって、先に行くように指示を出し、爆豪と接敵する。

爆豪は緑谷に対して左足で蹴りを繰り出すも、それはガードされる。

麗日は爆豪と戦う緑谷に心配そうな視線を送るも、その場にとどまることはなくすぐさま核を探しに走り出す。

爆豪はそんな麗日には目もくれずに、緑谷のことだけを睨みつける。

そして気づく。

 

(…!確保証明のテープ!?)

 

緑谷が彼の足に対して確保証明用のテープを巻き付けようとしていたことに驚き、すぐさま迎撃態勢をとる。

咄嗟の迎撃、ゆえに繰り出される攻撃は右の大振り(いつものクセ)だった。

また躱されたことに驚くも、そんな隙を緑谷も与えない。

 

初級火炎呪文(メラ)!!」

 

彼の右手から放たれた火球を爆豪は両の手に装着された、手榴弾を模した装甲でガードする。

それを見たモニタールームのある人物は睨みつけるかのように緑谷のことを見つめる。

 

(あいつ…"炎の個性"までもってるのか…!)

 

モニタールームの他の生徒たちもその戦闘に思わず湧き上がる。

 

「すげえ、これが個性把握テストのTOP3とTOP4の戦いかよ。」

 

「どっちも負けてないけど、今のところは緑くんが優勢だよね!」

 

その激しい戦闘に盛り上がりがどんどん高まっていく。

攻撃は再び爆豪からだった。

爆豪は左手で壁をなぞりながら爆破を発生させ、小さな瓦礫を緑谷に向かって吹き飛ばす。

緑谷はその破片に瞬時に対応、メラで自分に当たる瓦礫を全て弾き飛ばす。

だがその攻撃の瞬間で距離を詰めていた爆豪が緑谷の懐に入り込む。

 

「死ねえ!!」

 

大声で暴言を吐きながら右手の爆発を緑谷に叩き込む。

しかし、直撃を食らうわけには行かない緑谷も、すぐさま後方にジャンプすることで直撃の範囲から脱出し回避をする。

しかし、

 

「あっつ…!」

 

全ての回避はできない。

お腹の辺りに爆発の熱が当たり、ダメージを受ける。

それに何よりも、緑谷が危険だと感じたのは爆発よりもその前の挙動だった。

 

(壁を爆破して、その破片で攻撃…。見たことのない攻撃手段だ。これは、予測に頼る今の作戦じゃまずい…!)

 

そう考えた緑谷は、この訓練が始まって初めて両手を前に突き出し、自ら攻撃態勢を取る。

 

初級真空呪文(バギ)!!」

 

閉所での真空呪文であるために、爆豪に逃げ場はなかった。

強風を当てられた爆豪はその場に留まることができずに飛ばされる。

その隙に緑谷は一度戦線から離脱をする。

それを見た爆豪は逃げると思っていなかったのか、一瞬あっけにとられるもすぐさま怒りを爆発させて逃げる緑谷に怒号を飛ばす。

 

「俺を騙してたんだろぉ!楽しかったかよぉ!ずっとぉ!!」

 

「あ!?ずいぶんと派手な"個性"じゃねえか!?」

 

それでも彼の怒りは収まることを知らずに、どんどん湧き上がってくる感情をそのまま見えない緑谷に叩きつける。

 

「全力で来いよ!俺のほうが上だからよぉ!!」

 

自尊心の塊。

彼の表現するのにはこの言葉がまさしくといったところであろう。

これまでの彼の人生でできなかったことなどほとんどなかった。

圧倒的なセンス、"個性"、身体能力。

どれをとっても一級品だった。

だからこそ、ここまで挫折などもすることはなく、自分自身こそが正義だと信じて疑わなかったのである。

その自尊心は声の伝わらないモニタールームでも伝わってくるほどだった。

誰かが、爆豪に「コワッ」と声を漏らす。

言ってる内容こそはわからないものの、映像を見ているだけでも今の彼がとてつもなくイラついていることは容易に理解できた。

緑谷は一度身を潜めて、作戦を練り直すために現状を見つめ直す。

爆豪の緑谷狙いの攻撃、逃げた麗日の無視、尖兵として飯田ではなく爆豪がでてきたこと。

それはを交えて緑谷は、現在敵コンビは連係が全く取れていないことを看破する。

飯田と爆豪の2人を相手に麗日と緑谷の正面戦闘では、機動力や火力を取っても間違いなくヒーローコンビのほうが不利なのは安易に分かる。

なんとか、敵コンビを分断して2対1の状況にして核の奪取。

この条件を達成するための作戦を考える。

そのためにはまず、

 

(僕がかっちゃんに勝つことが大前提!)

 

「言い忘れてたけど、かっちゃん!前言撤回だ!」

 

一方、麗日の方はと言うとようやく核と飯田を見つけることに成功していた。

麗日はそれを緑谷に連絡しようと無線機に手を伸ばすも、ふと飯田の動きに目が留まる、

何かをブツブツと言いながら模索しているように見えた。

その様子を観察していると、突然飯田が話し始める。

 

「俺は…至極悪いぞおぉ!」

 

どうやらヴィラン()になりきっているらしい。

その様子がおかしくて、麗日はついつい吹き出してしまう。

それはもちろん大きな音が響くわけであり、飯田(ヴィラン)にも当然見つかってしまう。

さらに飯田曰く、麗日の個性(ゼログラビティ)対策のために部屋の道具をすべて片付けていたのだという。

機動力が上の相手に1対1の上、彼女は事実上の個性封じをされた状況であった。

詰みである。

麗日はすぐさま今の現状を緑谷に伝える。

核の場所、飯田との接敵など必要な情報のみを最小限にして伝える。

場所はいま緑谷がいるあたりのほぼ真上であった。

作戦を伝えようと麗日に連絡を取ろうとするも、

 

「…溜まった。」

 

その声にすぐさま振り返る。

もちろんそこに立っていたのは爆豪だった。

緑谷はすぐさま戦線態勢をとる。

爆豪はそれに対して警戒ではなく、不敵な笑みを浮かべて対峙する。

そして緑谷に話しかけながら右手の籠手いじり始める。

自身の個性は汗腺からリトロのような液体を分泌していること、そしてそれを爆発させていること。

しかし、そんなことは重要ではなかった。

その次に続けた言葉が彼らを体感温度を一気に下がらせる。

 

「要望通りなら…この籠手は、そいつを内部に溜めて…!」

 

「!?爆豪少年ストップだ!!」

 

「殺す気かっ「当たんなきゃ死なねえよ!!!」」

 

オールマイトの静止を振り切って籠手のピンを外すと、射出口から巨大な爆発が正面に向かって放たれる。

通路の大半を埋め尽くすような爆発が緑谷に向かって放たれ、彼はもちろん吹き飛ばされていく。

爆発が直撃した延長線上の壁面は、跡形も残らないほどに粉微塵に変貌を遂げていた。

直撃を何とか避けることのできた緑谷はその破壊力に怯え、恐怖を感じざるを得なかった。

モニタールームにすら届いた振動は、生徒の不安を煽るには十分すぎるものだった。

肝心の爆豪は狂気にも似た笑みを浮かべながらゆっくりと緑谷に近づいていく。

まるで自身の繰り出した技の破壊力に酔いしれているようにも見えた。

 

「全力で来いよ、デク。」

 

狂気的な笑みで語りかける。

 

「全力のてめえを、ねじ伏せる。」

 

突然の建物の揺れに、飯田も焦って爆豪に連絡をするも、爆豪が応答することはなかった。

その隙をついて、麗日が自身を浮かせて核の奪取を試みるも飯田の移動力で核を先に取られてしまい、不発に終わる。

どうやら麗日の方も相当苦戦をしているようだった。

対する爆豪側は、直撃していないのだからまだ動けるだろう、と緑谷に対して煽りを仕掛ける。

だが、肝心の緑谷はすぐさま麗日に連絡を試みる。

その行動が爆豪の怒りにさらに火を付ける。

すぐに攻撃を仕掛けようとするも、爆豪に向けて突然放送が流れてくる。

それは警告だった。

オールマイトが話したのは、建物の大規模破壊がどちらの立場であっても愚策であること、次同様のことをしたら強制終了とすること、そして大幅減点の対象であることを伝える。

すると爆豪は明らかにイラだちを見せながらも、緑谷に向かって飛びかかる。

作戦を麗日に伝えていた緑谷は、爆豪が突っ込んでくることに気づくのが遅れ、対処も明らかな後手に回る。

 

(回避はムリ!魔法も…間に合わない!迎撃しかない!)

 

緑谷は左拳を握りしめてタイミングを見計らう。

 

(……ここ!!)

 

完璧なタイミングで鋭い左ストレートを繰り出すも、爆豪は爆発によって軌道を変えて拳を躱し、背後から爆発を叩き込む。

その高度な技術にモニタールームは驚きを隠せない。

轟と八百万が爆破の大きさの調整や角度など簡単にできる技術ではないことを話すと、生徒達は爆豪の戦闘センスに唖然とする。

そのまま爆豪は大振りの右の攻撃を繰り出すが、緑谷は辛うじて片手でガードをする。

だが、攻撃を受けた直後に不安定なガード、体勢を整えることなどできるわけもなく、そのまま爆豪に右手をつかまれる。

すると爆豪は、空いた左手で爆破を発生させながら加速し、その勢いのまま緑谷を地面に叩きつけた。

先ほどの爆豪への背負投よりも"個性(爆破)"で加速を付けている分緑谷のダメージのほうが大きい。

 

「…ってぇ…!」

 

背中を押さえながら、その痛みに呻く。

うっすらと目を開けるとそこには右手を振り上げて攻撃の姿勢を作っていた爆豪の姿があった。

緑谷はすぐさま、体を起こし回避行動をとる。

爆発が当たることはなく、緑谷は距離を離して爆豪に向けて左手を突き出す。

 

初級氷結呪文(ヒャド)!!」

 

爆豪に向かって直径30cmほどの氷塊を放つ。

爆豪は爆破を器用に扱い、空中にも飛び上がりながら3次元的に回避をする。

回避した爆豪に対して、緑谷は何度も氷結呪文を唱えるもそれが直撃することはなく全て躱されて、距離を詰められる。

完全に躱し切る爆豪に、心の中で悪態をつきながらも魔法を止めて接近戦の構えをとる。

そして師匠のある言葉を思い出す。

 

("魔法使いの戦術"その3、遠距離のみに頼るべからず!)

 

爆豪の蹴りを左手で防ぎ、右拳を突き立てる。

爆豪もその拳を躱して、左手で爆破を発動させる。

姿勢をかがめてその爆破を躱すと、そのままタックルで爆豪の体をとらえる。

大きく後ろに傾き、爆豪が倒れ込む。

モニタールームでもそう判断しかけたその瞬間、爆豪は両の手を後ろに持ってきて爆発を繰り出すと、その勢いで姿勢が戻ってしまう。

それと同時に右ひざで緑谷のことを蹴ると、拘束が緩くなる。

続け様に左手で緑谷の体を引き剥がしながら右手の爆発を緑谷に叩き込み、吹き飛ばす。

緑谷も咄嗟に両腕をクロスさせてガードするも吹き飛ばされて、床に転がる。

そんな様子を見てモニタールームからはこんな声が聞こえてきた。

 

「…緑谷もすげえと思ったけどよお、戦闘能力において、爆豪は間違いなくセンスの塊だぜ。」

 

緑谷も確かに、強かった。

爆豪の動きの先読み、近接戦闘の技力も低いわけではない、遠距離手段にも富んでいる。

だがしかし、現段階において戦闘スキルでは、爆豪のほうが勝っていると言わざるを得ないようだった。

緑谷は両腕の、特に右腕の痛みに顔をしかめながらも再び立ち上がる。

そして痛む右腕を睨みつけながらも、拳を強く握りしめる。

拳はまだ握れる、まだ…戦える!

 

「おい、楽しかったかよ!ガキの頃からよお!」

 

「…違うよ…!」

 

「ガキの頃からずっと、俺を見下してたのかよお!!」

 

爆豪の言葉に対して唇をかみしめる。

違う、違うに決まっているだろと、心のなかで彼に対する言葉がどんどん湧か上がってくる。

決して侮ったり馬鹿にしているわけではなかった、むしろ(緑谷)は…

 

「君がすごい人だから…!」

 

誰よりも(爆豪)の凄さを認めているのだ。

だからこそ、

 

「勝って!越えたいんじゃないか!!バカ野郎ぉぉお!!!」

 

涙ぐみながらも(爆豪)に対して、一切逃げの姿勢を取ろうとしないその様子に爆豪の怒りもピークに達する。

 

「その面やめろや、クソナードー!!!」

 

共に相手に向かって駆け出す。

緑谷は右拳を握りしめ、爆豪は掌から爆破する液体を溜めながら互いに最後の攻撃を繰り出さんと力を絞り出す。

モニタールームではそんな二人の気迫を感じてか、心配の声が続々と上がり、訓練を止めるべきだという意見すらで始めていた。

だが、オールマイトは迷いを見せながらも、止める様子は見せなかった。

 

(爆豪少年は、一応一線を越えないような発言が何度も見られる。みみっちいと言うか…そして、緑谷少年もこれまでのテストや訓練の様子を見ても、一大事となるような火力は持っていない…!)

 

自分の考えをまとめ上げて2人を見守る。

 

「くらえやあ!!!」

 

初級爆裂呪文(イオ)!!!」

 

2人の攻撃が同時に炸裂した。




※今回のあとがきは長くなってしまいます。それが嫌だという場合はこれより先はスルーすることを推奨します。



 ついにお気に入りが100を超えました!!登録してくださった皆様方、そしてこの作品を見てくださっている方々、本当にありがとうございます!まさか、これだけの人たちがこの作品を観てくださるとは思っておらず、本当に感謝しかありません。私自身、 文才はなく、文章を作成するのがそもそも苦手であるため、稚拙な文や文法が崩壊している部分もあるかもしれません。それでも皆様がこうして見てくださっていることがとても嬉しいです。
 これからも、少しでも皆さんが面白いと感じられるような作品を作っていきたいと思いますので、少しでも楽しんでいただければと思います。
 これはわがままになってしまうかもしれませんが、もしよろしければご感想をくださると、作品のモチベーションにもなりますので頂けると幸いです。
 繰り返しにはなりますが、数多くのお気に入り登録、本当にありがとうございました。

長くなりましたが、次回もまたよろしくお願いします。
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